「ハイスペ男性を狙うならどうしたらいい?」という問いに対して、あなたはどんな答えを想像しますか?
「もっと可愛くならなきゃ」「条件に合わせて自分を変えなきゃ」と焦る方も多いかもしれません。
けれども、婚活コンサルタントとして活躍する松永 宜子(まつなが のりこ)さんは、まず“自分軸”を持つことの大切さを強く説きます。
もともとは薬剤師の資格を持ちながら化粧品メーカーに勤務し、ふとしたご縁で医療従事者の婚活サポートをスタート。
現在は結婚相談所でのカウンセラー経験に基づくカウンセリングや書籍の出版を通じて、多くの女性の婚活を後押ししています。
今回は、私たち「婚活パラダイス」編集部が松永さんにじっくりお話を伺い、ハイスペックだけにとらわれない“ハイクラス”の定義や、これから始まる新しい婚活講座の展望など、たっぷりインタビューいたしました。

婚活コンサルタント 松永 宜子さん× 婚活パラダイス編集部 インタビュー対談

婚活コンサルタント
松永 宜子さん
松永宜子さんは、薬剤師資格を持ち、大手化粧品メーカーでの商品企画や営業経験を経て独立した、異色の婚活・イメージコンサルタントです。医師を中心とした医療従事者向け結婚相談所では成婚率80%超という驚異的な実績を誇ります。
パーソナルカラー、骨格診断といった外見的アプローチに加え、統計学や肯認学など内面からの自己理解も重視。豊富な知識と自身の経験に基づき、一人ひとりが持つ魅力を最大限に引き出し、「自分らしく輝くための婚活」を力強くサポートしています。
まずは薬剤師から化粧品メーカー、そして婚活の世界へ
–本日はよろしくお願いします。松永さんは薬剤師の資格をお持ちと伺いましたが、実際に薬剤師として働くより他の道を選ばれたとか?

こちらこそよろしくお願いします。
はい、薬剤師の資格は持っていますが、実際に薬剤師として病院や薬局で働いたことはほぼありません。
大学卒業後は化粧品メーカーで、商品企画のお仕事をしていました。もともと、美容や健康に関わる仕事に興味があったのですよね。
—そこからどうして婚活サポートに?



医師の転職サポートをしている会社とのご縁があり「医療従事者の婚活を医療従事者がサポートする相談所を」とお声をかけていただいたことがきっかけです。
「婚活」の世界は初めてだったので、最初は戸惑いもありましたが、考える前に挑戦、行動する性格なので(笑)「とにかくやってみよう」と。
それが婚活の世界に足を踏み入れるきっかけとなりました。
もともと人の相談にのることは大好きだったので、始めてみたら「天職」と感じ、今に至ります!
結婚相談所でのカウンセラー経験と書籍出版の経緯
––結婚相談所でカウンセラーとしても活動されていたんですよね?



そうです。
最初は本当に手探り状態でした。
でも、いろいろな方のサポートをさせていただくうちに、婚活には“ある法則”があるなと感じるようになって。
例えば「自分に自信がなくて行動しない人」や「昔のモテ期をひきずって無理な条件ばかり追う人」、いろんなタイプの方がいらっしゃるのですが、みんな元をたどると“自分の本音や将来像を明確にしていない”という共通点があるのですよね。
—そうした気づきをまとめたのが、出版された本でしょうか?



はい。
出版塾に通ったことをきっかけに商業出版という有難いをチャンスをいただきました!
「これは私の経験からの考えを多くの人に伝える素晴らしい機会」と、結婚相談所での経験をもとに、婚活における考え方の本を一冊にまとめました。
タイトルは“ハイスペ男性狙い”と受け止められがちなのですが、実際はもっと幅広い人に読んでほしい内容です。
アマゾンレビューなどでも「婚活だけでなく、ビジネスや人生一般にも役立つ思考が詰まっている」とのお声をいただいており、とても嬉しく、多くの方にお読みいただきたいです。
ハイスペ男性とは? “尊重力”を持つ“ハイクラス”のススメ
–本の中では“ハイスペ男性”と“ハイクラス男性”を区別しているのが印象的でした。どういった違いがあるのでしょうか?



