「恋愛や婚活がうまくいかない」「自分なんて価値がないと感じてしまう」――そんな悩みを根本から解決するヒントをくれるのが、心理カウンセラーの吉田亮介さんです。
ヤングケアラーとして過ごした幼少期や自身の深い苦悩を乗り越えた経験を糧に、独学で培った心理学の知識に加え、後に出会ったセミナーやカウンセリング、コーチングなどの手法を融合させた独自のアプローチでカウンセリングを 行っています。
今回は吉田さんの経歴やカウンセリング手法、そして今後の展望などをじっくり伺いました。

婚活パラダイス編集部 × 吉田亮介さん スペシャル対談

心理カウンセラー
吉田亮介さん
1977年生まれ、埼玉県出身の心理カウンセラー・吉田亮介さんは、ご自身が抱えた対人恐怖症や鬱状態からの回復経験を糧に「心の壁(メンタルブロック)を取り除く独自セラピー」を確立。母親のうつ病に伴うヤングケアラー的体験や、人間関係・恋愛に悩んだ過去を乗り越えてきた実体験を活かし、恋愛・婚活、親子関係、うつ症状など深い心の悩みに寄り添うカウンセリングを行っています。

母親のうつ病とヤングケアラーの経験
— 本日はお時間をいただきありがとうございます。さっそく経歴のところから伺いたいのですが、吉田さんはかなり壮絶な体験をお持ちだそうですね。特にお母様の精神状態が大変だった時期があり、その経験が心理カウンセラーを志すきっかけの一つになったとお聞きしました。

よろしくお願いします。
そうですね、母はうつ病でした。当時は「ヤングケアラー」という言葉を知らなかったですが、今思えば10年ほど、私が事実上のヤングケアラー状態でしたね。
母のメンタル面を心配しながら過ごしていました。
–実際には具体的にどのようなお世話をされていたのですか?



「何か特別な介護をしていた」というよりは、精神的に不安定な母を見守るような状況でした。
若いころの私は、自分でそうしている自覚がないまま「大丈夫かな」と常に心配していたんです。
後から振り返ると“自分の方が母をケアしていた”時期だったな、と感じます。
大学時代から独学で始めた心理の探求
— 吉田さんのプロフィールを拝見すると、大学は法政大学の経営学部ご出身とのこと。一方で心理カウンセラーになるために、若い頃から独学で膨大な本を読まれていたそうですが、実際にはいつ頃から「心理」を目指そうと思われたのでしょう?



厳密には「20歳ぐらいに目指した」という感じではなかったんです。
大学時代の私は、自分自身も対人恐怖症や鬱状態の傾向があったので「心理に興味はあるけど、臨床心理士にならないと無理だろうな」と思い込んでいたんです。
それで一旦はIT系のシステムエンジニアとして就職しました。
–なるほど。もともと人間関係で孤立しがちだったり、働きながら独立したい思いがあったりという背景があったのですね。



そうです。就職してからも「いずれは独立したい」と考えていました。
ただ、理由としては前向きというより「人付き合いが苦手だから、人間関係に悩まされない働き方がしたい」というネガティブな動機もありましたね。
–それと並行して、ご自身の問題を解決するために心理学や自己啓発の本を読み漁ったんですか?



完全に自分自身の問題解決が目的でした。
当時、千冊以上の本を読んだのですが、そこには自己啓発系や森田療法、認知行動療法など様々な分野が含まれます。
最初はナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』のような自己啓発本に影響を受けたりもしました。


どん底からの復活体験
–原体験として、大変ショッキングな話かもしれませんが、深刻な未遂行為をされたと伺いました。よろしければそのあたりのお話もできる範囲で教えてください。



はい。大学生の頃、対人恐怖症や鬱で「面接も無理だし、彼女もできない。一生就職できないんじゃないか」と本気で思い込んでしまって。
若かったので行動力(?)が変な方向に向き、実際に深刻な行動に及びました。
しかし、人生を終わらせようと思って行動したのに「やばい、本当に人生を終わらせるところだった……」とギリギリで怖くなったんです。
そのとき「あ、自分は本当は生きたいんだ」と気づきました。
— 人生を終わらせたいというより「このままの苦しい状態が続くなら人生を終わらせるしかない」と思い詰めてしまった、ということですね。



