デジタルマーケティングとは?具体的な戦略について
デジタルマーケティングとは、企業がネットなどを活用してオンラインのみで商品やサービスをPRするマーケティング手法です。
従来のマーケティングは
・TVコマーシャルを見た
・ユーザーが実店舗に買いにいく
という流れがメインで、データとしては時間帯・番組内容によってターゲットを変える、といったことぐらいしか方法がありませんでした。
それがオンラインになると数多くのデータを収集でき、より精度の高いマーケティングができるようになったというわけです。
顧客の行動を測定する指標は以下のようなものがあります。
・自社サイト訪問者数
・広告を表示した時の広告のクリック率
・商品購入やメルマガ登録等のアクションをしたコンバージョン率
上記の指標を分析ツールによって調査することで、費用対効果の高い施策を実施することができます。
デジタルマーケティングが発展した背景
従来型のマーケティングに代わり、デジタルマーケティングが発展した背景は5つあります。
背景①デバイスの進化
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの普及により、消費者はいつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになりました。
背景②ターゲティングの精度
デジタルマーケティングでは、消費者のオンライン行動や属性情報を利用して、ターゲットに合わせたパーソナライズされたマーケティングが可能です。これにより、広告やプロモーションの効果が従来のマーケティング手法よりも高まります。
背景③効果測定の容易さ
デジタルマーケティングでは、実施した広告やプロモーションの効果をリアルタイムで測定・分析することが可能です。これにより、マーケティング戦略の最適化が容易になりました。
背景④コスト効率
デジタルマーケティングは、従来のマーケティング手法(テレビや新聞広告など)に比べて、低コストで広範囲の顧客にアプローチできるため、コスト効率が高いとされています。
背景⑤SNSの台頭
SNSが広く利用されるようになり、企業や組織はInstagramやTiktok、X(旧Twitter)やYouTubeを活用して顧客とコミュニケーションを図ることが重要となりました。SNSは基本無料で利用できるため、デジタルマーケティングの一環としてSNSマーケティングが注目を集めています。
デジタルマーケティングはスマートフォンユーザーへの対応が重要
近年特にスマートフォンが急速に普及し、ターゲットもスマホユーザーがメインになってきました。
それに伴い、デジタルマーケティングもスマホ対応が必須となってきています。
理由①スマホの普及率の高さ
世界中でスマホの普及率が高まっており、多くの人々がスマホを利用してインターネットにアクセスしています。このため、スマホユーザーを無視することは、大きな顧客層を見逃すことになります。
理由②モバイルファーストの時代
特にBtoC向けの商品やサービスの場合、 ユーザーのインターネット利用がパソコンからスマートフォンにシフトしているため、マーケティング活動もスマホを重視したアプローチが求められています。特に若い世代は、スマホを主要なデバイスとして利用しているため、彼らにアプローチするにはスマホ対応が不可欠です。
理由③いつでもどこでもアクセス可能
スマホは持ち運びができるため、ユーザーはいつでもどこでもインターネットにアクセスできます。これにより、タイムリーな情報提供やプロモーションが可能となり、効果的なマーケティングが期待できます。
理由④ローカルマーケティングの機会
スマホはGPS機能を持っているため、ユーザーの現在地に基づいたターゲティングが可能です。これにより、地域密着型のマーケティングや、店舗への来客促進などが実現できます。
理由⑤ユーザーエクスペリエンスの向上
スマホに対応したウェブサイトやアプリを提供することで、ユーザーの満足度が向上し、ブランドの評価やコンバージョン率の向上が期待できます
Webマーケティングとの違いは「領域」
デジタルマーケティングは、インターネットをはじめとするデジタルデバイス(スマートフォン、タブレット、コンピューターなど)を使用して、商品やサービスの宣伝・販売を行うマーケティング手法全般を指します。
この中には、ウェブサイト、検索エンジン、ソーシャルメディア、メール、モバイルアプリ、デジタルサイネージなどが含まれます。
