コピーライティングとは?効果的な書き方や上手くなるコツを解説Google広告のタイトル付けにも応用可!

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

テレビCMやインターネット広告で多くの人の目を引くには、魅力のあるキャッチコピーを使って宣伝することが大切です。この宣伝方法はコピーライティングと呼ばれており、幅広い業界で用いられています。

この記事では、コピーライティングの具体例や書き方について紹介します。あわせてセールスライティングとの違いについても解説します。自社や提供する商品のイメージアップを図りたい企業は参考にしてみてください。

コピーライティングとは何か

コピーライティングとは、読者の心理状態に寄り添った文章を書いて商品やサービスを認知させる手法です。多くの企業がテレビCMやインターネット広告を使い、心に残るキャッチコピーを使って宣伝しています。宣伝に用いられるキャッチコピーもコピーライティングの一種です。

インターネットの普及により、多くの情報を簡単に手に入れられるようになりました。そのため、商品やサービスの情報のみを届けても、自社の存在がユーザーの記憶には残らない恐れがあります。Webマーケティングでは他社と差別化を図る工夫が重要であり、コピーライティングがよく用いられています。

コピーライティングには様々な種類がありますが、特にオーソドックスなタイプが、短文で読者を惹き付ける手法です。一文程度で商品やサービスの魅力をキャッチコピーとして伝え、読者に強く認知させます。テレビCMやWeb広告でも積極的に採用されている方法です。

また、詩のように淡々と文を連ね、読者にアプローチする手法も存在します。特に決まった形があるわけではなく、オリジナル性を意識した文章作成が求められます。さまざまな手法を試してみながら、魅力的なコピーライティングを作れるように励みましょう。

コピーライティングとセールスライティングは何が違うのか 

コピーライティングに似ている手法として、セールスライティングがあります。どちらも読者に対して、商品やサービスを宣伝するために用いられる手法ですが、発信する目的に違いがあります。

それぞれの特徴を押さえつつ、目的に合わせて上手く使い分けなければなりません。コピーライティングとセールスライティングの相違点について解説します。

セールスライティングの特徴とは

セールスライティングとは、一般的に商品やサービスの購入を促すためのコンテンツ制作のことです。商品やサービスの特徴を具体的に説明し、購入してくれるユーザーを増やす狙いがあります。セールスライティングで重要なポイントは、読者にとって有益な情報を届ける点です。

ただ宣伝するだけでは、読者は商品やサービスが自分に必要なものかを判断できません。そこで「今の生活でこんな悩みはありませんか?」と寄り添う形で情報発信すると、読者もコンテンツに興味を示しやすくなります。セールスライティングでは、導入部分でいかに読者を惹き付けるかが大切です。

商品やサービスについて触れる際には、悩みの解決に繋がる要素を根拠付けて説明しなければなりません。例えば「このサプリメントを摂取するとダイエットに役立つ」と結果だけ書いても、読者は不信感を覚えるでしょう。ダイエットに役立つ成分などの説明も加えるなど、その根拠を明確に記す必要があります。しかし薬機法や特商法などの問題もあるため、誇張表現にならないよう注意してください。

インターネットが登場するまでは、紙媒体でのセールスライティングが一般的でした。現代では、ウェブサイトやブログ、さらにメルマガや公式LINE、SNSのDMと発信する媒体が増えているのも特徴です。

セールスライティングと比較してコピーライティングは何が違う? 

コピーライティングがセールスライティングと異なるのは、情報発信する目的です。セールスライティングは、商品やサービスの購入数を増やすのが狙いですが、コピーライティングは、読者に商品とサービスに対するイメージアップを目的としています。

コピーライティングも購入数を増やす目的でも使われていますが、あくまでアプローチが異なるだけです。セールスライティングが直接的にアピールするのに対し、コピーライティングはブランディングに繋げて間接的に購入数を増やすやり方であると考えれば分かりやすいでしょう。

そのため、文章の書き方にも違いがあります。セールスライティングは、商品やサービスの特徴を根拠付けて説明し、より有益な情報を届けるために文字数を多めにして情報提供を行います。

一方でコピーライティングは、読者の心に刺さる文章が求められます。一文だけで終わるコンテンツも少なくありません。セールスライティングと比べ、決まったフォーマットも少ないため比較的自由に作成できます。

Webマーケティングにおいてどちらを実践するべきかは、状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。まずはコピーライティングでイメージを植え付け、セールスライティングで購入に繋げるなどの戦略を立てましょう。

