マイクロコンバージョンのメリット・デメリットを紹介!設定方法もわかりやすく徹底解説

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

マイクロコンバージョンという言葉を聞いたことがございますか?
広告にある程度関わっていないと耳慣れない言葉だと思います。

今回は、マイクロコンバージョンとは何か、そしてその違いやメリット・デメリットについて解説します。
また、マイクロコンバージョンを設定する方法についても解説しているので、これから導入したい方はぜひ参考にしてください。
マイクロコンバージョンの導入によって、ビジネスにどのような効果があるのか、一緒に探っていきましょう!

マイクロコンバージョンとは?

総務省 平成23年版 情報通信白書「インターネットショッピングにおける購買プロセスの変化」

マイクロコンバージョンとは、ウェブサイト訪問者の小さなアクションや目標達成のことを指します。


マイクロコンバージョンは、ユーザーがウェブサイトに興味を持ち、エンゲージメントを示していることを表します。

例えば、会員登録、資料請求、コンテンツのダウンロード、動画の視聴などがマイクロコンバージョンにあたります。

情報通信白書から分かるように、インターネットの普及率が高まり、消費者の生活スタイルが変わりました。購入プロセスが複雑化している現代では、マイクロコンバージョンをもとにユーザーの行動を把握することは最終目標であるコンバージョンへの近道となります。

マイクロコンバージョンとコンバージョンの違いは?

マイクロコンバージョンと(マクロ)コンバージョンは、ウェブサイトやアプリのユーザーの行動を測定するための重要な指標です。以下にそれぞれの具体例を示します。

マイクロコンバージョン

マイクロコンバージョンはユーザーがウェブサイトやアプリで行う最初の一歩である行動や、申込などの最終目標に向かう途中の段階的な行動を指します。


【具体例】

マイクロコンバージョン①:商品のカートへの追加

オンラインストアでは、ユーザーが商品をカートに追加することは、最終的に商品を購入するための重要なステップです。

マイクロコンバージョン②:ニュースレターの登録

ユーザーがウェブサイトのニュースレターに登録すると、これは彼らがブランドに興味を持ち、最終的に購入や契約につながる可能性があることを示しています。

マイクロコンバージョン③:コンテンツのダウンロード

ユーザーがウェブサイトから無料のホワイトペーパーやeBookなどのコンテンツをダウンロードすることも、マイクロコンバージョンの一例となります。

マイクロコンバージョン④:ページビュー、セッション時間、ボタンのクリック数など

これらも全てマイクロコンバージョンに含まれ、ユーザーの関心やエンゲージメントを示しています。

コンバージョン(マクロコンバージョン)

