「ショッピング広告と通常のWeb広告はどの点で異なるの？」
「ショッピング広告をどのように展開すればよい？」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
ショッピング広告は、検索の結果やその他のページに表示される商品の写真付きの宣伝であり、主にECサイトのプロモーションとして利用され、その高いCVRや低いCPCが注目されています。
商品詳細を記載するための商品フィードの準備は、ショッピング広告におけるキーとなる部分です。
このページでは、ショッピング広告の根底からその掲載方法までを丁寧に説明しています。さらに、「ショッピング広告のルール」についても、誤解が審査に悪影響を及ぼす可能性があるため詳しく触れていきます。
是非、最後までご覧ください。
まず始めに知っておきたい！ショッピング広告のエッセンス
ショッピング広告とは？
ショッピング広告は、オンラインショッピングプラットフォームで提供される広告形式の一つです。主な目的は、商品を直接販売し、購買意欲を高めることです。一般的に、商品の画像、価格、商品説明などが含まれ、ユーザーが商品に興味を持ち、購入を検討する際に役立ちます。
ショッピング広告は、検索エンジンやソーシャルメディアプラットフォームで表示され、商品の可視性を向上させ、ターゲットユーザーに商品を効果的にアピールします。これはオンライン小売業者やブランドにとって重要なマーケティングツールであり、商品の販売促進と収益向上に寄与します。
特徴的な要素には、商品リストや価格比較、在庫状況の表示が含まれ、ユーザーに購入の意思決定を支援します。ショッピング広告は、オンライン広告キャンペーンの一環として活用され、効果的なリードジェネレーションと売上増加を実現します。
どこでショッピング広告を目にするの？
ショッピング広告は、一般的にリスティング広告よりも先に表示されることがあります。これらの広告には画像が含まれており、その視覚的な要素がユーザーの注目を集めます。
特に、スマートフォンを使用している場合、ショッピング広告は画面の大部分を占めることが多く、ユーザーにより多くの注目を集めることができます。
ショッピング広告は検索結果だけでなく、以下の4つの場所でも表示されます。
- ショッピングのタブ
- Googleの画像検索
- 提携サイトの画像部分
- YouTubeやGmail内
ショッピング広告の表示方法と仕組み
ショッピング広告を表示させるためには、まず、Google Merchant Centerに商品の詳細情報をアップロードする必要があります。その後、Google広告と連携してショッピング広告のキャンペーンを設定することで、検索結果ページに広告が表示されます。
通常の検索連動型広告とは異なり、ショッピング広告では特定のキーワードの設定は不要です。なぜなら、ショッピング広告はGoogle Merchant Centerに提供された商品情報とユーザーの検索クエリを照らし合わせ、関連性の高い商品をユーザーに表示するからです。
ショッピング広告にかかるコスト
ショッピング広告の料金設定は、ユーザーが広告をクリックした際に課金されるクリック課金方式です。クリックごとの料金（CPC）は商品の種類によって異なり、一般的には10～30円程度です。このCPCは、通常の検索連動型広告のCPCに比べてやや低い傾向があります。
また、2020年10月からは、Googleの「ショッピングタブ」で無料で商品を掲載できる機能も提供されています。この無料枠は、有料のショッピング広告の下に表示されます。無料掲載を検討するのは、ショッピング広告を導入したい方、予算に制約がある方、広告のパフォーマンスを向上させたい方などにおすすめです。
詳細や無料掲載の方法については、Googleショッピングの「無料の掲載スポットについて」というセクションで詳しく説明されています。
ショッピング広告利用時の3つのメリット
1.検索結果の先頭部分に商品の画像を添えて掲示可能
前述の通り、ショッピング広告は検索結果ページの最前線で表示されるのが特徴です。
ショッピング広告は、通常のリスティング広告とは異なり、商品の写真を伴って検索結果に表示される特徴があります。この画像付きの広告は、ユーザーの視線を引きつけやすく、商品の魅力を効果的に伝える手段となります。