コピーライティングの例 

コピーライティングのイメージを掴めるように、実際の事例をいくつか紹介します。まず自社の魅力を無駄なく表している例が「吉野家」です。牛丼店として名を馳せているだけではなく「うまい、安い、早い」のキャッチコピーも広く親しまれています。

1970年に創業した当初は、「早い、うまい、安い」の順番でした。この順番を変えた理由は、経営者の交代で最も重視したいポイントが「早さ」から「うまさ」になったためです。コンテンツの中に、企業の方向性がしっかりと刻み込まれています。

他にも有名なコピーライティングとして、「株式会社リクルート」の「まだ、ここにない、出会い。」があります。こちらの企業は求人広告や人材紹介、人材派遣を主な事業としています。顧客が自分に合った就職先に出会えることを望み、情報誌「企業への招待」を創刊しました。この理念が受け継がれ、今のキャッチコピーが生まれたとされています。

商品の存在を端的に示したのがコカ・コーラのコピーライティングです。「コカ・コーラ」では「選ばれたのは綾鷹でした」を用いています。このキャッチコピーは「急須で入れたお茶に最も近いお茶を選んだ」ことを意味します。しかし、多くの人は「最も人気のあるお茶」と想像するでしょう。顧客を惹き付けつつ、嘘偽りのない一文で実際に人気も獲得した事例です。

効果的なコピーライティングの書き方とは

魅力溢れるコピーライティングは、顧客からの印象も良くなります。セールスマーケティングで活かすためには、書き方の基本を押さえなければなりません。ここでは、効果的なコピーライティングの書き方を詳しく説明します。

ペルソナやターゲット層を明確にする 

コピーライティングでは、書き始める前にペルソナ(自社の商品やサービスを利用するイメージ像)やターゲット層を明確にしなければなりません。誰に届けるかを決めていないと、顧客の心に残る文は作成できないためです。商品やサービスを研究した上で、ペルソナおよびターゲット層を定めましょう。

まずは、年齢層や性別といった漠然としたイメージでターゲット層を決めましょう。すると、商品やサービスを利用しているペルソナの選定もしやすくなり、コンテンツの文体も整えられます。

ペルソナを選定する際に意識したいポイントは、顧客のイメージを具体的に掴むことです。よくある間違いとして、ターゲット層のように年齢層や性別のみを漠然と定めるケースが挙げられます。しかしペルソナを抽象的に定めると、コンテンツの方向性が掴みにくくなります。同じ年齢層または性別でも、一人ひとりのライフスタイルや考え方は異なるためです。

ペルソナを設定するときは、顧客の住んでいる地域や暮らしで抱えている悩みを具体的にイメージします。その悩みの解決に、自社の商品やサービスがどう役立てるかもあわせて考えておくといいでしょう。顧客の情報を細かく知るためにも、事前に自社で調査するのがおすすめです。

伝えたいテーマを念頭に置く

ペルソナやターゲット層を定めたら、伝えたいテーマを決めます。コピーライティングの役目は、売りたい商品のイメージづくりです。そのため、基本的には独自の強みをテーマに考えるとつくりやすくなります。

コピーライティングの作成で心がけたいポイントは「何を伝えるか」「どう伝えるか」の2点です。魅力的な文を考えようとすると「どう伝えるか」の方を重視する人も少なくありません。

しかし、コピーライティングはあくまで「何を伝えるか」をベースにつくられます。無論「どう伝えるか」の要素も無視していいわけではないものの、土台となる「何を伝えるか」が定まっているからこそ、そのテクニックが活きます。この基礎的な要素をしっかりとイメージしなければ、メッセージの方向性も定まらなくなるでしょう。具体的にペルソナを選定しても、顧客の心に刺さらなければ宣伝の効果が薄れるため、しっかりとテーマを確立してください。

テーマの設定が難しく感じる場合は、コピーライティングの形式にこだわる必要はありません。「何を伝えるか」を決めると「どう伝えるか」の部分も見えてくるため、コピーライティングの枠にとらわれず、まずは宣伝する目的を明確にしましょう。

立場や知識に関係なく伝わる言葉を使用する 

コピーライティングでは、立場や知識に関係なく伝わる言葉を使いましょう。よくある失敗例として、専門用語を使用してしまうケースが挙げられます。専門用語はその分野に特化している人でなければ、上手く伝わらないため、誰でも理解できるようなコンテンツ制作を心がけてください。

