婚活中の女性が言う「普通の男性」の条件 とは |「普通」は高望み？

結婚相談所で婚活を始めたり、マッチングアプリで結婚相手を探している方から、「特別なスペックの高い男性でなくていい、普通の男性と結婚できれば十分です」という声をよく聞きます。ただ残念ながら、その「普通の男性」とマッチングできずに悩んでいる方も多いようです。

実は、女性が考える「普通の男性」と出会い、結婚するのは意外と難しいのです。女性たちは自分が望んでいるのは普通の男性だと思っているので、出会いに恵まれないのは使っているマッチングアプリや結婚相談所のせいだと考え、いろいろなアプリを試したり相談所を変えたりする方も多くいます。しかし、そうしてもなかなか良い出会いに巡り会えないというのが現実です。

今回は、婚活女性の言う「普通の男性」が実際にはどれくらい高望みなのかについてお話しします。また、なぜその高望みをあきらめられないのか、その心理状態についても触れていきたいと思います。

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婚活中の女性が望む「普通の男性」の条件

婚活中の女性が求める「普通の男性」とは、実際にどんな人たちなのでしょうか。多くの人が思い描く「普通」のイメージについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

同年代

この条件は、20代を除いて婚活では少し難しい要望になることがあります。

まず、真剣な婚活の場では、一般的に男性より女性の会員が多いことが知られています。特に30代前半では、子育てを意識して婚活を始める女性が急増する一方で、男性はそれほど増加しません。

なぜなら、結婚したいと考える男性の多くは、20代のうちにパートナーを見つけて結婚しているからです。一方、結婚をあまり考えていない男性は、30代前半ではまだ結婚を意識するきっかけが少ないのが現状です。

20代であれば、同世代との恋愛から結婚に至るのは珍しくありません。しかし、30代以上の男性になると、子供を持ちたいという思いから、年下の女性、例えば20代女性や30代前半の女性を選ぶ傾向が強くなります。

そのため、30代以上の方が同世代とマッチングすることを目指すのは、少し難しい要望になる可能性があります。

年収500万円以上

婚活中の女性が求める「普通の男性」の条件として、年収500万円以上というのがよく挙げられます。これは、子供を1人から2人持ち、妻が専業主婦でも何とか生活できるラインとされています。出産後、女性は働き方を変える必要が出てきたり、場合によっては仕事を辞めることもあるため、そういった状況でも暮らせる年収が求められるのです。

ただし、年収500万円という条件は、全国平均で見ると少し高めです。全国の平均年収は400万円代ですが、都市部では500万円を超えることもあります。例えば、日本結婚相談所連盟の会員データによると、年収500万円以上の男性は約65%いるそうです。

しかし、年収と年齢はある程度比例している傾向があります。つまり、年収が高い人は年齢も上の傾向にあります。また、平均年収が高いからといって、多くの人がその年収を稼げているわけではありません。

大卒以上

婚活中の女性が求める「普通の男性」の条件として、学歴が最低でも大卒であることがよく挙げられます。実際、日本の大卒者の割合は約50%ですので、大卒という条件だけを見れば「普通」と言えるかもしれません。

しかし、人によっては「普通の男性」の条件として、関関同立（関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学）やMARCH（明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学）以上の学歴を求めることもあります。これは、より高学歴を望む傾向があるということです。

この背景には、日本の根強い学歴社会があります。多くの人が、子供の将来のために良い学歴が必要だと考えています。また、希望の就職先を見つけやすくするためにも、親が子供に高い学歴を求めることがあります。

つまり、「普通」と言われる大卒の条件でも、実際には日本人の半数しか該当しません。さらに特定の有名大学となると、その割合はさらに低くなります。このように、一見「普通」に思える条件でも、実際にはかなり限定的な条件になる可能性があるのです。

身長165cm以上

婚活中の女性が求める「普通の男性」の条件として、身長が165cm以上、場合によっては170cm以上を望む声が多くあります。実際、厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、18歳以上50歳以下の日本人男性の平均身長は171.19cmです。

この背景には、女性の平均身長も年々高くなっていることが関係しています。おしゃれをしたい時にヒールを気にせず履きたいという要望も含まれているようです。

また、高身長の男性は昔から人気があります。これは見た目の問題だけでなく、女性が「守られたい」「たくましい男性と一緒にいたい」と思う心理も関係しています。体格の大きな男性は、多くの女性にとって魅力的なタイプとされています。

しかし、170cm以上という条件は、日本人男性の平均身長とほぼ同じです。つまり、「普通」と言われる身長条件でも、実際には日本人男性の半数程度しか該当しない可能性があります。