また、同じ企業の商品が1回の検索で複数回表示されることがあるため、商品の画像が印象的であれば、ユーザーはそのブランドを覚えやすく、将来的な購買に繋がる可能性が高まります。これにより、ブランド認知の向上にもつながります。
2.ショッピング広告は、低CPCと高CVRを持つ特性がある
ショッピング広告の特徴の一つは、クリック単価（CPC）が一般的なリスティング広告に比べて低価格であることです。一般的に、CPCは10～30円の範囲内に収まります。この低価格の背後には、多くのショッピング広告掲載枠が競合から比較的解放されていることが挙げられます。
さらに、ショッピング広告は高いクリックからコンバージョン率（CVR）を持つ特性を持っています。なぜなら、ユーザーは商品に関心を持っており、直接商品ページにリンクされることから、購買意欲が高いと言えるからです。
ショッピング広告では、関心を示すユーザーだけがクリックする傾向があるため、高いCVRが期待できます。CPCの低さとCVRの高さが組み合わさることで、ショッピング広告の成果単価（CPA）を効果的に削減でき、高いコスト効果を実現できます。
3.ロングテール商品も広告表示可能で、多様なニーズとキーワードを獲得
ロングテール商品とは、一般的な「ヒット商品」ではなく、販売数は少ないが多種多様な商品を取り扱うことで、その総販売額がヒット商品を上回る戦略のことを指します。
ショッピング広告を活用すると、ユーザーの検索キーワードが増えるにつれて、特定の商品へと細分化される傾向があります。例えば、「ノートパソコン」を検索すると、さまざまなブランド、スペック、価格帯の商品が表示されます。しかし、「ノートパソコン DELL」や「ノートパソコン DELL Core i7」のように具体的なキーワードで検索すると、ターゲットユーザーが特定のニッチな商品に絞り込まれます。こういった特定の商品は、ユーザーに「まさにこれを求めていた」と感じさせる効果があります。
ショッピング広告は、クリックされない限り広告費用が発生しない特性を持っているため、多岐にわたる商品の広告を表示することができます。その結果、ロングテール商品も効率的に広告を出稿でき、多様なニーズを満たし、多くのキーワードをカバーすることができます。
一方、リスティング広告を使用してロングテールキーワードに対応する場合、多くのキーワードごとに適切な広告文やリンク先を手動で調整・管理する必要があります。また、検索ボリュームが少なく、広告スポットが限られていたり、データが不足して最適化が難しい場合も考えられます。しかし、ショッピング広告を活用することで、ロングテール商品の広告配信をスムーズに実現できます。
ショッピング広告運用の課題「時間と労力」
Googleショッピング広告の運用には、商品フィードの準備や更新に時間と労力がかかる課題があります。
商品フィードには、商品に関する詳細な情報を入力する必要があります。商品の種類が増えるほど、この作業に費やす時間も増加します。また、価格の変更や在庫のアップデートがある場合、フィードのデータを更新する必要があります。これを怠ると広告が停止される可能性があります。
ショッピング広告の成功には、広告内容と商品ページの情報が一致していることが不可欠です。プロモーション活動や在庫の変更などが頻繁に発生する場合、フィードの更新作業は頻繁に行う必要があります。
一部のカートシステムは、この問題を解決するのに役立ちます。これらのシステムは、商品フィードの自動生成や在庫情報のリアルタイムな同期をサポートし、フィードの継続的な手動管理を不要にします。
以下は、ショッピング広告との連携が可能なカートシステムの一例です。
ショッピング広告を検討している場合、使用しているカートシステムがこれらの機能を提供しているかを確認することが重要です。これにより、時間と労力を節約しつつ、効率的な広告運用を実現できます。
ショッピング広告がおすすめのビジネス
前述の通り、ショッピング広告との連携が可能なカートシステムを導入している企業は、商品フィードの準備や更新作業が容易です。そのため、ショッピング広告の導入を検討している場合、導入をスムーズに始められる状態にあるでしょう。
