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結婚したくないけど付き合いたい人の心理とは?恋愛と結婚を分けて考える価値観を解説

「好きな人とは付き合いたいけれど、結婚までは考えられない」「恋愛は楽しみたいが、結婚となると重く感じてしまう」このような複雑な気持ちを抱いている人が、現在急激に増加しています。
リクルートブライダル総研の最新調査では、20〜40代の未婚男女のうち「今後も結婚はしたくない」と答えた人が25.6%に達し、2019年以降年々増加傾向にあることが判明しました。一方で恋愛自体を否定するわけではなく、「恋愛と結婚は別物」という価値観が広がっているのです。
筆者はこれまで数多くの婚活・恋愛専門家への取材を重ねてきましたが、この現象は単なる「わがまま」ではなく、現代社会の構造的な変化が生み出した新しい恋愛観であることが見えてきました。本記事では、この心理の背景にある要因や、将来への影響について詳しく解説していきます。

執筆:佐藤祐介
婚活パラダイス運営のLIFRELL代表取締役。自ら婚活や恋愛に関する専門家へインタビュー取材、インタビュー数35名以上、また結婚相談所へのインタビュー、利用者へのインタビューは100本以上実施。専門家から得られた知識を記事に反映しています。

編集:婚活パラダイス編集部
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恋愛したいのに結婚は嫌?現代人の複雑な心理
現代人の恋愛観には、従来では考えられなかった複雑さがあります。「恋愛は楽しみたいが、結婚という制度には束縛感を感じる」「好きな人と一緒にいたいが、法的な責任は負いたくない」といった、一見矛盾するような感情を抱く人が増えているのです。
恋愛と結婚の完全分離化
筆者が専門家に取材する中で印象的だったのは、「現代の若者にとって、恋愛と結婚は全く別のカテゴリーになっている」という指摘でした。従来の「恋愛→交際→結婚」という流れではなく、「恋愛は恋愛として楽しむもの」「結婚は人生設計の一部」として完全に切り離して考える傾向が強まっています。
この背景には、個人主義の浸透と価値観の多様化があります。「必ずしも結婚する必要はない」という考えが社会に浸透したことで、恋愛に対するプレッシャーが軽減された一方、結婚に対してはより慎重になる人が増えているのです。
自由を手放したくない現代人
多くの専門家が指摘するのが、現代人の「自由への強い執着」です。経済的自立を果たした女性、趣味や友人関係を大切にする男性が増える中で、「結婚によってこれらを失いたくない」という気持ちが強くなっています。
特に都市部では、一人暮らしの快適さや自分のペースで生活できる環境に慣れてしまい、誰かと生活を共にすることへの抵抗感が生まれやすい傾向があります。
データが語る恋愛観の大転換点
20代の恋愛観に起きた劇的変化
リクルートブライダル総研の継続調査から見える変化は衝撃的です。
「結婚を意識する相手としか付き合わない」という回答の変化
- 20代男性:2017年23.7% → 2023年34.6%(+10.9ポイント)
- 20代女性:2017年37.7% → 2023年44.3%(+6.6ポイント)
「恋愛は時間とお金の無駄である」という回答の変化
- 20代女性:2017年12.2% → 2023年19.4%(+7.2ポイント)
- 20代男性:2017年17.4% → 2023年23.7%(+6.3ポイント)
この数字は一見矛盾しているように見えます。結婚を意識する人は増えているのに、恋愛を無駄と考える人も増えている。しかし、これこそが現代の恋愛観の特徴を表しています。つまり、「恋愛するなら結婚前提で効率よく」または「恋愛自体をしない」という二極化が進んでいるのです。
Z世代の衝撃的な恋愛観
SHIBUYA109 lab.が実施したZ世代(15〜24歳)への調査では、さらに興味深い結果が出ています。
- 「恋愛は人生に不可欠」と答えた人:わずか12.8%
