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広告でザイオンス効果(単純接触効果)を活用|事例や注意点も紹介zion-effect広告でザイオンス効果(単純接触効果)を活用|事例や注意点も紹介

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

こんにちは!ザイオンス効果という言葉を聞いたことはありますか?

ザイオンス効果は、繰り返し対象物に接しているだけで、好意や好印象が生まれる現象です。

私たちが購買意欲を増し、商品に興味を持つのも、このザイオンス効果のおかげかもしれません。

今回は、ザイオンス効果の活用法や注意点についてお伝えするので、この記事をヒントにビジネスに役立つ情報を掴んで見てください!

ザイオンス効果とは単純接触効果のこと

ザイオンス効果、または単純接触効果は、人々が特定のものに対して頻繁に接触すると、そのものへの好意が増すという心理的な現象を指します。

簡単に言えば、「見慣れることによる好感度の上昇」を示します。この効果は広告やブランディング、人間関係、音楽の好み、政治における選挙戦略など、日常生活の多くの側面に影響を与えています。

ザイオンス効果を提唱した心理学者の名前にちなんで命名された

この心理的現象は、アメリカの社会心理学者ロバート・ザイオンスによって詳細に研究され、彼の名前をとって「ザイオンス効果」と呼ばれるようになりました。

彼は1960年代にこの現象について一連の実験を行い、人々が頻繁に接触する物事への好感度が増すという結果を報告しました。

ザイオンス氏の実験内容はどんなもの?

ロバート・ザイオンスは、特定の対象(人物の写真、単語、シンボルなど)に参加者が頻繁にさらされる実験を行いました。

その結果、参加者は繰り返し見た対象に対して、初めて見た対象よりもより好意的な評価をする傾向があることが明らかになりました。

その他の実験では、人々が頻繁に見る顔(特に笑顔)に対して好意的な反応を示すことや、聞き慣れた音楽に対して好意的な反応を示すことなども示されました。
この現象は、人間が規則性と一貫性を好むという基本的な心理的傾向に基づいていると考えられています。

また、マーケティングの領域では、候補者や商品が有権者や消費者にとって「見慣れた」存在になることで、その受け入れや選好度が高まるという現象としてザイオンス効果が利用されています。

商品のブランディングや広告戦略においても、ザイオンス効果は重要な役割を果たします

消費者が特定の商品やブランドロゴに頻繁に接触することで、その商品やブランドに対する好意度や信頼感が高まります。
これは消費者の購入意欲を刺激し、ブランドへのロイヤリティを増加させる可能性があります。例えば、街中でよく目にするスターバックスの緑色のロゴ。


歩いていたり、駅を降りると「あ、スタバがある」とすぐにわかるのは、お店の外、紙のカップなどに必ずあのロゴが表示されていることで目にする回数が多いからであり、これこそがザイオンス効果の典型的な例といえるでしょう。

ザイオンス氏の実験内容はどんなもの?

▶︎ロバート・ザイアンス

ザイオンス効果をマーケティング実例を用いて紹介

ザイオンス効果は、日本のマーケティング戦略やエンターテイメント業界でも広く活用されています。
ここでは、テレビCMとドラマやアニメの主題歌の例を挙げて、ザイオンス効果がどのように働いているかを紹介します。

テレビCM

テレビCMは、商品やサービスを消費者に頻繁に見せることで、そのブランドに対する好意度を高める目的で作られます。

これはまさにザイオンス効果を利用したもので、視聴者がCMを繰り返し見ることで、その商品やブランドに対する親しみやすさを強めます。

たとえば、ある特定のソフトドリンクのCMが頻繁に放送されると、消費者はそのドリンクに対して親しみを感じる可能性が高まります。

テレビCMの効果は?
▶︎テレビCMの3つの効果


また、ある企業が新商品をリリースする際に、その商品のCMを頻繁に流すことで、消費者の中に商品に対する認知度と好感度を高めることが可能です。

映像だけではなく、音楽もセットにすることでより認知効果が高まります。
音楽の認知例については次で詳しくお話しいたします。


(引用画像:https://www.tv-asahi.co.jp/ex/sales/column/tvcm-effect/

ドラマやアニメの主題歌

ドラマやアニメの主題歌もまた、ザイオンス効果の一例として挙げられます。各エピソードの始まりと終わりに流れる主題歌は、視聴者に繰り返し聞かれ、その結果、視聴者はその曲に対して好意的な感情を抱くことが多くなります。

