究極のガイド:Google広告の「ブランドのリスト」機能でブランドの制限と除外をマスターする方法

Google広告の「ブランドのリスト」機能でブランドの制限と除外をマスターする方法

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

究極のガイド:Google広告の「ブランドのリスト」機能でブランドの制限と除外をマスターする方法
Krynica-Zdroj, Poland – July 11, 2017: Businessman using Google Analytics in the office on the touch screen of his tablet and laptop. Google Analytics is the most famous application for advanced web traffic analysis in the world

マーケティング業界では、「ブランドワード」という言葉を耳にすることが多いですね。

これは、広告主のサービスや製品を既に知っている可能性の高いユーザーがよく利用する検索キーワードを指します。このようなキーワードは、その製品やサービスに対する興味や関心が既にあることを示しているため、マーケティングの観点から見ると大変重要です。

さて、Googleにおいては、広告主がこのようなブランド関連の検索トラフィックをより効果的に管理できるよう、「ブランドのリスト」という便利な機能を提供しています。この機能は、検索キャンペーンやP-MAXキャンペーンで活用することができるんです。

具体的には、検索広告で「ブランドのリスト」を使用することにより、「ブランドの制限」という形で、選択したブランドに関連する検索にのみ広告を表示させることができます。これにより、広告のターゲティングをより精密に行うことが可能になります。一方で、P-MAXキャンペーンでは、「ブランドの除外」として機能し、特定のブランドに関連する検索結果に広告が表示されないようにすることもできます。

今日は、Google広告における「ブランドのリスト」の使用方法に焦点を当てて、その効果的な活用方法について探求していきたいと思います。この機能を上手く使うことで、広告主は自社のブランドキーワードをより有効にコントロールし、マーケティング効果を最大化することができるでしょう。

ブランドリストの作成方法

ブランドリストの作成方法は2つあります。

共有ライブラリから作成

作成から編集・削除まで、ブランドリストの管理は共有ライブラリを利用するのがおすすめです。

広告管理画面上部「ツールと設定」から「ブランドのリスト」を選択します。

作成したリストからキャンペーンに適用したいものにチェックを入れ「制限として適用」をクリックし、対象のキャンペーンを選択します。

キャンペーン設定から作成

キャンペーン設定から直接作成も可能です。

共有ライブラリでブランドリストを作成済みの場合、選択できます。新たに作成する場合には「+ 新しいブランドリスト」をクリックします。

ブランド名を入力すると候補が表示されますので、対象のブランドを選択します。

もしリストに該当するブランドがない場合には、「ブランドをリクエストする」をクリックして追加をリクエストできます。

ブランド名やカテゴリ、URLなどを入力してリクエストを送信すれば完了です。その後、4~6週間の審査を経て承認されれば、選択が可能になります。

検索キャンペーン、部分一致の「ブランド制限」機能の導入

Googleのマーケティング戦略において、検索キャンペーンは中心的な役割を担っています。

ブランドに関連する商品やサービスの検索に限定して広告を表示させる「ブランド制限」という機能は、その効果的なアプローチを示しています。この機能は、Google Marketing Live 2023で発表され、多くのマーケティング担当者や広告主の注目を集めました。

以前までは、特定のブランドに関連する検索キャンペーンで部分一致のキーワードを活用することは一定の課題を伴っていました。しかし、この「ブランド制限」機能の導入により、これらの課題を克服し、広告主はブランド関連の検索にのみ狙いを定めてリーチすることが可能になります。これは、特にブランド認知度の向上や特定のターゲット市場へのアプローチにおいて、大きなメリットをもたらします。

さらに、この機能を使用することで、部分一致のキーワード戦略の利点を最大限に活用できるようになります。部分一致のキーワードを用いることで、広告主はより広範な検索クエリに対応しつつも、ブランドに最も関連性の高い検索結果にのみ広告を表示させることが可能となります。このように、Googleの「ブランド制限」機能は、広告のリーチと精度を同時に高める効果的なツールとして、今後も広告主にとって重要な役割を果たし続けることでしょう。

「部分一致キーワード」は、広告のリーチを拡大する上で有効

Googleの「ブランド制限」機能は、特定のキャンペーン設定下でその真価を発揮します。

この機能を活用するためには、「部分一致キーワード」がオンになっているキャンペーンである必要があります。この機能の導入は、初期段階では一部の広告主に限定されていましたが、現在はすべてのアカウントで利用可能になっているようです。

「部分一致キーワード」の使用は、広告のリーチを拡大する上で非常に有効です。しかし、この機能を最大限に活用するためには、コンバージョンまたはコンバージョン値に基づく入札戦略が必要となります。これは、広告の効果を最大化するための重要な要素であり、広告の投資対効果(ROI)を高めるためには欠かせません。

広告主の皆さんは、これらの条件を確認し、準備を整えることで、Google広告キャンペーンの効果を最大限に高めることができます。特に「ブランド制限」機能を利用することで、ブランドに最も関連性の高い検索にのみ広告を表示させることが可能になり、マーケティングの精度を大幅に向上させることが期待できるでしょう。このように、Googleの進化する広告機能を適切に活用することが、今日のデジタルマーケティングにおいて非常に重要な要素となっています。

