コンバージョン率の平均を業界別に解説!|計算式や改善ポイントも

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

Webサイトの運営において、コンバージョン率は非常に重要な指標です。

しかし、どのくらいのコンバージョン率が平均値なのか、業界によってさまざまですよね。

この記事では、業界におけるコンバージョン率の平均を解説します。

ECサイトやメルマガ、アプリなど、様々な分野での平均値を知ることで、自身のコンバージョン率を評価し、改善のポイントを見つけることができるでしょう。

コンバージョン率(CVR)の意味と計算式を解説

引用:株式会社ニジボックス

コンバージョン率(Conversion Rate、CVR)は、マーケティングの重要な指標の一つです。

ウェブサイトやアプリケーションの訪問者が期待される特定のアクションを行う頻度を示す数値で、訪問者の行動を数値化して商品やサービスの魅力を定量的に評価します。

コンバージョン率はサイト目的の達成率を表す数値

コンバージョン率は、訪問者がウェブサイトやアプリケーションで行ったアクションのうち、事業者が期待するアクション(コンバージョン)の割合を示します。

コンバージョンとは、具体的には製品の購入、メールニュースレターの購読、資料のダウンロード、連絡先の提出など、ビジネスの結果につながることを意味しています。

この値が高いほど、サイト訪問者が行ってほしいアクションを多くの人が行っていることを示し、ウェブサイトがよくできていることを示しています。

逆に、コンバージョン率が低いと、ウェブサイトが期待されるアクションを十分に促すことができていないことを示す可能性があります。

目的別コンバージョン率の計算式

コンバージョン率は次の式で計算されます。

コンバージョン率(%) = (コンバージョン件数 / 訪問者数)×100

ここで、「コンバージョン件数」は特定の期間中に達成された目標の数を、「訪問者数」はその期間中の全訪問者数を指します。

例えば、あるウェブサイトを1000人が訪れ、そのうち200人が製品を購入した場合、購入というアクションのコンバージョン率は次のようになります。

コンバージョン率(%) = (200 / 1000) × 100 = 20%

このように、コンバージョン率はウェブサイトの性能を定量的に評価し、マーケティング戦略を最適化するための重要な指標となります。

業界別のコンバージョン率平均値とは?

コンバージョン率の平均値は業界によって大きく異なります。これは、各業界の製品の性質、購入の決断過程、顧客の行動パターンなどによって変化します。

ただし、以下に示す数値は参考値として考えてください。
業界の中でも商品の特性によってコンバージョン率は大きく変わってきます。

アパレル業界

アパレル業界では、オンラインショッピングの普及により、多くの消費者が衣料品やアクセサリーをウェブサイトやアプリケーションで購入しています。

業界の平均コンバージョン率は、2%から4%程度と言われています。

ECサイトの中ではCVRが高めです。

ファッションのECは指名買いが多く、気に入ったブランドを何度も買い続ける傾向が強いジャンルでもあります。

アクセサリーが欲しい時はまずこのブランドのECサイトをチェックする、服が欲しい時はまずこのショップのECサイトをチェックする、と決まっているケースが多く、そのようなリピーターが増えると、さらにCVRは高くなります。

家電業界

家電業界では、商品の価格が比較的高価であるため、消費者は購入を決定する前に多くの情報を探し、比較検討を行う傾向にあります。

そのため、この業界の平均コンバージョン率は、通常、1.5%から2.5%程度となります。また、商品の特性上、リピート購入が少なく、顧客のエンゲージメントを高めることが一層重要となります。

家電はどのECサイトで購入しても同じ商品が届きます。
そのためユーザーは、より安く買えたり便利に買えたりするECサイトを探すことが多くなります。

値段・送料、そしてショップの口コミのバランスが取れていればコンバージョンは高くなる傾向にあります。

家具業界

家具業界のオンライン販売におけるコンバージョン率は、通常、1%から2%程度となります。

家具は高価であり、また生活空間に大きな影響を与えるため、消費者は購入を決定する前に多くの検討を行う傾向にあります。

そのため、コンバージョン率は一般的には低めです。

そして家具の中には、一般的なデザインの量産家具もあれば、流通量の少ないアンティークものもあり、職人がこだわって造った一点ものの家具もあります。
そういった他にないものを探す場合はコンバージョンが高くなります。

それぞれを分けて見てみるとCVRには差が出ますが、ジャンル全体としては、平均的な数値になります。

飲食業界

飲食業界のオンライン予約やデリバリーサービスにおけるコンバージョン率は、業界や地域、サービスの種類によりますが、一般的には約2.5%から5%程度と言われています。

ここでは、消費者の食事の好み、ロケーション、特別なプロモーションや割引などがコンバージョン率に大きな影響を与えます。

飲食は代替性と価格弾力性、両方が高いため、飲料・食品ECサイトは競争が激しくなりがちです。
ユーザーも多くのECサイトを並行して使いますので、CVRは低くなります。

また、オンラインデリバリーサービスの急速な普及に伴い、飲食業界のコンバージョン率は今後さらに変化する可能性があります。

手法別のコンバージョン率平均とは?

