結婚相談所はやめとけ？向かない人の特徴と隠された現実

婚活を始めようと検討した時、結婚相談所について調べると「やめとけ」「おすすめしない」という声を目にすることがあります。確かに結婚相談所は効率的な婚活手段である一方、人によっては大きな負担となるケースも少なくありません。

筆者はこれまで数多くの婚活・恋愛専門家への取材を重ねてきましたが、その中で見えてきたのは「結婚相談所は万人に向くサービスではない」という現実です。高額な費用や厳格なルール、時間的制約など、入会前に知っておくべき問題点が存在します。

この記事では、結婚相談所が向かない人の具体的な特徴と、なぜ「やめとけ」と言われるのかの真実について詳しく解説します。自分に最適な婚活方法を見つけるための参考にしてください。

結婚相談所の現実的な問題点とは

重い経済負担が最大のハードル

結婚相談所を利用する際の費用負担は、多くの人にとって大きなハードルとなります。

費用項目	相場金額	備考
入会金・初期費用	10～30万円	登録料、プロフィール作成費含む
月会費	1～3万円	カウンセラーサポート費込み
お見合い料	0～1万円/回	相談所により異なる
成婚料	20～30万円	退会時に支払う成果報酬
年間総額	30～60万円	活動期間により変動

厚生労働省の人口動態調査によると、2023年の婚姻件数は約49万組となっており、日本結婚相手紹介サービス協議会（JMIC）の発表では、結婚相談所を通じた成婚数は年間約35,000組と全体の約7%に留まっています。

これは投資した費用に対して必ずしも結果が保証されているわけではないことを示しています。筆者が取材した婚活専門家の話では、「経済的余裕がない状態で無理に入会しても、費用への不安が婚活そのものに悪影響を与える」という指摘もありました。

さらに問題となるのは、入会金だけでなく活動期間中の継続的な支出です。お見合いが成立しなくても月会費は発生し続け、成婚に至らずに退会する場合でも入会金の返金はありません。特に地方在住者の場合、都市部まで交通費をかけてお見合いに向かうケースも多く、表面的な料金以外にもコストがかさむ現実があります。

また、結婚相談所では男性の年収400万円以上などの入会基準が設けられている場合が多く、収入証明書の提出も必須となります。これにより、経済的に不安定な状況にある人は、そもそも入会の段階で門前払いを受ける可能性も高いのです。

生活を縛る厳格なルール

結婚相談所には、他の婚活手段にはない厳格なルールが存在します。

主要なルール例

• お見合いの無断キャンセル禁止（違約金が発生）
• 真剣交際中の他者との交際禁止
• 婚前交渉の禁止
• 結婚相談所を介さない連絡先交換の禁止
• 交際期間の制限（通常3～6ヶ月）

これらのルールは安心・安全な婚活環境を作るためのものですが、自由な恋愛を望む人にとっては窮屈に感じられることも事実です。

こんな人は結婚相談所を避けるべき

1. 経済的余裕がない人

結婚相談所では入会の際に収入証明書の提出が必要で、男性の場合は一定の収入基準を満たす必要があります。収入が不安定だったり平均賃金と比較して所得が低すぎる人は、そもそも入会を断られることもあります。

また、活動期間中も継続的な費用負担が発生するため、月々の支払いが生活を圧迫する状況では、婚活に集中することが困難になります。

筆者の取材では、「貯金を切り崩してまで結婚相談所に入会したが、金銭的なプレッシャーで婚活どころではなくなった」という事例も聞かれました。結婚相談所は確かに効率的な婚活手段ですが、経済的に無理をしてまで利用するものではありません。

特に問題となるのは、入会時に支払う初期費用の高さです。多くの結婚相談所では一括での支払いを求められ、分割払いに対応していないケースも少なくありません。さらに、成婚料は結果が出た時に支払う成功報酬のため、婚活が長期化すれば月会費だけが積み重なっていく構造になっています。

2. 結婚への意思が曖昧な人

結婚相談所は「結婚相手を見つける場所」であり、恋愛を楽しみたい人や交際相手を探している人には向いていません。

• 短期間での結婚決断が求められる
• 恋愛感情よりも条件面での相性が重視される
• 交際期間に明確な制限がある

「まずは恋人が欲しい」「時間をかけて関係を築きたい」という考えの人は、他の婚活方法を検討した方が良いでしょう。

結婚相談所では、通常3～6ヶ月程度の交際期間で結婚の意思を固める必要があります。これは一般的な恋愛のプロセスと大きく異なり、「好きになってから交際する」のではなく「交際してから好きになる」という順序になります。このスタイルに違和感を感じる人には、結婚相談所での婚活は向いていません。

