コンテンツマーケティングが重要な理由は?4つのコツと成功事例も紹介

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

ビジネスにおいて、コンテンツマーケティングはますます重要な役割を果たしています。

ただ単にコンテンツを作るだけではうまくいかず、いかに効果的な戦略を立てるかが成功のカギとなります。

本記事では、コンテンツマーケティングの戦略の重要性について詳しく解説し、また、実際に成功を収めたBtoBやBtoC企業の事例も紹介します。

戦略の立て方や成功の秘訣を知りたい方は、ぜひこの記事をご覧いただき、自社のコンテンツマーケティング戦略に活かしてください。

コンテンツマーケティングとは?意味や種類を解説

コンテンツマーケティングは、製品やサービスを直接宣伝するのではなく、情報や知識、エンターテイメントなど、価値あるコンテンツを提供するマーケティング方法です。

ここでは、コンテンツマーケティングの意味や種類について解説します。

コンテンツマーケティング=顧客に価値を提供して集客する方法

コンテンツマーケティングは、「質の高いコンテンツを提供することで顧客を引き付け、関係性を築き、購買行動につなげる」手法と言えます。

従来の広告と違い、コンテンツマーケティングは顧客に直接商品やサービスを販売するのではなく、自社の知識や専門性のある有益な情報を提供します。

これにより、ブランドへの信頼性が高まり、新規顧客の獲得にもつながります。

顧客に提供するコンテンツには種類が多くある

コンテンツマーケティングの大切な要素は、ターゲットとなる顧客にとって価値あるコンテンツを選ぶことです。

コンテンツは多岐に渡り、例えばブログ記事、ホワイトペーパー、事例、動画、ポッドキャストなどがあります。

これらのコンテンツを提供することで、顧客に自社の製品やサービスの専門性を証明し、その価値を理解してもらうことができます。

コンテンツマーケティング戦略が重要視される理由

コンテンツマーケティングは、ブランドや製品の価値を伝え、顧客の関心や認識を高め、長期的な顧客ロイヤリティを築くための重要な手法となっています。

しかし、その成果は一夜にして得られるものではありません。
そして、経済的な観点からも、少ないリソースで最大の効果を得るための適切な戦略が求められます。

理由①:長期的な戦略で息の長い集客ができる

コンテンツマーケティングは、購買行動に直接結びつける短期的な手法ではなく、長期的な視野が必要な戦略です。

価値あるコンテンツを提供することで、ブランドに対する信頼や認知度を徐々に高め、時間をかけて顧客との関係を深め、最終的には購買行動につなげるものです。

このため、その成果を短期間で評価することは困難であり、長期的な計画と戦略が不可欠となります。

理由②:少ない工数で効率よく運用する必要がある

コンテンツマーケティングは、ターゲットとなる顧客にとって有益かつ魅力的なコンテンツを継続的に提供することが求められます。

しかし、質の高いコンテンツを生み出し、適切に配信するためには時間・リソース・資金が必要です。

企業の中には、限られたリソースの中で最大の効果を得ることを求める場合もあります。そのため、最適なコンテンツを作成し、最適なタイミングで配信するための戦略が必要となります。

つまり、効率的な運用を実現するためには、コンテンツマーケティングの戦略が不可欠となるのです。

理由③:顧客との直接的な接点獲得につながる

コンテンツマーケティングは、顧客との直接的な接点を獲得する絶好の機会を提供します。

有益な情報やエンターテイメントを提供することで、顧客は自然とそのコンテンツに引き寄せられます。

企業は顧客との関係を深め、ユーザーニーズや欲求を理解することができます。

また、質の高いコンテンツはシェアされやすく、それによって新たな顧客層に触れる機会も増えます。
そのため、コンテンツマーケティング戦略は、企業と顧客との接点を最大化する上で非常に重要な役割を果たします。

理由④:ブランディングのため

コンテンツマーケティングはブランディングの一環としても非常に重要です。

自社の製品やサービスについての情報を共有するだけでなく、企業のビジョンや価値観、企業文化などを伝えることも可能です。これらの情報は顧客が企業やブランドに対する印象を形成するための重要な要素です。

また、コンテンツマーケティングにより、特定のテーマや問題についての企業の立場を明確に示すことも可能です。

ブランドの個性を強調し、顧客との深いつながりを作ることができます。
全てが、企業のブランドイメージを強化し、ブランド価値を高めるために重要な役割を果たします。

手順に沿ってコンテンツマーケティング戦略を立てよう

コンテンツマーケティングは、成果を最大化するためには適切な戦略が必要です。
以下に、コンテンツマーケティング戦略を立てるための基本的な手順を示します。

手順①:現状の課題を整理・分析する

まず始めに、現状の課題を明確にするために整理・分析を行います。

自社の製品やサービス、ブランドの現在の認知度や評価、市場や競合他社の状況、自社の顧客やターゲットとなる顧客層の特性やニーズなどを深く理解することが重要です。

また、既に行っているマーケティング活動の成果や課題も分析しましょう。
これらの情報をもとに、どのようなコンテンツが必要で、それがどのように顧客にとっての価値となるのかを考えます。