- 現在恋人がいる人:約20%
- 日常で大事にしていること1位:友達との遊び(55.3%)
- 恋愛・結婚の優先度:6位(29.3%)
筆者は複数の若年層研究者から話を聞きましたが、「恋愛よりも友人関係や趣味を重視する傾向は今後さらに強まるだろう」という見解が共通していました。
「結婚したくない」の裏にある本当の理由
経済的不安が最大の要因
内閣府の調査によると、結婚したくない理由として最も多く挙げられるのが経済的な問題です。具体的には以下のような不安があります。
住宅費用への不安 現在の住宅価格高騰により、夫婦で住める広さの住居を確保することへの経済的プレッシャーが大きくなっています。特に都市部では、結婚後の住居費が独身時代の2倍以上になるケースも珍しくありません。
教育費への懸念 文部科学省のデータによると、子ども一人当たりの教育費は年々増加傾向にあり、大学卒業まで平均で約1,000万円が必要とされています。この現実を知った若い世代が、子育てを伴う結婚に二の足を踏むのは自然な反応といえるでしょう。
過去の経験から生まれる結婚への不信
筆者の取材で印象的だったのは、「両親の不仲を見て育った人ほど、結婚に対して慎重になる」という専門家の指摘です。離婚率の高さや、周囲の不幸な結婚生活を目の当たりにすることで、結婚というシステム自体への信頼が揺らいでいる人が増えています。
特に両親が離婚している男性は、結婚願望が平均より6ポイント低いというデータもあり、幼少期の体験が成人後の価値観に大きな影響を与えていることがわかります。
現代社会の制度への疑問
多くの専門家が指摘するのが、「現在の結婚制度が現代人のライフスタイルに合わなくなっている」という問題です。共働きが当たり前になった現代において、税制や社会保障制度が従来の「夫が働き、妻が専業主婦」というモデルを前提としていることへの違和感が広がっています。
男性と女性で全く違う結婚への不安
男性の結婚への不安:責任への重圧
経済的責任への恐れ
男性が結婚を躊躇する最大の理由は「金銭的に余裕がなくなる」(42.5%)です。これは単なる生活費の問題ではなく、「家族を養う」という社会的プレッシャーへの恐れが大きく影響しています。
筆者が男性専門の婚活カウンセラーに取材した際、「年収400万円未満の男性は、結婚への自信を持てないケースが多い」という話を聞きました。社会が男性に求める「経済力」というハードルが、結婚への意欲を削いでいる現実があります。
自由時間の確保への懸念
男性の場合、趣味や友人関係を重視する人が多く、結婚によってこれらの時間が制限されることへの不安が強い傾向があります。特に休日の過ごし方や、友人との付き合い方が変わることへの抵抗感が見られます。
女性の結婚への不安:自立と制約のジレンマ
キャリアへの影響
女性が結婚を躊躇する最大の理由は「行動や生き方が制限される」(40.5%)です。これは特にキャリアを積んできた女性に顕著で、結婚後の働き方や昇進への影響を懸念する声が多く聞かれます。
家事・育児負担への不安
日本の女性の家事・育児時間は男性の約7倍となっており、この不平等な分担への不安が結婚離れを加速させています。筆者が女性の働き方研究者に取材した際も、「家事分担の不平等は結婚の最大の障壁」という指摘がありました。
経済的自立の維持
現代女性の多くが経済的自立を果たしており、結婚によってこの自立性が損なわれることへの懸念があります。特に専業主婦になることへの抵抗感は強く、「自分で稼いだお金を自由に使えなくなる」という不安を抱く人が増えています。
年代別で見える価値観の変化パターン
20代:理想主義と現実逃避の共存
20代の特徴は、恋愛に対する理想と結婚に対する現実逃避が同時に存在することです。「運命の人がいれば結婚したい」と考える一方で、「今は結婚のことは考えたくない」という矛盾した感情を抱えています。
SHIBUYA109 lab.の調査では、20代の16.3%が「絶対に結婚したい」と答える一方、18.8%が「結婚願望はない」と回答しており、価値観の二極化が進んでいることがわかります。
