インターネット広告の基礎知識と種類ごとの仕組みや費用を徹底解説！

最近テレビコマーシャルでも目にするほど需要の高まりが見られるインターネット広告ですが、インターネットで広告を打つ場合に、一体何から始めていいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか？

本記事では、インターネット広告のメリット・デメリットだけでなく、種類によって異なる仕組みや特徴について解説していきます。

また、自社での導入を考える際には押さえておきたいポイントにも触れています。初心者から上級者まで、是非ご一読ください！

インターネット広告は、ウェブサイトやソーシャルメディアなど、オンライン上で配信される広告のことを指します。

その市場規模は、デジタルテクノロジーの進化と共に増大し続けています。

近年ではインターネット広告の金額は広告全体の過半数以上を占め、金額は実に7000億米ドルを超えており、年々拡大し続けております。

この拡大は、企業が従来のテレビやラジオ、新聞などの広告からデジタル広告へと移行する傾向によるもので、ユーザーのインターネット利用時間の増加も影響しています。

インターネット広告は費用対効果が高いのが特徴です。
テレビCMなどの広告媒体と比べて初期費用が低く、また、運用費用も小規模からスタート可能です。
そのため、予算が限られている中小企業でも利用しやすいのが最大のメリットです。

例えば、FacebookやGoogle Adsなどのプラットフォームでは、数千円程度から広告キャンペーンを開始することが可能です。
また、支払い方法もクリックごとの課金（PPC）や表示回数ごとの課金（CPM）など、予算に合わせて選択できます。これにより、企業は無理なく広告運用を始められ、またその効果を自社のペースで評価し調整することができます。

インターネット広告は高度なターゲティングが可能なことがメリットになります。

例えば、デモグラフィック情報（年齢、性別、職業など）、地理的情報、興味や行動パターンといったユーザーの特性に基づいて広告を表示する対象を絞ることができます。

さらに、リターゲティングやルックアライクオーディエンスといった機能を活用すると、既に商品やサービスに興味を示したユーザーや、既存の顧客に似た特性を持つユーザーに対して広告を配信することも可能です。

これにより、広告の効率性と効果性を高めることができます。

インターネット広告は、リアルタイムで広告のパフォーマンスデータを収集・分析することができます。

テレビCMの場合視聴率を調査し、放送時間帯と年齢層等を当てはめて計算する必要がありますが、インターネット広告はユーザーの動きを計測するために小回りのきく効果測定をすることができるのがメリットとなります。
具体的には、クリック数、表示回数、コンバージョン（購入や問い合わせなど目標とする行動）数など、様々な指標を見ることで広告の効果を把握することが可能です。

また、A/Bテストを行って最適な広告文やデザインを見つけ出すなど、ユーザーデータに基づいて広告の改善を進めることができます。

インターネット広告のもう一つのメリットは、その柔軟性です。

運用中でもキャンペーンの調整や最適化が可能で、これにより広告運用中でも広告の内容やターゲティング、予算分配などを自由に調整することが可能です。

例えば、ある広告が予想以上に好成績を収めている場合、その広告に予算を追加してさらなるリーチを得ることができます。逆に、パフォーマンスが思うように伸びない広告については、その原因を分析し、広告文やデザイン、ターゲティングなどを修正することが可能です。

これらの調整はリアルタイムに行うことが可能なため、市場環境やユーザーの反応にすばやく対応し、広告運用の効率性と効果性を高めることができます。

また、広告の改善を行いながら、広告の最適な運用方法を見つけ出すことが可能となります。

インターネット広告は数多くのメリットがありますが、一方で運用にあたってはいくつかのデメリットも考えられます。

インターネット広告は多種多様で、それぞれの広告プラットフォームは独自の仕組みや機能を持っています。

複数の広告の中から最大限に活用するためには、各広告の特性と適用するべきシーンを理解し、それに応じた運用戦略を立てる能力が必要です。

また、広告の設定や分析ツールの使い方など、テクニカルな部分についても理解が必要となります。これらは一定の学習時間や経験を必要とします。

インターネット広告の効果は、運用を開始したその時点で最大化されるわけではありません。

実際には、広告を配信し始めてからリアルタイムでデータを収集・分析し、広告のパフォーマンスを継続的に評価・改善することで初めて効果を最大化することができます。

これには、広告のクリック数や表示回数、コンバージョン数などの基本的な指標を見るだけでなく、A/Bテストを行って広告文やデザインを最適化する、さらに詳細なユーザーの行動分析を行うなど、一定の専門知識と時間を必要とします。