| サイトのタイプ | 理由 |
|---|---|
| オンラインショッピングサイト全般 | ・リスティング広告よりも高い表示位置が得られる可能性がある。 ・クリック単価（CPC）とコンバージョン率（CVR）が有利な場合が多い。 ・コスト対効果（CPA/ROAS）が良好な可能性が高い。 |
| 多種多様な商品を扱うサイト | ・ロングテールの商品も広告で掲載可能。 ・詳細な検索キーワードに対応しやすく、多くのニーズに応えられる。 |
| ビジュアルが重要な商品を取り扱うサイト | ・商品画像を広告に添付できるため、ファッションアイテムやコスメなどのビジュアル情報が効果的に伝えられる。 |
Googleの「ショッピング広告ポリシー」の把握と適切な運用
ショッピング広告は、商品に在庫があれば何でも掲載できるわけではなく、広告内容による制限や禁止される行為も存在します。
従って、「ショッピング広告のポリシー」をしっかりと読み、理解しておくことが大切です。
このセクションでは、ショッピング広告のポリシーに何が書かれているのか、ポイントを説明します。
広告掲載が許可されないコンテンツ
以下のコンテンツは、Googleのショッピング広告ポリシーに違反し、広告掲載が許可されていないため、特に注意が必要です。
| コンテンツ | 例 |
|---|---|
| チケット販売 | コンサートのチケット、飛行機のチケット |
| 乗り物 | 車、バイク、ボート（時速25km以下の電動自転車は除外） |
| 金融商品 | 株、投資ファンド、保険、クレジットカード |
| 電子・デジタル書籍 | eBook、デジタル版の本（オーディオブックは例外） |
| 通貨 | 金バー、貴金属、現金、暗号資産 |
| オープンループのギフトカード | クレジットカードブランドのプリペイドギフトカード（期限の設定があるものは除外） |
| サービス | メンテナンスサービス、修理サービス、ファイナンシャルプランニング、ストリーミングコンテンツ（商品と一緒にサービスが提供される場合も対象、例：エアコンの設置サービス込み） |
| 不動産 | 住居 |
| 定期購入 | デジタルコンテンツのサブスクリプション |
| 特殊な支払いソフトウェア | 支払いに特別なソフトウェアのインストールが必要な商品 |
これらのコンテンツについては、Google Merchant Centerヘルプで詳細な情報を確認することができます。特にサービスに関しては、商品に含まれる「設置サービス」も対象となるため、注意が必要です。
禁じられている行動
Googleのポリシーには厳格な基準が設けられており、以下の行動は禁止されています。
広告ネットワークの悪用
- 有害なコンテンツ: 有害または不適切なコンテンツを宣伝すること。
- トラフィック生成が主な目的: ユーザーに付加価値を提供せず、トラフィックを増やすことが主要な目的となるウェブサイト。
- 不適切な順位操作: ショッピングキャンペーンでの不正な順位操作を試みる販売者。
- 審査プロセスの逃避: Google審査プロセスを回避しようとする販売者。
不適切なデータ収集と利用
以下の情報を不正に収集したり、適切な許可やセキュリティ対策なしに使用したりすることは許可されていません。
- ユーザー名とパスワードの組み合わせ
- クレジットカードやデビットカードの番号
- 銀行・投資口座の番号
- 普通預金口座番号
- 送金情報
- 国籍番号、年金番号、社会保障番号、税ID、健康保険番号、運転許可証番号
誤った表示
- 明示的な同意なしに購入やダウンロードを促す行為: ユーザーに関連情報を事前に明示せず、または明示的な同意なしに購入やダウンロードを促す行為。
- 不正確・誇張・不誠実な宣伝: 販売者や商品を不正確、誇張、または不誠実に宣伝する行為。
これらの禁止行動に該当する商品を取り扱っている場合、アカウントが凍結されるリスクがあるため、事前に確認しましょう。
コンテンツの制限事項
| コンテンツカテゴリ | 制限事項 |
|---|---|
| 成人向け素材 | ・アダルト商品 ・性的暗示のあるコンテンツ ・肌の露出を伴う画像等 |
