【広告心理学の効果的活用】12の実践的秘訣で広告成果を最大化!

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

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広告業界では、心理学を活用することで、より効果的なメッセージを伝え、成果を得ることが可能です。世には様々な広告心理学の理論があり、それらを理解し活用することは、一見すると難しく思えるかもしれません。しかし、心理学の基本原則を把握すれば、広告の魅力を最大限に引き出すことができるのです。

この記事では、広告の制作において実際に使える心理学の要素を厳選し、それぞれについてわかりやすく、具体的に解説します。心理学を用いることで、どのように消費者の心をつかむことができるのか、具体例を交えながら、その秘訣を掘り下げていきます。広告心理学は、単なる理論ではなく、実際に広告制作の現場で役立つ、実践的な知識として捉えてみましょう。それでは、広告の世界で輝く12の秘訣を、一緒に探求していきましょう。

1.広告心理学の魅力と効果

広告心理学は、ユーザーの感情に訴えかけ、その注意を引きつけるための独特なテクニックとして知られています。この分野では、広告の文言やタイトルを工夫することで、消費者の心を掴む多くの方法が存在します。特に、インターネット上のWeb広告の場合、精緻なターゲティング技術を用いることで、潜在的な顧客層だけでなく、明確なニーズを持つ顧客層へのアプローチも可能になります。ただし、ユーザーに広告をクリックさせ、実際に行動を促すためには、創造的で魅力的な広告作りが不可欠です。

2.心理学を活用した広告の成約率について

私たちは、意識せずとも日常的に多くの広告に触れています。オンラインだけでなくオフラインの環境でも、ふとした瞬間に目にする広告に興味を抱かせるためには、心理学の原理をうまく活用することが重要です。もちろん、心理学的要素を取り入れたからといって、成約率が必ずしも大幅に向上するわけではありません。しかし、消費者の無意識のレベルに働きかけることで、成約の可能性を高めることができるのです。このように、心理学の理論を広告に応用することで、より効果的なコミュニケーションを実現し、成約率の向上を目指すことができるのです。

3.消費者行動を理解する鍵「AIDMA理論」の活用法

AIDMA理論は、消費者の購買行動プロセスを表すモデルで、以下の五つのステップから構成されています。

  1. Attention(認知)
  2. Interest(関心)
  3. Memory(記憶)
  4. Action(行動)

この理論を広告戦略に応用する際、対象となる消費者層に応じて、アプローチの方法を変えることが肝要です。それぞれのステップを深く理解し、適切な手法を選択することが、効果的な広告キャンペーンには不可欠となります。

3−1.Attention-アテンション(認知)の重要性

アテンションフェーズは、消費者が商品やサービスを認識する初期段階を指します。この段階では、消費者はまだその存在に気づいていないため、企業はWeb広告やマスメディアを活用して、広範な認知を促進する必要があります。

3−2.インタレスト-Interest(関心)を引き出すテクニック

インタレストフェーズでは、消費者が商品に興味を持つ段階です。この時点では、商品の概要は理解しているものの、購入に至るほどの強い動機はまだ持っていません。ここで企業は、商品の独自性や魅力を伝え、消費者の心を掴む必要があります。

3−3.デザイア-Desire(欲求)を刺激する方法

デザイアフェーズでは、消費者が商品のメリットや魅力を深く認識している状態です。しかし、まだ購入への決定的な動機付けが欠けています。この段階では、商品使用後の満足感や利点を具体的に示し、消費者の欲求を刺激することが重要です。

3−4.メモリー-Memory(記憶)段階の効果的なアプローチ

メモリーフェーズでは、消費者は購入意欲が高まっていますが、他の商品と比較したり、予算を検討している状態です。ここで、リターゲティング広告を活用し、商品への欲求を持続させることが、購入につながる重要なポイントになります。

3−5.アクション-Action(行動)フェーズでの注意点

最終的にアクションフェーズに至った消費者は、購入意志を固めていますが、支払い方法の不明瞭さや在庫不足などの理由で離脱する可能性もあります。この段階では、消費者が迷わず購入できるよう、オムニチャネル戦略を取り入れるなど、細やかな配慮が求められます