正社員として勤務している

婚活中の女性は、将来の夫婦生活を考える際に、収入面を必ず考慮します。これは、生活を維持するためにお金が必要不可欠だからです。

その最低条件として、多くの女性が「正社員であること」を挙げています。安定した仕事に就いていれば、収入も生活も安定すると考えられるからです。

さらに安定を求めて、警察官や消防士、公立学校の教員といった公務員を条件とする人もいます。こういった職業は、一般企業以上に安定性が高いと見なされているのです。

長男以外

婚活中の女性の中には、結婚後の夫の実家や家族との関係について、あまり負担を感じたくないと考える人が多いようです。

そのため、長男の妻になることを避けたいと思う傾向があります。長男の妻になると、夫の実家や親との関わりが多くなる可能性が高いからです。

その結果、次男や三男の方が人気になることがあります。兄弟の順番は最初からわかりやすい情報なので、この条件を持つ女性にとっては、相手を選ぶ際の重要なポイントになっているようです。

婚活で「普通の男性の条件」は意外と厳しい

ここまで、婚活で女性が求める「普通の男性」の条件を一つずつ見てきました。同年代という条件は少し難しいですが、年収や身長、学歴を単独で見ると、確かに「普通の男性」と言える人は多くいます。

ただし、これらの条件を全て満たそうとすると、かなり厳しくなってきます。同年代の割合がそもそも少ないうえに、年収500万円以上の人も約半数、身長170cm以上の人も約半数、大卒の人も約半数となります。

これらの条件を全て満たす人となると、候補がかなり絞られてくることがわかります。つまり、一見「普通」に見える条件でも、全てを組み合わせると、実際にはかなり限定的な条件になってしまう可能性があるのです。

年収500万円以上の20代から30代の男性は少数派

民間の給与実態統計調査によると、年収500万円以上の男性は全体の約44%です。しかし、婚活を積極的に行っている20代から30代に限ると、その割合は12％まで下がります。

厚生労働省の調査によれば、20代の平均年収は348万円、30代は444万円です。つまり、年収500万円以上の若い男性は実際には少数派で、見つけるのが難しいのが現状です。

お金の問題は個人の価値観によって難しい面もありますが、女性が働いて家計をサポートしたり、正社員以外の形で働くことも可能です。

男性の4年制大学進学率は50%以上

男性の4年制大学への進学率は50%以上あるため、「最低でも大卒」という条件はそれほど厳しくありません。ただし、半数は大卒以外ということになります。

学歴が高くなくても素敵な人はたくさんいます。自分に合う人を見つけるために、学歴だけにこだわりすぎるのはもったいないかもしれません。なお、MARCHや関関同立以上という条件はかなり厳しく、該当する人を見つけるのは難しいでしょう。

20代から30代の男性の平均身長は171cm前後

20代から30代の男性の平均身長は171cm前後です。そのため、165cm以上という条件はそれほど厳しくありません。女性自身より少し高い身長の相手をイメージできれば問題ないでしょう。

ただし、175cm以上などとさらに高い身長を希望すると、候補がかなり絞られてしまいます。自分の身長も考慮しながら、高身長を求めすぎないことが大切です。

すべての条件に合う男性は少数で、「普通の男性」とは言えなくなる

一つ一つの条件を見ると、それほど難しくないものもあります。一つだけ求めるなら、相手は探せば見つかりそうです。

しかし、すべての条件に一致する男性はとても少なく、出会うこと自体が難しくなります。すべての条件を満たすのは難しくても、優先順位をつけて条件の数を絞ることで、相手が見つかる可能性は高まります。

普通の男性の条件を変えられない理由

客観的に見ると、「普通の男性」とマッチングすること自体が難しいのですが、多くの女性はこの条件を変えられずにいます。

普通の男性は一定数いる

その理由の1つは、マッチングアプリでも結婚相談所でも、女性たちが言う「普通の男性」が実際に一定数いるからです。さらに、新しい男性会員も定期的に増えています。

そのため、「普通の男性」とマッチングできなくても、「今度こそ」という思いで諦めきれない女性が多いように感じます。特に会員数が数百万人を超えるマッチングアプリでは、条件に合う男性が多数いるはずです。

なぜ結婚につながる出会いに結びつかないか

しかし、条件を満たす男性が多くいるのに結婚につながる出会いがないのは、そういった男性の結婚への意欲が低いからです。実は、このような条件を持ち、結婚意識の高い男性の多くは20代で結婚しています。