| アルコール類 | ・ビール ・ワイン ・日本酒 ・蒸留酒 ・ハードリカー ・シャンパン ・酒精強化ワイン ・ノンアルコール飲料 |
| 著作権保護対象のコンテンツ | これらのコンテンツの広告宣伝には制約があります。 |
| ギャンブルに関わるコンテンツ | ・公営または私営の宝くじ ・ギャンブルサイト向けのボーナスコードや特典を提供するウェブサイト等 |
| ヘルスケア関連のコンテンツ | ・一般市販薬 ・処方箋薬 ・承認されていない医薬品やサプリメント ・妊娠や生殖機能に係る製品 ・生殖機能の向上治療 |
| 政治についてのコンテンツ | ・政党や選挙候補者 ・政治的な議題に対する宣伝等 |
| 商標 | 商品の出所に関して、ユーザーが混乱する恐れがあるとの申し立てがある場合、その使用は確認されます。 |
| 高脂質、高塩分、高糖質の食品及び飲料 | 高脂質、高塩分、高糖質の食品・飲料に対するショッピング広告は、Googleのポリシーに従っていなければ、掲載が認められません。 |
※制限の内容は、宣伝対象の商品や国によって異なります。これらのコンテンツの広告は、全地域、全ユーザーに表示されるわけではなく、掲載を許可されるためには特定の要件をクリアする必要があります。
※参考：Google Merchant Centerヘルプ｜ショッピング広告のポリシー
広告の編集ガイドライン
Googleは、ユーザーにストレスを感じさせる広告や使い勝手の悪い広告を減らし、高品質で魅力的な広告を提供するために、ショッピング広告における編集ガイドラインを策定しています。詳細な内容は以下の通りです。
Googleで承認される広告は、明瞭でプロフェッショナルなデザインを備えている必要があります。これらの広告は使いやすく、関連性の高い商品やランディングページへのリンクを提供し、購入者を誘導することが求められます。
※参考：Google Merchant Centerヘルプ｜ショッピング広告のポリシー
以下のような広告は、編集ガイドラインに違反していると判断されます。
- ランディングページのURLが正確に反映されていない表示URL
- 単語、数値、文字、句読点、記号を過度に強調する行為
- 建設中のサイト、ドメインパーキングサイト、機能が壊れているサイト
- ブラウザの「戻る」ボタンを無効にしているサイト
- 一般的なブラウザで閲覧できないサイト
このように、ショッピング広告は単純にどんな商品でも掲載できるわけではなく、編集ガイドラインに従う必要があります。そのため、フィードを作成する前にこれらのガイドラインを確認することが非常に重要であり、そうしない場合、審査に合格しない可能性やアカウントが停止されるリスクがあることに留意してください。
さらに、「Google広告ポリシー」において、広告のみが表示されるドメインパーキングサイトを広告のリンク先に使用することは禁止されています。ドメインパーキングサイトは所有者が存在するものの、実際には使用されていないドメインを指します。そのため、このようなサイトへの広告掲載は許可されず、特に注意が必要です。
ショッピング広告掲載への道のり
ショッピング広告のポリシーをしっかり把握した次第で、いよいよ広告の掲載に取り組んでみましょう。
1. Googleアカウントの準備
Googleショッピング広告を始めるには、まずGoogleアカウントが必要です。
アカウントを持っていない場合は、新しいGoogleアカウントを作成し、必要な情報を入力します。これには、ビジネスの連絡先情報などが含まれます。
2. Google Merchant Centerへの参加
Google Merchant Centerは、ショッピング広告を設定するための中心的なプラットフォームです。Googleアカウントにログインしたら、Merchant Centerにアクセスしてビジネス情報を提供し、ショッピング広告を掲載するために必要なステップを進めます。
ここで、ビジネスの詳細情報、連絡先情報、ウェブサイトのURLなどを設定します。
3. Google広告アカウントとGoogle Merchant Centerアカウントの結びつけ
次に、Google広告アカウントとMerchant Centerアカウントを結びつける必要があります。これにより、商品情報をGoogle広告で使用できるようになります。