4.広告に効果的! 心理学の12のテクニック詳細解説

広告に活用できる心理学的テクニックは多岐にわたり、次のようなものが挙げられます。

  1. カクテルパーティー効果:ターゲットの注意を引きつける
  2. ザイオンス効果:親近感や好印象を植え付ける
  3. バンドワゴン効果:サービスへの信頼感を高める
  4. 権威への服従原理:専門家や有名人の影響を利用する
  5. ハロー効果:全体の印象で信頼を築く
  6. 同調現象:多数派の意見に影響されやすい心理を利用する
  7. 吊り橋効果:共感や感情の強化
  8. 噴水効果:初期の魅力的な情報で関心を喚起する
  9. 松竹梅の法則:選択肢の配置で購買を促進
  10. カリギュラ効果:禁止やタブーを使って好奇心を刺激
  11. シャルパンティエ効果:言葉の使い方で印象を変える
  12. クレショフ効果:画像や動画の文脈が与える影響

それでは、これらのテクニックを一つずつ詳しく解説していきます。

4−1.カクテルパーティー効果:ターゲットにフォーカスする方法

カクテルパーティー効果は、個人の関心事に敏感に反応するという心理現象です。例えば、雑踏の中でも自分の名前や関心のある話題にはすぐに耳を傾ける傾向があります。この効果を広告で活用する場合、「冬の乾燥肌にはこれ!」のように、ターゲットの具体的な悩みや関心事に直接訴えかける手法が有効です。これにより、ユーザーは自分に直接話しかけられているような感覚を抱き、広告に対する関心を高めることができます。

4−2.ザイオンス効果:親近感を構築する戦略

ザイオンス効果は、繰り返しの接触によって親近感や好印象が増すという心理効果です。この現象を利用する広告戦略では、同じメッセージやイメージを複数回展示することで、ターゲットの心にじわじわと影響を与えることが可能です。例えば、繰り返し表示されるバナー広告は、時間の経過とともにユーザーに親しみや信頼感を与える効果が期待できます。

4−3.バンドワゴン効果:集団心理を利用した訴求

バンドワゴン効果は、多数の人々が支持するものに対する自然な信頼感の高まりを指します。例えば、多くの人が訪れるレストランや行列ができる店に興味を持つのは、この効果によるものです。広告では、利用者数の多さや人気の高さを強調することで、製品やサービスへの信頼性を高めることができますが、一方で、独自性や個性を重視する顧客層への反発も考慮する必要があります。

4−4.権威への服従原理:信頼性の確立

権威への服従原理は、専門家や著名人の意見に自然と耳を傾ける心理現象です。例えば、広告において「この分野の第一人者が推奨」「業界トップの企業が使用」などのフレーズを用いることで、製品やサービスへの信頼性を高めることが可能です。このような訴求は、専門性や権威性を前面に出すことで、消費者の信頼を獲得しやすくなります。

4−5.ハロー効果:全体的な印象による安心感の創出

ハロー効果は、特定の印象的な特徴が全体的な評価に影響を与える現象を指します。たとえば、広告で「業界で最も信頼されるブランド」「多くのセレブリティに愛用されている」などの言葉を使うと、その製品やサービス全体への肯定的な印象や安心感が高まります。この効果を活用することで、広告はターゲットに対して製品の品質や信頼性を効果的にアピールすることができます。

4−6.同調現象:多数派の影響力を利用した安心感の提供

同調現象は、人々が多数派の意見や行動に自然と従いやすい心理状態を指します。たとえば、広告に「数万人が選んだ製品」といった表現があると、それだけで製品に対する安心感が生まれ、消費者はより購入に傾きやすくなります。広告ではこの現象を利用し、「売れ筋商品」「ユーザー満足度が高い」などの言葉を使って、顧客の購買意欲を刺激することができます。