一方、ウェブマーケティングは、デジタルマーケティングの中でも、主にインターネット上のウェブサイトを通じて行われるマーケティング手法を指します。
ウェブマーケティングには、検索エンジン最適化(SEO)、検索エンジンマーケティング(SEM)、コンテンツマーケティング、アフィリエイトマーケティングなどが含まれます。
しかしソーシャルメディアやメールマーケティングのようなデジタルチャネルは、厳密にはウェブマーケティングには含まれないとされています。
つまり、ウェブマーケティングはデジタルマーケティングの一部であり、デジタルマーケティングがより広範な概念であると言えます。
広告運用で成果を上げるためのデジタルマーケティング戦略の立て方
デジタルマーケティングにおいて広告運用を効果的に行うためには、明確な戦略が必要です。以下のステップに従って、成果を上げるためのデジタルマーケティング戦略を立てましょう。
①目的とターゲットを決める
まずは、広告運用の目的を明確にしましょう。
目的は売上増加、ブランド認知度の向上、新規顧客獲得など様々です。目的が決まったら、ターゲットとなる顧客層を特定し、そのニーズや興味に合わせた広告戦略を考えます。
②予算を設定する
広告運用には予算が必要です。全体のマーケティング予算の中で、どの程度の額を広告運用に充てるか決めましょう。
効果的な運用のためには、予算を複数の媒体や広告形態に分散させることも検討します。
クリック課金型の広告が多いため、月にどのくらいの広告費がかけられるかを元に予算を設定しましょう。
③出稿媒体を決定する
次に、広告を掲載する媒体を選択します。選択肢には、Google広告、Facebook広告、Instagram広告、TikTok広告などがあります。
ターゲット層の行動や利用傾向に基づいて、最適な媒体を選びましょう。
各媒体には以下のような特徴があります。
④広告を制作する
「ユーザーに見られる」広告制作は、デジタルマーケティング戦略の成功に欠かせません。ターゲット層に刺さるデザインやメッセージを考え、クリエイティブな広告を制作しましょう。
出稿後はA/Bテストを実施して、効果的な広告のパターンを見つけ出すことも大切です。
⑤効果測定・改善を行う
広告運用が始まったら、効果測定を行い、データに基づいて広告戦略を改善していきます。CTR(クリック率)、CPC(クリック当たりのコスト)、コンバージョン率などの指標を分析し、広告のパフォーマンスを最適化していきます。
また、効果測定にはGoogle Analytics等のウェブ解析ツールを活用し、ユーザー行動やコンバージョンの詳細を把握しましょう。
広告運用においては、テストと最適化を繰り返すことが重要です。効果測定を通じて得られたデータをもとに、広告のターゲティングやデザイン、メッセージ、出稿媒体などを調整し、効果的な広告運用を目指しましょう。
ターゲット層への理解を深め、効果的な広告制作と最適化を行い、効果測定を通じて戦略を改善していくことが重要です。
広告運用担当者が押さえておきたいデジタルマーケティングのトレンド
デジタルマーケティングは常に変化し続けており、広告運用担当者は最新のトレンドに注意を払う必要があります。
ここでは、近年のデジタルマーケティングのトレンドについて解説します。
動画広告の人気の高まり
動画コンテンツは消費者の関心を引く力があり、動画広告が急速に人気を集めています。YouTubeやFacebook、Instagram、TikTokなどのプラットフォームでは、動画広告が効果的に展開されており、ユーザーのエンゲージメントを高めることが期待できます。
電通「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、
ビデオ(動画)広告が5,920億円で、は前年比115.4%の二桁成長となり、うちインストリーム広告は3,456億円で、全体の58.4%。
2023年は前年比115.7%と引き続き高い成長率を維持し、6,852億円まで増加する
と、予測されています。
広告運用担当者は、これらのプラットフォームで動画広告を活用し、ブランドの訴求力を高める戦略を検討することが重要です。
Cookieの規制によるデータ収集の制限
近年プライバシー保護の観点から、第三者Cookieの規制が強化されています。
これにより、従来のような広告ターゲティングやデータ収集が難しくなっています。
