恋愛心理研究所所長・安藤房子さんに行ったインタビューです。なお、安藤さんは過去に非常に辛い恋愛体験をされたことがきっかけで、恋愛カウンセラーとしての仕事をはじめたそうです。
婚活・恋愛に役立つヒントが満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。
※読みやすさとプライバシー保護の観点から、一部表現や内容を再構成・編集しています。
安藤房子さんインタビュー ―日本初の「恋愛カウンセラー」という仕事とは?―
— 今回、「日本初の恋愛カウンセラー」という肩書を拝見し、ぜひ読者の皆さまに安藤さんのお話を届けたいと思い、企画いたしました。著書も拝見し、今回はその内容や追加のご質問をまじえながら、いくつか深掘りして伺えればと思います。よろしくお願いします。

はい、お願いします。
カウンセラーを志したきっかけ
–まずは安藤さんご自身が、「カウンセラーを志すに至ったきっかけ」についてお聞かせください。資料や著書にも壮絶な失恋体験があったとありましたが…。



そうですね。かつて、ある恋が自分にとっては人生最大級に苦しい形で終わってしまって…。
それで深く落ち込み、過食症やアルコールに依存しそうになりました。仕事こそ何とか続けていましたが、心身ともにボロボロで、“自分はもう駄目だ”と感じてしまう時期があったんです。
— 周囲には相談しづらかったのですか?



はい。友人や知り合いには言いにくい事情もありました。その方(元彼)は、いわゆるバイセクシャル寄りの男性だったんですが、彼はそのことを周囲にはひた隠しにしていました。
当時は今ほどオープンにできない風潮が強かったんですよね。
誰にも話せず、カウンセリングに行こうにも1時間1万5千円などの費用が高額で、若いOLにはハードルが高かったんです。
— 当時はSNSはもちろん、今のように気軽に専門家や仲間に相談できる環境が少なかった時代ですよね。



そうなんです。ひとり暮らしでお金にも余裕がなく、気軽にカウンセリングに通うことも難しい。
そんな中で、何とか自力で立ち直ろうと試行錯誤するうちに、「同じように恋愛や人間関係で苦しんでいる人が、きっと世の中にたくさんいるはずだ」と気づきました。
それで、「恋愛カウンセリング」という分野に特化して、恋に悩む女性の皆さんを支えたいと思うようになったんです。
「日本初の恋愛カウンセラー」誕生秘話
— なるほど。それが「恋愛カウンセラー」という肩書きの始まりなんですね。



はい。当時は「カウンセラー」と名乗る方はいても、ネット検索をしてみたところ、「恋愛カウンセラー」として名乗っている人が一人もいなかったんです。
そこでわかりやすい肩書きにしようと思い、“日本初の恋愛カウンセラー”を名乗りました。
出版社の編集者さんからも「わかりやすい屋号があるほうが信頼性が増すよ」とアドバイスしていただいたので、「恋愛心理研究所」という屋号も立ち上げたんです。
— カウンセリングのスタイルとしては、メール相談から始まったんですよね?



そうです。当時はメールマガジンなどが大流行していた時期で、私も「恋マガジン」というメールマガジンを始めたら約10,000人くらいまでに読者さんが増えたんです。
メール相談をたくさんいただくようになり、必然的に「メールカウンセリング」を提供するようになりました。
— 電話でもなく直接でもなく、最初から“文章”でやり取りするカウンセリングなんですね。



はい。メールですので「話をじっくり聞く」という受動的なスタイルだけでなく、こちらから具体的なアドバイスをする能動的なやり方が自然に生まれました。
こうしてアドバイス型のスタイルが私のカウンセリングの軸になったんです。
心と体をトータルでサポート
— 安藤さんの特徴的なところは、「体からのアプローチ」や「色彩心理」の要素など、とにかく幅広く取り入れていることだと思います。これはご自身の経験がベースになっているのでしょうか?



