コンバージョンAPIって何? その役割や適用方法、取り入れのステップについて解説!
コンバージョンAPIを活用すれば、他のプラットフォームやデバイスの効果を気にせずMeta(Facebook)の広告のコンバージョン情報の取得が可能となります。
技術的な背景がない人でも手軽に取り入れられるため、Meta(Facebook)広告を運用する管理者にとっては見逃せないテクノロジーと言えます。
この記事で、コンバージョンAPIの役割や活用法、取り入れの方法や手順を詳しくお伝えします。
コンバージョンAPIの基本とは?
コンバージョンAPIは、Cookieを利用することなくマーケティング情報(ウェブサイトアクション、オフラインのコンバージョン)を捉えることができるツールです。
サーバーやウェブサイトのプラットフォーム、CRMを通じて、クライアントサーバー等を経由して、Facebookにイベント情報を伝えます。
データ集計の際、コンバージョンAPIを通じて得た情報とFacebookが持つ情報とのマッチングも可能なので、データの取りこぼしがなくなります。
コンバージョンAPIの中心的な役割
以前のコンバージョンの取得は、Webページに設置されたMeta(Facebook)のピクセルタグを通じて、サードパーティCookieの協力を得て実施されていました。
しかし、AppleのデバイスにおけるiOS14.51以降では、「トラッキングIDの追跡防止機能」により、このサードパーティCookieが規制されることになりました。
この変更に伴いiOS14.5以降、Facebook広告において、コンバージョンの取得の面で一部トラブルが発生し、リターゲティング広告やビュースルーCV、アトリビューション等の利用が困難となりました。
iOSだけでなく、SafariやChromeのようなWebブラウザでも、Cookieの制約を伴うプライバシー機能が導入されました。
この状況から、Cookieのみを頼りにしたデータの取得は、利用者のデバイスや環境によっては、全てのデータを捉えきれない事態となったわけです。
コンバージョンAPIでは、Facebookのピクセルタグの代わりに、クライアントサーバー等を通して、Metaの広告サーバーへイベント情報を直接伝送し、取得を実施します。
コンバージョンAPIを採用することにより、Cookieを使用しない状態で必要な情報をしっかりと集計できるようになります。
コンバージョンの取得は、広告の成果の判断の際に非常に重要なのです。
どのデバイスや環境でも同等の集計を得られるように、事前に準備しておくことが、広告の実施上で大切な点となります。
コンバージョンAPIとMetaピクセルの併用方法
コンバージョンAPIは、Meta(Facebook)ピクセルタグを置き換えるための技術ではなく、ピクセルによる計測が不十分な場合のサポートとして導入されたものであるため、プライバシーの懸念を解消する主な手段として生まれたわけではありません。
Meta社自身が「ピクセルとコンバージョンAPIを組み合わせて使用する」ことを推進しています。
この2つを併せて使用することで、計測の漏れを最小限に抑えつつ、マッチングの効果を向上させ、計測の正確性を増し、データ管理や広告の最適化を強化できます。
イベントが重複している場合はその部分を除外することが必要ですが、コンバージョンAPIをピクセルの完全な代替とせず、両方をうまく組み合わせることが理想的です。
コンバージョンAPIのメリット
Cookieに頼らない計測以外にも、コンバージョンAPIにはいくつかのメリットが存在します。
Cookieなしでのデータ計測が可能
コンバージョンAPIの一番の強みは、Cookieに頼らないでデータの計測ができることです。
iOSデバイスや特定のブラウザを使用しているユーザーであっても、データの計測漏れが減少します。
広告ブロッカーやブラウザのエラーの影響を受けにくいため、取得するデータの質も向上し、コストを削減する助けとなります。
WEBアクションとオフライン活動の双方の計測機能
Meta(Facebook)ピクセルを使用する従来の方法では、主にオンラインでのユーザーの行動のみが計測されていました。