また、インターネット広告は常に新しい広告形式や機能、アルゴリズムのアップデートなどが行われているため、これらの最新情報をキャッチアップし、広告戦略に反映させるための学習を継続する必要があります。

ディスプレイ広告は、ユーザーがウェブサイトやアプリを閲覧しているときに、ページ内の広告枠に表示される形式の広告です。

ディスプレイ広告は、画像・動画・アニメーションなど、ビジュアル要素を主体にした形式が一般的です。

ディスプレイ広告の主な特徴としては以下のような点が挙げられます。

ディスプレイ広告は視覚的に魅力的で、ブランドのイメージを強く打ち出すことが可能です。商品やサービスの特徴を視覚的に伝えることができるため、認知度向上やブランディングに効果的です。

以下の2点はディスプレイ広告に限りませんが、ディスプレイ広告を運用する際の特徴となっています。

ディスプレイ広告もリスティング広告と同様に、ユーザーのデモグラフィック情報や行動、興味などに基づいたターゲティングが可能です。
これにより、特定の顧客層に向けて効果的に広告を配信することができます。

ユーザーが一度訪れたウェブサイトや特定の商品を見た後に、そのユーザーに対して広告を再度表示するリマーケティング（またはリターゲティング）が可能です。
これにより、購買意欲を持っていたが何らかの理由で離脱したユーザーを再び引き戻すことができます。

リスティング広告は、ユーザーが特定のキーワードを検索したときに、検索結果のページにテキスト形式で表示される広告形式です。

主にGoogleやYahoo!。bingなどの検索エンジンで使用されます。

リスティング広告の主な特徴としては以下のような点が挙げられます。

リスティング広告はユーザーが自発的に特定のキーワードを検索したときに表示されます。そのため、そのユーザーは、具体的な情報やサービス、製品を求めて検索している可能性が高く、その結果として購買意欲が高い状態のユーザーにアピールすることができます。

リスティング広告では、どのキーワードで広告を表示するかを広告主が自由に設定できます。これにより、広告を表示するターゲットを絞り込み、より効果的な広告運用を行うことが可能です。

一般的にリスティング広告は、広告がクリックされた時にのみ広告費用が発生するクリック課金（CPC）方式を採用しています。このため、広告の表示回数に関わらず、実際に広告を見て興味を持ったユーザーに対してのみ費用が発生します。これは、広告予算の効率的な運用に寄与します。

リスティング広告はデータがリアルタイムに蓄積されるため、広告の効果を詳細に測定することが可能です。また、これらのデータを基に広告の最適化を行うことができます。例えば、クリック数やコンバージョン数、クリック単価などの指標をもとに、キーワード選定や入札価格、広告文などを調整することができます。

動画広告は、広告メッセージを動画形式で伝える広告です。

YouTubeやFacebook、Instagramなどのプラットフォームに掲載されることが多いです。
また、動画広告には短いものから長いものまで様々な長さがあり、さまざまな形式が存在します（例：スキップ可能な動画広告、スキップ不可の短い動画広告など）。

以下に動画広告の主な特徴を挙げます。

動画広告は視覚と聴覚の両方の情報を伝えることができるため、商品やサービスの魅力を多角的に伝えることが可能です。

視覚的な要素が強いため、ユーザーの注目を引きやすく、ユーザーのエンゲージメントを向上させる可能性があります。

動画は時間軸を持っているため、ストーリーテリングを用いた広告表現が可能です。
特にSNSのプラットフォームの場合は、ストーリーをじっくり見てくれるユーザーが多いため、ブランドの価値や商品の特徴をより深く伝えることが可能です。

リターゲティング広告（またはリマーケティング広告）は、一度ウェブサイトを訪れたユーザーや特定の商品を閲覧したユーザーに対して、後日再びその商品やサービスを推奨する形の広告です。

