新商材の立ち上げは何から決める?売れる型・区分・収支・発売日の決め方と、実際に起きた失敗

メーカー・D2C事業者向け / 立ち上げで実際に起きたこと

新商材の立ち上げは
何から決めるか

通販・D2Cの新商材は、「広告で売れている型」と「名乗れる区分(医薬品・医薬部外品・機能性表示食品・化粧品・一般食品)」を先に決め、そこから処方・オファー・発売日・LP・メディアの条件を逆算して作ります。商品を作ってから売り方を考えると、成分が訴求を支えない、在庫が3か月で尽きる、発売日に審査が回らない、といった問題が後から出ます。この記事では、実際の立ち上げで起きたことと、工程ごとの判断を書きます。

執筆:佐藤祐介(株式会社LIFRELL代表。業界歴15年、担当500社・300商材以上) 最終更新:2026年10月30日※提携ASP・代理店を含む実績

01 / Scope

新商材の立ち上げで決めること

新商材の立ち上げは、商品を作る仕事と、売る仕事に分けられがちです。商品企画部が処方を決め、MDが製造と在庫を見て、マーケティング担当が広告を考える。ところが通販・D2Cでは、あとの工程の条件が、前の工程の判断を決めます。広告で使える言葉は区分で決まり、区分は原料で決まり、出せる件数は製造の量で決まります。

工程決めることあとの工程への影響
市場広告で売れている型を見るどの訴求で戦うか
区分医薬品・医薬部外品・機能性表示食品・化粧品・一般食品のどれで出すか使える表現と、届出・承認にかかる時間
処方・原料成分と配合訴求を支える根拠があるか。区分を変えずに入れられるか
オファー・収支初回価格・定期の条件・成果単価メディアが動くか、何か月目で黒字になるか
製造・資材・在庫製造量、外箱と添付文書、納期発売日、メディアに伝える件数の上限
LP・記事LP構成、表現、カート、計測申込みの率と、審査で止まらないか
メディア条件シート、表現のルール、開始日初月の配信量
02 / Market

広告データから「売れる型」を先に見る

商品のアイデアから入る前に、広告で実際に回っている商品を並べます。動画広告の分析ツールで、販売会社と製造元が違う内服医薬品(OEMで作られた医薬品)だけを並べると、勝っている型は3つしかありませんでした。

  • 第3類医薬品のビタミン剤
  • 昔の承認による独自の処方で、病名を効能に書けるもの
  • 一般的な処方でも、1つの症状に絞って訴求できるもの

反対に、有名な処方でも、OEMで広告に勝っている例が見当たらないものがありました。名前の知られた処方ほど、大手と同じ土俵になるからだと考えています。

候補の処方を探すときは、知っているメーカーから当たるのではなく、公的なデータベースの全件から作ります。PMDA(医薬品医療機器総合機構)の一般用医薬品のデータベースで効能のキーワードを横断検索すると2,856製品が出て、大手を除いた添付文書2,206件を読み、条件で絞ると、昔の承認の処方が232製品(82社)残りました。問い合わせ先の一覧は、ここから作っています。

「強い物語」と「成分の根拠」は別に見る

まつ毛美容液の売れている記事LPを13本並べると、強い記事ほど「生える」と思わせる物語を使っていました。ところが全成分を見ると、その効果を支える成分を持つ商品はほとんどありませんでした。自社の処方で同じ物語を使うのはやめ、成分で言える範囲の訴求にしています。

03 / Category

区分を先に決める:成分を足すと何が起きるか

「この原料を入れたい」という相談は多くあります。ところが原料によっては、医薬品・医薬部外品・機能性表示食品では使えず、化粧品か一般食品・栄養機能食品でしか出せないことがあります。機能性表示食品は、届け出た成分や配合を変えると届出をやり直すことになり、その分発売が遅れます。

そこで、原料の都合で区分が限られる商材では、広告費の多い商品を区分別に集計しました。健康・美容の広告費上位152商品を見ると、化粧品と一般食品の枠でも4割近くが回っていました。区分が限られても戦える場所はある、と分かってから、手持ちの商品をどの区分で出すかを決めています。

「どのメーカーが効くか」より先に、言える範囲を決める

ホワイトニング歯磨きのOEM先を聞かれたときは、メーカー名より先に、承認の範囲から答えました。日本で一般に売れる歯磨きの「ホワイトニング」は、表面の汚れを落として本来の白さに戻すところまでで、漂白は歯科医療の領域です。効果の差はメーカーより処方で決まるので、処方から選びます。

04 / Offer

収支は「ASP手数料・送料・在庫」まで入れて引き直す

まつ毛美容液の提案で、最初に作った収支モデルは「継続率が低くても黒字になる」という結論でした。ところがASPの手数料を広告費に入れ忘れていました。手数料、送料、発売前の固定費、製造の見積もりの単価帯を入れて作り直すと、最初の結論は崩れ、自分で撤回しました。

さらに、月にいくつ出荷するかを出してみると、製造元の供給量では、初回の在庫が3か月目に尽きることも分かりました。獲得の計画を立てる前に、供給の上限を確かめる必要がありました。

