Claude Codeを業務に入れる前に
決める7つのこと
Claude Codeを業務に入れる前に決めるのは、依頼文の型、任せる範囲、許可の段階、確かめ方、記録の残し方、止める基準、人が決めることの7つです。使い方を覚えるより先にこの7つを決めておくと、AIエージェントは速く動き、失敗は小さく済みます。当社はこの7つを、実際に失敗が起きるたびに1つずつ足してきました。この記事では、その失敗と、いまのルールをそのまま書きます。
この記事は、当社が2026年9月〜11月に、Claude Code(ブラウザ操作のClaude in Chrome、Codexとの分担を含む)で実際に行った業務の作業記録と、そのとき社内で受けた指摘・直したルールをもとに書いています。
執筆:佐藤祐介(株式会社LIFRELL代表。業界歴15年、担当500社・300商材以上) 公開・最終更新:2026年11月7日※提携ASP・代理店を含む実績
74件
1日で並行送信したフォーム(11/7)
20本
作業記録から下書きした記事
2日
漫画記事LPの制作(11/4〜11/6)
136本
1日で更新した記事(10/11)
こんな方向け
- これから社内でClaude CodeやAIエージェントを使い始める会社の方
- 生成AI研修は受けたが、業務への入れ方が決まっていない方
- 「AIに任せて事故が起きないか」を社内で説明したい方
- 広告・マーケティングやサイト運営の作業を、AIで速くしたい方
この記事でわかること
- Claude Codeとは何か、チャットのAIと何が違うか
- 業務に入れる前に決める7つのことと、決め方の例
- 当社で実際に起きた失敗(二重送信・課金の超過・推測したメールアドレス・止まった定期実行など)
- 社内ルールのひな形と、研修を選ぶときの見方
- まず今日やること3つ
Claude Codeとは?チャットのAIと何が違うのか
ANSWER
Claude Codeとは、Anthropicが提供するAIエージェントで、指示を受けてファイルを読み、文章やコードを書き、コマンドを実行し、結果を確かめるところまで自分で進めるツールのことです。答えを返すだけのチャットのAIと違い、作業そのものを進めるので、業務に入れる前に「どこまでやらせるか」を決める必要があります。
AIエージェントとは、指示を受けて、自分で手順を考え、道具を使って作業を進めるAIのことです。たとえば「この一覧のサイトの問い合わせフォームに、この文面で掲載のお願いを送って」と頼むと、フォームを探し、文面の社名を差し替え、入力し、送信し、ログに残すところまで進めます。
当社では、Claude Codeにブラウザを操作する拡張機能(Claude in Chrome)を組み合わせて、管理画面を開いて数字を読み、入力し、保存し、公開後のページを確かめるところまで任せています。2026年10月11日には、技術ブログの記事を1日で136本更新しました。11月7日には、比較記事を載せているサイトへの掲載のお願いを、AIエージェント3つを並行で動かして74件送りました。
| 比べる点 | チャットのAI | AIエージェント(Claude Codeなど) |
|---|---|---|
| できること | 質問に答える、文章を出す | ファイル・ブラウザ・コマンドを使って作業を進める |
| 間違えたとき | 読む人がその場で気づける | 送信・保存・公開として、結果が外に残る |
| 人の役割 | 答えを読んで、使うか決める | 任せる範囲と止める線を、先に決めておく |
| 研修で身につけること | 質問の仕方 | 依頼文・許可・確かめ方・記録・止める基準 |
表のとおり、違いは「間違いが外に残るかどうか」です。チャットの答えなら、読んだ人が使わなければ済みます。AIエージェントの作業は、送ったメール、公開した記事、変えた設定として残ります。だから、速さと同じだけ、決めごとが要ります。
業務に入れる前に決める7つのこと(一覧)
ANSWER
決めるのは、①依頼文の型、②任せる範囲、③許可の段階、④確かめ方、⑤記録の残し方、⑥止める基準、⑦人が決めること、の7つです。どれも当社で実際に失敗が起きてから足したもので、1つ欠けるごとに、決まった形の失敗が起きました。

