“本当にこのままで愛されるの?”
そう感じる方は必見のインタビューです。スペイン在住の天野理恵ラブモチベーショナリストさんは、遠く離れた地から「日本の恋愛事情に危機感を抱いている」と語ります。
SNSとコンプライアンスが進むなか、「素」の自分を隠して恋愛や婚活に臨む人が増えがちな今。天野さんは「そこをあえてオープンにするからこそ、心から溺愛される」と強調。本記事では、実際に数々の成婚を生み出した“らぶもち流”の極意や、スペインでの生活から学んだ価値観をたっぷりお届けします。

婚活パラダイス編集部 × 天野理恵さん スペシャル対談

一般社団法人日本女性コーチ・カウンセラー協会
代表 天野理恵さん
大学を卒業後、OLを経て1999年にスペイン移住。今も現地で子育てをしながら、恋愛・婚活の悩みを解決するラブモチベーショナリスト。フラメンコ留学を機に渡西し、物販会社や協会運営など多方面で活躍。5,000人超の女性をサポートし、“このままでいい”を大切にする恋愛観を提唱。
スペインへ渡った理由は「フラメンコ留学」
— 今日はインタビューのお時間いただき、ありがとうございます。天野さんご自身の経歴についてまず伺えればと思います。スペイン在住歴が長くていらっしゃいますよね。いつ頃から住まれているんでしょうか?

最初にスペインに行ったのは1994年ですが、その時は卒業旅行みたいな感じで、スペインを含めヨーロッパをまわったんです。
本格的に住み始めたのは1999年ごろですね。もともとはフラメンコ留学でセビージャに来たんですよ。
— フラメンコ! そこからずっと帰国せずに……?



はい。1年半留学したのがはじまりで。フラメンコを始めたのは日本でなんですが、「これはもうスペインに行きたい!」と留学し、そのままセビージャに住み始めました。
— なるほど。そこから物販会社やカウンセリング事業を法人化されるまで、わりと自然な流れで進んでいった印象を受けましたが……。



私自身は、決して「とんとん拍子」というわけでもなかったんですよ。周囲の方に助けてもらいながら、一つずつ誠実に対応してきた結果が今につながっているんだと思います。
フラメンコ関連で知り合ったスペインの靴メーカーさんがあって、そこがとても良い靴を作る会社だったんです。私はスペイン語が話せたので、最初は日本で販売や斡旋みたいなことを手伝うようになり、そのうち「じゃあ正式に日本にも出店しよう」という話になって。
2010年あたりから物販の会社を日本に構えて、フラメンコ靴の輸入販売をしていました。
恋愛カウンセリングを始めた理由と「ありのまま」の大切さ
— そこから恋愛相談やカウンセリングを始められたのは、さらに後ですよね?



はい。2015年からブログを始めて、それがきっかけで「恋愛相談に乗ってほしい」という声が増えました。もともと私は占いのような形で相談にはのっていましたが、それをカウンセリングという形に切り替えていったんです。
「恋愛するうえで、メンタル面ってすごく大事だよね」と感じていたし、周囲を見てもメンタル面が弱っている人がどんどん増えている。
だったら「恋愛の悩みを専門にしたカウンセリング」を本格化させようと思ったんです。
— 今は「恋愛」だけでなく「婚活」を含めて、いろんな悩みを受けられているんですよね?



そうですね。うちは「ときめく恋をして、好きな人と結婚しよう!」というスタンスなので、最終的には婚活につながる方も多いですが、相談内容は恋愛そのものが中心です。
たとえば「いつカラーコンタクトを外していいか分からない」とか、本当に細かいことも多いです。思い込みが強すぎるあまり「外したら嫌われるのでは?」と恐れてしまう。実際は外しても嫌われないし、むしろ“本当のあなた”を知りたいと思っている男性が多いんですけどね。
あと「イケメンは浮気するからもう諦める」みたいな相談とか。「なぜ“浮気をする人”と“イケメン”をイコールで結びつけてるの?」という思い込みを外すだけで、ガラッと幸せになっていくパターンは多いです。
— 思い込みを外す、というのは面白いですね。みなさん自分でも気づかないうちに刷り込んでしまっている……。



そうなんです。セクシャルな恐怖だったり、過去の小さな失恋体験だったり、些細なことが積み重なって変な思い込みを形成しちゃう。
それによって自分にブレーキをかけたり、変な条件で相手を選んじゃったりする。
一方で「自分はこのままの私でいいんだ」と思えるようになると、“溺愛される”関係に発展するんです。実際うちで学んだ女性が、「そのままの自分を受け入れてもらえて幸せな結婚ができました!」とよく報告をくれます。
「ありのまま」は本当はすごく自然なことなのに、今の世の中はSNSやコンプライアンスの影響で“きれいでクリーンな自分”だけで勝負しなきゃ、みたいになっちゃってますよね。そこが問題だと思います。
結婚相談所との併用、婚活との付き合い方
— うちも結婚相談所さんとお付き合いがあるんですが、「恋愛せずに条件で決めて結婚する方」が多くなってるのも現状ですね。そこをどう見るか……。



結婚相談所が悪いわけではなくて、うまく使う方がいいと思うんです。
仲人さんやカウンセラーさんに「私は本当はこういうことが一番大事」とちゃんと伝えるとか。仲人さんも「こういう写真を使ったほうがいいよ」とアドバイスしてくれるのは善意からですし、それを柔軟に取り入れてみるとかね。
ただ、条件だけじゃなくて「ときめき」も捨ててはいけない。年収1000万以上がいい!とか、そういうこだわりがあっても本人にとっては切実な理由があったりしますよね。そこを無理に妥協すると後々うまくいかないことも多いです。
だから「理想を下げよう」じゃなくて、「自分の優先順位を理解して大切にしながら、本当に合う相手を探そう」という感じでサポートしています。
障がいのある方の成婚エピソード、コミュニケーションの大切さ
— 具体的に印象に残っているエピソードはありますか?



