自治体でも大人気! 恋愛カウンセラー野田亜希子の“出会いをつなぐ”現場力

婚活や少子化対策の現場で、20年以上にわたり数多くの成婚を支え続ける恋愛カウンセラー・野田亜希子さん。自治体イベントの事後フォローや“一人ひとりの本音”に寄り添うカウンセリングで、「出会いがない」「うまく続かない」という悩みにどう応えているのか?

本記事では、野田さんの実践的な婚活アドバイスから、幸せな結婚を実現するために必要な“自己理解”の大切さを探ります。

婚活パラダイス
目次

野田亜希子さん × 婚活パラダイス編集部 スペシャル対談

恋愛カウンセラー

野田亜希子さん

プロフィール

誰かに決められた“幸せ”ではなく、あなたらしさを大切にしてほしい」という想いから、恋愛・婚活・パートナーシップなど幅広い相談に応じる恋愛カウンセラー。

カウンセラーとしての活動スタート

— まず、野田様のご経歴について伺いたいです。主に長崎を拠点にカウンセリングをなさっているとのことですが、恋愛や婚活に特化したご相談も多いのでしょうか?

野田亜希子さん

はい。私は「恋愛や婚活に関するカウンセリング」を中心に行っていますが、実際には婚活前の段階での恋愛相談や、カップル間、さらに結婚後の夫婦問題のカウンセリングなども幅広く扱っています。

— カウンセラーとして活動を始められたきっかけは何だったのでしょうか?

野田亜希子さん

私自身、約20年前は「婚活」という言葉が世の中に出る前に、たまたまある結婚相談所を手伝う機会があったんです。

当時は今ほど婚活という概念も浸透していませんでしたが、そこで結婚相談所のお仕事を通じて多くの方の人生に関わることになりました。

ただ、「個人的な経験則でアドバイスしてしまうのは危険だな」と痛感したんです。結婚って人生がかかっている大きなテーマですし、人それぞれ事情も違うわけですから。

そこで「きちんと心理やカウンセリングの専門家から学ぼう」と思い、実績ある精神科の先生や大学教授の方々に教えを受けながら、カウンセラーとしてのトレーニングを積みました。

— なるほど。そうして結婚相談所や独学で学びながら、専門的に「人の心を扱う」仕事を志されたんですね。

野田亜希子さん

そうです。活動していくうちに「結婚相談所という枠組みだけだと十分にサポートができない」と感じたんです。
出会いを斡旋して終わりではなく、出会う前からの心のあり方、そして結婚後も含め、長期的にお話を聞いたりサポートできる体制が必要だと。

相談所では「相手探し」が中心ですが、そもそも「自分自身の抱える問題やコンプレックスを整えないと、誰と会ってもうまくいかない」方もいます。

そういった方の根本的なサポートには、きちんとカウンセリングができる立場の人が必要なんですよね。

それで結婚相談所を離れ、「恋愛・婚活カウンセラー」として独立する形をとったのが今に至る経緯です。

地域・自治体との連携

— 野田様は自治体関連のイベントでのサポートも数多く手掛けられていると伺いました。
対馬や島原などでの婚活イベントに参加されて、講師のような役割を担いつつ“つなぎ役”として活躍されている印象ですが、具体的にどんなことを?

野田亜希子さん

たとえば自治体が「婚活イベント」を実施する際、イベント専門の業者さんに全て委託するケースが多いのですが、業者さんは「イベント企画・運営」自体は得意でも、参加者の深い心の問題を聞き出したり、フォローアップを続けたりするのは難しい。

私はイベント当日の「司会的ポジション」や「講座・ワークショップ」を受け持った上で、その後に個別の不安や相談を伺うという形をとることが多いですね。

本当はイベント後、自治体職員さんが継続的にフォローできればいいのですが、公務員法の縛り等で「個人情報の深い部分を聞けない」という事情があるんです。

結局そこを私のような外部カウンセラーが受け持つことで、「どうして婚活がうまくいかないのか?」という根本原因まで踏み込めるわけです。

— 具体的には、例えばイベントでマッチングが成立した後も、そのお二人がちゃんと交際を進められているかどうかフォローする、という感じでしょうか?