例えば、大人気アニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」は、放送期間中に頻繁に視聴者の耳に触れました。
この曲が放送される度に、視聴者はアニメと一緒に曲に対する親しみやすさを感じ、曲そのものもアニメと連動して大ヒットしました。

また、ドラマの主題歌に人気のあるアーティストの曲を採用すると、その曲が放送される度に、視聴者はドラマのストーリーやキャラクターに対する感情をその曲に連想します。

これにより、視聴者は曲自体に対する好意度を上げるだけでなく、アーティストに対する好意度も同時に上げることができます。これはアーティストにとっても、ドラマの制作者にとっても有利な状況と言えるでしょう。

さらに、主題歌がCDやデジタル配信でリリースされると、視聴者はドラマやアニメと連動した視覚的な印象を思い浮かべながら曲を聴くことになります。これにより曲がたくさん再生され、曲への好感度がさらに上がるというループが起こるのです。

曲が視聴者の日常生活の一部になって鼻歌で歌われるようになると、ザイオンス効果はさらに強く働くことになります。

【ビジネスでの活用】広告運用におけるザイオンス効果

ザイオンス効果は広告運用においても重要な役割を果たします。

消費者が頻繁にブランドや商品に接触することで、そのブランドや商品に対する好意度が増し、結果として売り上げにつながります。

ここでは、ザイオンス効果を活用した広告運用の一例として、LINE公式アカウントやメルマガの活用方法について説明します。

LINE公式アカウントでの活用方法

LINE公式アカウントは、企業が顧客と直接コミュニケーションをとることができるツールであり、ザイオンス効果を活用する絶好の機会となります。

顧客が頻繁にブランドのメッセージを受け取ることで、そのブランドに対する好意度が高まる可能性があります

例えば、新商品の情報やお得なクーポン、企業の最新ニュースなど、有益かつ魅力的な情報を定期的に配信することで、顧客のブランドに対する好感度を上げることできます。


しかし、メッセージの頻度には注意が必要で、メッセージをたくさん送りすぎてしまうと、顧客にとってうっとおしいと感じられてしまい、逆効果になる可能性もあります。

一般的に1顧客に送信する回数は2〜3回ぐらいまでが適当といわれています。

メルマガでの活用方法

メルマガやメールマーケティングもまた、ザイオンス効果を活用する有効な手段です。


メルマガやメールマーケティングを通じて顧客に定期的に有益な情報を提供することで、顧客はそのブランドに対して親しみやすさを感じ、信頼性を感じる可能性が高まります。

たとえば、新製品の紹介、セールやイベントの情報、業界の最新トレンドなど、顧客が価値を見いだす情報を定期的に提供することで、顧客はそのメルマガを楽しみにするようになり、ブランドへの好意度が自然と上がっていくのです。

LINEの項目でもお伝えしましたが、ザイオンス効果を最大限に活用するためには、配信頻度や内容の質に注意を払うことが重要です。

顧客が求めていなかったり、ポイントのズレた情報を頻繁に送信してしまうと、顧客はそのメルマガに対してネガティブな印象を抱いてしまいます。
そのため、メールの配信頻度を適切に調整し、提供する情報が顧客にとって有用かつ魅力的であることを確認することが重要です。

さらに、ザイオンス効果を活用する上で重要なのは、品質と一貫性です。
品質の高いコンテンツを定期的に提供することで、ブランドへの信頼感が深まります。そして、一貫性があると、顧客はコンテンツを楽しみに思うようになります。


これが顧客ロイヤリティを増やし、最終的には購入意欲やリピート購入につながる可能性があります。

SNSでの活用方法

SNSは、ブランドが顧客と直接的な関係を築き、ザイオンス効果を利用するための絶好の場所です。
Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSでは、メーカーやブランドがコンテンツを頻繁に投稿することで、フォロワーがそのブランドに対する親しみやすさと好意度が増えていきます。


(引用画像:https://www.linebiz.com/jp/case-study/line-ads/basefood/

定期的に魅力的なビジュアルコンテンツや有益な情報を共有することで、フォロワーはそのブランドに対する興味と信頼性を感じることができます。

また、双方向のコンテンツ(質問、クイズ、投票など)を使用すると、フォロワーの参加とエンゲージメントを引き出すことができ、これがさらにブランドへの好意度を高めることに繋がります。

