顧客データ分析の核心とは? 4つの主な方法と実際の利用例を提示

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

現代の激しい企業競争の中で、企業が持続的な成長を実現するためには、深い顧客体験(CX)の改良と、それを支える正確な顧客の認識が不可欠です。 

単に担当者の直感や経験に依存し、「当社の顧客はこれだ」と決断してしまうと、不適切なマーケティング戦略を導入するリスクだけでなく、市場の急変に適切に対応するのが難しくなります。 

ここでの鍵となるのが、顧客データの分析手法です。

顧客の基本情報や購入データなどの具体的な情報をもとに、マーケティングの方針を策定することで、事業の拡大を促進することが期待できます。 

この記事で、顧客データ分析がもたらす利点、主要な分析手法(セグメンテーション分析・バスケット分析・RFM分析・デシル分析)、そして実際の利用ケースについて説明します。

顧客データの分析は、事業拡大のカギとなる

顧客データ分析は、企業が保有する顧客データを詳細に解析し、深い洞察と真実の理解を追求する強力なツールです。

例えば、顧客の基本情報の分析を通じて、どの地域のどの層が、いつ何を購入しているのかを正確に把握できます。

さらに、購買データの詳細な調査により、顧客の購買頻度、支出額、ベストセラー商品の組み合わせなどを視覚的に把握できます。

このような分析によって、実務経験や直感だけでは気付けない真実が浮かび上がることがあります。

ある事例として、あるオンラインファッションブランドでは、若い顧客を主要なターゲットとし、彼らに焦点を当てたマーケティングキャンペーンを展開していました。

しかし、詳細なデータ分析により、中年の顧客層が少ないながらも高額な商品を購入することが判明しました。

感覚だけに頼った顧客理解では、正確で効果的なマーケティング戦略の策定が難しいことがあります。

データを基にした深い顧客理解を通じて、どの顧客に、何を、いつ提供すべきかを洞察し、効果的なマーケティング戦略を展開できます。

特に、新型コロナウイルスの影響を受けて、顧客の購買傾向は大きく変化しています。

定期的なデータ分析を実施することで、市場変動や顧客ニーズの変化に素早く適応し、成功につながる対策を講じることが可能です。

2つの顧客データ分析手法 

顧客データの分析には、「定量データ」と「定性データ」という2つのカテゴリが存在します。

特徴定量データ定性データ
測定方法数値による測定記述やカテゴリによる測定
表現方法数字で表現される文字や記述で表現される
数値計算可能性数学的操作が可能数学的操作が難しい
購入金額、年齢、数量、体重感想、評価、カテゴリ、カラー
目的量的な情報を提供質的な特徴や属性を提供
分析方法統計分析、平均値、標準偏差などテキスト分析、内容の特定など

以下にそれぞれの詳細を説明します。

定量データ

定量データとは、具体的な数値で示すことが可能な情報を指します。 

売上額や商品ごとの販売件数、来店回数、ウェブサイトへの訪問回数などがこれに該当します。

さらに、顧客の住所や年齢、家庭の構成なども大きなカテゴリでの定量データとして考えられます。 

定量データの詳細な分析により、時間の流れや地域、年齢別などの異なる視点から、誰が・何を・いつ・どこで購入しているのかの傾向を把握できます。

定性データ

定性データとは、数値で示すのが難しい情報のカテゴリーを意味します。

具体的には、「顧客がどうしてこの商品を好きだと思ったのか」「なぜこの商品を他のものより選んだのか」「商品のどの部分に満足していないのか」「サービスに対する感想」などが該当します。