一般的に“ハイスペ”と言うと、年収や学歴、肩書など“スペック”だけを指すことが多いですよね。
でも、いくら稼いでいても相手を大切に、思いやりの気持ちをもてなかったり、一切お金を使わせてくれないとか、コミュニケーションがとれない…それだと果たして幸せになれるでしょうか。
私が提案した“ハイクラス”は、スペックにプラスして“尊重力”を持っている人を指しています。
年収や安定した職業を兼ね備えていれば、もちろん嬉しい条件ですが、相手の気持ちや価値観を理解してくれる共感力・尊重力こそ、長く一緒に生活していくうえで欠かせない要素ではないかと思うのです。
–まさにお金だけじゃ幸せになれない、ということですね。でも、多くの女性は「相手に高い収入を求めるのはワガママなのでは?」と遠慮しがちな気もしますが…。



そこも誤解が多いところで、「年収〇〇万以上」とか条件だけ見るとワガママに感じるかもしれないけれど、望むなら望めばいいと私は思います。
ただ、その分自分も努力をし、行動するだけ。
むしろ「高年収の人なんて無理」と最初からあきらめてしまう人の方がもったいないですね。
実際にサポートしていると、ちょっとした意識改革で“自分の可能性”が大きく変わるのです。
最大の要は“自分軸”──まずは自分と向き合うワークから
–その“意識改革”のポイントは何ですか? キーワードとして“自分軸”をよく使われていますよね。



はい。
“自分軸”が整っていないと、どんなに“いい人”が現れても「自分がどうしたいか」がブレてしまい、結果うまくいかないんです。
例えば「条件はこうだし相性が良さそうなのに、なぜかピンと来ない…」ということが起きるのは、自分の本心が見えていないから。
まずは自分の良いところも悪いところも含めて「自分とは何者か」を明確にし、自分を知ることが大切です。
その上で、やりたいこと・なりたい未来をイメージします。
そうすると“自分は何を優先したいのか”“どんな相手とのどんな暮らしが理想なのか”がクリアになって、婚活も加速する。
カウンセリングでは、理想の条件を洗い出して「絶対必要」か「あると嬉しい程度」なのか仕分けするワークを一緒に行うんです。
すると、「これ、絶対譲れないと思ってたけど、意外とそこまでじゃないかも…」なんて気づく方も多いですね。
–自分を整える大切さ、すごく分かります。でも、相手に選ばれることばかり考えてしまう人も多いですよね。



そこが、「ただ相手に選ばれる」「どうにか好いてもらおう」と“受け身”になってしまう人の落とし穴です。
受け身のままだと、どうしても主導権が相手で、自分の意思がどこにも反映されにくい。
婚活は“選ばれる”だけじゃなくて、“自分も選ぶ側”なんだという意識を持つのが重要。
そのためにも、自分軸をしっかり持ち、「私はこういう人を求めている。そして、こういう未来を一緒につくりたいんだ」と自信をもって言えるようになるのが理想ですね。
“出会いの海”で溺れないために──婚活の悩みが変わっている
–婚活パーティーやマッチングアプリなど、出会いの場は本当に増えていますよね。逆に「出会いが多すぎて誰がいいか分からない」という状況になっている人もいませんか?



います、たくさん(笑)。
かつては「出会いがない」という悩みが主流でしたが、今はマッチングアプリなども普及し「出会いがありすぎて迷う」状態に悩みもシフトしている感じがします。
ただ、気軽に登録できてしまうだけに、相手の本気度が分かりづらい。そこにきて、自分の理想もわかっていないと、まさに海に放り出されたように溺れそうになる方も多いですね。
–そんなときこそ“自分軸”が必要だと…。