また、結婚相談所ではお見合いから交際、結婚まで一定のルールやプロセスが存在します。自然な出会いや恋愛を重視する人にとっては、これらのシステマティックなアプローチが機械的に感じられることもあるでしょう。

3. 時間的制約が厳しい人

結婚相談所での活動には、想像以上に多くの時間が必要です。

定期的に必要な活動

• カウンセラーとの面談（月1～2回）
• お見合いの実施（平均月2～3回）
• 交際相手とのデート
• プロフィール更新や書類手続き

仕事が忙しすぎて定期的な時間確保が困難な人は、活動が思うように進まない可能性があります。

特に問題となるのは、お見合いの日程調整です。多くの結婚相談所では平日夜間や土日祝日にお見合いが設定されますが、残業が多い職種や土日出勤がある業界で働く人は、スケジュール調整が困難になりがちです。

筆者が取材した婚活カウンセラーによると、「活動が中途半端になるくらいなら、仕事が落ち着いてから本格的に婚活を始めた方が効率的」とのアドバイスもありました。結婚相談所は短期集中での活動が前提となっているため、時間的余裕がない状況での入会はおすすめできません。

さらに、交際が始まれば相手との時間も確保する必要があります。結婚相談所では交際期間に制限があるため、限られた時間の中で相手との相性を見極めなければなりません。この点も、多忙な人にとっては大きな負担となります。

4. プライバシーを重視する人

結婚相談所では、プライバシーに関わる詳細な情報開示が必要です。

提出必須書類	内容
独身証明書	役所発行の未婚証明
収入証明書	源泉徴収票等
学歴証明書	卒業証明書等
住民票	現住所の確認
職業証明書	在籍証明等

これらの情報はプロフィールとして他の会員に公開され、カウンセラーとも詳細な交際状況を共有する必要があります。

さらに、お見合い後には必ずフィードバックの報告が求められ、交際中も定期的に進捗状況をカウンセラーに伝える必要があります。「どのような話をしたか」「相手に対してどう感じたか」「次回のデートの予定はあるか」など、プライベートな内容まで詳細に共有することになります。

筆者が取材した中では、「他人に恋愛の詳細を話すのが恥ずかしくて、本音を言えなかった」という声もありました。カウンセラーのサポートを最大限活用するには、オープンなコミュニケーションが不可欠ですが、プライバシーを重視する人にとっては大きなストレスとなる場合があります。

5. 理想が現実とかけ離れている人

条件を絞りすぎると、出会いのチャンスを自ら狭める結果となります。

非現実的な条件の例▼

• 年収1000万円以上の男性（全体の約4%）
• 20代前半の美女（30代後半男性の希望）
• 高学歴・高収入・高身長の三高男性

筆者が取材した婚活カウンセラーによると、「理想を下げることではなく、相手に求める条件の優先順位を明確にすることが重要」とのことです。

結婚相談所では、希望条件を細かく設定してお相手を検索するシステムが一般的です。しかし、条件を厳しく設定しすぎると、該当する相手が極端に少なくなったり、全くいなくなったりする場合があります。

例えば、30代後半の女性が「年上の高収入男性で、初婚限定」という条件を設定した場合、該当する男性の多くは20代女性を希望する傾向があるため、マッチングの可能性が大幅に下がります。

また、外見に関する理想が高すぎる場合も問題となります。結婚相談所では写真での第一印象が重要な要素となりますが、容姿端麗な会員には申込みが集中するため、競争率が非常に高くなります。

重要なのは、結婚後の生活を具体的にイメージして、本当に必要な条件を見極めることです。一時的な感情や世間体を重視しすぎると、本来相性の良い相手を見逃してしまう可能性があります。

6. 自分のペースを重視する人

結婚相談所では、カウンセラーからの定期的なアドバイスや進捗確認があります。

• 月1回以上の面談が必須
• お見合い後のフィードバック報告
• 交際状況の詳細な共有

「自分のペースで婚活したい」「他人からの干渉を受けたくない」という人には、サポートがかえって負担となる可能性があります。

特に、お見合い後は48時間以内に意思表示をする必要があり、じっくり考える時間が限られています。また、交際中も「次のステップに進むタイミング」「相手への気持ちの変化」など、カウンセラーから定期的に確認されるため、プレッシャーを感じる人も少なくありません。