多くの人の印象に残る文を作成する上では、1つの書き方にこだわる必要はありません。インパクトを残すには、あえて型破りなコンテンツをつくる方法もあります。吉野家の「うまい、安い、早い」のような句読点に加え、「!」「?」といった記号を用いると言葉の一つひとつが明確に伝わりやすくなります。

コピーライティングは、日常生活で使われる言葉を取り入れるのもコツの1つです。堅苦しいコンテンツを制作しても、顧客に避けられる恐れがあるため、話し言葉も用いながら「語りかけるような文体」を意識してください。

伝わりやすいコンテンツを作成するときは、不要な表現を使わないことも大切です。関係ない情報を多く取り入れすぎると、顧客は何をアピールしているのかが分かりにくくなります。テーマやペルソナに沿って、統一性のあるコンテンツを目指してください。

情報収集を行う

効果的なコピーライティングを行うためには、入念に情報収集をすることが大切です。情報がないと、有意義なコンテンツがつくれないため、まずはコンテンツの軸となるペルソナに関するデータを集めましょう。

ペルソナは、実際に自社と取引したことのある人物から探し出すと手軽です。商品やサービスを利用した人、もしくは企業の情報を調べてください。すると具体的なペルソナを設定する際に使えるデータをいくつか見つけられるはずです。新たな顧客を開拓するのであれば、競合他社の情報も確認するといいでしょう。

ペルソナに関する情報と合わせて、自社の商品やサービスのことも詳しく調べる必要があります。読者のイメージアップに繋げるには、誰よりも商品やサービスの特徴を知らなければなりません。特に、競合他社と差別化が図れそうな特徴はしっかりと押さえましょう。チームであらゆるデータを共有し、コピーライティングに活かしてください。

情報収集では、不特定多数にアンケートをとることもおすすめです。客観的な意見に目を通せば、意外な発見が見つかる可能性も高まります。アンケート結果を集計し、コピーライティングのペルソナやテーマ設定に活用しましょう。

コピーライティングを上手くなるには 

コピーライティングの定義や書き方の他にも、制作のテクニックも身に付けなければなりません。コンテンツ制作に関する先天的なセンスを持つ人もいるものの、基本を押さえるだけである程度は上達するかもしれません。

多くの人の心に刺さるコピーライティングの書き方について、どの企業でも実践できる方法を紹介しましょう。内容を参考に今後のWebマーケティングで試してみてください。

様々なコピーライティングを読む

コピーライティングを上達させるには、様々なコンテンツに目を通すことが大切です。一から自分でつくろうとしても、質の高い文章を作成するのは簡単ではありません。特にコピーライティングは、通常の文章とは異なり独特な書き方が求められます。コツを押さえてつくらないと、読者に読み流される恐れがあります。

実績のある企業のコンテンツを参考にすれば、共通した特徴を何か掴めるかもしれません。これからコピーライティングに取り組むのであれば、他社からしっかりとノウハウを学ぶ姿勢も大切です。自社にも上手く反映できる方法はないか、時間をかけてじっくりと探しましょう。

ただし、参考にするのはあくまでノウハウです。コピーライティングのスタイルが他社とあまりにも類似していると、トラブルを引き起こす恐れもあります。書き方をある程度押さえたら、魅力的なコンテンツを独自で考案してください。

コピーライティングは、われわれの生活においても身近な存在です。普段見るテレビCMやネット広告でも数多く現れるため、アンテナをしっかりと張らなければなりません。身近な生活に潜む様々なヒントを参考にして、顧客を惹きつけるコンテンツを作成できるように励みましょう。

ライティングの構造を見てみる 

実績のある企業のコピーライティングから、コンテンツの構造にも目を通してみてください。構造を押さえる際に、注目したいポイントを主に3つ紹介します。

リズムの良さを意識する少し笑えるワードを使う顧客の共感を誘う言い回し

まず意識したい構造は、口にしたときのリズムの良さです。吉野家の「うまい、安い、早い」も韻を踏んでおり、頭に残りやすいつくりとなっています。ラップ調の歌詞をイメージし、思い付く言葉を並べてみてください。文字に起こしたり口ずさんだりすると、スムーズに制作が進みやすくなります。

コピーライティングは、少し笑えるワードを使うのもコツの1つです。堅苦しい表現を用いるだけでは、読者は興味を示してくれません。ユーモアのあるフレーズに読者が気に入れば、コンテンツや自社の存在が広く認知される可能性があります。クスッとくる文を考えて、多くの人から読まれるような内容を心がけましょう。