そうですね。私自身がつらい失恋で心身を壊しかけたことが大きいです。そこから「心と体はつながっている」と実感し、“動くカウンセリング” と言えるような方法を少しずつ取り入れてきました。
- カラーセラピー
色が人の心理面に与える影響は大きいです。気持ちを上げたいなら赤を取り入れてみる…など、簡単に取り組める。 - 姿勢や呼吸のサポート
私はダンスを通じて正しい姿勢や呼吸を学んだんですね。すると不思議と心も軽くなる。実際、体を整えると自己肯定感が上がりやすいので、必要な方にはストレッチやウォーキングの仕方もお伝えしています。 - 食育
食べ物の栄養・食生活とメンタルは強く連動します。私自身、失恋で過食症を経験しているので、カウンセリングで「食」のアドバイスをする場合も多いです。
— つまり「話を聞くだけ」ではなく、クライアントさんの要望や状況に応じて、オーダーメイドで「何をどうサポートするか」を決めていらっしゃるわけですね。



はい。たとえば
- 「モテファッション」や「似合う色」を見つけたい
- 「一歩踏み出す自信がほしいから、姿勢・体のメンテナンスをしたい」
- 「夫婦間のコミュニケーションを見直したい」
- 「子育てがうまくいかず悩んでいる。特に発達障害の子を持つ親御さんからの相談」



…など、本当にさまざま。特に恋愛相談は、他の人間関係全般にも繋がっていきます。恋愛のコミュニケーションを学ぶと、仕事や家族関係にも良い影響が出る方が多いですね。
実際の相談事例
— 実際に「長年の悩みが解決した」という印象的なケースを挙げると、どんなものがありますか?



一例をあげると、30代後半の女性が「10年以上、既婚男性との不倫関係をズルズル続けてしまった」というケースです。相手は「いつか離婚するから待っていて」と言い続ける。
でも彼女が35歳、38歳…と年齢を重ねても状況は変わらない。彼女自身も「子どもがほしかったのに、気づいたら時間が過ぎていて…」と、ようやく私に相談されたんです。
— もう少し早くカウンセリングなり、誰かに相談していれば…という惜しさもありますね。



そうなんですよ。相談に踏み出せなかったり、不倫や片思いを長引かせてしまう方はけっこう多いです。
でも早めに「このままではまずい」と気づいて行動すれば、もっと選択肢は広がるかもしれない。
私としては、「ひとりで抱え込む前に、まずは誰かに打ち明けてほしい」という思いは強いですね。
婚活で多い悩み「幸せ恐怖症」「自然な出会い待ち」「不倫ループ」
— 婚活メディアとしてお聞きしたいのですが、安藤さんのところに多い「婚活中の方の主なタイプ」はどんな感じでしょう?



大きく3つ挙げると、こんな感じでしょうか。
- 幸せ恐怖症タイプ
- 自己肯定感が低く、いざ幸せになれそうなチャンスが来ると「本当に自分は幸せになっていいの?」と怖くなって逃げてしまう。
- 子どもの頃から過度に「いい子」を求められて、褒められずに育った人などに多い傾向です。
- “自然な出会い”を待つタイプ
- 行動範囲を変えず、ただ待っているだけ。
- でも実は普段の生活のなかに「出会いの種」は転がっているのに見逃しているケースが多いです。
- 会社にいる男性や友人のつながり、SNSなども有効に使わないまま「白馬の王子様を待っている」と、いつまでも始まらない。
- 不倫から抜け出せないタイプ
- たまたま既婚者を好きになってしまい、その相手から離れられないケース。
- 場合によっては過度の「いい子でいなきゃ」というプレッシャーが裏返しになって、不倫という“刺激”を求めてしまうこともあります。
— 特に1番「幸せ恐怖症タイプ」は「こんなにいい人なのになぜ…?」という場面でも、急に逃げてしまうのが不思議ですね。



人間は大きな変化に対して恐怖を抱く生き物なんですね。たとえば引っ越しや仕事の部署異動ですら怖くなることがある。
同じように、「このまま順調に結婚して大丈夫なんだろうか」と不安を抱え、逃げてしまうこともあります。幸せになれる、とほぼわかっている変化であっても恐怖を持ってしまうんです。
“自然に待つ”だけでは出会えない時代
— 「自然な出会い」を待つタイプへは、どんなアドバイスをされますか?



