エンゲージメントマーケティングとは?用語の意味や戦略を解説

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

マーケティングの世界では、最近「エンゲージメント」という言葉がよく注目されています。でも、その正確な意味やなぜエンゲージメントが重要なのか、もう少し知りたいと思いませんか?

そこで、今回の記事ではまずエンゲージメントの定義や重要性について詳しく解説します。さらに、エンゲージメントを高めるための戦略として、有効な6つの手法も紹介します。

マーケティングの世界で頭角を現すためには、エンゲージメントの力をしっかりと理解し、うまく活用することが欠かせません。ぜひこの記事を参考にして、成功につながるエンゲージメントマーケティングを実践してみましょう!

エンゲージメントマーケティングとは、顧客との関係を深めるマーケティング手法

エンゲージメントマーケティングとは、消費者との長期的な関係性を築くことを目指すマーケティング手法です。
一過性のトランザクションではなく、顧客との継続的なインタラクションを通じてブランドとのつながりを強化することを目指します。これには、消費者がブランドに対してどの程度興味を持っているか、関与しているか、信頼しているかなどの要素が考慮されます。

顧客エンゲージメントとは

顧客エンゲージメントとは、ブランドと顧客が相互に価値を持つ持続的な関係性を指します。

この概念は、単に商品やサービスを購入するだけでなく、そのブランドに対して肯定的な感情を持つ、そのブランドの活動に参加したいと思う、そのブランドを他人に推奨したいと思うなど、顧客の心情や行動を含みます。

エンゲージメントは、ブランドの情報を積極的に探し求める行動や、SNSでブランドの投稿をシェアする行動、ブランドのイベントに参加する行動などを通じて測定されることが多いです。

これらの行動は顧客がブランドに深く関与しており、ブランドに対するロイヤルティが高いことを示しています。このようなエンゲージメントの高い顧客は、長期的な顧客価値が高いとされ、ブランドの成長に大きく貢献すると言われています。

顧客エンゲージメントと似ている用語の意味の違い

顧客エンゲージメント、顧客ロイヤリティ、顧客満足度といった用語は、すべて顧客とブランドとの関係性を示すものですが、それぞれ異なる概念を表します。

顧客ロイヤリティ

顧客エンゲージメントと顧客ロイヤリティは密接に関連していますが、両者は異なる概念です。

エンゲージメント

顧客がブランドや製品に対してどれだけ積極的に関与し、参加しているかを表すものです。これは、SNSでのシェアやいいね!、ブランドのイベントへの参加、ブランドに関するオンラインの議論への貢献など、様々な形で現れます。

顧客ロイヤリティ

顧客がブランドに対して持つ繰り返し購入する意志や推奨する意志を指します。これは、顧客が他の選択肢があるにもかかわらず、一貫してあるブランドの製品やサービスを選び続ける行動によって示されます。そのため、ロイヤリティはブランドに対する顧客の長期的なコミットメントを示しています。

顧客満足度(CS)

顧客満足度(Customer Satisfaction)と顧客エンゲージメントも混同しやすいです。

顧客満足度

顧客が製品やサービスの提供についてどれほど満足しているかを示す指標です。製品の品質や価格、サービスのレベルなど、主に企業が顧客に提供する価値に焦点を当てています。

顧客エンゲージメント

ブランドや製品に対する顧客の情緒的、認知的、行動的な関与度を示します。

顧客がブランドとどれだけ積極的に関わり、そのブランドを自分の生活の一部としてどれほど認識しているかを評価します。そのため、エンゲージメントはブランドと顧客の関係の深度を評価するもので、単なる商品やサービスの取引以上のものを測るものといえます。

