アンカーテキストの役割は、サイトの構造やリンク先の情報を明確にすることであり、そのため内部SEO対策においては非常に重要です。
アンカーテキストを用いた内部SEO対策を計画している方は、今回の記事を参照にしてください。
アンカーテキストとは?
アンカーテキストは、ウェブサイトの訪問者だけでなく、検索エンジンのクローラーにも目を引く要素で、内部SEO対策のキーとなります。
サイトの内部リンクとしてのSEO対策の重要性
検索エンジンのクローラーは、アンカーテキストを基にリンク先の内容を読み取ります。
従って、アンカーテキストとリンク先の内容が一致して最適化されていれば、より効果的なSEOを期待することができます。
・アンカーテキスト内の言葉が「リンク先での主要な内容」として捉えられる
・サイトの構造や階層がクローラーにとってわかりやすくなる
ウェブサイト上のリンクには、「外部リンク」や「内部リンク」が存在します。
アンカーテキストが持つ検索エンジンへの影響を鑑みると、内部リンクのアンカーテキストを最適にすることは、サイト全体のSEOの品質を高めるためには欠かせない手段と言えます。
内部リンクのアンカーテキストを適切に使用することで、クローラーにサイトの構成を理解してもらうことができ、サイト全体の価値をより高めることができるのです。
アンカーテキストの編成と配置のポイント
アンカーテキストの配置に関する内部SEOの観点からの主要な5つのポイントを紹介します。
1. リンク先のキーワードを取り入れる
リンク先の内容を示すキーワードをアンカーテキストに取り入れることが大切です。
ただ、キーワードを多用し過ぎると、不自然に感じられ、SEOの評価が下がるリスクがあります。
記事のタイトルの作成時に「キーワードは1回だけの使用が良い」というのを聞いたことがあるかもしれませんが、これはその原則と同じです。
例えば、リンク先で「SNSマーケティングの集客」について触れており、SEOのために「SNSマーケティング 集客」というキーワードを設定しているなら、このキーワードを活用します。
多くのWebサイトでは、タイトルにそのページの主要なキーワードが含まれているので、大抵の場合「リンク先の記事タイトル」をアンカーテキストとして使用します。
もしリンク先の記事に特別な注釈が必要な場合、「この記事では、SNSマーケティングの戦略の中でTwitterに関する情報が中心です」というような形で補足を加えると良いでしょう。
2. リンク先の内容を短く明確に示す
検索クローラーがリンク先の内容を理解しやすいようにキーワードを選ぶことは大切ですが、キーワードだけのアンカーテキストは推奨しません。
実際には、ほとんどの場合で、記事タイトルをそのままアンカーテキストとして利用するため、特に悩むことは少ないと思います。
特定のキーワードを強調したい場合、「Webマーケティングのコツ:記事タイトル」というように、過度なくキーワードを取り入れたアンカーテキストにすると良いでしょう。
Google検索セントラルでは、具体的で効果的なアンカー テキストを記述例を紹介しています。
例の一部をご紹介します。
悪い例(大雑把すぎる):
<a href=”https://example.com”>こちら</a>をクリックして詳細をご確認ください。
<a href=”https://example.com”>詳細</a>。
チーズの詳細については、<a href=”https://example.com”>ウェブサイト</a>をご覧ください。
チーズがどのように作られているかに関する背景情報を詳細に説明する<a href=”https://example.com”>記事</a>を用意しています。
ヒント: 文脈を無視してアンカー テキストだけを読み、テキストが具体的でそれだけで意味が通じるかを試してください。そのページの内容が把握できない場合は、より具体的なアンカー テキストにする必要があります。
良い例(具体的):
購入できるチーズの完全な一覧については、<a href=”https://example.com”>チーズの種類の一覧</a>をご覧ください。
3. リンクをクリックしたくなるような内容に
リンクがあっても、読者がそれをクリックしなければその価値は半減します。また、どの記事のどのリンクがよくクリックされているかはデータで確認できます。