一方、コンバージョンはウェブサイトやアプリが目指す主要な目標達成を指します。以下に具体的な例をいくつか挙げます。

【具体例】

コンバージョン①:商品の購入

オンラインストアの最終目標は商品の購入です。
ユーザーが商品を購入し、決済が完了すると、これをコンバージョン(またはマクロコンバージョン)と呼びます。

コンバージョン②:サービスの契約

サブスクリプションサービスやソフトウェアなどでは、ユーザーが契約を結ぶことがマクロコンバージョンとなります。

コンバージョン③:問い合わせフォームの送信

B2Bウェブサイトなどでは、問い合わせフォームの送信がマクロコンバージョンとなることもあります。

マイクロコンバージョンはユーザーのエンゲージメントを測るのに役立ち、ユーザー体験の改善やサイトの最適化につながる洞察を提供します。

一方、コンバージョンはビジネスの最終的な成果を測るためのもので、売上や利益などの経済的な指標を直接反映します。

コンバージョン率の平均は業界によって差があります。

マイクロコンバージョンの指標の種類

マイクロコンバージョンの指標はウェブサイトの目標と内容により異なりますが、一般的なものを以下に挙げます。

指標①:ページビュー:ユーザーがサイトの特定のページを訪れた回数。

指標②:滞在時間:ユーザーがサイト上でどれだけの時間を過ごしたか。

指標③:コンテンツのダウンロード:ユーザーがレポート、ホワイトペーパー、eBookなどのコンテンツをダウンロードした回数。

指標④:メールニュースレター登録:ユーザーがメールニュスレターや定期的なアップデートに登録した回数。

指標⑤:ビデオ視聴:ユーザーがサイト内のビデオコンテンツを視聴した回数や視聴時間。

指標⑥:SNSのフォロー:ユーザーがソーシャルメディアのアカウントをフォローした回数。

指標⑦:商品へのレビューまたは評価:ユーザーが商品に対してレビューや評価を行った回数。

指標⑧:ショッピングカートへの追加:ユーザーが商品をショッピングカートに追加した回数。

これらのマイクロコンバージョン指標は、ウェブサイトのユーザーエンゲージメントと興味の深さを測るのに役立ちます。

マイクロコンバージョンを設定する4つのメリット

マイクロコンバージョンを設定することには、ウェブサイトやオンラインビジネスの運営にとって多くのメリットがあります。それらは以下のように具体化されます。

自動入札に必要なコンバージョン数の確保

自動入札システムは、コンバージョンデータに基づいて広告入札を自動化するツールです。

これらのシステムは多くのコンバージョンデータを必要とするため、マイクロコンバージョンを追跡して計測することで、これらのシステムが必要とするデータを得ることができます。

つまり、マイクロコンバージョンは全体のコンバージョン数を増やし、自動入札システムがより効果的に機能するのに役立つデータを提供します。

ユーザー行動を細かく把握

マイクロコンバージョンを設定することで、ウェブサイトのユーザー行動をより細かく把握し、そのパターンを理解することができます。


これにより、ユーザーのエンゲージメントを向上させ、ウェブサイトの体験を最適化するための具体的な洞察を得ることができます。

例えば、特定のコンテンツがユーザーによくダウンロードされている場合、そのコンテンツがユーザーにとって価値があることが分かります。


この情報を基に、そのコンテンツをより目立つ場所に配置したり、同様のコンテンツを作成したりすることができます。

コンバージョン数の増加

マイクロコンバージョンを設定することによって、ユーザーがウェブサイトで積極的に関与している証拠を集めることができます



マイクロコンバージョンの目標達成は、全体的なエンゲージメントを高め、最終的にはコンバージョン数(購入、サインアップなど)の増加につながっていきます。

具体的には、ユーザーがマイクロコンバージョン(例えば、ニュースレターへのサインアップや資料のダウンロード)を達成したとき、それは彼らがあなたのブランドやサービスに対して何らかの興味を持っていることを示します。


これを基にユーザーとの関係性を深め、最終的にはコンバージョン(製品の購入など)につなげることができます。

コンバージョン数が少ない場合の指標

ウェブサイトやビジネスが新しい、またはトラフィックが比較的少ない場合、コンバージョンの数が少なすぎて信頼性のあるデータが得られない可能性があります。


このような状況では、マイクロコンバージョンは有用な指標となります。マイクロコンバージョンは、ユーザーのエンゲージメントやウェブサイトに対する興味を示す行動であるため、これらの行動を追跡することでユーザーのパターンや傾向を理解することができます。