また、コンテンツを制作するときは、顧客の共感を誘う言い回しも大切です。いくら魅力的なコンテンツをつくっても、共感を得られないとイメージアップには繋がりません。自社の商品やサービスの必要性を感じてもらうためにも、顧客の心情をしっかりと押さえてください。

ここで紹介したポイントを押さえて制作に取り組みましょう。

心理学に触れる 

コピーライティングのクオリティを上げるには、心理学に触れることも大切です。ここでは、特に使えるテクニックを厳選して紹介します。

まず顧客の共感を得る際に役立つバーナム効果を押さえましょう。バーナム効果とは、多くの人に当てはまりそうな内容を自分特有のものと思わせる働きのことです。このテクニックを使うには、メッセージ性の強いコピーライティングを意識してください。

他にもバンドワゴン効果も有効です。バンドワゴン効果は周囲の人に購入されている商品が欲しくなる心理状態を指します。ある商品が流行していると、乗り遅れないうちに買いたいと思う方もいるでしょう。

特に協調性を重んじる日本では、この心理状態になりやすいと考えられています。コピーライティングで活用するには「全国民が注目した!」などと多くの層に注目されているとアピールしましょう。

反対に欲しい人がいない商品を、あえて買いたいと思う心理状態もあります。心理学用語ではスノッブ効果と呼ばれる現象です。希少性の高い商品が該当し、手に入れた顧客は自分だけが特別であると優越感に浸れます。「〇〇人限定!」などと特別感を出すこともコピーライティングで活用できるテクニックです。

優れたコピーライターは優れた読解力を持つ者である

優れたコピーライターは、人並み以上の読解力を持っています。キャッチコピーの作成において、読解力はあまり関係ないのではと思う人もいるかもしれませんが、言葉の使い方や文章作成能力を鍛えるには、人のつくった文を正しく理解できる能力が必要です。

実績のある企業が手がけたコンテンツは、独自の魅力があります。その魅力を理解するには、人を惹き付けるポイントは何かを自分なりに見つけなければなりません。他者のコンテンツから得たヒントを活かすことで、コピーライティングの力が育まれます。

優れた読解力を身につけるためには、日々の生活で本やインターネットの記事を読むのもおすすめです。他者のコンテンツに目を通し、数多くのヒントを探しましょう。

【応用編】15文字で何を伝える?Google広告のタイトルの作り方とは?

コピーライティング技術はそのままGoogleの広告タイトルの作成に応用できます。
まずは広告を作成する際の基本注意事項をお伝えします。

注意点1.広告キーワードをタイトルに含める

タイトルには広告の対象となるキーワードを含めましょう。
ユーザーが検索するキーワードに関連する言葉をタイトルに含めることで、広告が表示されやすくなります。

注意点2.アクションを促す文言

タイトルに明確な行動を促すフレーズを含めることが重要です。
例えば「今すぐクリック」「無料お試しを始める」などの具体的なアクションを言葉として使用しましょう。

注意点3.文字数制限

Google広告のタイトルは、全角15文字以内です。
30文字と表記してありますが、こちらはアルファベット(半角)での文字数のため注意しましょう。
必要な情報を短文で伝えるためには工夫が必要です。

では、キャッチコピーの作り方をどのようにGoogle広告のタイトルに応用するかをお伝えします。

印象に残るコピー

タイトルはユーザーにインパクトを与える文言を使用しましょう。
製品やサービスの利点や特長はもちろん、ユーザーにとってのベネフィットを強調し、使用したユーザーがどのような未来を送ることができるかを伝えるように心掛けましょう。

誰に向けたものか

タイトルには「誰向け」かを明記しましょう。
ターゲットが明確になっていない「全世界の人々へ」というタイトルでは自分に向けられたものとは思えずにクリックされません。

ユニークな文言

競合他社との差別化が重要です。
他の広告とは異なる視点やユニークなセリングポイントを強調することで、ユーザーにアピールしやすくなります。

そのために競合が何をアピールしているかを調査し、オリジナルのタイトルをつけるようにしましょう。

まとめ 

今回はコピーライティングの書き方やセールスライティングとの違いについて解説しました。コピーライティングは自社の商品やサービスのブランディングに活かせるマーケティング手法であり、競合他社と渡り合うには身に付けておく必要があります。

ただし、ヒントもないまま、自社だけで案を出そうとするのは効率が良くありません。実績のある企業のコンテンツを参考にして、コピーライティングの構造をまずは理解してください。他社の例を読んだ上でオリジナル性を出せるように励みましょう。

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