エンゲージメントマーケティングが重要視される4つの理由

現代のマーケティング環境では、エンゲージメントマーケティングがますます重要視されています。これは、以下の4つの理由によるものです。

理由①:顧客の情報収集力が向上したから

総務省 令和元年版情報通信白書「インターネットの普及の推移と主要なコミュニケーションサービスの開始時期」

インターネットの普及により、顧客は自分が購入を検討している商品やサービスに関する情報を簡単に手に入れることが可能になりました。

総務省が公開している令和元年版情報通信白書から読み取れるように、従来の一方通行の広告やプロモーションだけでなく、レビューサイトやSNSを通じて他のユーザーの意見や評価を参考にすることができるようになりました。そのため、企業は顧客の購買決定に影響を与えるために、単に商品情報を提供するだけでなく、顧客の関心を引きつけ、エンゲージメントを促進することが求められるようになったのです。

理由②:顧客の情報発信力が強くなったから

総務省 令和5年版情報通信白書「世界のソーシャルメディア利用者数の推移及び予測」

SNSの普及により、一般の顧客でも自身の意見や経験を広く共有することが容易になりました。

これにより、口コミや評判の影響力が増し、企業のブランドイメージや評価は顧客の手によって大きく左右されるようになりました。エンゲージメントマーケティングでは、顧客がポジティブな経験を共有しやすい環境を作ることで、ブランドの認知度や評価を向上させ、新たな顧客を獲得することを目指します。

理由③:顧客の購買プロセスが変化したから

総務省 平成23年版 情報通信白書「インターネットショッピングにおける購買プロセスの変化」

デジタル化の進展に伴い、顧客の購買プロセスは従来の線形モデルから複雑化し、多様化しました。

インターネットの利用が広まるにつれて、顧客は購入前に多くの情報を収集し、多様なチャネルを通じて製品やサービスを比較します。

そのため、顧客を引きつけ、関与させ、最終的には購買につなげるためには、単一のマーケティングメッセージを伝えるだけでは不十分で、顧客エンゲージメントを促すことが重要となりました。

理由④:LTVの向上に顧客エンゲージメントが重要だから

三井住友銀行「LTVを高めるポイント」

LTVとは、顧客がブランドにもたらす全期間にわたる利益の総額を指します。

一回の取引だけではなく、長期的な顧客との関係を評価するための指標となります。エンゲージメントの高い顧客は、ブランドに対する忠誠度が高く、再購入率が高いとされています。

また、彼らは自身の好意的な経験を他人に共有し、新たな顧客をブランドに導く可能性もあります。これらの理由から、顧客エンゲージメントを高めることは、LTVを向上させる上で非常に重要となります。

顧客エンゲージメントを高めるマーケティング戦略6選

消費者との強固なつながりを築くために、以下の6つのマーケティング戦略が効果的です。

戦略①:オウンドメディアでの情報発信

エンゲージメントマーケティングの一つの戦略として、オウンドメディア(自社で所有・運用するメディア)の活用があります。

企業の公式ウェブサイトやブログなどで、顧客に価値ある情報を提供することで、ブランドと顧客の関わりを深めます。情報発信は、製品やサービスに関する情報だけでなく、業界の最新ニュース、専門的な知識、エンターテイメントなど、顧客が求めている様々なコンテンツに対する需要を満たすことが重要です。

また、オウンドメディアを通じて、顧客からのフィードバックを収集し、それに応じてサービス改善を行うことで、顧客エンゲージメントを一層強化することができます。

戦略②:公式アプリでの情報発信

公式アプリを用いると、ユーザーとの直接的なコミュニケーションが可能となり、一層パーソナライズされたエクスペリエンスを提供できます。

アプリ内でユーザーがどのような行動をとっているかを解析し、それに基づいて個々のユーザーに適した情報を提供したり、特典や割引を提示したりすることで、ユーザーエンゲージメントを高めることができます。