図1のとおり、前半の4つ(依頼文・任せる範囲・許可・確かめ方)は作業を始める前に決めるもの、後半の3つ(記録・止める基準・人が決めること)は作業の途中と終わりに効くものです。それぞれの中身と、決めずに起きたことを表にまとめます。
| 決めること | 最低限決める中身 | 決めずに当社で起きたこと |
|---|---|---|
| ①依頼文 | 決まっている事実・見た目・やらないこと・完了の条件 | 図解8点が全部作り直しに/推測したメールアドレスで営業フォームが送られた |
| ②任せる範囲 | 作業と判断の分け方、並行で動かすときの担当の分け方 | 並行で動かした別の担当が同じ会社に送り、2通届いた可能性 |
| ③許可 | 見る・保存・公開・送信の段階と、その都度の確認 | 「触っていいよ」の範囲の食い違い/定期実行が許可の確認で止まった |
| ④確かめ方 | 公開側で、数字で、まず1件で | 同じ保存方法で18本の記事のCSSが壊れた |
| ⑤記録 | 送信・変更のログ、戻し方、置き場所、受けた指摘 | 変更前の控えが再起動で消えた |
| ⑥止める基準 | お金・取り消せない操作・想定外の結果で止める。決めたことは聞き直さない | 利用枠を超えても止めず、了承のない追加の利用料が発生 |
| ⑦人が決めること | 終わりの条件、意図した状態か、外に出してよいか | 種類分けだけで「約9割は正しい」と報告した |
①依頼文:「決まっていること」と「やらないこと」を書く
ANSWER
依頼文で一番大事なのは、やってほしいことより「決まっていること」と「やらないこと」です。AIは書かれていない部分をそれらしく埋めるので、事実・見た目・禁止事項・完了の条件を先に書きます。
たとえば「広告の記事に入れる図解を8点作って」とだけ頼むと、AIは「きれいな図解」の方向で、書かれていない部分を埋めます。中身が正確でも、雰囲気が違えば使えません。そして雰囲気は、書かなければ伝わりませんでした。
2026年10月:図解8点が、全部作り直しになった
Codexに頼んだ図解8点は、中身はとても正確でしたが、淡い水彩のイラストに細い文字の、雑誌の特集ページのような仕上がりでした。欲しかったのは、スマホで流し読みする人の指を止める記事広告の画像です。原因は、依頼文にトーンを1行も書かなかったことでした。作り直しでは、色コード、文字の大きさと1行の文字数、余白の詰め方、お手本の画像のファイル名を書きました。
2026年9月5日:推測したメールアドレスで、営業フォームが送られた
外注先に渡す送信用の情報を作るとき、返信先にする自社のメールアドレスを、サイトのドメインから「こちらが正しいはず」と推測して書き換えました。手元には、実際に使っていたアドレスの送信記録がありました。推測したアドレスは存在せず、外注先はそのアドレスで営業フォームを送っていました。返信が届かない、という実害です。
2つ目の失敗から決めたのは、事実の扱いです。会社名・住所・電話・メール・URLのような事実は、手元の資料からそのまま書き写します。推測で補いません。資料と食い違う候補があっても勝手に差し替えず、渡す前に「この値でよいか」を1行で確かめます。「予備」として別の案を並べることもやめました。受け取った側は、両方使ってしまうからです。
もう1つ、依頼文の宛先も決めておきます。当社では最初、仕様を「制作会社向けの指示書」として書いていました。でも実際に作業するのはAIで、制作会社はいませんでした。「詳細は別途」「担当者が対応」のような、誰かに任せる書き方は、AIへの依頼文では止まる原因になります。
決め方(例):依頼文に入れる8つの欄
- 依頼:何をするかを1行で。触らないものも1行目に書く(例:HTMLは触らず、画像だけ)
- 保存先:実際のフォルダの場所
- 背景の事実:日付と出典つき。資料から書き写す
- 使ってよい文言・数字:そのまま書き、言い換え・追加・四捨五入をしないと書く
- 見た目:お手本のファイル名、色コード、文字の最小サイズ
- やらないこと:指示にない数字を足さない、実在の画面やロゴを描かない など
- 出力:まず1〜2点だけ作って見せる
- 完了の報告:作ったもの、作らなかったものと理由
依頼文の書き方は、技術ブログのCodexに作業を任せる依頼文の書き方(LIF Tech)に、やり直しになった例と一緒にまとめています。
②任せる範囲:「作業」と「判断」に分ける