これにより、少ないトラフィックでも有意義なデータを収集し、ユーザー体験の改善やマーケティング戦略の調整に役立てることができます。

マイクロコンバージョンを設定するデメリット

マイクロコンバージョンを設定することは多くのメリットをもたらしますが、一方でそれにはデメリットも存在します。それらは以下の通りです。

管理する指標の増加

マイクロコンバージョンを追跡すると、管理と分析を行うための指標が大幅に増えます。これは時間とリソースを必要とします。


大量のデータを追跡し、それを解釈するためには、それを解析するためのツールとスキルが必要になります。


結果としてデータの管理が難しくなり、混乱を招く可能性があります。

自動入札がマイクロコンバージョンに偏る可能性

自動入札戦略はコンバージョンデータに大きく依存します。


そのため、マイクロコンバージョンを大量に追跡していると、その結果として自動入札システムがコンバージョンではなく、マイクロコンバージョンに偏る可能性があります。


これは最終的なビジネスの目標(コンバージョン)から目を逸らす結果となり得ます。

データ分析の作業口数が増加

マイクロコンバージョンを設定し追跡すると、それらのデータを収集・分析する作業量が増えます。


特に大量のマイクロコンバージョンを追跡している場合、それらのデータを管理し分析することは一層複雑になります。


また、間違った解釈をすると、戦略ミスや意思決定ミスにつながる可能性があります。

これらのデメリットを考慮に入れ、マイクロコンバージョンの設定と追跡は戦略的に行いましょう。

Google広告のマイクロコンバージョン設定方法

Google 広告でマイクロコンバージョンを設定する方法は次のとおりです。

手順1:Google 広告にログイン

まず、Google 広告アカウントにログインします。

手順②:ツールと設定に移動

ページの上部にある「ツールと設定」アイコンをクリックします。

手順③:測定に移動し、コンバージョンを選択

ドロップダウンメニューから「測定」を選択し、次に「コンバージョン」を選択します。

手順④:コンバージョンアクションの作成

ページの左上にあるプラスボタン(+)をクリックし、「コンバージョンアクションを作成」を選択します。

手順⑤:コンバージョンのカテゴリを選択

「ウェブサイト」、「アプリ」、「電話通話」、「インポート」などのオプションから、あなたが追跡したいマイクロコンバージョンのタイプを選択します。

手順⑥:コンバージョンアクションの詳細を設定

「カテゴリ」、「コンバージョン名」、「値」、「数」、「クリックからの日数」などのフィールドを設定します。これらはあなたが追跡したい具体的なマイクロコンバージョンによります。

手順⑦:コンバージョンアクションを保存

全ての設定が完了したら、「作成」ボタンをクリックしてコンバージョンアクションを保存します。

手順⑧:トラッキングコードの実装

生成されたトラッキングコード(または「タグ」)を、ウェブサイトの該当ページに貼り付けます。これによりGoogle広告は、ユーザーがその特定のアクションを完了したときにそれを追跡し、コンバージョンとして記録することができます。

以上がGoogle 広告でマイクロコンバージョンを設定する基本的なステップです。

これらの手順を複数回繰り返すことで、複数のマイクロコンバージョンを追跡することが可能となります。

ただし、設定が完了したら、実際にコンバージョンが正しく追跡されているかどうかを確認するためにテストを行うことをおすすめします。

Googleタグマネージャーの設定方法

Googleタグマネージャー(GTM)は、ウェブサイトやモバイルアプリ上で使用するタグ(トラッキングコード)を一元管理し、迅速かつ簡単にタグの追加や更新を行うためのツールです。

これを使用すると、マイクロコンバージョンを追跡するためのGoogle Analyticsのイベントトラッキングや、他のサードパーティツールのタグを管理することができます。

以下に、基本的なGoogleタグマネージャーの設定方法を示します。

手順①:Google タグマネージャーにログイン

まず、Google タグマネージャーのアカウントにログインします。アカウントがない場合は無料で作成できます。

手順②:コンテナの作成

ログインしたら、まず「コンテナ」を作成します。これは、管理するウェブサイトやモバイルアプリ、それぞれ別々のコンテナを作成します。

手順③:GTM コードの貼り付け

コンテナを作成したら、GTM コード(2つのスニペット)が提供されます。

これらのコードをウェブサイトの全ページにインストールします。通常は、一つのコードを <head> タグ内に、もう一つを <body> タグ内に配置します。

手順④:タグの作成

GTMダッシュボード内で新しいタグを作成します。

「新規タグ」をクリックし、タグの設定画面に移動します。ここでは、タグの種類(例:Google Analytics: Universal Analytics)と、その設定(トラッキングIDなど)を行います。

手順⑤:トリガーの設定

タグが発火する条件を設定するための「トリガー」を作成します。例えば、特定のボタンがクリックされたとき、または特定のページが表示されたときなど、そのトリガーが発火する具体的な条件を設定します。