野田亜希子さん

はい。私はよく「イベント終了後に参加者の皆さんに電話する」といったこともしています。

マッチングが成立しても、あとから「やっぱり連絡先を交換したくない」「実は他に気になる人がいる」など、不安を抱える場合もあるんですよね。

そういう相談を個別に受けたり、ちょっとしたアドバイスやマナー指導をするのも私の役割です。

面倒に思われるかもしれませんが、ここまで寄り添うからこそ、“本当の意味で”出会いが長続きしたり、成婚率を高く保てたりするんです。

— なるほど。そこまで踏み込んでくださる方がいなかったら、「イベントが終わってはいサヨナラ」になっていた人も多そうです。
実際、対馬での婚活サポートでは成婚したカップルの結婚式に招かれて、参列者の1/3ぐらいが野田さんにとって顔見知り…なんてエピソードも拝見しました。

野田亜希子さん

そうなんです(笑)。何年もかかわってきた方々が結婚されると、本当に嬉しいですし、「式に来てください」と言っていただけるのは光栄ですね。

成功のカギは「深堀り」と「自己理解」

— ここまで具体的に活動内容を伺っていて、野田様が非常に丁寧に「相手の気持ち」を引き出しているのが印象的です。
以前、YouTubeの対談で“恋愛を深堀りする大切さ”を強調されていましたよね。「もし桃が好きなら、どんな桃が好きなのか具体的に考えてみる」というような。

野田亜希子さん

はい。「自分が何を求めているのか」をはっきりさせないまま「いい人がいない…」と悩んでいる方が多いんです。

そこを言語化・可視化してみると、意外と「実は身近に当てはまる人がいるかも」ということに気づくケースがあります。

「理想が高すぎるんじゃない?」とよく言われますが、私は「人を選ぶのだから、ある程度選んで当然」と思うんですね。ただ、条件を100個も掲げるなら、自分が相手から100個の条件を突きつけられる可能性もあるよ、ともお伝えしています(笑)。

そこを一緒に棚卸ししていくと、結果「この条件は実はそこまで重要じゃないかも」とか「これは他の条件と重複しているかも」となるので、本当の意味で必要な部分が見えてきます。

そうすると「意外とそれなら周囲にいるね」というふうに視野が広がります。

— 就職活動とも似ていますね。自分のことを棚卸しして、本当に求める条件や自分の強みを把握するのは大事だと。

野田亜希子さん

そうですよね。就職活動でも「この会社は年収が高いから行きたい」「有名企業だから行きたい」と表面で選ぶだけではミスマッチが起きがちです。

婚活も同じで、たとえば両親の期待や世間体だけを優先して結婚しても、自分が本当に幸せになれるかは別問題。

やはり最後は「私はどうなりたいの?」をしっかり考える時間が必要なんです。

なぜ未婚率が高まったのか? スマホ時代の影響

— 日本の未婚率や少子化が年々深刻化しています。野田様は20年以上活動を続ける中で、その原因をどう見ていますか?

野田亜希子さん

一つは「恋愛や結婚以外の楽しみが増えた」ことだと思います。昔の映画やドラマ、音楽、小説には恋愛要素が濃かったですよね。今はアニメやゲーム、SNSなど多様な娯楽があって、必ずしも恋愛に興味を向けなくても楽しい時代です。

また、スマホの普及は大きいです。SNSの使い方が上手な人はどんどん出会いを作れますが、苦手な方はむしろ交際のハードルが上がってしまう。男女が接触する機会は増えたようで、実は「ちゃんと心の距離を縮める方法がわからない人」が増えている印象です。

あとは「結婚しなくてもいいよね」という社会の空気もありますよね。それ自体は悪くないと思います。結婚したい人が自由に結婚できる環境があればいいわけですし、独身を貫きたい人を否定することはしたくありません。

ただ「本当は結婚したい」のに「どうせ自分なんて無理だし…」と諦めてしまっている人たちが、相談しやすい雰囲気や体制を作っていくのは、まだまだ必要かなと思います。

カウンセリング手法と向き合い方

— 野田様ご自身のカウンセリング手法、学ばれた流派などはいろいろあるかと思います。いわゆる「○○心理学」的なものとは違って、非常に実践的だと感じました。

野田亜希子さん

私自身、ずっと学びを止めないようにしています。長年お世話になっている「倉成央先生」という方をはじめ、精神科医、大学の先生など、多方面の専門家から教わってきました。

