【初心者向け】マーケティングの全体像を徹底解説!5ステップで流れを理解しよう

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

マーケティングの実態と重要性を理解するためには、マーケティングを全体的に把握することが重要です。

今回の記事では、マーケティングの全体像を把握するためのプロセス・施策などを詳しく解説します。

マーケティングを実行するためのプランを立てたい、あるいは顧客を獲得したいと考えている方はぜひこの記事をお読みください。

最後まで読んでいただけると、マーケティングがどのようなものなのかをしっかりと理解できるはずです!

マーケティングとは?全体像を解説

J-Net21「マンガでわかる「マーケティングの4P」

マーケティングの基本は、製品やサービスをより多くの人に知ってもらうことです。

潜在顧客にアプローチする方法としては、Webマーケティングが主流となっており、適切な戦略と戦術を用いれば、企業は立地に関係なく幅広いターゲットにリーチすることができます。

J-Net21「マンガでわかる「マーケティングの4P」

インターネットの発展とともに、Webベースのマーケティングの可能性も広がりました。ユーザーやターゲットを絞った施策によって、ブランドの認知度を高め、より多くの顧客を集客し、売上を上げることができるようになったのです。

マーケティングで全体像の把握が重要な理由

マーケティング全体像を考えるにあたって、ジグソーパズルに例えて考えてみましょう。

一つひとつのピースは重要ですが、全体を見ると、ピースの「意味」と「つながり」が明確になります。だからこそ、マーケティングでは全体像を見失わないことが大切なのです。

SNSやメールマーケティング、SEO対策など、個々のマーケティング戦術に目が行きがちです。

もちろんそれぞれの戦術は重要ですが、時間をかけてそれぞれの戦術がマーケティング戦略全体の中でどのように位置づけられるかを考えましょう。

それぞれの戦術をより広いマーケティング計画の中に位置づけることで、計画の各要素が同じ目標に向かって共に機能することを確認することができます。

そうすることで、マーケティング活動の方向性をコントロールし、すべてのリソースが最も効果的な方法で使用されるようになります。

マーケティングで全体像の把握に役立つフレームワーク5選

全体像を捉える際に役立つフレームワークを5つご紹介します。

手法①:PEST分析

東大IPC「PEST分析とは?目的、やり方・手順、注意点を解説」

PEST(政治、経済、社会、技術)分析とは、ビジネスを取り巻く外部環境の全体像を把握するためのフレームワークです。

例えば、PEST分析をすることにより、マーケティング活動に影響を与える可能性のある政治情勢の変化を特定することができます。

また、製品やサービスの需要につながる可能性のある社会的な傾向を把握するのにも役立ちます。

潜在的なリスク要因を理解することで、マーケティング担当者はより多くの情報に基づいた意思決定を行い、より良い戦略を立てることができます。

手法②:5F分析

東大IPC「PEST分析とは?目的、やり方・手順、注意点を解説」

5F分析とは、その分野に影響を与える可能性のある「5つの影響」を理解するためのツールです。

5つの影響とは、「売り手の影響力」「買い手の影響力」「新規参入の影響力」「代替品の影響力」「すでに存在する競合他社の影響力」を指します。

各要素が業界にどのような影響を与えるかを明らかにすることで、マーケティング担当者はより成功する戦略を考案することができます。

これには、現在および将来の戦略と決断、強みと弱みの研究、ビジネスに必要な資源と資金量の見直し、販売者と消費者の交渉力の評価、正しい技術が採用されているかどうかのアイテム仕様のチェック、将来の市場動向と顧客の要求の予測などが含まれます。

手法③:3C分析

東大IPC「PEST分析とは?目的、やり方・手順、注意点を解説」

3C分析とは、ビジネスの外部環境を評価するためのビジネスフレームワークで、消費者(Consumer)、競合(Competitor)、企業(Company)の頭文字をとったものです。

顧客のニーズ、自社の強み・弱み、競合のポジションを理解することで、より良い戦略を立案するための知見を得ることができます。

また、自社の製品やサービスを差別化するための機会を特定するのにも役立ちます。

手法④:SWOT分析

東大IPC「PEST分析とは?目的、やり方・手順、注意点を解説」

SWOT分析とは、自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を分析するためのフレームワークです。

このフレームワークは、内部の強みと弱みが外部環境とどのように相互作用しているかを理解し、目標達成のためにどのように活用できるかを検討し、自社の位置づけを決定するのに役立ちます。

以下に例を挙げます。

手法⑤:4P/4C分析

4P/4C分析とは、マーケティングの4つのPに注目したフレームワークです。

製品(Product)・価格(Price)

