壮絶な幼少期から家出、フリーター生活、両親の自殺――。数々の困難を乗り越え、営業職でいきなり全国1位を連発、今では1万5000件以上の恋愛相談を受けるカウンセラーとして活躍する上田基さん。
「本当にもうダメかも」と思う瞬間さえも、人生を大きく変えるチャンスに変えてきたというその歩み。どうすれば“どん底”からでも立ち上がり、自分らしい未来をつかむことができるのか?
今回のインタビューでは、上田さんの経験をもとに、恋愛や婚活を成功へ導く具体的なアドバイスから、日々の生きづらさを乗り越えるためのヒントまで伺いました。これを読めば、「もう一歩、前に進んでみよう」と心から思えるはずです。ぜひご覧ください。

婚活パラダイス編集部 × 上田基さん スペシャル対談

恋愛カウンセラー
上田基さん
両親の自死やどん底のフリーター生活を経て、営業職で全国No.1を何度も獲得した行動派コーチ。恋愛・婚活カウンセラーとしては18年間で10,000件超の相談実績を持ち、特にSNSやマッチングアプリを駆使した実践的アドバイスに定評あり。
— 本日はお時間をいただきありがとうございます! まずは上田さんの壮絶な過去を拝見しつつ、長年のカウンセラー歴をお持ちだと伺い、ぜひ詳しくお話を聞きたいと思っておりました。どうぞよろしくお願いします。

はい、こちらこそよろしくお願いします。
— さっそくですが、上田さんがカウンセラーになる前のご経歴がとてもユニークですよね。家出をきっかけに北海道から東京に出てこられたとか……。もう少し詳しく伺えますか?



もちろんです。僕は北海道の田舎出身で、父親が元競輪選手。
非常に厳格というか、毎日何時間も正座させられたり、暴力的なこともあったりで、本当にしんどい日々でした。
兄弟は耐えきれず家出してしまい、僕だけが残ったんです。
— お父様の存在がかなり大きかったんですね。



そうですね。高校はなんとか卒業したものの、家を出た後も父親がなかなか離してくれなかったんです。
当時の職場は寮だったんですが、父から寮の代表電話に頻繁に連絡が入り、結局戻れと強制されて。
だけど「このままじゃ人生が終わる」と思って家出をして、もう一切帰らずに東京へ来たんです。
— なるほど。そこから東京での生活はどうでしたか? やはり苦労が多かったのでは……?



最初はフリーター生活を転々としました。住む場所も不安定で、抗うつ剤を飲んでいた時期もあるぐらい。
でも、どうしても正社員になりたいと思い立って、デザイン系の求人に応募したんですが、未経験で全部落ちてしまって……。
結局、派遣会社から勧められた営業職を、「嫌だけどとにかくお金がない」と言う理由で始めました。
— そこからいきなり「全国3000人中1位」という営業成績を出されたんですよね。初月からというのがすごい。どうしてそんな成績を出せたのでしょう?



やる気は全くなかったんですよ(笑)。「どうせすぐ辞めるし、渡されたリストは全部終わらせよう」って数だけこなしたんです。
たぶんほかの人は要領よくサボることも多かったのかも。僕は無我夢中で電話をかけたり訪問したりしていたら、まさかの全国1位が取れてしまって。
— 初めて聞いた方は「そんな奇跡あるの?」って思ってしまいそうです。ちなみに営業でトップを取ってからどう展開されていったのか、もう少し聞かせてください。



営業の成績が良かったので、ほかの大手企業からも声をかけていただき、そこでも全国1位を何度か取ったりして。
最終的に自分で会社を起こして、営業チームを育成したり、人材紹介事業をやったりしていました。
多くの人と面談する中で、自然と「仕事の悩み」だけでなく「恋愛や人間関係の悩み」も聞くようになり、それがカウンセラーとしての道につながっていったんです。
— なるほど。そこが恋愛カウンセラーとしての原点なんですね。でも、まさかここまで幅広い相談を受けるようになるとは思わなかったでしょうね。



そうですね(笑)。当時は電話やチャットで恋愛相談を行うサイトが増えていた時期で、「いろんなサイトでやってみませんか?」と次々に声をかけてもらって。
気づけば10年以上続けていて、今は1万5000件以上のご相談に乗ってきました。
【恋愛・婚活】 うまくいかない原因は「自分を知らない」こと
— では早速、本題の婚活や恋愛についてお聞きします。読者の皆さんからも「婚活がうまくいかない」「婚活疲れしてしまった」といった悩みは本当に多いんです。上田さんから見て、うまくいかない一番の原因って何でしょう?



やはり「自分が本当に結婚したいか、自分でわかっていない」という方が多い気がします。
周りに言われて始めたけど、本当はそこまで結婚願望が強くなかったり、ただ「みんなが結婚してるから焦る」というだけだったり。
そうなると気持ちがブレやすくて、少しのことで落ち込んじゃうんです。
— 確かに、親や周りから急かされて婚活している方は多そうですね。自分でも「本当はどうしたいんだろう」と自問自答している人も……。
ちなみに具体的には、そういう方は最初に何をすればいいんでしょう?