見落としやすいもの起きたこと
ASPの手数料成果単価の外側にかかる。入れ忘れると黒字の月が大きくずれる
供給の上限広告で獲得できても、製造が追いつかない
単価の複雑さ媒体ごと・件数ごとに単価を分けたら、ASPもメディアも理解できず動かなかった。結局1本に戻した
メディアの手取り同じ広告主の負担でも、ASP経由か直接かでメディアの手取りは変わる。直接組むと、計測・否認・支払いの立て替え・表現の確認を自社で持つことになる
05 / Launch date

発売日は、製造と資材から逆算する

漢方製剤のOEMで、外箱と添付文書を自社で用意する必要があり、納期が3〜4か月かかると分かった時点で、年明けに置いていた発売の計画を引き直しました。開始日は広告の都合ではなく、資材と製造の時間から決まります。

逆に、製造が確定する前に発売日を決めてしまった新商品では、メディアが徹夜で記事を作り、審査が追いつかなくなりました。渡すはずの表現のルールも遅れ、古いルールで作られた記事が出てきました。

決めごといまの基準
発売日初回の納品日+品質の確認2〜3日+カート・計測・記事の審査の余裕
表現のルール配信開始の1〜2週間前にメディアへ渡す。変えるときは適用日を先に知らせ、1週間の猶予を置く
件数の上限日ごとか月ごとかを社内で先にそろえる。一度伝えた在庫の数は下げない
医薬品の販売の形第2類医薬品の通販では、自社で店舗販売業の許可を取る代わりに、許可を持つ物流会社に販売と出荷を任せる形もある

製造元の資料は、根拠にしない

ある漢方製剤のLPを作っている途中で、製造元の資料にあった「満量処方」という説明が誤りだと分かりました。効能の一つも、別の処方の効能と取り違えていました。以後、効能は添付文書の原文だけで確かめています。

06 / One team

1つのチームで持つ意味

ここまでの失敗や判断は、どれも工程の境目で起きています。成分の話が広告の言葉を決め、製造の量がメディアに伝える上限を決め、手数料の入れ忘れが黒字の月を変えました。商品企画・MD・マーケティングを別々の人が持つと、この境目で取り違えが起きます。

当社は、売れている型の分析から、区分と処方の判断、オファーと収支、製造と資材の日程、LP・記事LP、メディアとの条件まで、1つのチームで持ちます。分析や資料の読み込みにはAIを使い、PMDAのデータベースの全件確認や、競合の記事LPと全成分の突き合わせのような作業を、人手だけでは届かない量で回しています。

07 / Limits

正直に書く:この進め方でも外れること

  • 広告データは推計値です。分析ツールの数字は実際の売上ではなく、型を見つけるための材料として使います。
  • 売れている型に合わせても、当たるとは限りません。オファーとLP、メディアとの条件がそろって、はじめて数字になります。
  • 区分や表現の判断は、商品ごとに確かめが必要です。この記事の内容は一般的な考え方で、個別の商品の可否は、添付文書や届出の内容、専門家の確認で判断します。
08 / FAQ

よくある質問

Q.新商材は、商品と売り方のどちらから決めるべきですか?

A.売り方の条件から決めます。広告で売れている型と、名乗れる区分を先に決め、その条件で処方とオファーを作ると、後から合わなくなる問題が減ります。

Q.入れたい原料があります。どの区分で出せますか?

A.原料によって、使える区分が変わります。医薬品・医薬部外品・機能性表示食品では使えない原料もあるので、配合を決める前に確かめます。機能性表示食品は、配合を変えると届出のやり直しになります。

Q.発売日はいつに置けばいいですか?

A.初回の納品日に、品質の確認と、カート・計測・記事の審査の余裕を足した日です。外箱や添付文書を自社で用意する場合は、その納期も入れます。

Q.収支の試算で、よく抜けるものは何ですか?

A.ASPの手数料、送料、発売前の固定費、製造の供給の上限です。どれも、黒字になる月や、出せる件数を大きく変えます。

Q.商品企画から広告まで、まとめて頼めますか?

A.頼めます。売れている型の分析から、処方とオファー、製造の日程、LP、メディアとの条件まで、1つのチームで担当します。

商品を作る前に、
「売れる条件」を決める。

候補の商材・原料・製造の条件を伺い、戦える区分と型、収支の見通し、発売日の置き方を30分でお伝えします。費用はかかりません。

AUTHOR

佐藤祐介株式会社LIFRELL 代表取締役/アドアフィ専門・成果報酬型マーケター

オプト(全社MVP)、電通デジタルを経て、すららネットでマーケティング責任者としてBtoC事業を35倍に伸ばし上場に貢献。2018年にLIFRELLを設立。業界歴15年、担当500社以上・300商材以上。年間150億円規模のアドアフィ取扱に関わり、月15億円規模の広告費をマネジメント。医薬品・美容・健康食品・家電・デンタル・キッズのメーカー各社の事業側に外部CMOとして入り、数十商材の成果報酬型獲得を同時に運用。育毛剤D2Cでは0件から3か月で月30,000件、3年継続、大型メディア25社と取引。商材企画、オファー設計、LP・BOT、薬機法対応、メディアリクルーティング、計測・不正管理、在庫・与信・CRMまで、獲得の全工程を担当しています。本記事の内容は、クライアント名・メディア名・ASP名・商品名を伏せた上で、実際に起きた出来事だけを書いています。※提携ASP・代理店を含む実績

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