読者がクリックしやすい魅力的なアンカーテキストにしましょう。そのようにするっと、サイト内での訪問動線が増え、滞在時間も伸びるでしょう。
「キーワード」よりも「読者の関心を引きつける」文言を意識しましょう。
画像のリンク時、alt属性で説明を記載することが推奨されます。
サイト内の特定のリンクが画像に設定されている場合、その画像のalt属性でアンカーテキストを記述するとよいです。
alt属性は次のようなHTMLで表現されます。
<a href=”リンクのURL”> <img src=”画像のURL” alt=”こちらにアンカーテキストを記述”> </a>
このコードは、<a>
タグで囲まれた <img>
タグを使用しています。こうすることで、画像がクリック可能なリンクとなり、href
属性に指定したリンクのURLに移動します。
また、alt
属性は画像の代替テキストを提供します。
画像が読み込まれない場合やスクリーンリーダーを使用するユーザーにとって、代替テキストは重要です。
4. 動画のHTML内でアンカーテキストを表現
サイト内の特定リンクが動画に設定されている場合、その動画のHTML内でアンカーテキストを表現することが推奨されます。
ほとんどの動画編集ツールには「代替テキストの修正」という機能があり、そこから変更が可能です。
また、キャプションや字幕も考慮に入れることができます。
アンカーテキストは、一つのサイト内で何度も使用しても問題ないです。
5. 適切な場所に配置
動画のHTML内でアンカーテキストを使う際、クローラーがサイトの構造を理解しやすくするためには、テキストリンクや画像リンクの周りに関連する説明的なテキストを提供することが大切です。
これにより、クローラーはリンクの目的やリンク先の内容を把握しやすくなります。
検索エンジンがアンカーテキストをどのように評価しているのか?
検索エンジンはアンカーテキストの内容に基づいてリンク先の内容を評価します。
アンカーテキストに含まれるキーワードを元に、リンク先の内容が何に関するものなのかを判断します。
クローラーがアクセス制限されているページであっても、他の場所からのアンカーテキストの情報を収集し、Googleの検索結果に反映させるケースも考えられます。
アンカーテキストを配置する際の低品質ペナルティのリスクを軽減するためのポイント
アンカーテキストは、内部SEO戦略の一部として非常に効果的です。
ただし、無差別に配置するのではなく、ペナルティリスクを避けるための注意点が必要です。
1. 不要に多くのリンクを配置するのは避ける
適切な箇所へのリンク貼りは、検索エンジンがサイト構造を捉えやすくし、ディープな記事もクローラーに認識させることが可能です。
だが、過度にリンクを増やすとペナルティリスクが高まります。
例として、SNSマーケティングのコンテンツには、特定SNSの戦略や実践に関する記事リンクを紹介するのが適しています。
しかし、「人気のスイーツ」や「ゲームのヒント」など、関連性の薄い記事へのリンクは不適切です。
また、記事が有益だからと言って、一つの記事内で同じリンクをセクションごとに何度も貼るのは余計です。
2. 隠れたリンクは避ける
見えないリンクでも、クローラーは内容を判別できます。
これを駆使して「見えないがクローラーには判明するアンカーテキスト」を設け、SEO専用対策を施すことは、ペナルティリスクがあるためおすすめできません。
3. キーワードの過剰な使用は避ける
アンカーテキストにキーワードを詰めすぎることは、読者にとってもSEO効果にとっても不利になります。
Googleでもキーワード過多のアンカーテキストに警告を出しています。
「どれだけのキーワードを盛り込むべきか」に関して、記事のタイトルや見出しと同等(ターゲットとするキーワード1つまたはセット。関連語を追加)が良い指標です。
4. リンク先のページの質に注意
外部リンクを貼る際、そのページの質が問題となることがあります。低品質なページへのリンクは、検索エンジンの評価を下げるリスクがあります。
Google検索セントラルの初心者向けSEOによれば、「他のサイトへリンクすることで、あなたのサイトの評価を分け与えることになる。」と表記されています。
悪質なサイトやサービスへの警告が必要な場合、このポイントを思い出してください。
「警告文に具体的なサイト名を挙げ、リンクも貼りたい場合」、nofollow属性の利用が推奨されます。
以下のようにnofollowを利用すれば、あなたのサイトの評価をリンク先に移す必要がなくなります。