手順②:目標・ゴールを具体的に設定する

次に、コンテンツマーケティングの目標・ゴールを具体的に設定します。

目標設定は、戦略を具体的に進めていく上での方向性を示し、その成果を評価する基準となります。

目標はSMART原則(Specific:「具体的」 Measurable:「計測可能」 Achievable:「達成可能な」 Relevant:「関連性」 Time-bound:「明確な期限」 )に従って設定すると良いでしょう。

具体的に、何をどの程度達成するのか、それが可能なのか、自社のビジネス目標と関連しているのか、いつまでに達成するのかを明確にします。

手順③:ペルソナ・ターゲットを明確にする

コンテンツマーケティング戦略を立てる際に欠かせないのが、ペルソナ・ターゲットの明確化です。

ペルソナとは、製品やサービスの理想的な顧客像を具体的に描いたもので、年齢、性別、職業、趣味、購買行動など、様々な要素から成り立っています。

どのような人々にコンテンツを届けるべきか、また、その人々がどのような情報を求めているかを理解することができます。

ペルソナ作成は、コンテンツ作成の方向性を決定する上で重要なステップとなります。

手順④:カスタマージャーニーを作成する

コンテンツマーケティングの戦略を立てる上で重要な要素の一つに、カスタマージャーニーの作成があります。

カスタマージャーニーとは、顧客が製品やサービスを知り、購入を決定するまでのプロセスを描いたものです。
カスタマージャーニーの中には「認知」、「検討」、「購買」、「使用・評価」といったステージが含まれます。

各ステージにおける顧客の行動、思考、ニーズを理解することで、最適なタイミングと形式でコンテンツを提供することが可能となります。

このように、カスタマージャーニーの作成は、効果的なコンテンツマーケティング戦略を立てる上で欠かせません。

手順⑤:コンテンツを提供する媒体を決める

どの媒体を使ってコンテンツを提供するかは、コンテンツマーケティング戦略を立てる上で重要な決定点です。

選択する媒体は、前述のペルソナやカスタマージャーニーの結果に基づいて決定します。
ペルソナが主にどのような媒体を使って情報を得るのか、どの媒体を通じて自社の製品やサービスに興味を持つ可能性が高いのかを考えます。

ブログ、ソーシャルメディア、電子メール、ポッドキャストなど、最も効果的な媒体を選択しましょう。

手順⑥:社内・チームを構築する

コンテンツマーケティングは一人で行うものではありません。社内でチームを組むことが必要です。

チームのメンバーはそれぞれが持つスキルや専門性を活かし、コンテンツ作成から配信、分析までのプロセスを担当します。

例えば、ライティングスキルを持つメンバー、デザインや動画編集のスキルを持つメンバー、SNSの運用やコンテンツSEOに詳しいメンバーなどが協力して、戦略的なコンテンツを作り上げます。

さらに、コンテンツマーケティングは全社的な取り組みとすることで、その効果を最大限に引き出すことができます。
各部署の協力を得ることで、より幅広い視点からのコンテンツ作成が可能になり、企業のブランドや価値を多角的に表現することができます。

手順⑦:コンテンツを作成する

設定した目標やペルソナ、カスタマージャーニー、選んだ媒体に基づいて、コンテンツを作成します。

その際、ターゲットとなる顧客がどのような情報を求めているか、また、それがどのような形式のコンテンツとして最も効果的に伝わるかを考えながらコンテンツを作ります。

ブログ記事、動画、ウェビナー、ソーシャルメディアの投稿など、コンテンツの形式は多種多様です。

また、コンテンツ作成の際には、その品質にも注力することが大切です。
高品質なコンテンツは顧客からの信頼を勝ち得るだけでなく、検索エンジンでの評価も高くなるため、SEO対策としても効果的です。

コンテンツの価値を最大化するために、情報の正確性や鮮度、読みやすさや視覚的魅力、ユーザーの関心や問題解決に寄与する内容などを考慮して作成しましょう。

コンテンツマーケティング成功のための4つのコツ

コンテンツマーケティングは、正確な計画と適切な戦略、さらには柔軟な対応が求められます。ここでは、その成功のための4つのコツを紹介します。

コツ①:必ず振り返り・分析を行ってPDCAを回す

PDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Act:改善)は、ビジネス全般において有効なフレームワークであり、コンテンツマーケティングにおいても非常に重要です。

特に、「Check」のフェーズでは、作成したコンテンツが想定した目標に対してどの程度効果的だったのか、また「Act」のフェーズでは、その結果に基づいて次のアクションをどのように改善するかを考えます。