筆者の取材では、「カウンセラーからの連絡が頻繁で、婚活がストレスになった」という声も聞かれました。サポートを受けながら効率的に婚活を進めたい人には有効ですが、自分のペースを大切にしたい人には向いていない環境と言えるでしょう。

結婚相談所はやばい？気になる疑問を検証

本当に出会えない？データで見る現実

IBJ（日本結婚相談所連盟）の公開データによると、2025年1月時点で約9.8万名が登録しており、月間お見合い成立数は8万件を超えています。

一方で、すべての会員が理想の相手と出会えているわけではありません。特に以下の条件に該当する人は、出会いの機会が限られる傾向があります。

• 年齢が高い（40代後半以上）
• 希望条件が厳しすぎる
• プロフィールに魅力が不足している

実際のお見合い申込状況を見ると、人気会員への申込みが集中する傾向があります。男性の場合、年収600万円以上で20～30代の会員に申込みが集中し、女性の場合は20代で容姿端麗な会員が圧倒的に人気となります。

筆者が取材した結婚相談所の運営者によると、「全体の2割程度の人気会員に、申込みの8割が集中する」という現実があります。つまり、大多数の会員は思うように申込みを受けられない状況が続いているのです。

また、地方在住者の場合はさらに選択肢が限られます。結婚相談所の会員は都市部に集中しているため、地方在住者は対象となる相手が少なく、出会いの機会も制限されます。交通費をかけて都市部まで出向く必要があることも、活動の負担を増大させる要因となっています。

年齢による影響も深刻です。特に女性の場合、35歳を境に申込み数が急激に減少し、40代になると更に厳しい状況となります。男性も40代後半以降は、同年代や年下女性からの申込みが大幅に減少する傾向があります。

結婚できない人が多いって本当？

結婚相談所の成婚率は、各社の算出方法により大きく異なりますが、一般的に20～30%程度とされています。これは決して高い数字とは言えません。

成婚に至らない主な理由▼

• 希望条件と現実のギャップ
• コミュニケーション能力の不足
• 活動期間の短さ
• カウンセラーとの相性の悪さ

重要なのは、成婚率の定義が結婚相談所によって異なることです。「交際開始」を成婚とカウントする場合もあれば、「婚約」「結婚式」まで求める場合もあります。また、計算方法も「一定期間の入会者に対する成婚者の割合」と「全退会者に対する成婚退会者の割合」では大きく数字が変わります。

筆者の取材では、実際に結婚まで至る確率は公表されている成婚率よりも低い可能性が指摘されています。なぜなら、結婚相談所での「成婚退会」後に破談となるケースや、結婚後に離婚するケースも存在するからです。

また、活動期間も重要な要素です。短期間で成婚する人がいる一方で、2年以上活動を続けても相手が見つからない人も珍しくありません。長期間活動すればその分費用もかさみ、精神的な負担も大きくなります。

年齢や条件によっても成婚率は大きく変わります。20代女性や高収入男性の成婚率は比較的高い一方で、40代以上や条件に制約がある人の成婚率は平均を大幅に下回る傾向があります。

料金が高すぎるのは本当にやばい？

リクルートブライダル総研の調査によると、2022年における婚活サービス利用による結婚では、婚活サイト(44.0%)、結婚相談所(38.5%)の順となっており、費用対効果を考えると必ずしも結婚相談所が最優先の選択肢とは言えない状況です。

他の婚活手段との年間費用比較▼

婚活方法	年間費用	成婚率の目安
マッチングアプリ	3～6万円	10～15%（推定）
婚活パーティー	6～12万円	5～10%（推定）
結婚相談所	30～60万円	20～30%

結婚相談所の料金が高額な理由は、人件費とサポート体制にあります。専任カウンセラーの人件費、店舗運営費、システム維持費などが料金に反映されているためです。しかし、筆者が取材した中では「高い料金を支払ったにも関わらず、期待していたサポートを受けられなかった」という不満の声も多く聞かれました。

特に問題となるのは、入会時の初期費用の高さです。多くの人にとって10～30万円の初期費用は大きな負担となり、この時点で諦めざるを得ない人も少なくありません。また、成婚料は結果が出た時に支払う仕組みのため、長期間活動しても成婚に至らなければ、月会費だけが積み重なっていく構造になっています。

さらに、追加オプション料金も問題です。プロフィール写真撮影、ファッションコーディネート、お見合い後のフィードバック詳細など、基本料金に含まれていないサービスを利用すると、さらに費用がかさむ場合があります。