結びつける際には、Google広告アカウントのIDをMerchant Centerに入力するプロセスを進めます。結びつけが完了すると、商品情報のフィードをGoogle広告に自動的に読み込むことができます。
4. 商品情報フィードの構築
Google Merchant Centerへの商品情報登録に関する手順を以下に示します。これにより、Googleショッピング広告を開始するための重要なステップを理解できるでしょう。
STEP 1. アカウントの連携とGoogle Merchant Centerへの移動
Google広告アカウントとGoogle Merchant Centerアカウントを結びつけたら、次に進みます。Google Merchant Centerにログインしましょう。
STEP 2. 商品情報フィードの作成
Google Merchant Centerで商品情報を管理するには、「商品フィード」を作成する必要があります。事前に「商品データ仕様」を確認し、適切なフォーマットで商品フィードを作成しましょう。
STEP 3. 商品の追加方法の選択
商品フィードを作成する際、商品の追加方法を選択します。以下の4つの選択肢があります。
- Google スプレッドシート: 商品情報をGoogleスプレッドシートに記入し、それをフィードとして使用します。
- 定期的な取得: ウェブサイト上のデータを定期的にクロールして商品情報を取得します。
- アップロード: フィードファイルを手動でアップロードします。
- Content API: 高度な技術者向けのオプションで、APIを使用して商品情報を送信します。
STEP 4. Google スプレッドシートを使用した商品フィードの作成
Google スプレッドシートを使用する場合の具体的な手順は以下の通りです。
- Google Merchant Centerにログインします。
- 画面左の「商品」をクリックし、「商品フィードを作成」を選択します。
- 販売先国と言語を設定し、メインフィードの名前を記入します。
- フィードの設定オプションで「Googleスプレッドシート」を選択します。
- 「新しいGoogle スプレッドシートをテンプレートから作成」を選択します。
- メインフィード一覧から新しく作成したフィード名をクリックします。
- 提供されたテンプレートを参照し、2行目以降に商品データを記入します。
- メインフィード一覧で作成したフィード名を選び、画面右上の「今すぐ取得」をクリックします。
これらの手順を完了したら、Googleによる審査が始まります。Googleはウェブサイトの内容をクロールし、サイトの情報とフィードの情報が一致しているかを検証します。審査には約3日かかる場合もあるため、注意してください。
この手順に従うことで、正確な商品情報を提供し、ショッピング広告を成功させる準備が整います。
5. ショッピングキャンペーンの設定
Googleショッピングキャンペーンの設定手順を分かりやすく説明します。以下のステップに従って進めましょう。
STEP 1. Google広告にログイン
Google広告アカウントにログインします。
STEP 2. キャンペーンの作成
画面左側のメニューから「キャンペーン」を選択します。次に、「＋」マークをクリックして、「新しいキャンペーンを作成」を選択します。
STEP 3. 目標の設定
キャンペーンの目標を設定します。どのような成果を目指すのかを選択しましょう。
STEP 4. キャンペーンのタイプ選択
「キャンペーンタイプ」の中から「ショッピング」を選択し、「続行」をクリックします。
STEP 5. キャンペーンの詳細設定
次に、Google Merchant Centerのアカウント情報を入力します。これには販売国やキャンペーンのサブタイプも含まれます。設定が完了したら、「続行」を押します。
STEP 6. キャンペーン情報の設定
ここではキャンペーン名、入札単価、1日の予算などを設定します。必要な情報を入力したら、「キャンペーンの作成」をクリックします。
これで、Googleショッピングキャンペーンが設定され、商品広告を配信する準備が整いました。キャンペーンが公開されると、商品がGoogleで表示されるようになります。