30代:現実と向き合う転換期
30代になると、20代の漠然とした不安が具体的な現実として立ちはだかります。特に女性の場合、妊娠・出産への身体的なタイムリミットを意識し始めることで、恋愛と結婚への考え方が大きく変化します。
興味深いのは、30代女性の23.6%が「恋愛は時間とお金の無駄」と答えており(前回調査から12.8ポイント増)、効率性を重視する傾向が20代よりも強くなっていることです。
40代:選択への確信
40代では、結婚するかしないかの選択について、ある程度の確信を持つ人が増えます。これまでの人生経験を踏まえ、「結婚しない人生も悪くない」または「今からでも結婚したい」という明確な意思を持つようになります。
この価値観って危険?将来への深刻な影響
少子化問題の加速
「結婚したくないけど付き合いたい」という価値観の広がりは、日本の少子化問題をさらに深刻化させる可能性があります。厚生労働省の統計によると、2023年の出生数は約75万人と過去最少を記録しており、この傾向が続けば社会保障制度の維持が困難になる恐れがあります。
筆者が人口問題の専門家に取材した際、「恋愛と結婚の分離は、個人の幸福追求としては理解できるが、社会全体で見ると持続可能性に疑問がある」という指摘がありました。
経済への長期的影響
結婚しない人の増加は、経済にも大きな影響を与えます。住宅市場では単身者向け物件の需要が高まる一方、ファミリー向け商品やサービスの市場は縮小傾向にあります。また、将来的には高齢者の単身世帯が急増し、介護や医療の分野で新たな社会問題が生まれる可能性があります。
個人レベルでのリスク
経済的リスク
単身世帯は夫婦世帯と比較して一人当たりの生活コストが高くなりがちです。特に高齢期において、医療費や介護費用を一人で負担する必要があり、経済的な不安が大きくなる可能性があります。
社会的孤立のリスク
パートナーがいない生活が長期間続くことで、社会的なつながりが希薄になるリスクがあります。特にコロナ禍で明らかになったように、一人暮らしの人ほど孤立しやすく、精神的な健康に影響を与える可能性があります。
パートナーがこの気持ちを持つ時の対処法
相手の気持ちを理解する姿勢
パートナーが「結婚したくないけど付き合いたい」という気持ちを持っている場合、まず大切なのは相手の価値観を否定しないことです。筆者が複数の夫婦カウンセラーに取材した中で共通していたのは、「価値観の違いを受け入れることから対話が始まる」という考えでした。
建設的な対話の進め方
感情論を避ける
「みんな結婚しているのに」「普通は結婚するものでしょ」といった感情的な議論は逆効果です。相手の不安や懸念を具体的に聞き出し、論理的に話し合うことが重要です。
将来のビジョンを共有する
お互いの5年後、10年後のビジョンを具体的に話し合い、どこに共通点があるのかを探ることが大切です。結婚という形にこだわらず、どのような関係性を築いていきたいかを話し合うことで、新たな解決策が見えてくる場合があります。
代替案の検討
事実婚という選択肢
法的な婚姻関係を結ばない事実婚も一つの選択肢です。2020年の国勢調査によると、事実婚世帯は推計20.5万世帯存在しており、法的な制約を嫌う人にとっては有効な選択肢となっています。
パートナーシップ制度の活用
459の自治体がパートナーシップ制度を導入しており、登録件数は7,351組に上ります。結婚制度に縛られたくない人にとって、新たな関係性の証明手段として注目されています。
期限設定の重要性
曖昧な関係を無期限に続けることは、お互いにとって良い結果をもたらしません。筆者が恋愛コンサルタントに取材した際、「期限を設定しない関係は必ず破綻する」という指摘がありました。
具体的には以下のような期限設定を検討することが重要です。
- 「○歳までに将来について結論を出す」
- 「交際○年で関係性について正式に話し合う」
- 「○年以内に同棲を開始するかどうか決める」
結婚できない人生になる?リスクと現実