戦略③:メールマガジンの配信

メールマガジンは、顧客エンゲージメントを高める古典的ながら有効な手法です。

定期的なメールマガジン配信により、ブランドや製品に対する顧客の認知度を維持し、ブランドと顧客の関係を継続的に育てることができます。

メールマガジンの内容は、新製品の情報、特別なセールやキャンペーンの案内、役立つ情報の提供など、顧客が価値を感じる情報であることが重要です。また、メールマガジンはパーソナライゼーションが可能であり、顧客の購買履歴や行動履歴に基づいてパーソナライズしたメッセージを送ることが可能です。

戦略④:動画コンテンツの作成

動画コンテンツは、高いエンゲージメントを生む優れたツールです。

視覚的に魅力的であり、情報を効率的に伝えることが可能です。また、動画はストーリーテリングに最適な媒体であり、感情的なコネクションを生み出し、ブランドとの深い関連性を築くのに役立ちます。

製品の使い方を示すハウツー動画、製品の特徴を強調するプロモーション動画、製品開発の舞台裏を紹介する動画など、顧客が関心を持つ様々な角度からの動画コンテンツを作成することで、顧客エンゲージメントを高めることができます。

戦略⑤:SNSの活用

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、顧客エンゲージメントを促進するための強力なプラットフォームです。

Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LinkedInなどのSNSを活用することで、顧客と直接コミュニケーションをとり、ブランドや製品に関する情報を効果的に広めることができます。SNSはリアルタイム性が高く、ユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能なため、顧客の声を即座にキャッチし、迅速に反応することが可能です。

また、SNSでのユーザーの行動データを分析することで、その嗜好や行動パターンを理解し、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

戦略⑥:ユーザー参加型企画の実施

ユーザー参加型の企画は、顧客エンゲージメントを高めるのに非常に効果的な手法です。

これには、コンテスト、ソーシャルメディアでの投稿キャンペーン、共創ワークショップなど、顧客が直接参加し、ブランドとの経験を共有する機会を作る活動が含まれます。

ユーザー参加型企画は、顧客に対して自社のブランドや製品への深い関与を促すとともに、顧客から直接フィードバックを得る機会を提供します。これにより、顧客のニーズや期待をより深く理解し、顧客満足度を向上させるための改善策を見つけることができます。

顧客エンゲージメントの向上に成功した事例

顧客エンゲージメントを高めて成功した3つの企業をご紹介します。

事例①:ザッポス・ドットコム

オンラインの靴とアパレルの小売業者であるザッポス・ドットコムは、卓越したカスタマーサービスとエンゲージメント戦略によって知られています。

彼らの戦略の中心には「WOW」体験の提供があり、これは顧客が期待以上の体験をすることを目指したものです。

例えば、24/7のカスタマーサービス、365日間の返品ポリシー、予想外の早さでの配送などが含まれます。ザッポスはまた、SNSの活用にも力を入れ、顧客からの問い合わせに迅速にレスポンスするだけでなく、ブランドのパーソナリティを反映した情報発信を行っています。

これらの取り組みは、顧客の満足度とロイヤルティを高め、長期的なビジネス成功につながっています。

事例②:三井住友カード

三井住友カードは、個々の顧客のライフスタイルに合わせたマーケティングを行うことで、顧客エンゲージメントを高めています。

たとえば、彼らの「SMCC AI-Chatbot」は、AIを使用して個々の顧客との対話を通じて、顧客のニーズに対応した情報提供やサービス提供を行います。また、「Visa touch」や「d払い」などのデジタル決済サービスを提供することで、顧客の利便性を向上させ、エンゲージメントを深めています。

これらの取り組みにより、三井住友カードは、顧客との関係を強化し、顧客満足度を高めています。

事例③:スターバックス

スターバックスは、デジタル技術を活用して高い顧客エンゲージメントを実現しています。

スターバックスのモバイルアプリは、オーダー機能や決済機能、リワードプログラムなど、多機能を提供することで顧客の利便性を高めています。また、スターバックスは、顧客が店舗での体験をソーシャルメディアで共有することを奨励するなど、顧客とのインタラクティブなコミミュニケーションにも力を入れています。