「待っていても来ないなら、自分から動こうね」ということですね。よく言うのは「通勤ルートや時間を変えてみる」とか「友達に“誰かいい人いたら紹介して”と言ってみる」とか、本当にちょっとしたことでもいいんです。
今はSNSやマッチングアプリなど、昔にはなかった便利なツールが多いのに、まったく使わない人は使わない。
そうすると二極化が進みますよね。積極的に行動する人はすぐ出会いを見つけるし、“自然派”で待ってるだけの人はずっとそのまま。
— SNSやオンラインでの交流をきっかけに「実際に会って仲良くなる」って流れは、いまや当たり前になりましたよね。



ええ、むしろそのほうが手軽だと思います。昔は大規模パーティーや出版記念パーティーなど、リアルな場が多かったですが、今はSNSでも十分つながれる。
行動すればチャンスが広がるのに、ぼんやり待っていると何も始まらない、ということですね。
パートナー選びの大切な視点「愛し方のタイプを知る」
— 結婚・婚活において「パートナー選び」や「相性」が気になる読者は多いんですが、安藤さんが著書などでよく紹介されている「愛の形の6分類」はとても面白いなと思いました。



恋愛心理学には、いろんな愛のタイプを分類する理論があるんです。人それぞれ「こういう愛し方をする」「こういう愛し方に満足しやすい」という傾向が違うもの。
それをざっくり把握すると、相手の行動を理解できたり、受け止め方が変わったりします。
— ただ、男女がそれを二人とも理解していると理想的ですが、実際そこまで勉強しているカップルは少ない印象です。



そうですね(笑)。お互い納得して「じゃあ歩み寄ろう」となるのは理想。でも現実的には、まずはどちらかが理解して、相手に伝えるところから始まるのが多いですね。
–「相手の愛し方のクセ」を理解するだけでも「どうしてそういう言動になるのか」が見えてきて、ぶつかる回数が減りそうです。



まさにそうです。
大前提として、恋愛=相手とのコミュニケーションの最前線なので、そのスキルが身につくと、他の人間関係にもかなり役に立ちますよ。
今後の目標・活動について
— 最後に、安藤さんご自身や恋愛心理研究所として「今後どんな活動をしていきたいか」を教えていただけますか?



「恋愛カウンセラー」や「心理カウンセラー」に頼っていただくのはもちろん嬉しいですが、最終的な理想は「みなさんが自分で幸せを見つけられるようになること」です。
私が長年お伝えしてきたとおり、“心と体はつながっている”ので、姿勢や呼吸、色彩、食事などの暮らしの中でちょっと意識を変えるだけで、メンタルも前向きになれるんです。こうした「幸せになるコツ」をもっとわかりやすく、広く伝えていきたいですね。
— ラジオ番組をスタートされるとも伺いました。



はい。4月から「調布FM」で『安藤房子のハッピーパラダイス』という番組を始めました。毎週15分程度ですが、誰もが日常で取り入れやすい“幸せのヒント”をお話ししています。
たとえば「赤いマグカップで気分を上げよう」「どんよりした日はグレーの服を避けてみよう」なんていう、本当に小さな工夫で変わることもありますから。
もちろん恋愛・婚活相談にも積極的に答えていくので、より気軽に“ハッピー体質”をつくっていくきっかけになれたら、と思っています。
編集後記
安藤さんのお話からは、恋愛をきっかけに「心と体をトータルに整えること」の大切さがひしひしと伝わってきます。
婚活で悩む方も、不倫や失恋に苦しむ方も、「まずは誰かに相談してみる」「自分から行動してみる」という意識が大切。そこに加えて「姿勢や呼吸、色彩など体と心をつなぐケアを取り入れる」ことで、より速やかに前向きになれるヒントが得られます。
「恋愛心理研究所」では、メールやオンラインでのカウンセリング、ファッション・カラーアドバイスや夫婦関係の悩みなど、幅広いオーダーメイド的サポートを行っているとのこと。興味のある方は、ぜひ一度 安藤さんの公式サイトやSNS、そしてラジオ番組をチェックしてみてはいかがでしょうか。
安藤房子(あんどう ふさこ)さん プロフィール
- 日本初の「恋愛カウンセラー」。恋愛心理研究所 所長。
- 広告コピーライターからフリーライターに転身し、恋愛専門のメールカウンセリングを開始。
- 20年以上にわたる相談実績をもとに、多数の著書を出版。テレビや雑誌などメディアでも幅広く活動。
- 現在は調布FMのラジオ番組「安藤房子のハッピーパラダイス」2025年4月から開始予定。
- 心理学以外にもカラーセラピー、食育、ダンスや姿勢・呼吸法などを駆使し、総合的なサポートを目指している。
公式サイト:恋愛心理研究所
著書「愛されて結婚する77のルール」:https://www.amazon.co.jp/dp/B0DHV3NNGR