ANSWER
任せる範囲は、業務を「作業」と「判断」に分け、作業だけをAIに渡す形で決めます。並行で動かすときは、担当が重ならない単位(会社単位など)で分けます。
11月7日の掲載のお願いでは、送り先の洗い出し、文面の社名の差し替え、フォームの入力と送信をAIに任せました。一方で、その窓口に送ってよいか、画像認証にどう対応するか、有料の掲載に申し込むかは、人が決めると最初に分けました。結果は、送信74件、保留26件、人の操作が必要な画像認証4件、相手サイト側のエラー4件、未送信4件、要確認1件です。
2026年11月7日:1つの会社に、お願いが2通届いた可能性がある
AIエージェント3つを並行で動かしたとき、担当をサイトの一覧で分けていました。ところが、1つの会社が複数のサイトを運営していることがあり、別の担当が同じ会社に送っていました。2通届いた可能性のある先には、返事が来たら一言添えることにしています。いまは、並行で動かすときは会社単位で担当を分けます。
「誰がやるか」も、任せる範囲に入ります。当社では以前、文字と図形だけの図解もCodexに頼んでいました。すると、依頼文を作る、人が貼る、完成の報告を受ける、記事に差し込む、という往復が毎回起き、2026年10月11日に「図解は時間がかかる」と指摘を受けました。いまは、文字と図形だけの図はClaude Codeが作って差し込みまで進め、写真や人物の加工のように画像の生成が要るものだけをCodexに回しています。受け渡しの回数が、範囲を決める物差しになります。
最初に任せる1本は、手順がはっきりしていて、量が多く、結果を数字や画面で確かめられる業務から選びます。フォームからの送信、記事の決まった欄の更新、管理画面の数字の読み取りなどです。判断が中心の業務は、丸ごとは任せません。
③許可:「見る・保存・公開・送信」の段階で分ける
ANSWER
許可は1回で全部出さず、「見る」「下書き・保存」「公開・送信・削除・設定変更」の段階に分けて出します。取り消しにくい操作ほど、その都度の許可にします。

図2のとおり、下の段ほど取り消しやすく、上の段ほど取り消しにくい操作です。当社では「見る」と「下書き」は作業の最初にまとめて許可し、公開・送信・削除・設定の変更は、対象を決めてその都度許可しています。
Claude Codeの公式ドキュメントでは、道具ごとに「許可(allow)」「確認(ask)」「拒否(deny)」のルールを決められ、拒否、確認、許可の順に判定されると説明されています(Configure permissions、2026年11月7日確認)。社内の決めごとを、この設定に写しておくと、言葉の行き違いが減ります。
2026年10月:「触っていいよ」が、どこまでの許可か食い違った
作業の始めに「触っていいよ」と言われ、AIはブラウザを操作する許可と受け取りました。記事は保存の手前まで作り、保存は人がする形で進めていたところ、あとから「保存もやっていい」と言われ、保存まで任せる形に変えました。誤って検索に出ない設定(noindex)になっていた21記事をまとめて直そうとしたときは、自動の安全チェックで止まりました。回り道はせず、人の「全部順番に」という判断を受けて、1記事ずつ直しました。
2026年11月7日朝:定期実行が、許可の確認で止まっていた
外部の記事投稿サービスに下書きした20本の記事を、毎朝1本ずつ公開する定期タスクを組みました。当社の契約では、そのサービスの予約投稿が使えなかったためです。ところが初回の朝、操作の許可を求める確認で止まり、公開されていませんでした。定期実行は人が見ていない時間に動くので、確認を求められると、そこで止まります。1本目は手で公開しました。
定期実行の失敗から決めたのは、2つです。1つは、定期実行で使う操作は、前もって許可を決めておくこと。もう1つは、止まったときの手順をタスクに書いておくことです。当社のタスクには「同じ記事が二重に公開されないように、公開済みかどうかを一覧で確かめてから再試行する」「ログイン画面が出たら操作せずに中止し、報告する」と書いています。
④確かめ方:公開側で、数字で、1件目で
ANSWER
AIの「できました」は、編集画面ではなく公開側の結果を、数字で確かめてから受け取ります。最初の1件で手順を通して確かめ、問題がなければ小さな単位で広げます。