これは、クッキー情報などを使って特定のユーザーを追跡し、そのユーザーの行動に基づいて広告を表示します。

以下にリターゲティング広告の主な特徴を挙げます。

一度興味を示した商品やサービスに対して広告を表示するため、新規ユーザーよりもコンバージョン率（行動に至る確率）が高い傾向にあります。

特に購買の決断を要する高額商品やサービスでは、ユーザーが一度サイトを訪れてもすぐに購入に至らないことが多いです。
リターゲティング広告は、そうしたユーザーに対してリマインドを行い、購買に至るサイクルをサポートします。

リターゲティング広告はユーザーの過去の行動に基づいてパーソナライズされるため、一般的な広告よりも個々のユーザーに適合したメッセージを提供することが可能です。
これにより、広告の関連性が高まり、結果的にはコンバージョン率を向上させることが期待できます。

ただし、リターゲティング広告はユーザーのプライバシーに関わる問題や、広告が過度に追跡すると感じられる可能性があるため、適切な設定と運用が求められます。

最近、Webサイトを見ると「Cookieの設定」というバナーを目にすることがあると思います。
この確認は個人情報を広告に利用します、ということへの同意確認になっています。

そうしたユーザーの状況や要望により、広告の頻度を適切にコントロールしたり、ユーザーが広告の非表示を選択できるようにするなどの配慮が必要です。

SNS広告は、SNSのプラットフォーム上で表示される広告形式です。

Facebook、Instagram、Twitter、LinkedIn、TikTokなど、多くのSNSプラットフォームが独自の広告サービスを提供しています。

以下に、SNS広告の主な特徴を挙げます。

SNS広告の最大の特徴の一つは、非常に詳細なユーザーデータに基づいたターゲティングが可能なことです。ユーザーの年齢、性別、地域、興味、行動など、さまざまな要素によってターゲットを絞り込むことができます。

SNS広告は、テキスト、画像、動画、カルーセル（複数の画像や動画をスライドショー形式で表示するもの）、ストーリーズ広告など、多様な形式が存在します。
これにより、広告の目的やメッセージに応じて効果の高いと考えられる広告形式を選択することができます。

SNSはユーザーとの対話や共有を促進するプラットフォームなので、広告もそれに合わせてエンゲージメント（反応）を促すことが可能です。
例えば、広告に対する「いいね」やコメント、シェアなどを通じて、ユーザーとのコミュニケーションを取ることができます。
ユーザーのリアルな意見を聞くことでサービスの改善やキャンペーン施策の展開に繋げることができるようになります。

アフィリエイト広告は、商品やサービスを販売する企業（広告主）と、その商品やサービスを自身のウェブサイトやブログなどで紹介する者（アフィリエイター）との間の広告手法です。

アフィリエイターは、自身のウェブサイトやブログに広告主の商品やサービスを紹介し、その結果売り上げが発生した場合、広告主から報酬を受け取ります。

以下に、アフィリエイト広告の主な特徴を挙げます。

アフィリエイト広告の報酬は、クリックや購入といった具体的なユーザー行動（パフォーマンス）に基づきます。
このため、広告主は効果的な広告を投稿しているアフィリエイターに対してのみコストを負担することになり、広告費用の効率性が高まります。

アフィリエイト広告は、一度関係を築けば長期間にわたって広告を掲載し続けることが可能です。これにより、広告主とアフィリエイターは長期的なパートナーシップを築くことができます。

アフィリエイト広告は個々のアフィリエイターのウェブサイトやブログで掲載されるため、そのアフィリエイターが信頼性を持つ場合、広告自体も信頼性を得ることができます。
これは特に、商品のレビューや詳細な説明を提供することが可能なブログやウェブサイトでは有効な手法です。ただし、アフィリエイト広告の成功はアフィリエイターの選定に大きく依存します。適切なアフィリエイターを選ぶことで、ターゲットの視聴者に対する影響力が高まり、広告効果を最大化することが可能となります。
逆に選定を誤ってしまうと、リスクはないものの、全く効果がでないという状態になってしまう可能性があります。

それぞれのインターネット広告の費用について説明します。

ディスプレイ広告の費用は、広告の表示回数（インプレッション）やクリック数（クリックス）に基づくことが一般的です。

ただし、ディスプレイ広告の費用は、広告の配置される位置、広告の大きさ、ターゲットとするユーザーの属性、広告を表示する時間帯などによって大きく変動します。

また、プログラマティック広告の場合、リアルタイムに広告枠が競売にかけられるため、広告費用は市場の需要によって動的に変動します。

リスティング広告（特に検索エンジンの検索広告）の費用は主にCPC（クリックあたりの費用）で計算されます。

広告主は特定のキーワードについて入札を行い、その入札額と広告の品質スコアに基づいて広告の掲載順位が決定されます。
つまり「上位表示のオークション」と考えていただければわかりやすいです。リスティング広告の費用は、競合他社との競争状況、選択するキーワードの人気度、広告の品質スコアなどによって大きく変動します。