この変化に対応するため、広告運用担当者はファーストパーティデータ(自社で収集した顧客データ)の活用や、コンテキストターゲティング(広告を関連性のあるコンテンツに表示する方法)など、新しいデータ活用方法を検討する必要があります。
広告運用に特化したデジタルマーケティングの手法4つ
デジタルマーケティングにはさまざまな手法がありますが、特に広告運用に注力する場合、以下の4つの手法が効果的です。
①検索エンジンに出稿する【リスティング広告】
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告です。
Google広告やYahoo!広告などが代表的です。
ユーザーが検索キーワードを入力すると、関連性の高い広告が上位に表示されます。
検索結果の上部・下部に「スポンサー」と表示されたものがありますが、こちらがリスティング広告です。クリックすることによって料金が発生する仕組みになっています。
この手法は、ユーザーの購買意欲が高いタイミングでアプローチできるため、効果的です。
②SNSプラットフォームに出稿する【SNS広告】
SNS広告は、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LinkedInなどのSNSプラットフォーム上で展開される広告です。
ターゲットユーザーの属性や興味に基づいて広告を配信し、高いエンゲージメントを獲得できることが特徴です。また、SNSプラットフォームのアルゴリズムを活用し、効果的なターゲティングが可能です。
Instagramの一般投稿の間に「広告」と表記された画像や動画が入りますが、これがSNS広告になります。
③Webサイトやアプリに出稿する【ディスプレイ広告】
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上の広告枠に掲載されるビジュアル広告です。Google Display Network(GDN)などの広告ネットワークを利用し、関連性のあるサイトやアプリに広告を表示させます。
サイトの切り替え時やYouTubeで流れる広告がこれに当たります。
TVCMのように、半強制的にユーザーに閲覧させることができるディスプレイ広告は、ブランド認知度向上やリターゲティングに効果的です。
④特定のWebサイトやアプリの広告枠に出稿する【純広告】
純広告は、特定のWebサイトやアプリに直接広告を掲載する手法で、広告主がそのメディアと直接取引を行います。
よくみられるのは「バナー広告」「タイアップ広告」などです。
純広告は、掲載先のメディアの信頼性やターゲット層との親和性が高いため、高いクリック率やコンバージョン率を期待できます。
その他のデジタルマーケティングの手法7選
デジタルマーケティングには広告運用以外にも多くの手法が存在します。
ここでは、その中から7つの効果的な手法を紹介します。
自社メディアで顧客の課題を解決に導く【オウンドメディアマーケティング】
オウンドメディアマーケティングは、自社が運営するWebサイトやブログなどのメディアを活用して、顧客の課題解決に役立つ情報やコンテンツを提供する手法です。
後述するコンテンツSEOもオウンドメディアマーケティングに含まれます。
これにより、ブランドの認知度や信頼性を高め、ユーザーと長期的な関係を築くことができます。
オウンドメディアマーケティングでは、ユーザーが求める情報を的確かつピンポイントで提供することが重要です。
検索エンジンの上位表示を目指す【SEO(検索エンジンの最適化)】
SEO(Search Engine Optimization)は、検索エンジンのアルゴリズムに沿ったサイト構成やコンテンツを提供し、自然検索での上位表示を目指す手法です。
これにより、ユーザーに自社のWebサイトを見つけやすくし、トラフィックを増やすことができます。
ユーザーがどんなキーワードで検索をしているか?その意図は?という部分を詳しく分析し、サイト構造の最適化、内部・外部リンクの整備などがSEOの主な要素です。
自然検索でユーザーとの接点を目指す【コンテンツSEO】
コンテンツSEOは、ユーザーが求める価値あるコンテンツを提供することで、自然検索での上位表示を目指す手法です。
ユーザーのニーズに応じた情報提供や、独自性のあるコンテンツを作成することで、検索エンジンからの評価が高まり、結果的に自然検索での上位表示が期待できます。