もともとはアサーション(自分も相手も大切にする自己表現)を日本に紹介された平木典子先生の本などを読み、「相手を大切にする言葉って人によって違うよな」と強く感じてから深く学び始めました。

大事なのは「この手法を使えばうまくいく」と押し付けるのではなく、目の前の方がすでに持っている解決策に一緒に気づいていくことだと思っています。

— 確かに、カウンセラーが「幸せにしてあげるよ」というスタンスだと、相手に依存を生んでしまいそうですね。野田様の“相手へのリスペクト”が強く伝わります。

野田亜希子さん

実際、相談者さんは自分自身でもモヤモヤを抱えながら、一歩踏み出して私のところに来てくれているんですよ。だから、その行動力自体が本当にすごいなと感じます。

「なんかうまく言葉にできないけど、モヤモヤしていて…」というざっくりした内容でも大歓迎です。

一緒に言葉にして、やりたいことを整理するお手伝いをするのがカウンセラーだと思っています。

具体的なサポート事例

— イベントフォローのほかに、1対1で相談に来られる方も多いわけですよね。どんなステップで進めるのか興味があります。

野田亜希子さん

私の場合は、相手の方と一緒に「スケジュール」を書き出すことが多いですね。

例えば「1年後には結婚したいんです」とおっしゃる方がいれば、「では逆算して、半年くらいは交際期間が欲しい?それなら、いつまでに“出会い”を確保しておく必要がある?」と、具体的な時期を書き込んでいくんです。

最初は「こんな紙に書くなんて…」と思っていても、「あれ、今年中に行動しないとまずいかも」「じゃあ今月はイベントに参加してみよう!」というふうに目標が明確になります。もちろん強制はせず、一緒に決めていくかたちです。

中には「彼氏と別れたいのに、年齢が不安で踏み出せない」みたいな方がいらっしゃる。

そこも「もし今の交際を続けたままだと、明日の新しい出会いを逃すかもしれないよ?」と問いかけると、「確かに…!」と気づかれたりするんですよ。

— おもしろいですね。すでに本人の中に答えがあるのを、野田さんが優しく“背中を押す”イメージですね。

野田亜希子さん

そうです。私が答えを「与える」のではなく、あくまで一緒に考える相棒、あるいは“壁打ちの壁”みたいな存在でしょうか。

心理カウンセラーというと「上から説教する人?」と構えられる場合もあるので、「アイテムの一つ」くらいに思ってもらいたいですね。

今後の展望

— そんな野田様が今後取り組みたいことや目指していることがあれば教えてください。

野田亜希子さん

まずは「同じ想いで、寄り添うようにカウンセリングをしてくれる仲間を増やしたい」というのがあります。

私一人では限界がありますし、たとえば日本全国の自治体に“私と同じようなカウンセラー”が何十人、何百人と配置されたら、少子化の新しい風になったらいいな~と想像しているんです。

「結婚したいのにできない」「支援がほしい」と思う方たちが、気軽に相談し、前向きになれる窓口が各地にあれば…というのが理想です。

また、私自身のところへは「モヤモヤを話したいだけ」という人も大歓迎です。オンラインで30分無料などもやっていますから、「こういう専門家に頼っていいんだ」という存在を知ってほしいですね。

— とても心強いお言葉です。少子化がニュースになるたびに、「このままじゃ本当にやばい」と思いますので…。
今後、婚活パラダイスとしても「野田さんのようなサポーターがもっと増えるように」情報発信を続けたいと思います。今日はありがとうございました。

野田亜希子さん

こちらこそ、ありがとうございました。私でお力になれることがあれば、いつでも声をかけてください。

編集後記

今回のインタビューを通じて感じたのは、野田さんの「相談者を心から尊重する姿勢」と「根本的な問題にじっくり向き合う姿勢」です。「問題の解決策は、実は本人の中にすでにある」という考え方がとても印象的でした。


地方自治体の婚活イベントや個人向けカウンセリングなど、「結婚して終わり」ではなく、その先の幸せを共に考える取り組みは今の日本にますます必要になってきています。
「自分がどうなりたいか」をじっくり整理し、次の一歩を踏み出すきっかけとして、野田さんのようなカウンセラーを頼ってみてはいかがでしょうか。

目次