LINE広告活用例
▶︎新規獲得、決めの一手!導入後、3万人の新規顧客を獲得したベースフードのLINE広告活用

FaceBook広告活用例
▶︎同業種のビジネスによる広告ソリューションの成功事例

リターゲティング広告での活用方法

リターゲティング広告は、以前にブランドのウェブサイトを訪れた人々に対して広告を表示する方法で、ザイオンス効果を最大限に利用するための有効な手段です。

消費者が初めてウェブサイトを訪れた際に購入に至らなくても、リターゲティング広告を通じてそのブランドや商品を再度思い出すことができます。

これにより、そのブランドや商品に対する親しみやすさと好意度が増し、再訪問や購入につながる可能性が高まります。しかし、リターゲティング広告の設定には注意が必要です。


(引用画像:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20211208-1/


あまりに頻繁に同じ広告を表示すると、消費者はそれに飽きるか、あるいは迷惑に感じる可能性があります。


そのため、広告の表示頻度を適切に調整し、消費者が好意的な感情を持ち続けることができるようにすることが重要です。

リターゲティング広告とは?
リターゲティング広告の仕組みと効果

ザイオンス効果を上手く発揮させるには

ザイオンス効果を上手く利用するためには、下記のポイントを理解することが重要です。
具体的には、短期間のうちに繰り返し接触させることと、1回あたりの時間よりも接触の回数が重要であるという5つの要素が挙げられます。

ポイント1.短期間での繰り返し接触

ザイオンス効果を発揮させるためには、短期間のうちに対象者に対してブランドや商品を繰り返し提示することが重要です。


時間が経つとその記憶が薄れてしまうため、効果的なインパクトを与えるためには定期的な接触が必要となります。

例えば、あなたが新製品のローンチを控えているとします。
その場合、リリース前の数週間にわたって、メールニュースレターやSNSを活用してその新製品についての情報を頻繁に発信することが重要です。

このように短期間のうちに同じメッセージを繰り返し伝えることで、顧客がその新製品に対する認知度と期待感を高めることが可能となります。

ポイント2.1回の時間の長さよりも回数

ザイオンス効果においては、1回あたりの接触の時間よりも、その回数がより重要であると言われています。
つまり、長時間にわたって接触するよりも、短時間で何度も接触する方が効果的であると考えられます。

このため、広告やマーケティング活動を計画する際には、その内容が短時間で伝えられるように工夫することが求められます。
そして、その短いメッセージを何度も繰り返し提示することで、対象者の記憶に深く刻み込むことが可能となります。

ただし、これらのポイントを適用する際には、対象者が迷惑に感じないよう配慮することが重要です。


メッセージが過度に繰り返されると、反感を招く可能性があります。そのため、適切な間隔と頻度で接触することが求められます。
あるブランドがSNSで新製品のプロモーションを行う場合を考えてみましょう。


この場合、長い文章を書くよりも、短いキャッチフレーズを何度も投稿する方が効果的です。
これにより、フォロワーはその新製品に対する親しみやすさと好意度を高めることができます。

ポイント3.さりげなく接触回数を増やす

さりげなく接触回数を増やすこともザイオンス効果を活用する上で有効な戦略となります。これにより、ブランドや商品に対する好意度が自然と高まり、消費者の購入行動を促すことが可能となります。


さまざまなプラットフォームやメディア(SNS、ウェブサイト、メールなど)を通じて、ブランドのメッセージを定期的に伝えましょう。

さらに、リマインダー広告やリターゲティング広告を利用することで、消費者に対する接触の頻度を増やすことも効果的です。

メールマーケティングを活用する場合、顧客がそのメールを開く回数を増やす工夫が求められます。


例えば、最初のメールで製品を紹介し、次のメールで割引クーポンを提供し、さらに次のメールでその製品の口コミを共有するといった具体的な戦略が考えられます。

ポイント4.セブンヒッツ理論|7回接触すると効果が高まる


広告やマーケティングの分野では、「セブンヒッツ理論」という考え方が一般的に受け入れられています。
これは、消費者がブランドや商品に7回接触すると、そのブランドや商品に対する認知度や好意度が高まるという理論です。