結婚相談所の料金体系は複雑で、比較が困難な場合も多いのが現実です。表面的な料金だけでなく、実際にかかる総額を事前に確認することが重要ですが、多くの人がこの点を見落としがちです。

なぜ「結婚相談所 やめとけ」と言われるのか

過度な期待と現実のギャップ

結婚相談所に対する過度な期待が、後の失望につながるケースが多く見られます。

よくある誤解▼

• 入会すれば必ず理想の相手と出会える
• 短期間で確実に結婚できる
• カウンセラーが全てを解決してくれる

実際には、結婚相談所も一つの「出会いの場」に過ぎず、最終的な成功は本人の努力や相性に大きく依存します。

カウンセラーの質にばらつき

筆者の取材では、「カウンセラーの当たり外れが大きい」という声が多く聞かれました。

問題のあるカウンセラーの特徴▼

• 一般的すぎて役に立たないアドバイス
• 会員の個性や状況に配慮しない対応
• 明らかに営業優先の姿勢
• 経験不足による不適切な助言

古いイメージの残存

「結婚相談所＝結婚できない人の最後の砦」という古い印象が根強く残っています。しかし、近年は20代～30代の利用者も増加しており、実態は大きく変化しています。

読売新聞（2024年7月17日）の報道によると、「結婚相談所の利用層が若い世代にも広がっている。これまで40歳前後が中心だったが、マッチングアプリで苦い経験をした20歳代が、プロの手を借りたいと入会するケースが増えている」とされています。

結婚相談所が向いている人の特徴

一方で、以下のような人には結婚相談所が適している場合があります。

経済的・時間的余裕がある人

年間50万円程度の費用負担を問題なく支払え、定期的な活動時間を確保できる人は、結婚相談所のメリットを最大限活用できます。

結婚への意思が明確な人

「1年以内に結婚したい」「結婚前提の交際しか興味がない」という明確な目標を持つ人には効率的な選択肢となります。

プロのサポートを求める人

• 恋愛経験が少ない
• 自分に合う相手がわからない
• 客観的なアドバイスが欲しい

このような悩みを持つ人には、カウンセラーのサポートが有効に働く可能性があります。

代替となる婚活方法

マッチングアプリ

メリット

• 月額3,000～5,000円と低コスト
• 豊富な会員数（数十万人規模）
• 自分のペースで活動可能
• 地理的制約が少ない

デメリット

• 身元確認が限定的
• 既婚者や遊び目的の混在
• 自然消滅しやすい

婚活パーティー・イベント

メリット

• 直接会って話せる
• 1回3,000～5,000円で参加可能
• 多様なテーマ設定（年齢別、職業別等）

デメリット

• 競争率が高い
• 希望条件の細かい設定が困難
• 短時間での判断が必要

オンライン結婚相談所

従来の店舗型より費用を抑えた選択肢です。

サービス名	月会費
エン婚活エージェント	14,300円
naco-do	14,200円

自然な出会い

• 職場での出会い
• 友人・知人の紹介
• 趣味・習い事でのつながり
• 社会人サークルやボランティア活動

私は、多くの婚活専門家への取材を通じて感じることは、「最適な婚活方法は人によって大きく異なる」ということです。結婚相談所が向いている人もいれば、まったく合わない人もいます。

まとめ：自分に合った婚活スタイルを見つけよう

結婚相談所が「やめとけ」と言われる理由は、以下の現実的な問題にあります。

主な問題点

• 年間30～60万円の高額な費用負担
• 厳格なルールによる行動制限
• 時間的制約の多さ
• プライバシーの詳細な開示が必要
• カウンセラーの質にばらつき

向かない人の特徴

• 経済的余裕がない
• 結婚への意思が曖昧
• 自由な恋愛を重視する
• 時間的制約が厳しい
• プライバシーを重視する
• 理想が現実とかけ離れている

重要なのは、結婚相談所が唯一の婚活手段ではないということです。マッチングアプリ、婚活パーティー、オンライン結婚相談所、自然な出会いなど、多様な選択肢が存在します。

自分の価値観、経済状況、ライフスタイルに合った方法を選択することが、婚活成功への第一歩となります。無理に高額な費用を支払って結婚相談所に入会するよりも、自分らしく続けられる方法で婚活を進めることをおすすめします。

婚活は人生の重要な選択です。周りの意見に惑わされず、自分にとって最適な方法を見つけて、理想のパートナーとの出会いを実現してください。