施策(Promotion)・場所(Place)

以上の4つのPと

顧客(Customer)・コスト(Cost)

利便性(Convenience)・コミュニケーション力(Communication)

以上4つのCを考えるフレームワークです。

4Pと4Cを見ることで、適切なターゲットに対して、適切な製品・適切な価格・適切なタイミングで、最も費用対効果の高い方法で効果的なマーケティング戦略を立てることができるのです。

例えば、価格の違いによるターゲットへの影響や、口コミによる新規顧客開拓の可能性を検討する必要が出てくるケースもあります。

顧客の全体像を把握するならマーケティングファネルが便利

マーケティングファネル(AIDMA)とは、その名が示すように、顧客の認知から購入までの流れを理解するためのモデルです。

AIDMAとは、認知(Awareness)、興味(Interest)、要求(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action)の頭文字を取ったものです。

マーケティングファネルを使用する最大のメリットは、消費者の購買プロセスのどこに問題があるのかを明らかにし、適切な対策を立てることです。

製品やサービスに対する顧客の反応を把握し、さらにカスタマージャーニーを明確に把握することで、ファネル内の進行を妨げるネックを特定することができます。

この情報があれば、訪問者がファネルをスムーズに流れるように必要な改善を行うことができます。

マーケティングのプロセスを5つのステップに分けて解説!

マーケティングの手順は以下の流れで進めます。

ここでは、マーケティングにおけるプロセスを、各ステップごとに例を挙げて説明します。

ステップ①:環境を分析する

マーケティングプロセスの最初のステップは、製品やサービスが存在する環境を分析することです。

この分析には、顧客ニーズ、競争市場、政治的・法的側面、経済状況、技術などの要素を含める必要があります。

環境を徹底的に分析することで、どのようなニーズを満たすべきか、またマーケティングに影響を与える施策を理解することができます。

例えば、スナック菓子の新商品を考えてみましょう。

環境分析には、ポテトチップスにはない「健康」を求めているなどの顧客ニーズや、同じ分野の競合製品(ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーンなど)のリサーチが含まれます。

ステップ②:市場を絞る(セグメンテーション)

製品やサービスが存在する環境について理解を深めたら、次のステップは対象となるセグメントを絞り込むことです。

市場をより小さく、より明確なセグメントに分割し、製品やサービスのターゲットとすることです。

スナック菓子の場合、味を重視するユーザーもいれば、ヘルシーさを優先するユーザーもいます。

このように市場を細分化することで、それぞれのセグメントのニーズに合わせた商品やサービスを提供することができ、市場での成功の可能性を高めることができます。

ステップ③:対象ユーザーを決める(ターゲティング)

市場をセグメント化したら、次はターゲットを決めます。

理想的なターゲット顧客の特徴をつかみ、統計学、心理学、エリアなどに従って分類する必要があります。

新しいジャンルのスナック菓子の場合「コストよりも健康や味を優先する18歳から24歳のミレニアル世代」といった特定層をターゲットにすることで販売戦略が決まります。

ステップ④:自社の強みを把握する(ポジショニング)

ターゲットの細分化と特定ができたら、次は自社独自の強みを理解し、それに応じた製品・サービスのポジショニングを考える必要があります。

スナック菓子の場合、一般的には「不健康」というイメージがあるため「おいしくてしかも健康的なスナック」というポジショニングを持っていれば大変な強みとなります。

つまり、何があなたの製品の「売り」なのか?こうした独自の差別化ポイントを明確に強調することで、インパクトのあるリーチをすることができます。

ステップ⑤:具体的な戦略の実行と評価

マーケティングプロセスの最後のステップは、製品やサービスを市場に投入し、最大限の売上を上げるための具体的な戦略を立案・実行することです。

目標は、ユーザーニーズに合った方法でアプローチすること。

広告、SNS、メルマガなどのデジタルマーケティング戦術や、インフルエンサーの活用などを通じて達成させます。

それぞれの戦略のうまく行ったこと、失敗したことを振り返ることで、何がうまくいき、何がうまくいかないかを整理し、マーケティング施策を調整していきます。

例えばスナック菓子をInstagramでPRしたい場合、お菓子のPRだけではなく、そのお菓子が食べられるシーンやストーリーなどの魅力的なコンテンツを作成し、インフルエンサーとコラボしてターゲット層にアプローチするとよいでしょう。

マーケティングの具体的な手法6選

マーケティングにはさまざまな手法があります。

ここでは、Web広告からUI/UXの改善まで、より具体的なプロモーションの方法を解説していきます。

手法①:Web広告

リスティング広告バナー広告などのWeb広告は、多くの人に素早くリーチすることができる優れた方法です。

リスティング広告は検索エンジンの検索結果ページに表示されるもの、バナー広告は、Webサイトの上部・側面などに表示される画像広告で、クリックすると自社サイトにリンクするようにデザインされています。