図3の流れでいちばん大事なのは、最初の1件です。まとめて速く進めたいときほど、同じ不具合が件数分そのまま広がるからです。
2026年10月:同じ保存方法で、18本の記事のCSSが壊れていた
古い形式の記事を、新しい編集画面から書き換えて保存したところ、本文のCSSの中に改行の記号が混ざり、表の色付けやよくある質問の構造化データが壊れました。編集画面の見た目は変わらないため、その場では気づけず、同じ方法で保存した18本すべてで起きていました。いまは、保存のたびに公開ページのHTMLを数字で確かめています。
2026年11月2日:全角の「}」1文字で、31ページのデザインが崩れた
会社サイトの表示速度の作業で、別の点検のための設定を正しい目的でONにしたところ、追加のCSSに混ざっていた全角の「}」から後ろが全部効かなくなり、専用デザインの31ページとトップが崩れました。AIは頼まれた目的の範囲では正しく動いても、その外側で起きたことには気づきにくい。いまは、設定を変えたら、専用ページを実画面で確かめるまでを1つの作業にしています。
数字で確かめると、直すときも速くなります。漫画の記事LPを2日で作ったとき(11月4日着手、6日納品、41コマ)、AIが描いた1回目の絵は、24か所の文字が46px未満でした。「小さい」ではなく、測った数字と基準(本文56px以上)で返したところ、2回目の修正で全コマが合格しました。当社が数字で見ている項目の例は、次のとおりです。
- 画面の幅からはみ出している要素が0件か
- 代わりの文字(alt)が空の画像が0件か
- 開いたタグと閉じたタグの数が合っているか
- 修正の前後で、画像や動画の数に意図しない増減がないか
- 本文に「undefined」のような不要な文字がないか
- 一覧の表示件数と、取り出した件数が合っているか
⑤記録:何を・いつ・どう戻すかを残す
ANSWER
記録は、AIが何をいつ変えたか、送ったか、どう戻すかを、作業と同時に残します。あわせて、受けた指摘はルールのファイルに書き足し、次の作業の始めに読ませます。
掲載のお願いでは、送ったら「送信済み(日付)」、送らなかったら保留の理由(営業メールお断りの窓口、閉鎖した記事、同じ運営会社に送信済みなど)を、1件ずつログに残しました。完了画面が出ずに送れたか分からない1件は、再送せずに「要確認」として残しています。ログがあると、二重送信の疑いが出たときも、どこに何を送ったかをすぐにたどれます。
2026年11月3日:変更前の控えが、再起動で消えていた
会社サイトの表示速度の作業で、変更前の控えと作業の素材を、パソコンの一時フォルダに置いていました。再起動でフォルダごと消え、控えも失いました。いまは、素材と控えは消えない場所に置き、画像を差し替えるときは、元のURLと新しいURLの対応表を先に残しています。戻すときは、表のとおりに戻すだけです。
渡すファイルの置き場所も、記録のうちです。2026年10月22日、「いつも言いたいが、どこにファイルがあるかわからない」と指摘を受けました。作業用のフォルダが深すぎたのです。いまは、人が使うファイルはデスクトップ直下に1フォルダを作り、使う順番の番号をファイル名に付けて渡しています。
受けた指摘は、ルールのファイルに残します。Claude Codeの公式ドキュメントでは、CLAUDE.mdは毎回の作業の始めに読み込まれる指示のファイルで、同じ間違いが2回起きたときなどに書き足す場所だと説明されています(How Claude remembers your project、2026年11月7日確認)。当社では、指摘のたびに「起きたこと・理由・次からどうするか」の3つを書き、次の作業から最初に読ませています。いま残っているルールの一部です。
- 決めた方針は聞き直さない。未確認のことは成果物に併記して進める
- 連絡先は推測しない。資料から書き写し、不確かなら渡す前に確認する
- 利用枠を超えた追加の課金をしない。超えたらすぐ止めて確認する
- 点検は理由ごとに全URLを1件ずつ見る。種類分けで止めない
- 文字と図形だけの図解は自分で作って差し込む
- 人に渡すファイルはデスクトップ直下の1フォルダに、番号付きで置く
⑥止める基準:止める線と「止めない線」
ANSWER