コンテンツSEOは、質だけでなく、量の部分もバランスをとりながら進めることが重要です。
YouTubeやInstagramを活用した【動画マーケティング】
動画マーケティングは、YouTubeやInstagramなどの動画共有プラットフォームを活用して、ブランドや商品の訴求を行う手法です。
よくインスタグラムの「リール」と呼ばれる動画で商品やサービスのPRを見かけるかと思います。
視覚的な情報を伝えることができるため、ユーザーの理解を深めることが期待できます。また、動画コンテンツはSNSでのシェアがしやすく、口コミ効果を得やすいのも特徴です。
見込み客や既存客に対して行う【メールマーケティング】
メールマーケティングは、見込み客や既存の顧客に対して、Eメールを活用して情報提供やプロモーションを行う手法です。
メルマガ等を送付することによって、ターゲットとなる顧客に直接アプローチできるため、効果的なコミュニケーションが可能です。
また、メールマーケティングでは、顧客の購買履歴などに応じてセグメント化し、それぞれのターゲットに対してパーソナライズされたメッセージを送ることが重要です。
定型文のメルマガは、受け取った側からすると味気なく感じてしまいますよね。
Web上でユーザーの行動を分析する【アクセス解析】
アクセス解析は、Webサイトやアプリの利用状況やユーザーの行動パターンを分析する手法です。
Google Analyticsなどの解析ツールを活用して、訪問者数や滞在時間、コンバージョン率などのデータを収集・分析することができます。
これにより、ユーザーがサイト内でどのような動きをしているかが分析でき、マーケティング戦略の最適化や改善ポイントの特定が可能となります。
業務を自動化する【マーケティング・オートメーション】
マーケティング・オートメーションは、デジタルマーケティングの一部業務を自動化する手法です。
最近「MAツール」という言葉をよく聞きますが、メールマーケティングやリードスコアリング、顧客データの管理を一括で管理するツールなどが該当します。
これにより、効率的にマーケティング活動を展開し、人手不足や作業負担を軽減することができます。
広告活用の成果を示すビジネス実例
広告活用を通じて、どのような成果を上げることができるのか、具体的な例を2つご紹介します。
・株式会社リブ・コンサルティング
・株式会社クリエイティブ・エンデバー
業株式会社リブ・コンサルティング務を自動化する【マーケティング・オートメーション】
株式会社リブ・コンサルティング”は、中規模・スタートアップ企業を対象とした経営コンサルティングサービスを手がける会社として知られています。この会社は、支援先のクライアントがマーケティングのソリューション提供で困っていることを察知し、我々のところでアドバイスを求めてきました。
かつてはCPA3万3000円という仮の目標で活動していたものの、今ではFacebook広告を使用してCPAを2万円台に抑えながらも、価値あるリードを得ることが可能となっています。
※引用:株式会社リブ・コンサルティング
業務を自動化する【マーケティング・オートメーション株式会社ウィルオブ・ワーク】
求人サイト「WILLOF」を中心に、人材の派遣や紹介事業を手掛ける株式会社ウィルオブ・ワークは、広告活用に関して専門的な知識を持つスタッフが不在という問題を持っていました。
その問題への答えとして、彼らが独自で広告の運用が行えるよう、我々が運用型広告の導入と強化をサポートさせていただきました。
マーケティングのチームが持つ資源を最適に配置する考え方で、初心者でも取り組みやすいようアカウントの構造をシンプルに整え、自動入札の機能を最大限に活用する方法へと移行しました。
その結果、ある特定のウェブサイトを介したCVの数が、活動を始めてから3ヶ月で2倍になるなど、目覚ましい成功を収めています。
※引用:株式会社ウィルオブ・ワーク
まとめ
デジタルマーケティングは常に変化し、進化していることも忘れてはなりません。
常に時代の先端を行くためには、トレンドに敏感で、新しい戦略を積極的に試していく必要があります。
デジタルマーケティングは従来のマスマーケティングの手法に比べて費用対効果が非常に高いため、あらゆる企業にとって、デジタルマーケティングに投資することは理にかなっています。
従来型のマーケよりもシンプルなリサーチと努力でビジネスを成長させることが可能になっています。