統合失調症の方で、周囲からは「たぶん恋愛は無理だろう」と思われてた女性が、初めて付き合った男性と結婚されました。
ご本人も「私は障害手帳を持っているから、嫌がられてしまうんじゃないか」と思い込んでいたんです。
でも、実際は彼女の特性を理解しようとしてくれる男性と出会い、些細なことでも「それはこうするともっと楽だよ」と言われたときに、「私を否定された!」ではなく「彼はより快適に暮らせるようにアドバイスしてくれてる」と受け取れるようになった。その変化は大きかったですね。
— たしかに、日常の些細なズレも「自分が否定された」と受け止めてしまうと苦しいですもんね。でも、そこを「教えてくれたんだ」と思えるだけで、二人の関係は全然変わってくる。



そうなんです。男性のほうも優しくフォローしてくれようとがんばっているケースって多いんですよ。恋愛スキルが下がってきてるとはいえ、多くの男性は「女性を喜ばせたい」という気持ち自体は持っていて、それが伝わらないまま終わってしまうんです。
外でお蕎麦を食べたいと言われて、一生懸命リサーチして「ここが最高に美味しい!」ってお店に並んで連れて行ったら、「外で並ばされるなんて」と不満をぶつけられてしまう……なんて誤解のすれ違い、よくありますよね。
でも真意としては、「最高のものを食べさせたい」って優しさだったりするわけです。
一般社団法人でのカウンセラー育成と今後のビジョン
— 天野さんは今、「一般社団法人日本女性コーチカウンセラー協会」も運営されていますよね。ご自身のカウンセリングだけでなく、カウンセラーの育成もされているんでしょうか?



はい。ここも最初は「自身がカウンセリングを受けた卒業生の方たち」が学びを続けたいという流れで始まりました。自分自身がさらにうまくいくための学びとして参加する人もいれば、本格的にコーチやカウンセラーとして活動したい人もいます。
資格取得のプログラムだと1年半くらいかけてじっくり学ぶ方もいますが、4か月くらいの講座で基礎を固める方もいて、人それぞれです。
— 最後に、今後のビジョンについて教えてください。



現在「ありのままで溺愛される自分になれるらぶもち講座」というのを運営していますが、これを広げ続けたいと思っています。
また気軽に恋愛相談ができるオンラインコミュニティー「らぶもち公民館」も拡張中です。そこは「ありのままのあなたでok」「ダメ出しはしない」というマインドを共有できる人たちが助け合う場所。
将来的にはこれのリアル版「らぶもち茶屋」も出店したいと思っています。
不倫テーブル、婚活疲れテーブル、婚活新人テーブルみたいにテーマごとに好きなテーブルにふらっと立ち寄って、おしゃべりしてスッキリして帰る、みたいな感じですね。
— 今の日本は恋愛においてもコンプライアンスやSNSにとらわれて「ガツガツ行けない」「どこまで進んでいいか分からない」人が多いですからね。そんな時代だからこそ、カウンセリングやコミュニティの存在がますます重要になりそうですね。



本当にそう思います。男性も女性も、恋愛する“場”や“学ぶ機会”を取り上げられがちな状況ですし。
でも、何のためにお金を稼いだり、仕事を頑張ったりするのか。やっぱり根底には「誰かと心を通わせたい」「幸せな家庭や関係を築きたい」という気持ちがあると思うんです。
恋愛や結婚の部分をなおざりにしてしまうと、日本という国自体も弱くなると思います。
だからこそ、もっと気軽に恋愛しよう、でも実は“ガチで愛し合おう”という文化を広げたいですね。
取材後記
セビージャの陽気な雰囲気をまとう天野さんが、「恋愛も人生も、もっと肩の力を抜いていいんだよ」と優しく語りかけるのが印象的でした。
そのうえで、「大事なのは“このままの私でOK”と受け止められること」と強調されていたのが大きなポイントです。
恋愛において、自分の思い込みやトラウマを外し、素の自分を相手に見せられるようになれば、どんな方でも“溺愛される”関係は十分に築ける。実際、天野さんの下で結婚まで進んだ方も数多くいるそうです。
「もっとラフに恋愛を楽しめる社会になってほしい」と願う天野さん。
オンラインの場「らぶもち公民館」や、いずれ実現するかもしれないリアルの「らぶもち茶屋」が、多くの人の心をほぐし、恋愛や結婚への一歩を後押ししていくのではないでしょうか。
インタビュー・文:婚活パラダイス編集部