止める基準は、お金、取り消せない操作、想定外の結果の3つで決め、当てはまったらAIを止めて人に確認します。反対に、すでに決めた方針は聞き直さないという「止めない線」も決めておかないと、確認待ちで作業が止まります。

図4の左は「止めて人に聞く」場面、右は「聞き直さずに進める」場面です。両方を決めておくと、AIは迷う場面を減らせます。
2026年10月20日:利用枠を超えても止めず、了承のない追加の利用料が出た
利用枠が100%に達したあとも、画像を数百枚読み込んだ状態のサブエージェント(作業の一部を受け持つ別のAI)を、「最後まで終わらせたほうが無駄がない」と判断して動かし続けました。追加の利用料は9.96ドルから45.77ドルに増えました。了承はもらっていませんでした。画像を大量に読んだエージェントは、1手ごとにそれまでの履歴を読み直すので、終盤ほど1手が高くなります。
この失敗から、利用枠が100%に届いた、または追加の課金が見えたら、動いているエージェントをすぐ止めて、続けるかを確認すると決めました。画像を多く読む作業は、1つのエージェントあたりの枚数を分けます。サービス側の設定でも、月の追加の上限を0ドルにし、自動の追加購入をオフにしました。
2026年10月10日:決まった方針を聞き直して、作業を遅らせた
「社内の確認はあとで取る」と決まっていた論点について、作業の途中で確認を取り直し、「あとから確認と言っている、遅い」と指摘を受けました。未確認のことがあるのは、決めた本人が承知のうえです。聞き直しは、確認ではなく遅れでした。
いまは、「あとで確認」と言われたら、確認を待たずに完成まで作り、未確認の点は成果物の注記や申し送りに書いて残します。1枚ずつ承認を取る進め方も、最初の1枚で型が決まったらやめて、残りは一括で出します。止める線は、お金と取り消せない操作と想定外の結果に絞り、それ以外は止めない。この組み合わせで、速さと安全の両方を保っています。
⑦人が決めること:終わりの条件と、出すかどうか
ANSWER
人が最後まで持つのは、「どこまでやったら終わりか」「それは意図した状態か」「外に出してよいか」の3つです。AIは頼まれた範囲で手早くまとめるので、終わりの条件は人が言葉にして渡します。
2026年10月30日:種類分けだけで、点検を終えていた
会社サイトのSearch Console(Googleの検索での状態を見る管理画面)の点検で、未登録のURLを理由ごとに種類分けし、「約9割は正しい」と報告しました。中身のある記事が落ちている「クロール済み・インデックス未登録」の欄は、1件ずつ見ていませんでした。そこには落ちている記事が13本ありました。「見てほしかったのに、言わないとやらないのは良くない」と指摘を受けました。
同じ点検では、noindex(検索に出さない設定)の一覧が326件あったのに、取り出せていたのは306件でした。件数を突き合わせず、「全件確認した」と報告していました。いまは「理由ごとに全URLを、実ページとURL検査まで見て、対応を決めたら終わり」を終わりの条件として渡し、表示の件数と取り出した件数を並べて書かせています。
「意図した状態か」も、人にしか決められません。削除した記事が404になっているのは正しい状態ですが、その記事を意図して消したのかは、運営している側にしか分かりません。そして「外に出してよいか」、つまり送信、公開、誓約、表現の線引きは、会社として責任を持つ判断です。どの場面で人に戻すかの具体的な線引きは、別のコラム「AIエージェントに任せてはいけない仕事」に、12の場面でまとめています。
実際にあった失敗と、いまのルール
ANSWER
当社の失敗は、ほとんどが「画面では正しく見えた」「許可の範囲があいまいだった」「確かめられる記録より推測を優先した」のどれかから起きました。起きた順ではなく、7つの決めごとのどれが欠けていたかで並べます。
| 起きたこと | 欠けていた決めごと | いまのルール |
|---|---|---|
| 推測したメールアドレスで営業フォームが送られた(9/5) | ①依頼文(事実の扱い) | 事実は資料から書き写す。食い違いは渡す前に1行で確認 |
| 図解8点が全部作り直し(10月) | ①依頼文(見た目) | 色コードとお手本の画像を必ず付ける |
| 1つの会社に2通届いた可能性(11/7) | ②任せる範囲 | 並行で動かすときは会社単位で担当を分ける |