ショッピングキャンペーンとP-MAXキャンペーンの違い
かつて、ショッピングキャンペーンは通常の形式とスマートショッピングキャンペーンの2種類が存在していました。
P-MAXキャンペーンとは？
P-MAXキャンペーンは、ブランドや製品の認知度を高め、広告の視聴回数や印象を重視するキャンペーンです。その主要な目的は、広告をできるだけ多くのユーザーに表示し、ブランドや製品についての意識を高めることです。具体的には、ディスプレイ広告や動画広告を使用し、幅広いオーディエンスに向けて広告を配信します。このキャンペーンは、商品の直接的な販売に焦点を当てるショッピングキャンペーンとは異なり、ブランドの知名度向上や広告の視認性を高めることが目的です。
※2022年に入り、スマートショッピングキャンペーンは「P-MAXキャンペーン」へと統合されました。現在、自動化された運用を望む場合は、P-MAXキャンペーンが選択肢となります。
ショッピングキャンペーンとP-MAXキャンペーンの違い
それぞれの違いは次のようになります。
| 項目 | ショッピングキャンペーン | P-MAXキャンペーン |
|---|---|---|
| メイン目的 | 商品の販売とプロモーション | ブランドや製品の認知度向上 |
| 対象広告 | 商品リスト広告（PLA） | ディスプレイ広告や動画広告 |
| ターゲットオーディエンス | 購買意向の高いユーザー | 幅広いオーディエンス |
| 広告フォーマット | 商品画像と価格が強調される | イメージやメッセージ重視 |
| 使用する広告キャンペーンタイプ | ショッピング広告、リターゲティング | ディスプレイ広告、ビデオ広告 |
| 効果測定 | コンバージョン率、ROAS | ブランド認知度、視聴回数 |
| 広告の表示ターゲティング | 特定の商品とリターゲティング | 興味を持つターゲットに向けて |
| 広告予算 | 商品単価に基づく | インプレッションまたはクリック |
通常のショッピングキャンペーンは、入札の手動設定や商品のグループ指定など、細かな管理が行えるのに対し、スマートショッピングキャンペーンは手間を削減し、運用を自動化できるメリットがあります。
ショッピングキャンペーンとP-MAXキャンペーン、どちらを選択すべき？
P-MAXキャンペーンと通常のショッピングキャンペーンは、その運用方法と適用する掲載場所が異なるので、それぞれのキャンペーンの特性に合わせて選択することが重要です。
| 特性・要素 | 通常のショッピングキャンペーン | P-MAXキャンペーン |
|---|---|---|
| 掲載場所 | 主要なデジタル広告プラットフォームで広告を表示（Google Ads、Facebook広告、Amazon広告など） | ショッピング広告枠以外も含めたGoogle広告すべての掲載面 |
| 適している企業/サイトの例 | ・詳細な運用を望む企業 ・予算が限られている中小企業 ・広告運用に専門のリソースが存在する企業 | ・継続的な広告展開を計画している企業 ・大規模な広告予算とコンバージョン量を持つ企業 ・オンライン/オフライン/オムニチャネルの販売目標を設定しているサイト ・日常的な広告運用に専門のリソースを割けない企業 |
自社で詳細に運用したい場合は通常のショッピングキャンペーンが適していますが、広い掲載場所での配信を重視し、運用の自動化を優先したい場合はP-MAXキャンペーンが適しています。
ショッピング広告を成功させるために必要な4つのポイント
商品フィードを日々更新し続ける
商品フィードには正確な詳細情報が必要です。
これらのデータが正確でない場合、広告の内容と実際の商品情報が一致しなくなります。
たとえば、商品の価格が上昇しているにもかかわらず、それが正しく反映されていない場合、ユーザーが広告をクリックしても、実際の価格と一致しないことにがっかりし、サイトから離れる可能性が高まります。
さらに、広告がクリックされても商品が在庫切れの場合、そのクリックにかかる費用は無駄になります。
Googleも広告内容とサイト情報の整合性を厳密に監視していますので、商品フィードのデータが変更された場合は、速やかに更新を行いましょう。