そうです。
例えば、車を運転するとき、行きたい場所があれば、そこをナビ設定しますよね。それと同じです。
あてもなくのドライブであれば別ですが、どこをめざして活動するのかを明確にすれば、相手の言動に振り回されずに“自分に合う人”をちゃんと見抜けます。
さらに「受け身で待つ」より「自分から動く」という能動的な姿勢も大事ですね。
結婚相談所の成婚データを見ても、実は成婚している女性はご自身から積極的に男性へお申込みをしています。
待っているだけだと、運よく申し込まれた人から選ぶしかなくなる。
しかも好みじゃない…と嘆くより、自分でチャンスを取りに行ったほうが結果も良いし自信もついてきます。
肯認学、イメージコンサルタント…さまざまな学びの融合オリジナルメソッド
–カウンセリングの中で、どのように“自分を知る”手助けをしているのでしょうか。いろいろな資格やメソッドをお持ちとのことですが。



はい。
私は好奇心旺盛で、興味を持ったら何でもすぐに学んでしまうタイプです(笑)。
これまで、パーソナルカラー診断や骨格診断などの外見的なことから、生年月日に基づく統計学、アロマテラピーなど、幅広く学んできました。
外見的なことも、内面的なこともサポートできるよう一通りは学んできました!
まずは自分に興味をもつことが大切なので、きっかけとして、外見チェンジをお伝えしています。
特に女性は、自分がキレイになるとそれだけでモチベーションがあがるのですよね。
自分に興味をもつことができたら、次は内面!中でも特に「肯認学(こうにんがく)」という考え方をベースとしてお伝えしています。
肯認学では、“自分を認める”ステップを大切にしています。
最近は「自己肯定感を上げましょう!」とよく言われますが、そこだけ強調すると「自分は悪くない!」という勘違いが起きる場合もあるのですよね。
自分にはこんな短所もあるけど、こんな長所もある。そんな自分を受け止めて、認めるからこそ本当の意味で自己肯定感が上がって、自分軸が育っていくんですよね。
バリキャリ女性を中心にした婚活講座を開講へ
–今後の展開として、バリキャリ女性を対象にした婚活講座を新たに始められるんですよね?



はい、これまでは個別コンサルやカウンセラー業を中心に活動してきたのですが、バリバリ働いている女性って、実は短期集中のグループ講座が合っていると感じているんです。
バリキャリの方は仕事ができる分、頭の回転も速いし、ちょっとアドバイスすると一気に変わる方が多いんですよね。
一方で忙しいことを言い訳にして、婚活が後回しになりやすかったりもする。
そこで、少人数制の“バリキャリ女性向けの婚活塾”を準備中です。
グループワークを通じてお互いの気づきや刺激を受けながら、自分の中の“本当に譲れないもの”を明確にしていくような場にしたいと思っています。
–仲間や同世代の意見を聞くと、新たな発見がありそうですね。



そうなんです。
1対1の個別サポートもいいんですけど、他の人の体験談から学べることは意外と多い。
バリキャリ女性は「自分のやり方」に固執しすぎる方も多いので、別の視点を取り入れて「自分を客観視する」場にもなると思います。
もちろん、マンツーマンをご希望の方には個別コースもご準備しています!そして、受講後は結婚相談所を使いたい人やマッチングアプリが向いている人、他にイベント参加が合っていそうな人、いろんな選択肢がありますから、それぞれに合ったアドバイスをし、結婚相談所のご紹介もしています。
将来的には、婚活のみならず、多くの女性の幸せサポートのお手伝いをしていきたいなと考えています。
編集後記
「ハイスペ男性」という言葉を聞くと、年収や学歴といった肩書きだけを思い浮かべがち。しかし松永さんのお話を伺うと、本当に大切なのは“尊重力”なのだと改めて気づかされます。
そして、その“ハイクラス”男性を引き寄せるためにも、まずは“自分軸”をしっかり整えること。自分の強みも弱みも理解し、どうなりたいのかを言葉にできるようになると、相手に選ばれるよりも「私も相手を選ぶんだ」という主体性が育まれていくのです。
SNSやマッチングアプリで出会いのチャンスが膨大に増えた今だからこそ、どう向き合うかがカギ。
婚活パラダイス編集部としても、松永さんの新しい婚活講座が多くの女性の“気づき”の場になるのではないかと期待しています。
どんな場でどんな出会いが訪れても溺れない、しなやかな自分を育む――その先に、きっと希望の未来が待っているはずです。