| 定期実行が許可の確認で止まった(11/7) | ③許可 | 定期実行の操作は前もって許可を決め、止まったときの手順を書く |
| 18本の記事のCSSが壊れた(10月) | ④確かめ方 | 1件目を公開側のHTMLで確かめてから広げる |
| 変更前の控えが再起動で消えた(11/3) | ⑤記録 | 控えと素材は消えない場所に置き、戻し方の表を先に作る |
| 利用枠を超えても止めず追加の利用料(10/20) | ⑥止める基準 | 枠100%・追加課金が見えたら即停止して確認 |
| 決まった方針を聞き直して遅れた(10/10) | ⑥止める基準(止めない線) | 決めた方針は聞き直さない。未確認は併記して進める |
| 326件のうち306件で「全件確認」と報告(10/30) | ⑦人が決めること | 終わりの条件を言葉で渡し、件数を並べて書かせる |
ブラウザ作業で起きた失敗と対処は、技術ブログのClaudeにブラウザ作業を任せるときの注意点(LIF Tech)に、15の事例として詳しく書いています。
そのまま使える社内ルールのひな形(例)
ANSWER
社内ルールは、業務1本ごとに「任せること・人が決めること・許可・事実の扱い・確かめ方・記録・止める基準・止めない基準」の8行で書くと、7つの決めごとが漏れません。下は書き方を示すための例です。

図5の中身を、そのまま写せる文字でも載せます。【 】の中を、御社の業務に置き換えて使ってください。
- 任せること:例)一覧のサイトの問い合わせフォームを探し、決まった文面の社名を差し替えて送る
- 人が決めること:例)送ってよい窓口か、有料の申し込み、画像認証への対応
- 許可:例)見る・下書き=OK/送信=この一覧の先だけOK/削除・設定変更=しない
- 事実の扱い:例)資料から書き写す。推測で埋めない。確かめられないものは「未確認」と書く
- 確かめ方:例)まず1件。完了画面を確かめる。最後に件数を突き合わせる
- 記録:例)ログに「送信済み(日付)」、送らなかったものは理由も
- 止める基準:例)利用枠の100%、完了画面が出ない、予定外のページ、ログイン・決済の画面
- 止めない基準:例)決めた方針は聞き直さない。未確認は併記して作り切る
書いたルールは、Claude Codeなら作業の始めに読み込まれるファイルに置き、失敗が起きるたびに1行ずつ足していきます。最初から完璧なルールは作れません。当社のルールも、すべて失敗のあとに足したものです。業務ごとの依頼文の例は、AI業務の依頼文・プロンプトテンプレート集(LIF Tech)にもまとめています。
Claude Code研修・生成AI研修を選ぶときに見る5つのこと
ANSWER
研修を選ぶときは、操作の説明で終わらず、自社の業務を1本使って、依頼文・許可・確かめ方・記録・止める基準まで決めるところまで進めるかを見ます。研修のあとに手元に残るものが、使い方のメモではなく「自社のルールと依頼文」になっているかが分かれ目です。
自社の業務を持ち込めるか
用意された練習問題だけでなく、実際の業務を1本使って依頼文を書き、動かすところまでやるか。
講師が自分の失敗を具体的に話せるか
日付や件数つきで、何が起きて、何を決めたかを話せるか。成功例だけの研修は、業務で止まる場面を教えてくれません。
許可と安全の決め方を扱うか
見る・保存・公開・送信の段階、公式の権限の設定、ページの中の指示に従わせないことまで扱うか。
終わったときに、手元に何が残るか
動かした依頼文、社内ルールのファイル、作業ログの形、次に任せる業務の候補が残るか。
契約と情報の扱いを、自社のルールに合わせるか
使うサービスの契約は誰の名義か、どの情報をAIに渡してよいかを、社内のルールに合わせて決めるか。
国も、AIを業務で使う事業者を対象にした指針を出しています。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は、2026年3月31日に第1.2版が公表されました(経済産業省のページ)。社内ルールを作るときは、こうした公的な指針と、使うツールの公式ドキュメントを根拠にすると、社内の説明が通りやすくなります。
よくある質問
Q.Claude Codeは、プログラミングができなくても業務に使えますか?