Web広告を始める場合、今最もポピュラーなGoogle広告やYahoo!広告などを利用すると良いでしょう

手法②:SEO対策

検索エンジン最適化(SEO)とは、GoogleやYahoo!の検索結果で上位に表示されるように Webページを設計することです。

Webサイトの構造から始まり、コンテンツの質と量、リンク構造などを最適化していくことで、検索エンジンからより多くの訪問者を集めることができます。

手法③:オウンドメディア運用

潜在顧客とのコミュニケーション手段を確保するためにはオウンドメディアの運用も検討しましょう。

ユーザーのお悩みを解決したり、情報提供のコンテンツを発信することで、ユーザーとの親近感が生まれ、トラフィックの増加、知名度や信頼性のアップに繋げることができます。

さらに、検索広告やSNS広告を併用することで、オウンドメディアをさらに広く宣伝することができます。

オウンドメディアはその後、メルマガセミナーなどにも活用することができます。

手法④:SNS運用

Instagram、Facebook、X(旧Twitter)などのSNSは、自社や製品の情報を発信するための強力なツールです。

また、潜在顧客に対して情報を発信することで、顕在顧客へのナーチャリングも可能です。

また、インフルエンサーとのコラボレーションを行えば、さらに露出を増やすこともできます。

手法⑤:メルマガ配信

メールマガジンは、顧客との直接接点を作り、製品に関する情報を提供するための優れた戦略です。

メールマガジンを通じて、会社の最新情報、製品の特徴、割引情報など、有益なコンテンツを提供することができます。

また、顧客からのフィードバックを収集することで、ニーズや好みをより深く理解することができます。

また、メールマーケティングを行うことで、顕在顧客や見込み客それぞれにマッチした内容や時間帯でメールを送ることで効果がさらに高まります。

手法⑥:UI/UXの改善

ユーザーにとって、 Webサイトは見やすく分かりやすく、情報に素早く簡単にアクセスできるものでなければなりません。また、モバイルとデスクトップの両方に対応できるよう、最適化する必要があります。

Webサイトの訪問者数とリピーターを増やしたい場合は、全体的なユーザー体験を向上させるユーザビリティとデザインの変更を検討してください。

これには、ページの読み込み時間を短くすること、フレンドリーで有益なカスタマーサービス、 Webサイトをより魅力的にする双方性の要素や機能の追加などが含まれます。

【実践編】専門用語にハテナが浮かぶあなたへ!マーケティング用語は難しく考えるな!

マーケティング用語は難しいものが多いです。

そのためか、多くの現場でマーケティング施策がうまくいっていないケースが見られました。

なぜマーケティングがうまくいかないのでしょうか?

理由は以下の2つが主なものになります。

1. 手段が目的になってしまっている

2. 目的と手段が一致していない

なぜマーケティングを行うのか、なんのためにやるのかを深く考えずに、ただやることが目的になってしまっている状態です。
または、当初あったはずの目的がいつの間にか忘れ去られている場合もあります。

このようなことが起こる原因として、マーケティング用語の複雑さが挙げられます。

マーケティング用語を覚えて使用したことで、マーケティングを行っているという錯覚に陥ってしまっているのです。

目的をKGI、KPIといった用語で置き換えることで本質が見失われてしまうために、そういった施策は大抵うまくいきません。

または、停滞したまま何年も同じ状態が続いてしまいます。

マーケティングはシンプルに考えましょう。

「誰に」「何をしてほしいか」

これだけです。

この考え方を癖づけることで、マーケティング施策の成功確率はぐっと上がります。

簡単にできることなので、試しに一度やってみてください。
必ずやその効果を実感していただけると思います。

まとめ

マーケターが成功するためには、マーケティングの各分野を理解し、全体像を把握することが重要です。

リサーチやプランニングを行い、あらゆる側面から注意深く見ることで、ターゲットにヒットする施策を実行できます。

マーケティング全体の網羅をすることで、ユーザーのニーズを知ることができ、より強い関係を築くことにつながり、ひいてはリピーターを増やすことにつながっていきます。

また、マーケティングプロモーションの成功確率を高めるためには、顧客理解が必要不可欠です。

自社の製品・サービスの利用者のジャーニーを理解する上で下記記事が参考になりますのでご参照ください。

参考(外部サイト): カスタマージャーニーマップとは?目的や作り方、注意点など解説! | digmar

    WEBマーケティングロードマップ
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