特に、スターバックスのロイヤルティプログラム「スターバックス リワード」は、顧客の購買行動を反映したパーソナライズされた特典やキャンペーンを提供することで、エンゲージメントを促進しています。さらに、ユーザー参加型のキャンペーンや、ブランドの社会的価値についての情報共有などを通じて、顧客との強いつながりを築いています。

これらの取り組みにより、スターバックスは世界中の多くの顧客から高いロイヤルティを獲得しています。

スターバックス ジャパン公式モバイルアプリ
スターバックス ジャパン公式モバイルアプリ
開発元: Starbucks Coffee Company
価格: 無料
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顧客エンゲージメントを測定するための指標

指標①:Webアンケートの結果

Webアンケートは、顧客エンゲージメントを直接的に測定する手段の一つです。

顧客が製品やサービスにどれほど満足しているか、ブランドに対してどれほどの愛着を持っているか、また、ブランドとの関わり方や頻度について、具体的な数値や意見を収集することができます。

顧客の満足度やロイヤリティ、購入意向などを問うアンケートを実施し、それらの指標が時間とともにどのように変化するかを追跡することで、エンゲージメントの状況を評価することができます。

指標②:SNSのエンゲージメント率

SNSのエンゲージメント率は、ブランドと顧客の関わりの深さを示す重要な指標です。

Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSでは、「いいね」の数、シェアの数、コメントの数、フォロワーの数などのデータを通じて、顧客がブランドの投稿にどれほど積極的に反応しているかを測定することができます。

また、SNSのアルゴリズムはエンゲージメントを重視しているため、高いエンゲージメント率は投稿の露出度を高め、さらなるエンゲージメントを生む可能性を持っています。

この指標を使って、キャンペーンや投稿の効果を分析し、より高いエンゲージメントを達成するための戦略を検討することができます。

エンゲージメントに活用すべきツール

ITツールを活用することで、効率が上がります。以下に人気のツールを2つご紹介します。

ツール①:マーケティングオートメーション(MA)

マーケティングオートメーション(MA)は、エンゲージメントマーケティングに欠かせないツールの一つです。

MAツールは、個々の顧客の行動データを収集・分析し、それに基づいたパーソナライズされたコンテンツやメッセージを自動的に提供することができます。

これにより、適切なタイミングで適切な情報を顧客に届けることができ、顧客エンゲージメントの向上に寄与します。また、MAツールは、マーケティング活動の効果を評価するための詳細なレポートを提供し、戦略の最適化に役立てることができます。

ツール②:顧客関係管理(CRM)

顧客関係管理(CRM)システムは、顧客との関係を管理し、そのエンゲージメントを深めるための重要なツールです。

CRMシステムは、顧客の基本情報、購入履歴、接触履歴など、顧客に関する様々な情報を一元的に管理します。これにより、一貫した顧客体験を提供するとともに、個々の顧客に対する深い理解を得ることができます。

また、CRMシステムのデータを活用することで、顧客の購買傾向やニーズを把握し、それに基づいたマーケティング活動を展開することが可能になります。これにより、顧客満足度の向上や長期的な顧客ロイヤリティの構築につながります。

まとめ:エンゲージメントマーケティングで消費者の心を響かせよう

この記事では、エンゲージメントマーケティングについて詳しく解説しました。エンゲージメントとは、消費者と企業やブランドとの深い関係性を指し、その重要性や理由についても説明しました。さらに、エンゲージメントを高めるための6つの戦略についてもご紹介しました。

エンゲージメントマーケティングは、情報の受け手だった消費者を積極的な関与や行動に結びつける新しいアプローチです。このマーケティング手法を活用することで、情報の溢れた時代でも消費者の心に響くメッセージを届けることができます。

是非、この記事で紹介した戦略を参考にして、効果的なエンゲージメントマーケティングを実践してみてください。

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