<a href=”リンク先URL” rel=”nofollow”>アンカー テキスト</a>
WordPressユーザーは、テンプレート次第で、リンクや画像にnofollowを追加するオプションがあるかもしれません。
5. 低品質な外部リンクにも警戒
外部の信頼性の低いサイトからのリンクも問題となる場合があります。
SEOでの上位表示を維持していると、競合サイトが低品質なリンクを大量に送ることが考えられます。これにより、予期しないペナルティが発生することも。
検索エンジンは、低品質なリンクが「サイトオーナーの意図したもの」か「第三者による行為」かを判別できないため、ペナルティを回避するための対策を検討することが重要です。
望まない被リンクは、Google Search Consoleを通じて否認が可能です。
アンカーテキストの検証方法
内部リンクの検証方法
サーチコンソールを活用すれば、内部リンクを簡単に検証できます。
しかし、サーチコンソールのみでリンク先ページは判明するものの、アンカーテキスト自体は判明しないため、直接の視認が必要です。
以下の手順で、内部リンクのアンカーテキストを確かめることができます。
- サーチコンソールへのログイン: サーチコンソールにログインし、対象のウェブサイトを選択します。
- 内部リンクの表示: サーチコンソール内で「リンク」セクションを選択し、「内部リンク」をクリックして、内部リンクのリストを表示します。
- 特定のアンカーテキストのURLを選択: 内部リンクのリストから、特定のアンカーテキスト(テキストリンク)が含まれているURLを選択します。
- 内部リンクの使用元ページ一覧: 選択したURLをクリックすると、そのURLを内部リンクとして使用しているページの一覧が表示されます。
- リンクを張った元のページのソース確認: 目的のページを選択して開くと、そのページを内部リンクとして使用しているページ(リンクを張った元のページ)が表示されます。この元のページを選択し、そのページのソースコードを確認します。
- アンカーテキストの検索: ソースコードの中で、特定のアンカーテキストを見つけるために「ctrl(Macの場合はコマンド)」と「F」のキーを同時に押し、検索バーを開きます。そして、検索バーにリンク先のURLを入力します。これにより、ソースコード内でそのリンクのアンカーテキストが強調表示されます。
- アンカーテキストの確認: アンカーテキストが表示される部分を確認し、目的のアンカーテキストを特定します。
このような方法で、サーチコンソールを使用した内部リンクの検証が可能です。
外部リンクの検証方法
外部リンクの場合、サーチコンソールで確認できるのはリンクしているウェブサイトだけです。
従って、より具体的な情報を取得するには外部のツールを駆使することが求められます。
この段階で、Ahrefs(エイチレフス)とMajestic SEO、2つの主要なツールを紹介します。
Ahrefs(エイチレフス)
Ahrefsは外部リンクをアンカーリンクレベルでの検証が可能で、さらに被リンクの動向についても通知機能が付いています。
このツールを用いれば、悪質な被リンクを迅速に検出することも可能です。
また、競合のサイトの被リンク解析も行えるため、有効な情報を基に自サイトを最適化するのに役立ちます。
Majestic SEO
Majestic SEOはAhrefsと同等の人気を誇る被リンク検証ツールで、外国製ですが、大部分が日本語に翻訳されているため、利用しやすいです。
Majestic SEOの「サイトエクスプローラー」機能を使用すれば、外部リンクのデータに加え、「TF」「CF」「TOPICAL TRUST FLOW」という独自のスコアも得ることができます。
まとめ
アンカーテキストを取り入れたSEO戦略は、適切に計画して実行することが必要です。
単純にアンカーテキストだけを変更しても、サーチエンジンのランキングに大きな変動は見られないかもしれませんが、サイトが正確に評価されるための内部施策として実施する価値はあります。
リンク先のコンテンツに関連するキーワードを盛り込んで明瞭に表現し、読者にとって価値のある場所に配置することが大切です。
サイト構築やカテゴリー設定の際に、どの記事からどの記事へリンクを張るかを前もって計画しておくと、内部リンク設定の際の迷いも少なくなります。