手順⑥:タグとトリガーの関連付け

作成したタグとトリガーを関連付けます。これにより、設定した条件が満たされたときに指定のタグが発火します。

手順⑦:設定の公開

全ての設定が完了したら、それを公開します。これにより、設定したタグとトリガーが実際のウェブサイトやアプリで動作するようになります。

右上にある「公開」ボタンを押し忘れると設定が適用されませんので注意してください。

以上がGoogleタグマネージャーの設定方法です。

Facebook広告のマイクロコンバージョン設定方法

Facebook広告では、Facebookピクセルを使用してマイクロコンバージョンを追跡することが可能です。


Facebookピクセルは、ウェブサイトの訪問者の行動を追跡し、そのデータをFacebook広告に利用するためのツールです。

以下に、Facebook広告でマイクロコンバージョンを設定する基本的な手順を示します。

手順①:Facebook広告マネージャーにログイン

まずはFacebook広告マネージャーにログインします。

手順②:Facebookピクセルの作成

「ツール」メニューから「イベントマネージャー」を選択し、「+接続データソース」をクリックし、「ウェブ」を選択します。

次に「Facebook ピクセル」を選択し、「手動でピクセルコードをウェブサイトに追加」をクリックします。

手順③:ピクセルコードの設置

「イベントマネージャー」内で、作成したピクセルを選択し、「ピクセルコードの設定」をクリックします。次に表示されるコードをウェブサイトの全ページのヘッダータグ(<head>タグと</head>タグの間)に設置します。

手順④:イベントの設定

Facebookピクセルによる標準イベント(例:ViewContent、AddToCart、Purchaseなど)か、カスタムイベント(自分で定義した行動)を選択します。
イベントが発生したときにピクセルコードが発火するように設定します。
ウェブサイトのコードに直接設定するか、イベントセットアップツールを使って設定することが可能です。

手順⑤:イベントのテスト

全ての設定が完了したら、「テストイベント」ツールを使って設定が正しく機能しているか確認します。

これらのステップを踏むことで、Facebook広告でマイクロコンバージョンを追跡することが可能になります。
追跡データは広告のパフォーマンス分析だけでなく、オーディエンスのターゲティングやリターゲティングにも活用することができます。

マイクロコンバージョンを使った分析方法2選

マイクロコンバージョンを利用することで、ユーザーの行動やウェブサイトのパフォーマンスを深く理解するための具体的な分析方法を以下に示します。

フォーム離脱率・到達率を算出する

ウェブサイトにおいて、ユーザーが情報入力フォームを途中で離れてしまう(フォーム離脱)か、それに到達する(フォーム到達)かを計測することは重要です。


途中で離脱してしまう数が多いことは、フォームの入力項目が煩雑であることを意味しています。

購入フォームや問い合わせフォームなど、最終コンバージョンが発生する場所での離脱は大きなビジネス機会損失となります。

フォーム離脱率

フォームのページを訪れたユーザーのうち、フォームを送信せずに離脱したユーザーの割合を計算します。これにより、フォームがユーザーにとって使いやすいか、または離脱を促す要因があるかどうかを理解することができます。

フォーム到達率

ウェブサイトの訪問者全体のうち、フォームページに到達したユーザーの割合を計算します。これにより、ユーザーが目的のページに適切に導かれているかを確認することができます。

その他最終コンバージョンまでのステップとなる地点を設定して数値を出してみる

ウェブサイトの各ステップでマイクロコンバージョンを設定し、それぞれのステップでのユーザーの行動を分析します。

これにより、ユーザーが最終的なコンバージョンに到達するまでのパスを明確に理解することができます。

ステップ別のマイクロコンバージョン率

例えば、商品ページへの訪問、カートへの追加、チェックアウト開始、最終的な購入など、各ステップで発生するマイクロコンバージョンの率を計算します。

ユーザーフローの分析

各ステップ間でのユーザーの移動パターンを分析します。特定のステップで離脱が多い場合、そのステップに問題がある可能性があります。

まとめ:効果的な運用を目指すならマイクロコンバージョンを設定しよう

いかがでしたでしょうか。
この記事では、マイクロコンバージョンについて解説しました。

マイクロコンバージョンは、最終的なコンバージョンに至るまでにある中間のコンバージョンのことであり、例えばECサイトにおいては、商品詳細ページへのアクセスやカートに商品を入れることなどが該当します。

マイクロコンバージョンの設定には、コンバージョンへ繋がる指標であるかどうかを考慮する必要があります。
そして、マイクロコンバージョンの設定によって、最終的なコンバージョンの増加に関係していきます。

マイクロコンバージョンの設定とその後の解析方法を通じて、より効率的かつ効果的なウェブサイトやアプリの運用を目指しましょう。

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