マーケティング手法によっても、コンバージョン率は異なります。

各チャネルの特性、ユーザーの行動、競争状況などがこれに影響を与えます。

以下に各手法別の一般的なコンバージョン率の平均値を解説します。

アプリのコンバージョン率平均値

モバイルアプリのコンバージョン率は、デザイン、ユーザーエクスペリエンス、パフォーマンスなど多くの要素により影響を受けます。
また、アプリの種類(ゲーム、ショッピング、教育、エンターテイメントなど)によっても異なります。

コンバージョン率が10%を超えているのは、フード・ドリンク、デベロッパーツールです。

逆に、天気、写真・ビデオ、ゲームなどのカテゴリのアプリは5〜6%にとどまっています。

全体的に見るとモバイルアプリのコンバージョン率は、ウェブサイトよりも高いとされており、20%から40%程度とされることが多いです。

メルマガのコンバージョン率平均値

メールマーケティングのコンバージョン率は、メールの内容、デザイン、ターゲットオーディエンス、送信タイミングなどに大きく依存します。

平均的なメールマーケティングのコンバージョン率は、2%から5%程度と言われています。ただし、購読者のセグメンテーションやパーソナライゼーションを行うことで、コンバージョン率を大幅に向上させることが可能です。

Web広告のコンバージョン率平均値

Web広告(Google AdwordsやFacebook Adsなど)のコンバージョン率は、広告のタイプ、業界、ターゲットのオーディエンス、広告のクリエイティブなどにより大きく変動します。

一般的には、Google検索広告の平均的なコンバージョン率は約2.5%、ディスプレイ広告の場合は約0.6%と言われています。
また、Facebook Adsの平均的なコンバージョン率は、約9%程度となります。

コンバージョン率が下がる4つの要因とは?

コンバージョン率は様々な要素によって影響を受けます。
以下に、コンバージョン率が低下する可能性のある主な要因をいくつかご紹介します。

要因①:UXに配慮したWebサイトになっていない

ユーザー体験(UX)は、ウェブサイトのコンバージョン率に大きな影響を与えます。

以下の要因により、ユーザーが目的を達成するのを困難にし、結果的にコンバージョン率を低下させる可能性があります。

・複雑なナビゲーション

・遅いページの読み込み速度

・見づらいデザイン

・使いづらいチェックアウトプロセス

ユーザーがサイトをスムーズに利用でき、求めている情報やサービスを簡単に見つけることができるようにすることが重要です。

要因②:ユーザーが求める商品やサービスがない / わかりにくい

ウェブサイトに訪れたユーザーが探している商品やサービスが見つからない、または見つけるのが難しい場合、コンバージョン率は下がる可能性があります。

ウェブサイト上での商品やサービスの提示方法は、ユーザーがどのように情報を探しているかを理解することで最適化できます。

また、ユーザーが求める商品やサービスがそもそも存在しない場合、そのユーザーをコンバートすることは難しくなります。
顧客のニーズや行動を理解したうえでの商品やサービスを提供することが重要です。

要因③:広告のターゲティングにズレがある

広告のターゲティングが適切でない場合、訪問者の大部分がサイト上のアクションを取る可能性が低いユーザーである可能性があり、結果的にコンバージョン率は低下します。

例えば、商品やサービスが特定の年齢層や興味を持つ人々に向けられているにも関わらず、広告がそのターゲットからずれた人々に表示されると、訪問者は高い確率でコンバージョンしないでしょう。

広告のターゲティングを適切に行い、最も関心があり、最もアクションを起こす可能性が高いユーザーに到達することが重要です。

要因④:市場や業界の状況が大きく変化した

市場や業界の状況が大きく変化すると、それがコンバージョン率に影響を及ぼす可能性があります。

例えば、

・新たな競争企業の出現

・法規制の変更

・経済状況の悪化

・技術の進歩

などが、消費者の行動やニーズを変え、結果的にコンバージョン率を低下させる可能性があります。

市場や業界の動向を常に注視し、臨機応変に対応することで、市況の変化に対応してコンバージョン率を維持または向上させることが可能です。

コンバージョン率が高いサイトを目指すための7つのポイント

コンバージョン率を向上させるためには、ウェブサイトのさまざまな要素を最適化することが重要です。
以下に、コンバージョン率向上のための主なポイントを挙げます。

ポイント①:コンバージョンまでの導線を見直す

訪問者がサイトを訪れてから目的のアクションを行うまでの流れ、つまりユーザージャーニーを見直すことが重要です。
この導線が複雑すぎたり、混乱を招くものであったりすると、ユーザーが目的のアクションを行うまでに離脱してしまう可能性があります。

・明確なCTA(Call to Action)の配置

・無駄なステップの削除

・簡潔で明瞭な情報の提示

などを通じて、ユーザーが容易にコンバージョンできる流れを作ることが求められます。

ポイント②:モバイル端末も意識してサイトデザインを改善する

現代のインターネット利用者は、多くがスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを使用しています。そのため、ウェブサイトはモバイルフレンドリーであることが不可欠です。