競争が激しい業界や人気の高いキーワードでは、CPCが数百円から数千円にまで上ることもあります。

逆に、競争が少ないニッチなキーワードでは、CPCは数十円程度に抑えられることもあります（2023年5月現在）

動画広告の費用は、表示回数（インプレッション）、視聴回数、視聴時間、完全視聴回数、クリック数など、様々な要素に基づいて計算されます。

YouTubeなどのプラットフォームでは、CPM（1,000回の表示あたりの費用）、CPV（Cost Per View,＝1視聴あたりの費用）、CPC（1クリックあたりの費用）など、いくつかの課金モデルを選択することができます。

また、動画広告の制作費用も考慮する必要があります。大手の制作会社に依頼すると、制作費は数十万円から数百万円にも上ることがありますが、高いクオリティの動画を作成することが可能になります。

一方で、スマートフォンで自分で撮影したり、テンプレートを利用したりすることで、費用を抑えることも可能です。

動画広告のCPMは数百円から数千円、CPVは10円程度から数百円、CPCは10円程度から数百円程度単位が一般的な範囲です（2023年5月現在）

リスティング広告（特に検索エンジンの検索広告）の費用は主にCPC（クリックあたりの費用）で計算されます。

広告主は特定のキーワードについて入札を行い、その入札額と広告の品質スコアに基づいて広告の掲載順位が決定されます。

リターゲティング広告の費用は、基本的にはリスティングと同じです。

競合他社との競争状況、選択するキーワードの人気度、広告の品質スコアなどによって大きく変動します。競争が激しい業界や人気の高いキーワードでは、CPCが数百円から数千円にまで上ることもあります。

逆に、競争が少ないニッチなキーワードでは、CPCは数十円程度に抑えられることもあります（2023年5月現在）

SNS広告の費用は、プラットフォームや広告のタイプ、ターゲットとするユーザーの属性などにより大きく変動します。

広告主は通常、予算を設定し、その予算内で最適な結果を得られるように広告が自動的に最適化されます。

FacebookやInstagramなどのプラットフォームでは、広告費用は入札システムに基づきます。

つまり、他の広告主と同じターゲットオーディエンスに到達しようとするときには競争が生じ、その結果として広告費用が高まる可能性があります。

また、広告の目的（例えばブランド認知度向上、ウェブサイトへのクリック、コンバージョンなど）によっても費用は変動します。

一般的に、SNS広告のCPCは数十円から数百円が一般的な範囲です。

アフィリエイト広告の費用は、主に実際に発生した販売またはリードの数に基づいています。

これは通常、CPA（Cost Per Action、つまりアクションあたりの費用）と呼ばれる計算方法で行われます。

アフィリエイト広告の場合、広告主は広告が表示されるかクリックされるだけで費用を負担するのではなく、具体的な成果（商品の購入、会員登録など）が得られた場合のみ費用を支払います。そのため、アフィリエイト広告は非常にコスト効率の良い広告手法といえます。

しかし、具体的な費用は成果の種類や価値によって大きく変動します。

例えば、高額商品の販売につながる広告は、一般的なメール登録などの広告よりも高額な報酬が設定されることがあります。

例として、1成果に対して10,000円という費用が発生することもあるため、リスティングの際に考えていたクリック単価との費用構造の違いについては理解しておきましょう。

この記事では、インターネット広告について、そのメリットやデメリット、そして種類ごとに仕組みと特徴を解説してきました。

インターネットを介して広告を掲載することで、効果的なマーケティングを実現できる上に、リアルタイムでのデータ収集も可能になります。

その中で最も重要なのは、「自社の商品やサービスに合わせて適切な広告戦略を立てること」です。

また、ユーザーにとっても見やすく、ストレスを感じさせない広告を作ることが求められています。

この記事を見直してインターネット広告の特性を理解し、効果の高い広告を出稿できるように頑張ってください。