「結婚したくない」が「結婚できない」に変わるリスク
「結婚したくないけど付き合いたい」という気持ちを長期間持ち続けることで、気づいた時には「結婚したくてもできない」状況に陥る可能性があります。特に以下のようなリスクが考えられます。
年齢による出会いの減少
婚活市場では年齢が重要な要素となるため、結婚を意識し始めた時には選択肢が大幅に減っている可能性があります。特に女性の場合、30代後半になると婚活の難易度が急激に上がることが統計的に示されています。
価値観の固定化
長期間独身生活を続けることで、他人との共同生活への適応能力が低下する可能性があります。筆者が婚活カウンセラーに取材した際、「40代以降の婚活では、価値観の固定化が最大の障壁になる」という指摘がありました。
生涯未婚率の現実
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2030年には男性の生涯未婚率が約30%、女性は約23%に達すると予想されています。この数字は、現在「結婚したくない」と考えている人の一部が、将来的に後悔する可能性を示唆しています。
周囲からの圧力と孤立
年齢を重ねるにつれて、結婚しない選択に対する周囲からの圧力や理解のなさに悩まされる可能性があります。特に親世代との価値観の違いから生まれる家族関係の悪化や、既婚の友人との疎遠化などが起こる場合があります。
自分の気持ちを整理する具体的方法
価値観の明確化
現在の気持ちの棚卸し
まず、なぜ結婚したくないのか、恋愛に何を求めているのかを具体的に書き出してみることが重要です。漠然とした不安を可視化することで、問題の核心が見えてくることがあります。
理想の関係性の定義
どのような関係を築きたいのか、パートナーに求めるものは何かを明確にすることで、結婚以外の選択肢も見えてきます。
将来設計の具体化
ライフプランの作成
5年後、10年後、20年後の自分をイメージし、そこに至るまでの具体的なプランを作成することが大切です。その中で、パートナーの存在がどのような意味を持つのかを考えてみましょう。
経済面の検討
結婚した場合としない場合の経済状況をシミュレーションし、どちらが自分にとってメリットがあるのかを客観的に判断することも重要です。
専門家への相談
自分一人では解決できない場合は、専門家への相談を検討することをお勧めします。心理カウンセラーや恋愛コンサルタント、結婚相談所のカウンセラーなど、様々な選択肢があります。
筆者は多くの専門家を取材してきましたが、第三者の客観的な視点を得ることで、自分では気づかなかった価値観や可能性を発見できることが多いと感じています。
まとめ:多様化する恋愛観の中で自分らしい選択を
「結婚したくないけど付き合いたい」という気持ちは、現代社会において決して珍しいものではありません。価値観の多様化により、恋愛と結婚を切り離して考える人が増えており、これは社会の自然な変化の一部といえるでしょう。
しかし、この選択には将来的なリスクも伴います。少子化問題への影響、個人レベルでの経済的・社会的リスク、そして何より「気づいた時には選択肢がなくなっている」可能性を十分に理解した上で、慎重に判断することが重要です。
筆者がこれまでの取材を通じて感じるのは、どのような選択をするにしても、「自分の価値観を明確にし、その選択に責任を持つ」ことの大切さです。結婚するかしないか、どのような関係性を築くかは個人の自由ですが、その選択が将来の自分や社会に与える影響についても考慮に入れる必要があります。
もし現在の関係に悩んでいる、または新しい出会いを求めている場合は、マッチングアプリや結婚相談所などのサービスを活用することも一つの方法です。自分の価値観に合った相手と出会える可能性が高まるでしょう。
大切なのは、恋愛や結婚に「正解」はないということです。社会の変化とともに多様化する価値観の中で、自分らしい幸せの形を見つけることが何より重要なのです。
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