キャンペーン設定より「部分一致キャンペーン」をオンにして保存すれば完了です。

なお、部分一致キーワードの設定がオフの場合、「ブランド制限」の設定を行うことで自動的に「部分一致キーワード」が有効になる仕様となっています。

「ブランドの制限」の適用方法

次の2つの方法で適用が可能です。

共有ライブラリから設定

共有ライブラリで「ブランドのリスト」を選択し、適用したいブランドのリストにチェックを入れます。「制限として適用」から対象のキャンペーンを選択して適用が可能です。

キャンペーン設定から登録

キャンペーン設定の「ブランドの制限」より作成済みのブランドリストを選択する、あるいは新しいブランドリストの作成ができます。ブランドのリストは最大10個まで追加可能です。

自社のブランドキーワードや競合他社のキーワードを含む、ブランドの除外

デジタル広告の世界では、広告キャンペーンの効果を最大化するために、様々な戦略が用いられます。Google広告においては、部分一致キャンペーンとP-MAXキャンペーンがこれに該当します。

部分一致キャンペーンにおいては、「ブランドリスト」が重要な役割を果たします。これは、配信対象をブランド関連の検索に限定するために用いられる機能です。これにより、広告主は自社のブランドに関連する検索に焦点を当てることができ、広告のリーチをより効率的かつ効果的に制御することが可能になります。

一方、P-MAXキャンペーンでは、ブランドリストは異なる方法で使用されます。ここでは、特定のブランド関連の検索を広告配信対象から除外するために利用されます。これにより、誤って入力されたブランド名や外国語でのブランド関連検索など、不要なトラフィックを効果的にブロックすることができます。広告主は、自社のブランドキーワードや競合他社のキーワードを含む、除外するためのブランドリストをカスタマイズできます。

これまで、P-MAXキャンペーンでは「アカウント単位の除外キーワード」を利用してブランド関連の検索語句への広告表示を除外することが可能でしたが、検索やショッピングキャンペーンも対象となるため、これが複雑な作業を伴うことがありました。

ブランドリストの利点の一つは、表記ゆれや言い換えを個別に設定する必要がない点です。これにより、広告主はより効率的に広告配信の制御を行うことができ、広告の精度を高めることができます。このように、Google広告の進化した機能は、デジタルマーケティングの効果を大きく高めることが期待されています。

P-MAXキャンペーンへの「ブランドの除外」の適用方法

こちらも2つの方法があります。

共有ライブラリから設定

共有ライブラリで「ブランドのリスト」を選択し、適用したいブランドのリストにチェックを入れます。「除外として適用」から対象のキャンペーンを選択して適用が可能です。

キャンペーン設定から登録

キャンペーン設定の「ブランドの除外」より作成済みのブランドリストを選択する、あるいは新しいブランドリストの作成ができます。

まとめ

デジタルマーケティングの領域では、ブランド関連トラフィックの管理が非常に重要です。

このコンテキストにおいて、「ブランド制限」と「ブランド除外」の機能は、広告主にとって有力なツールとなります。特に、ブランド関連ワードのパフォーマンス把握やコントロールに課題を抱えている場合、これらの機能の利用を検討することを強くお勧めします。

しかし、検索広告においては、キーワードが最も強い影響力を持つという事実を忘れてはなりません。広告キャンペーンを計画する際には、部分一致キーワードの使用を再考することも必要です。部分一致キーワードは、広範囲に渡る検索クエリに対応できる反面、広告の精度を損なう可能性もあります。

さらに、「ブランドの除外」機能を利用した場合、実際にどのような影響があるのかを事前に把握するのは難しいです。したがって、単に機能を導入するだけで満足せず、意図しない制限や除外が生じていないかを確認することが重要です。これは、検索語句レポートなどを通じて行うことが可能で、広告のパフォーマンスを適切に評価し、必要に応じて調整することができます。

このように、ブランド制限やブランド除外の機能は、適切に使用すればマーケティング戦略の強化に寄与することができます。しかしながら、これらの機能を活用する際には、常にその結果を慎重に分析し、目的に沿った効果が得られているかを確認する必要があります。デジタルマーケティングの世界では、データに基づく意思決定が成功の鍵を握るため、これらのツールの使用は、常に慎重な検討と分析が求められます。

特に、「ブランドの除外」機能を利用する際には、その影響がどれだけの範囲に及ぶのか、またどのような検索語句が除外されるのかを理解することが不可欠です。このプロセスを通じて、広告キャンペーンのターゲットを適切に絞り込み、無駄な広告支出を避けることができます。一方で、ブランド制限の機能は、ブランドに関連する検索に対するリーチを強化し、ブランド認知度の向上やコンバージョン率の向上に貢献する可能性があります。

最終的に、これらの機能をどのように活用するかは、各広告主の戦略や目的によって異なります。しかし、どのような場合でも、定期的なデータ分析とパフォーマンスのレビューを行い、キャンペーンの最適化を図ることが重要です。デジタルマーケティングの世界では、常に変化する市場環境に対応するために、柔軟かつ戦略的なアプローチが求められます。ブランド制限やブランド除外の機能は、このような環境下で広告主にとって強力なツールとなることは間違いありません。