このようなデータは、アンケートやインタビュー、行動観察を通じて集められます。

事実をもとにした裏付けが難しいため、分析の結果に対する評価が異なる場合もあるかもしれません。

しかし、顧客の心の動きや真の欲求を理解する上で非常に価値があります。

定量データと定性データは、どちらが上というわけではありません。

双方を併用し、顧客の深い部分を理解することが必須です。

顧客情報の分析手法

次に、顧客情報の解析を進める際に頻繁に採用される4つの主要な方法(セグメンテーション分析・バスケット分析・RFM分析・デシル分析)についてご紹介します。 

1.セグメンテーション分析

引用:YAHOO!広告

セグメンテーション分析とは、顧客の属性や活動履歴などを基にして、顧客を様々なグループに分けるアプローチです。

顧客情報の解析手法として、初めて取り組む際に適した方法として知られています。

セグメンテーションには、次のような要因で行います。

地理的要因:国名や地方、人口密度、信仰など 

社会的要因:年齢層、性別、仕事、家族の形態、収入など 

心理的要因:価値観、趣向、生活様式など 

行動的要因:週のどの日、どの時間、サイトへの訪問の頻度など

例として、社会的要因でセグメンテーションを行うと、どの年齢層や職種、家族の形態で商品がよく購入されているかを知ることができるのです。

2.バスケット分析

引用:CROSS POINT

バスケット分析は、顧客が購入したアイテムの一覧を詳しく調査する方法となります。

オンラインショップの場合は購入の履歴、実店舗の場合はレジのPOS情報を元に調査を行うことが一般的です。

バスケット分析を通じて、特定の商品と同時に購入される商品の組み合わせを探ることができます。

例を挙げると、アメリカのある小売店でPOSデータを分析した結果、顧客が「おむつ」と「ビール」を同時に購入することが判明しました。

これは、おむつを買いに行ったお父さんが同時にビールも手に取っていることを示唆しています。

このように、商品の組み合わせを明らかにすることで、効果的な推薦や店舗の商品配置の見直しなどの施策を検討することができ、顧客の購買額を増加させる機会が生まれます。

3.RFM分析

引用:ORGANA

RFM分析は、R(Recency:最後の購入時期)、F(Frequency:購入回数)、M(Money:購入総額)という3つの基準を利用して顧客の動向を解析するアプローチです。

各基準をHigh・Middle・Lowで区分けすることで、顧客を27のセグメントに分けることができます。

このセグメントを「トップ顧客」「一般顧客」「新規の顧客」「過去の顧客」といった具体的なカテゴリに割り当て、それぞれに合ったマーケティング戦略を策定することが可能となります。

4.デシル分析

引用:デジマール

デシル分析とは、顧客の購入履歴をもとに、全顧客の購入金額を上から10等分(デシル1〜10)し、それぞれのグループの購入データを調査するアプローチです。

各セグメントが全売上のどの程度の割合を持っているかを特定できます。 

たとえば、顧客1,000名を、購入額の順番でランク付けし、100名ずつの10のセグメントに分けるとします。

そうすると、各セグメントのメンバー数は一緒でも、売上の占める割合は異なることが明らかになります。 

もし、上位1〜3位のセグメントが全体の売上の90%を持ち、上位4〜10位のセグメントが全体の10%を持つ場合、上3セグメントの300名の顧客が、ほぼ全体の売上を形成しているという事実がわかります。 

このような高い売上を持つ顧客セグメントに焦点を当て、クーポン提供や特別キャンペーンを行うことで、リピートの向上や更なる売上の増加を見込めると思います。

【現場でよくある事例!】蓄積データから何を読み取る?顧客アンケートの本当の活用方法を解説

顧客データ分析に関して解説してきましたが、運用現場でよく起こる事例として「既存顧客の分析ができていない」という内容があります。

既存顧客は自社サービスを利用してくれているため、良くも悪くも大切な意見を持っています。
多少手間と時間はかかるものの、ぜひアンケートを取って顧客の声を聞いてみてください。

顧客アンケートを活用する上で大切なポイントは次の3つです。

1つ目は、アンケートで明らかにしたい目的や仮説を事前に明確化すること。データ分析時の指標となります。

2つ目は、回答結果だけでなく属性データやディープデータも合わせて収集し、回答背景の理解を深めること。単純集計では見えてこない洞察が得られます。

3つ目は、アンケートで判明した改善点を実際にPRIORITIZATIONし、サービス改善につなげる피드バックサイクルを回すこと。アンケート自体が目的化せずサービス向上に活用することが大切です。

この3つのステップを回すことが顧客理解促進とサービスブラッシュアップにおけるアンケートの最大活用法と言えるでしょう。

まとめ 

この記事を通じて、顧客データ分析で得られる知見や、主な分析方法、さらには具体的な活用例についてお伝えしました。 

「顧客データ分析」と聞くと、ややこしく感じるかもしれませんが、現在の顧客のデモグラフィック情報を整理し、セグメント化するだけでも、十分効果的なデータ分析となります。

顧客データの分析で最も大切なのは、どう分析結果を実際のマーケティング活動に取り入れるかという点です。単にデータを解析するだけでは不十分で、具体的なマーケティング施策を打ち出し、売上やリピートの増加に貢献しましょう。

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