30歳以上でこのような条件を持ちながらマッチングアプリを使っている男性は、結婚への意欲があまり高くなかったり、遊ぶ目的で使っていたりする人が多いのです。

「たくさんの男性の中には結婚意欲の高い人もいるはず」と信じる気持ちはわかりますが、冷静に考えるとその確率は低いです。そのような期待だけで婚活を続けると、時間だけが過ぎてしまう可能性があります。

男性が望む普通の女性

男性にとっての「普通の女性」は、20代か30代前半で、容姿がある程度整っている人です。これは、子供が欲しくて婚活する男性が多いことが関係しています。

実際、婚活している20代、30代前半の女性は見た目にかなり気を使っている人が多く、レベルはそこそこ高いです。具体的には、学生時代に2、3回は告白されるくらいの魅力がある人が「普通のレベル」と言えるでしょう。

また、日本女性の婚活・結婚の平均年齢は29.6歳です。そのため、それ以上の年齢の女性は「普通」の範囲から外れることになります。もしあなたがこの「普通の条件」に当てはまらないのであれば、相手に「普通」を求めること自体が、つり合わない可能性があります。

最終的には結婚相手として妥当かどうかで判断できればよい

婚活女性が求める「普通の男性」と出会うのは、確率から考えるとなかなか難しいかもしれません。理想の男性と出会えず、婚活がうまくいかないときは、以下のことを意識してみてください。

求める基準が高くなるのは仕方がないこと

結婚相手を選ぶことは人生を左右する大切な決断なので、基準が高くなるのも無理はありません。特に婚活に時間がかかっていたり、こだわりが強くなってくると、譲れない部分が出てくることもあります。相手への理想は、どんどん高くなりがちです。

自分にとっての「普通の男性」を求めるのは悪いことではありません。ただ、自分も選ばれる立場であることを理解し、何を譲れるかを自分で決められるようになればいいでしょう。

普通の男性に求めている基準が高いことを認識することが大切

婚活女性が求める「普通の男性」が実は見つけにくいことを知っているのと知らないのでは大きな違いがあります。自分の理想が高くなっていることを理解し、現実を受け入れることで、見つかるまでの時間がかかることも分かります。また、考え方を変えるきっかけにもなり、自分にとって本当に必要なことを見つめ直せます。

自分の結婚相手として妥当な相手かで判断すること

婚活女性は自分が選ぶ側でもあり、選ばれる側でもあるという認識を持つことが大切です。現時点で自分が選ばれていない理由を考えることも大事です。

ただし、心残りなく結婚するためには、あまり妥協しないことも重要です。特にこだわりの強い部分は、結婚後も心に引っかかり、後悔につながることがあります。

希望する年収に届かなくても、価値観や趣味嗜好が合うなど、自分の結婚相手として妥当だと思える人を選ぶのがいいでしょう。周囲の人の基準と自分の基準は違って当然です。自分の中でしっかり納得できれば、妥当な相手として判断できるようになります。

いい出会いをするためには？

選択肢は1つしかありません。それは、自分の希望条件をもう一度見直すことです。ただし、これは相手について妥協しろと言っているわけではありません。本当に自分の求めている条件がそこなのか、もう一度考えてみてほしいのです。

婚活を始める方の多くは、「普通の男性」と聞いて、年収500万円くらいで身長170cm以上、大卒程度という一般的なイメージに基づいて条件を決めているかもしれません。でも、身長が5cm足りなかったら本当にダメなのか、年収が50万円少なかったら嫌なのか、年齢が5歳上だったら本当に受け入れられないのか、よく考えてみると、そうでもないかもしれません。

最初のスペック部分で絞りすぎると、結婚生活で一番大切な内面の相性を確かめる機会もないまま、時間だけが過ぎてしまう可能性があります。婚活を続けていくうちに、自分にとってもっと大切な条件に気づくことがあります。例えば、相手を気遣える人がいいとか、個人を尊重してくれる人がいいなど、内面に関する条件です。

まとめ

婚活を成功させるには、結婚相手として妥当かどうかを判断することが大切です。

婚活中の女性は、理想の相手を見つける際に「普通の男性」を求めることがあります。しかし、その「普通」が実は限られた条件の男性を指していることも少なくありません。

とはいえ、結婚相手を選ぶ際に妥協するのは、これからの生活で後悔が残る可能性があるため避けたほうがいいでしょう。大切なのは、自分にとって何が必要で何が不必要なのかをよく考えることです。

周囲の人の価値観ではなく、自分の価値観で選んだ相手を「妥当な相手」と見極めることが重要です。自分にとって本当に大切なものは何か、じっくり考えてみましょう。