この理論に基づいて、広告やマーケティング活動を計画する際には、消費者がブランドや商品に最低でも7回は接触するような戦略を検討すると良いでしょう。

そのためには、複数のチャネル(例えば、テレビ、SNS、メールなど)を組み合わせて利用することが有効です。広告キャンペーンを計画する際には、消費者がその広告に最低でも7回は接触するような設定を行うと良いでしょう。

具体的には、テレビ広告、ラジオ広告、オンライン広告、SNSの投稿、メールニュースレターなど、複数のチャネルを組み合わせて消費者に広告を提示します。

ポイント5.10回以上の接触は効果が上がりにくい

一方で、接触の回数がある程度を超えると、それ以上の接触が好意度を大幅に高める効果は限定的になるとも言われています。

具体的には、消費者がブランドや商品に10回以上接触しても、その効果はあまり上がりにくいとされています。

これは、接触の回数が一定の数を超えると、消費者がそのブランドや商品に対する新鮮さを失い、あるいは過度な接触により反感を感じる可能性があるからです。



そのため、広告やマーケティング活動を計画する際には、適切な接触の回数と頻度を見極めることが重要です。

ある商品のテレビ広告を何度も何度も流すことによって、視聴者がその商品に飽きてしまう可能性があります。
そのため、同じ商品やサービスの広告を過度に繰り返し放送することは、視聴者がその商品に飽きてしまう可能性があります。

たとえば、ある商品のテレビ広告を毎時放送し、しかも同じ広告を何度もすると、視聴者はその商品に対して過度な露出による反感を感じる可能性があります。

このような反感を避けるためには、異なるメッセージや視覚的な表現を用いて商品を提示することが一つの解決策となります。

これにより、商品に対する視聴者の興味を維持しつつ、新鮮さを保つことが可能となります。また、広告を放映する時間帯や頻度を調整することも重要です。
視聴者が同じ広告に頻繁に接触すると、その広告に対する抵抗感が増す可能性があります。一方、広告の露出を適度に抑えることで、その広告に対する視聴者の好意度を維持することが可能となります。


(引用画像:https://www.screens-lab.jp/article/25955

使い方を誤ると逆効果に?広告運用でザイオンス効果を取り入れる際の注意点とは

マイナスイメージを持っている人に接触しても逆効果

ザイオンス効果は、基本的に中立的またはポジティブな感情を持つ対象に対して有効な手法とされています。

しかし、消費者があらかじめあなたのブランドや商品に対して否定的な意見を持っている場合、一方的な接触は逆効果となる可能性があります。

接触が増えるほど彼らの否定的な見解は固まり、反感を強める結果につながる可能性があります。

このため、広告戦略を計画する際には、顧客の前向きな関与を引き出すためにも、商品やサービスの品質を維持し、顧客サービスを強化し、ネガティブな評価に対する対応を適切に行うことが重要です。

接触回数や接触頻度が多すぎても逆効果

ザイオンス効果は接触の回数と頻度に依存しますが、それがあまりにも多いと、顧客は広告に飽きたり、鬱陶しく感じる可能性があります。

これは「広告ウェアアウト」と呼ばれる現象で、消費者が同じ広告に過度に接触することでその効果が薄れ、時にはブランドに対するネガティブな印象を生むことさえあります。

そのため、適度な接触回数と頻度を保つことが重要です。
一方で、異なるメッセージを使用したり、異なる広告媒体を組み合わせたりすることで、広告ウェアアウトを防ぐことができます。

また、リターゲティング広告のように、一度興味を持ったユーザーに対して広告を配信する施策も重要です。



これにより、無関係なユーザーが広告を鬱陶しく感じることを防ぎ、消費者があなたのブランドに対して肯定的に思う可能性を高めて行くことができるのです。

まとめ

この記事では、ザイオンス効果について詳しく説明しました。
ザイオンス効果は、繰り返し接することで、好意度や印象が高まるという心理効果です。

マーケティングにおいては、ブランドの認知度を高めたり、顧客ロイヤルティを向上させたりする効果が期待できます。

しかし、注意点として、過剰な接触回数による飽きや反感を引き起こさないようにすることが重要です。
接触回数を重ねる場合は、コンテンツの内容やバリエーションを変えるなどの工夫が必要です。

ザイオンス効果を活用する上でのポイントは、接触回数を重ねること、そして飽きや反感を引き起こさないようにすることです。

正しく理解して、効果的なマーケティング手法として活用してみてください。

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