A.使えます。当社でも依頼は日本語の文章で書き、記事の更新やフォームからの送信、サイトの点検に使っています。最初の設定と許可の段階の決め方だけは、慣れた人と一緒に進めるのがおすすめです。
Q.AIエージェントに最初に任せる業務は、どう選べばいいですか?
A.手順がはっきりしていて、量が多く、結果を数字や画面で確かめられる業務から選びます。判断が中心の業務は丸ごと任せず、判断の前後にある作業だけを任せます。
Q.Claude Codeの許可は、どう決めればいいですか?
A.「見る」「下書き・保存」「公開・送信・削除・設定変更」の段階に分け、取り消しにくい操作ほどその都度確認する形にします。公式の設定では、許可・確認・拒否のルールを決められ、拒否、確認、許可の順に判定されます(2026年11月7日確認)。
Q.AIエージェントの失敗を減らす一番の方法は何ですか?
A.最初の1件で手順を通し、編集画面ではなく公開側の結果を数字で確かめてから広げることです。当社では、これを省いたために、18本の記事で同じ不具合が広がったことがあります。
Q.社内ルールは、どこに書いておけばいいですか?
A.Claude Codeでは、CLAUDE.mdというファイルに書いた指示が、毎回の作業の始めに読み込まれます。当社では、指摘を受けるたびに、起きたこと・理由・次からの決まりをルールのファイルに書き足しています。
Q.研修を受ければ、社内でAIエージェントを使えるようになりますか?
A.操作は覚えられても、依頼文・許可・確かめ方・止める基準が決まっていないと、業務では止まるか事故が起きます。研修は、自社の業務を1本使って、この7つを決めるところまで進めるものを選ぶのがおすすめです。
まとめと、まず今日やること3つ
ANSWER
Claude Codeを業務に入れる前に決めるのは、依頼文、任せる範囲、許可、確かめ方、記録、止める基準、人が決めることの7つです。最初から全部そろえる必要はありません。業務を1本選び、8行のルールから始めて、失敗のたびに1行ずつ足していけば十分です。
AIエージェントは、決めごとがあるほど速く動きます。判断を先に人が済ませておけば、AIは作業に集中でき、確かめ直す手間も減ります。当社の7つの決めごとは、どれも失敗から生まれました。同じ失敗を、御社で繰り返さずに済むように、この記事を書きました。
まず今日やること3つ
任せたい業務を1つ選び、「作業」と「判断」に分けて書き出す
判断の前後にある作業だけを、最初の任せる範囲にします。
その業務の許可を「見る/保存/公開・送信」に分けて、1行で決める
取り消しにくい操作は、その都度の許可にします。
止める基準を3つ書く
お金(利用枠・追加の課金)、取り消せない操作、想定外の結果。あわせて「決めた方針は聞き直さない」も1行足します。
Claude Code・AIエージェントの導入を、業務1本から一緒に
この記事の7つの決めごとを、御社の業務に合わせて一緒に作ります。研修だけでも、導入や運用の伴走まででもお受けします。Chatworkにお困りごとを一言いただければ、代表の佐藤がすぐにヒアリングします。押し売りや営業のお電話はいたしません。
AUTHOR
佐藤祐介株式会社LIFRELL 代表取締役/アドアフィ専門・成果報酬型マーケター
オプト(全社MVP)、電通デジタルを経て、2018年にLIFRELLを設立。業界歴15年、担当500社以上・300商材以上。年間150億円規模のアドアフィ取扱に関わり、月15億円規模の広告費をマネジメント。医薬品・美容・健康食品・家電・デンタル・キッズのメーカー各社の事業側に外部CMOとして入り、数十商材の成果報酬型獲得を同時に運用。育毛剤D2Cでは0件から3か月で月30,000件、3年継続、大型メディア25社と取引。商材企画、オファー設計、LP・BOT、薬機法対応、メディアリクルーティング、計測・不正管理、在庫・与信・CRMまで、獲得の全工程を担当しています。本記事の内容は、当社の作業記録にもとづき、クライアント名・取引先名を伏せた上で、実際に起きた出来事だけを書いています。※提携ASP・代理店を含む実績