4−7.吊り橋効果:緊張感を利用した共感の創出

吊り橋効果は、ストレスや緊張状態が人々の感情を強化する心理現象です。この効果は、マーケティングや広告において、製品やサービスに対する共感を深めるために利用されます。例えば、広告で製品開発の過程での困難や挑戦を描くことで、消費者はその物語に共感し、製品への興味を高めることができます。

4−8.噴水効果:初期のインパクトで関心を引き寄せる

噴水効果は、初めに与える情報や印象が後の行動や意思決定に大きな影響を及ぼす心理効果です。広告では、特に目を引くような魅力的なオファー(「初回限定割引」や「特典付き」など)を前面に出すことで、消費者の注意を惹きつけ、さらなるアクションへと導くことが可能です。

4−9.松竹梅の法則:価格設定による選択の促進

松竹梅の法則は、商品の価格設定において中間の価格帯の商品が最も選ばれやすいという現象を指します。これは、消費者が過度に高価でなく、また安すぎる商品を避ける傾向にあるためです。例えば、商品のラインナップに高価格、中価格、低価格のオプションを提供することで、消費者は「どれを購入するか」という選択肢に集中しやすくなります。

4−10.カリギュラ効果:禁止されたものへの興味喚起

カリギュラ効果は、禁止されたりタブーとされる事柄に対して、人々が逆に強い興味を抱く心理現象を指します。広告では、この現象を利用して、例えば「限定公開」や「会員専用オファー」などの表現を使うことで、製品やサービスに対する特別感や独占的な興味を刺激することが可能です。これにより、一般的な広告では得られないような高いクリック率や関心を引き出すことができます。

4−11.シャルパンティエ効果:印象を形成する言葉の選び方

シャルパンティエ効果は、言葉遣いが与える強烈な印象の力に関する心理現象です。たとえば、同じ重量の物体に対しても、その言葉選びによって異なる印象を持つことがあります。「10キロの鉄」と「10キロの綿」では、綿の方が軽く感じられる人もいるでしょう。広告においては、「ビタミンC 〇〇mg配合」と表現するよりも、「レモン◯個分のビタミンC配合」と伝える方が、より具体的で理解しやすく感じられ、製品への信頼感を高めることができます。この効果を活用することで、消費者に対して製品の特徴やメリットをより鮮明に伝え、興味や信頼を引き出すことが可能です。

4−12.クレショフ効果:視覚情報による印象形成

クレショフ効果は、視覚的な情報が与える先入観の影響について説明する心理現象です。例えば、広告において使用される画像や動画は、視聴者が製品に対して持つイメージに大きな影響を与えます。背景色やデザインの全体的な雰囲気が、意図せずして商品の印象を形成することがあります。例えば、鮮やかな原色を使用すると活発で若々しい印象が生まれ、黒や白などの色を使うと高級感や洗練されたイメージが強調されることがあります。このように、クレショフ効果を理解し活用することで、広告の視覚的な要素を最大限に利用し、正確かつ魅力的な商品イメージを消費者に伝えることができます。

5.総括:広告における心理学の応用

 この記事をお読みいただき、どのような感想をお持ちでしょうか? 広告の世界では、心理学の原理を適用することで、メッセージの伝達効率を大幅に向上させることができます。実際、様々な心理学的効果や法則が存在し、これらを理解し適切に利用することで、広告のパフォーマンスを高めることが可能です。

特に、消費者の行動パターンを把握するための理論、例えばAIDMA理論のようなモデルは、ターゲット層に合わせた広告戦略を立てる上で非常に有効です。このような理論を活用して、さまざまなタイプの消費者に対して最も適したアプローチを見つけ出し、実践していくことが、広告の成功には欠かせないポイントとなります。

 心理学の知見は、広告をただの情報伝達手段から、ターゲットの心に響く、より洗練されたコミュニケーションツールへと変貌させる力を持っています。それぞれの広告キャンペーンに、これらの知識をうまく取り入れていくことで、より深いレベルでの顧客とのつながりを築き、望む成果を達成することが可能になるでしょう。