これらの分析と改善を繰り返すことで、コンテンツマーケティングの効果は最大化されます。

コツ②:競合他社のコンテンツを分析する

競合他社のコンテンツを分析することも有効な戦略です。

競合がどのようなコンテンツを作成し、どのような媒体で配信しているのかを調査することで、自社の取り組みと比較・対照することができます。

さらに、その中で成功しているコンテンツや手法、トピックスなどを見つけることで、自社のコンテンツ作成の参考にすることができます。

ただし、他社のコンテンツをただ模倣するのではなく、自社のブランドや目標に適した形でアレンジ・活用することが大切です。

コツ③:自社商品のアピールをしすぎない

コンテンツマーケティングでは、自社の商品やサービスを過度にアピールすることは避けるべきです。

むしろ、提供するコンテンツは、ユーザーが抱える問題解決や情報提供を主眼に置くべきです。
それが間接的に商品やサービスへの興味・関心を引き出し、結果的には購入につながるのです。

過度な自社製品のアピールは逆にユーザーからの信頼を失いかねません。
そのため、コンテンツが提供する情報や解決策に焦点を当て、その中で自然と製品やサービスの魅力を伝えるようにしましょう。

コツ④:定期的・長期的に発信を続ける

コンテンツマーケティングは短期間で結果が出るものではありません。

一度のキャンペーンや一つのコンテンツだけで成果を求めるのではなく、定期的に質の高いコンテンツを発信し続けることが求められます。

これにより、ユーザーからの信頼を勝ち取り、ブランドの認知度を高めることができます。また、定期的にコンテンツを提供することで、SEO対策としても有効で、検索エンジンの評価を上げ、より多くのユーザーにコンテンツを届けることが可能となります。

そのため、コンテンツマーケティングは長期的な視野を持ち、継続的な努力が必要な取り組みであると理解しておくべきです。

コンテンツマーケティングの成功事例

企業がコンテンツマーケティングを効果的に活用し、優れた結果を達成した事例は多数存在します。以下では、特にBtoB事例を2つ、BtoC事例を2つご紹介します。

BtoB事例①サイボウズ株式会社「サイボウズ式」

サイボウズ株式会社は、グループウェアやプロジェクト管理ツールなどを提供する企業で、その中でも「サイボウズ式」というコンテンツマーケティングの取り組みが注目を集めています。

「サイボウズ式」は、働き方改革や組織運営、リーダーシップなどについて幅広く取り扱うウェブメディアで、日々の業務に役立つ情報や知識を提供しています。

この取り組みにより、サイボウズは企業が抱える問題解決のパートナーとしての認知度を高め、その製品の信頼性と価値を強化しています。

BtoB事例②:freee株式会社「経営ハッカー」

freee株式会社は、クラウド会計ソフトを提供する企業で、「経営ハッカー」というメディアを通じてコンテンツマーケティングを展開しています。

「経営ハッカー」では、経営に関する知識やノウハウ、事例紹介などを提供し、中小企業の経営者や個人事業主をサポートしています。

これらの情報提供により、freeeは自社のブランドを強化し、製品に対する認知度を向上させています。
また、読者からの質問に基づくQ&A形式のコンテンツなども提供し、読者との対話を通じた信頼構築にも成功しています。

BtoC事例①:株式会社クラシコム「北欧、暮らしの道具店」

株式会社クラシコムは、「北欧、暮らしの道具店」というメディアを通じてコンテンツマーケティングを行っています。

「北欧、暮らしの道具店」では、北欧風の家具や生活用品を提供しつつ、それらの商品を活用した暮らし方やインテリアの提案を行っています。また、商品の使い心地やお手入れ方法など、商品に付加価値を与える情報も積極的に発信しています。

これにより、クラシコムは商品だけでなく、それがもたらすライフスタイル全体を販売することに成功しており、顧客との強い絆を築いています。

BtoC事例②:楽天グループ株式会社「ソレドコ」

楽天グループ株式会社は、自社のショッピングサイトだけでなく、「ソレドコ」という生活情報メディアも運営しています。

「ソレドコ」では、ファッションや美容、料理など、様々なカテゴリにわたる記事を提供しており、ユーザーにとって価値ある情報を発信しています。

これにより、楽天は商品の販売だけでなく、生活全般のサポートを提供することで、顧客との強い関係性を築いています。

また、「ソレドコ」で提供する情報には、楽天の商品を紹介するコンテンツも含まれており、メディアの運営と商品販売を巧みに連携させています。

まとめ

この記事では、コンテンツマーケティングの戦略の重要性や戦略の立て方の手順、BtoBとBtoCそれぞれの成功事例を紹介しました。

戦略を立てることは、目的達成への最短距離を示すロードマップとなります。
コンテンツマーケティングの戦略は、ターゲットの絞り込みやペルソナの設定、ユーザーの収益に繋がるアクションの想定が重要です。

また、優良なコンテンツを提示するためには、外注先の選定も重要です。結果を出すためには、戦略の立て方や設計のコツを理解し、適切な外注先を選ぶことがポイントです。

コンテンツマーケティングの戦略をしっかりと立てて実施することで、顧客の育成や成果を上げることができます。

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