しかし、コンバージョンAPIの採用により、電話やリアルな店舗といったオフラインでの行動も追跡可能になりました。
さらにピクセルの詳細マッチング機能を追加することで、どのユーザーがどのルートで来たのか、そして最終的にどのアクションを取ったのかを精密に把握できるようになります。
広告の効果向上の可能性
コンバージョンAPIを取り入れることで、広告主のサーバーが直接提供する情報が活用されるようになり、オンラインとオフラインの双方での効果が一覧できるようになります。
これにより、Facebookの広告はさらにカスタマイズされ、ターゲティングが向上します。その結果、広告は関心を持ちやすいユーザーに最適に表示されるようになり、全体的な効果が向上します。
コンバージョンAPIの実装方法
APIの実装は多くの場合、エンジニアの関与が要求されます。この点から、初めから導入が難しいと感じる担当者がいるかと思います。
しかし、Meta社のコンバージョンAPIは多様な設置オプションを持っており、一部はほぼコードレスでの設定が可能です。
特定のコマースプラットフォームを活用すれば、いくつかのクリックだけでAPIを適用することも現実的です。
ただ、導入のアプローチに応じて必要なリソースや技術的要件が変わるので、どの方法を選ぶかは慎重に考えるべきです。
コンバージョンAPIの設定ステップ
コンバージョンAPIを実装するには、「手動で実装」と「パートナー連携による自動実装」の2つの選択肢があります。
具体的なステップは以下のとおりです。
1.ビジネスマネージャへのログイン
2.「イベントマネージャ」を選択
3.コンバージョンAPIを導入したい「データソース」を選択
4.「設定」メニューを開き、コンバージョンAPIのセクションにスクロール
5.実装方法を選択
この中で、適切な実装の方法として「コンバージョンAPIゲートウェイを使って設定」「手動で実装」「パートナー連携経由で設定」があります。
既存のプラットフォームとの連携が可能な場合、パートナー連携が効率的です。
連携ができないシステムを利用しているか、特定の条件がある場合、他の方法を選ぶこともできます。
コマースプラットフォームでのパートナー連携
コンバージョンAPIを簡単に実装するアプローチとして、既存のコマースプラットフォームを用いたパートナーとの統合が挙げられます。
ShopifyやWooCommerce、BigCommerce、WordPress、Jimdo、Wixといった多数のプラットフォームがAPIとの連携をサポートしています。
各プラットフォームには独自の設定方法がありますが、どのプラットフォームもいくつかのクリックで統合できることが魅力的です。
選択したプラットフォームに基づいて、導入ガイドやイラスト入りの説明が提供されるので、ステップバイステップで簡単に実装できます。
コンバージョンAPIゲートウェイの利用方法
AWS(Amazon Web Service)のサービスを利用している場合、コンバージョンAPIゲートウェイを通じた設定が可能となります。
ノーコードでの導入は魅力的ですが、ある程度の技術的なスキルが求められます。
適切な運用には、定期的なメンテナンスなども必要となるため、技術チームが存在する場合、彼らとの協議をもって実装を進めることを推奨します。
APIの手動実装
特定の統合パートナーを使っていない場合や、オリジナルのサーバーを持っている時に適しています。
手動の設定は、特定のイベントのカスタマイズが必要な時や、統合パートナーに対応していないツールを使っている時、また自社のサーバーを最大限に活用してコストを低減したい場面で役立ちます。
しかしサーバーへのアクセスやコードの経験、アクセストークンの取得等が求められるので、知識が不足している時は、技術者との協力を求めるのが良いでしょう。
まとめ
コンバージョンAPIは、サードパーティCookieの限界を超え、確実なコンバージョン測定をサポートする道具となります。
広告キャンペーンを実行する際、Cookieだけに頼るのではなく、安定した計測が可能な環境の整備は必須です。
もしパートナーとの連携が可能なシステムを使用しているなら、簡単なクリックだけで設定できますので、このツールの導入を考え、広告の計測能力を向上させることをおすすめします。