以下のモバイルユーザーのエクスペリエンスを高める要素を意識することで、コンバージョン率の向上を期待することができます。

・モバイルデバイスでの閲覧に最適化されたデザイン

・読み込み速度の改善

・タッチ操作に適したUI

ポイント③:信頼度の高いサイトにする

サイトの信頼性は、ユーザーがコンバージョンするかどうかに大きく影響します。
ユーザーに安心感を与え、サイトへの信頼を向上させる項目を増やしましょう。

・商品やサービスの詳細な説明

・レビューや評価

・返品や保証に関する明確な情報

・そしてセキュリティ(例えば、SSL認証)

これらの信頼性の高い要素をサイトに取り入れることで、コンバージョン率の向上が期待できます。

ポイント④:ハードルの低いコンバージョンを設定する

訪問者がコンバージョンを達成するためのハードルが高すぎると、その結果、コンバージョン率が低下する可能性があります。

例えば、商品の購入を促す前に、ユーザーにニュースレターの登録やアカウント作成を求めると、これが高いハードルとなり、ユーザーが離脱する可能性があります。

そのため、コンバージョンのハードルを適切なレベルに保ち、ユーザーが簡単にアクションを起こせるようにすることが重要です。

ポイント⑤:商材配送を顧客にとって便利になるように改善する

商品の配送オプションとそのプロセスも、コンバージョン率に影響を及ぼします。

顧客にとって便利な配送オプションを提供し、明確で迅速な配送プロセスを設定することで、コンバージョン率を高めることが可能です。

以下の要素が当てはまる場合は改善しましょう。

・配送方法の選択肢が少ない

・配送費用が高い

・配送までの時間が長い

ポイント⑥:購入者のレビューなど購買意欲を高める広報を掲載する

顧客からの評価やレビューは、新たな顧客の購買意欲を高める効果的な手段です。

購入を検討している人々は、実際に商品やサービスを利用した他の人々の意見や経験を聞くことで、その信頼性や価値を判断します。

特に、ポジティブなレビューや評価は、新たな顧客がコンバージョンする確率を高めます。
レビューや評価をサイトに掲載し、顧客が意思決定をする際の参考情報を提供することが重要です。

ポイント⑦:顧客サポートの質を高める

顧客サポートを充実させることは、信頼の構築とコンバージョンの促進に大きく貢献します。

以下のサービスを提供することで、顧客の満足度を向上させ、コンバージョンを促進することができます。

・迅速で丁寧な対応

・問題解決のための明確な指針

・ユーザーが容易に連絡を取れる方法(例えば、チャットボット、メール、電話など)

また、良好な顧客サポートは、長期的な顧客ロイヤルティを築く上でも有効です。

コンバージョン率の向上に成功した企業の事例

以下では、実際の企業がどのようにしてコンバージョン率の向上に成功したか、その事例を紹介します。

事例①:株式会社ローカル

株式会社ローカルは、オンラインショッピングサイトのデザインと導線を改善することで、コンバージョン率を大幅に上げることに成功しました。

具体的には、商品説明ページの表示方法をシンプルに変えて、情報を分かりやすく表示することで、購買決定を迅速に促すことに成功しました。

さらに、ユーザーレビューの表示や、レコメンデーション(おすすめ)機能の導入により、顧客の購買意欲を刺激し、結果としてコンバージョン率が向上しました。

事例②:スタディプラス株式会社

スタディプラス株式会社は、教育テクノロジーサービスを提供しています。

彼らはアプリ内のユーザー体験を改善し、サインアップまでの手順を簡潔にすることで、ユーザーのコンバージョン率を大幅に向上させました。

アプリへの登録手順が複雑だと、その時点でユーザーは離れてしまいます。

まず会員になってもらうこと。ここを意識してコンバージョン率をあげることに成功しました。

また、アプリの操作方法をわかりやすく説明するチュートリアルを導入し、新規ユーザーがサービスを使い始めやすい環境を作り出しました。

事例③:エムオーテックス株式会社

エムオーテックス株式会社は、広告のターゲティングを見直し、より適切な顧客層にアプローチすることで、コンバージョン率を向上させました。

顧客データを詳細に分析し、その結果から得たインサイトをもとに、広告のメッセージとターゲットを最適化しました。

これにより、サービスを求めていた顧客層に的確に訴求でき、その結果、広告からのコンバージョン率が大幅に向上しました。

まとめ

コンバージョン率を上げるためには、自社のウェブサイトやオンラインビジネスの特性に合わせた最適化が必要です。

コンバージョン率の平均を知り、自社のパフォーマンスと比較することで、改善のポイントを見つけることができます。


顧客目線に立ち、使いやすさや情報の充実度を向上させること、また、ターゲットユーザーを正確に把握し、それに合ったマーケティング戦略を展開することも大切です。

さらに、競合他社の動向や市場トレンドにも目を光らせ、常に最新の情報を取り入れ、自社の戦略を適宜見直すことも重要です。

さらに、広告媒体の効果も検証し、最適な広告チャネルを選定することもコンバージョン率向上のポイントです。

業界のトレンドやベンチマークをしっかりと理解し、自社のコンバージョン率を改善しましょう。

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