商品フィードは任意の項目も設定する
フィードに記載する商品情報は、必須項目とオプショナルな項目が存在します。
項目が豊富に記入されていれば、Googleエンジンへの情報提供がより精緻になります。
情報が緻密であれば、クリックしやすいユーザーに対して、より精度の高い広告表示が可能となります。
だからといって、オプショナルな項目を空白にしてしまうのではなく、成果向上のためにも、できる限り全項目を充実させましょう。
商品フィードの最適化が重要
商品フィードの作成は、情報をただ記入するだけでは不十分です。クリック率（CTR）やコンバージョン率（CVR）を向上させるために、フィードの情報を定期的に精緻に調整することが肝要です。なぜなら、タイトル（商品名）、画像、商品情報は広告としてそのまま表示され、これらがクリック率に直接影響するからです。
また、検索クエリに関連する情報をフィードに適切に組み込むことも大切です。たとえば、商品名欄を活用して商品の色、サイズ、ブランド、対象年齢や性別などの属性情報を含めることができます。
さらに、セール価格の明示、送料の表示、商品評価プログラムの活用、商品画像の更新など、ユーザーの注目を引くための工夫も必要です。
そして、広告文のワーディングも非常に重要です。表現の工夫、適切な語彙の選択、一貫性のある言い回しを意識し、文章を洗練させることが成功への鍵です。
商品をカテゴリ別に整理して入札を最適化する
ショッピング広告において、個々のキーワードごとの入札の調整は行えませんが、商品を自分でカテゴリ分けし、それぞれのカテゴリに対する入札を調整することは可能です。
具体的なグループ化方法として、以下のような分類が考えられます。
- 商品カテゴリ
- ブランド
- 価格帯
- セール対象商品
これらのグループ化を行うことで、入札と予算の管理をより細かく効果的に行えるだけでなく、Googleの広告配信学習機能をより効果的に活用することができます。
Googleショッピングの「無償掲載エリア」とは何か
Googleショッピング広告には、「無料リスティング」と呼ばれる、広告費が不要な掲載枠が存在します。この掲載エリアは、Google検索結果の「ショッピングタブ」内にあり、有料ショッピング広告掲載エリアの下部に設けられています。
この無料の掲載枠は広告スペースが広く、効果的に活用することでコストを最小限に抑えつつ、売上を増加させる機会を提供します。有料ショッピング広告と無料リスティングを同時に活用することで、自社商品をより広範に広告掲載エリアに展示することが可能です。
無料掲載エリアを使うための必要条件とステップ
無料リスティングを活用するためには、Google Merchant Centerにアカウントを持つ必要があります。無料リスティングの掲載手続きは以下のステップで行います。
- Google Merchant Centerにログインします。（ショッピング広告をまだ利用しておらず、Google Merchant Centerアカウントを持っていない場合は、アカウントを作成し、基本情報と商品データをアップロードします。）
- 画面右側で「成長」を選択し、プログラム管理に進みます。
- 無料リスティング広告エリアにある「開始」をクリックします。
- 表示された画面に必要なビジネス情報などを入力します。
- Googleポリシーを確認した後、「最終確認のプロセスを開始する」をクリックします。
まとめ
ショッピング広告は、オンラインビジネスにおいて欠かせないツールのひとつです。効果的に活用することで、ターゲットユーザーに直接商品を提示し、購買に結びつけることができます。ただし、成功するためには継続的な最適化と戦略的なアプローチが必要です。
商品情報の正確性、広告クオリティの向上、適切なターゲティング、競合分析など、多くの要素を考慮しながらショッピング広告を展開しましょう。また、データを活用して広告キャンペーンを最適化することで、投資対効果を高めることができます。
ショッピング広告は競争が激しい分野でもチャンスを提供し、ビジネスの成長を支えます。本記事が、ショッピング広告を効果的に活用し、ビジネスを成功に導く手助けとして、ぜひ本記事を参考にしてください。