一つは「世の中にどんな生き方・夫婦の形があるか」を知ってみるといいですね。今ってYouTubeやSNSでいろんな人の暮らしが見られますよね。
結婚生活を心底楽しんでいる人、一人でも充実している人、いろんなケースをたくさん見て、「自分の将来はどんなふうに過ごしたいのか」をイメージしてみる。
そこではっきり「私もこんなパートナーシップがほしい!」と思ったなら、婚活に力を入れればいいし、そう思えなければ一旦立ち止まってもいいと思うんです。
— 自分にとっての理想イメージがないまま婚活を始めると、思い通りにならないことで疲れ果てちゃうんですね。



そうですね。あとは「練習不足」も大きいですよ。マッチングアプリの写真を一枚だけ載せて、何となくのプロフィールを書いて……って人、意外と多いんです。
でも写真一つとっても、角度や明るさだけで印象はガラッと変わりますし、プロフィールも「優しいです」「明るいです」じゃ抽象的すぎる。
男性でも女性でも、自分がどういう性格なのか、過去にどんな経験を通じて今の自分があるのか。具体的に書かないと相手にイメージが伝わらないんですよね。
— もうちょっと詳しく伺いたいんですが、たとえば写真はどう撮ればいいか、もう少し具体的に教えていただけますか?



わざわざカメラマンを雇わなくても、スマホで何百枚も撮ればいいんですよ。表情や服装、背景を変えて。
例えば髪型はちょっとでも好印象に見える工夫をする。女優さんやタレントさんをお手本にして「こういう雰囲気が理想」と思う人の表情を何度も真似するといいです。
その中から「これだ!」と思えるベストショットを選ぶ。少し手間はかかりますけど、このひと手間が本当に大きく変わるんです。
— なるほど……「練習不足」というのは、写真だけじゃなくプロフィール文や会話も同様ですよね?



そうです。どんな会話をするときも、いきなり本番でうまく話せる人はそんなにいません。
台本を作って練習したり、ロールプレイしたりすることって大切なんです。
たとえば自己紹介の段階で「私は〇〇な性格だと思います。その理由は△△で、こんなエピソードがあるからです」といった具合に、PREP法(結論→理由→具体例→再度結論)で伝えてあげるとわかりやすい。
会話って「間」ができると妙に気まずかったりしますよね?
でも、あらかじめ会話のネタを用意しておくと、沈黙が続くリスクも減る。緊張しやすい人ほど効果的だと思いますよ。
【婚活の落とし穴】 最初から「結婚」をぼかすのは危険?
— 婚活ではとくに「最初に結婚したい気持ちを表に出すと引かれるのでは?」と心配する女性が多いんですよね。そこはどう思われます?



僕はむしろ「1年以内には幸せな家庭を築きたいと思って、このアプリを使っています」ぐらい書いていいと思っています。
それで引く人は、もともと結婚を真剣に考えていないか、結婚に対してかなり慎重で時間をかけたい人。
真剣に早めの結婚を望むなら、そういう相手はハッキリ言って外したほうが無駄がないですよね。
— 確かに! でもやっぱり気になる男性が「結婚は考えてないかも」みたいに言ってきたら、諦めるべきなんでしょうか?



遊びの可能性が高いか、そこまで踏み切る気がないだけか……いずれにしても、「結婚」の意識がハッキリしない人と関わるほど傷つく確率は高まります。
時間をかけて見極めようとしても、ずるずるして結局ダメになるケースは非常に多い。
最初から「遊び」か「本気」かをざっくり見分けるためにも、自分のスタンスを先に伝えるのは大事ですよ。
— なるほど。勇気がいりますが、時間を有効に使う上でも大切ですね。
【変わるためのポイント】 小さな成功体験を重ねよう
— 最後にもう一つ伺いたいのは、上田さんご自身が「どん底」からトップ営業やカウンセラーとして活躍されるようになった原動力というか、心の持ち方が気になるんです。どうやって自信をつけていかれたんでしょうか?



結局、「小さな実績をたくさん作る」ってことに尽きると思っています。今まで何もできなかったところから「ここまではやれた」という経験を作ると、「あれができたならこれもいけるかも」と自分を信じられる。
僕の場合、営業の仕事で言えば「毎日電話を何件かける」という小さな目標をこなしたら、結果的にトップの数字が取れた。
それを踏み台にして次は「もっと話し方を磨こう」とか「チームを作ろう」と次のステップに行けるようになった。まさに雪だるま式に自信が膨らんでいった感じです。
— 小さな成功体験の積み重ねが大きな転換点になったというわけですね。
では最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。



僕は今も電話やチャットで恋愛相談をお受けしていますが、これからも「諦めてほしくない」「人生は変えられる」という思いを伝えていきたいですね。
両親の自殺や家族の崩壊、どん底のフリーター生活を経て、「もうダメかも」と思う日々もありました。でもそこから何とか立ち上がれた経験が、今カウンセラーとして活きています。
「どうしようもない」と思っていても、ちょっと行動してみれば案外道は開けます。ぜひみなさんも、一歩踏み出す勇気を持ってほしいですね。
— 今日は本当に貴重なお話をありがとうございました! 読者の皆さんも「こんな境遇からでも人生は変わるんだ」という希望を感じられたと思います。今後も引き続き、たくさんの方をサポートしていただきたいです。ありがとうございました!
取材・文:婚活パラダイス編集部
今後もいろいろなカウンセラーや婚活のプロにお話を伺い、皆さんの婚活を後押しする情報を発信していきます。どうぞお楽しみに!