まさにそうですね。その後、ナポレオン・ヒルをはじめ、本が好きだったこともあって自己啓発書や心理学の入門書を貪るように読みました。
最初は半信半疑でしたが「うまくいく可能性が少しでもあるなら、自分でいろいろ試してみよう。
やってみてダメならまた人生を終わらせることを考えればいい」という、ある意味“追い込まれた”前向きさでした。
— プロフィールに「一念発起して7か月で恋人ができた」というエピソードも見かけました。それも「恋人を作るか、〇〇するか」ぐらいの極端な思いだったとか……。



そうなんです(笑)。強烈な思い込みですが「もうこれしかない」と自分を追い込んだ状態ですね。
その甲斐あってか、実際に行動も変わって恋人ができた。私はそういう経験から、恋愛や婚活で悩む方のカウンセリングを多く担当するようになりました。
カウンセリングの柱:メンタルブロック解除とは?
–吉田さんのカウンセリング手法として「オーダーメイドのメンタルブロック解除」というキーワードがよく出てきます。メンタルブロックとはどういうものでしょうか?



「自分の中にある無意識の思い込み」が原因でうまくいかない状態を、私はまとめて“メンタルブロック”と呼んでいます。
例えば、親に「あなたなんか産まなきゃよかった」と言われ続けた方が「自分には生きる価値がない」と思い込んでしまい、DVする相手とばかり付き合ってしまう。
これは本人からすれば「だって私はその程度の人間だから」という思い込みが根底にあるからなんです。
。
–確かに「自分は愛されない」「自分なんて価値がない」と思っていると、どうしてもネガティブな方へ引き寄せられてしまいますよね。



そうなんです。もし親から厳しい言葉をかけられ続けたとしても、事実は「親がそう口にした」というだけで、それがイコール「本当に生きる価値がない」わけではない。
そこを感情を消化しながら整理して、 新しい認識をインストールしていくのが メンタルブロック解除のプロセスです。
–例えば「兄弟ばかり可愛がられていた」という事実があっても、「だから私は誰からも一番に愛されない」という結論には本来ならないわけですよね。それをいかに客観的に整理するかが重要になると。



そうですね。まずは感情を消化して落ち着かせてのところから始めます。 りや不安、不安が渦巻いている状態では、客観視できなかったり、 説明をしても「でも私は愛されないんです…」と戻ってくるので。
ある程度“感情を消化してから、 改めて客観視を促すと 「確かに、弟が贔屓さ れていた=私が愛されないわけではない」と気づけたりします。


恋愛・婚活相談の多さとその事例
–先生のもとへは、やはり恋愛・婚活の悩みが多く寄せられるのでしょうか。



はい。特に「なぜかいつも似たようなパターンでうまくいかない」 「不倫関係や不健全な恋愛から抜け出せない」 という方が多いですね。
原因を紐解いてみると、親子関係や過去の恋愛で傷ついた経験から「自分なんて大事にされるわけがない」という思い込みができあがっているケースがよくあります。
–そういう方々が吉田さんのカウンセリングを受けると、具体的にはどう変化していくのでしょう。



「自分は大切にされる価値があるかもしれない」 「人をもう少し信じても大丈夫かもしれない」と思えるようになると、向かう相手が自然と変わって行きます。
これまで本当は合わない相手に妥協していたのが、 自然に健全な相手との出会いを受け入れられるようになり、結果的に婚活がスムーズに進むことも多いですね。
今後のビジョン:講座やセミナーで多くの人をサポート
–先生ご自身も「今後は1対1以外のグループセミナーなどを拡充したい」といったビジョンをお持ちだと伺いました。



そうですね。個人カウンセリングも続けつつ、 講座形式やセミナーで 「メンタルブロック」の存在を広く知ってもらいたいです。 引き寄せの法則に興味がある方などに向けたプログラムも企画しています。
メンタルブロックこそが1番引き寄せてしまう根源だからです。ですので、気軽に参加できる場で、自分の思考パターン(引き寄せパターン)を知り、自由になるきっかけを提供 できればと思っています。
–本日は深いお話をありがとうございました。



こちらこそありがとうございました。読者の皆さんの何かしらのヒントになれば嬉しいです。
編集後記
今回の取材では、「思い込み」が人間関係や婚活に与える影響の大きさを改めて実感しました。吉田さんはご自身の苦しい体験を糧にしながら、カウンセリングやセミナーを通じて多くの方の人生をサポートされています。
読者のみなさまが、本記事をきっかけに「自分の思い込み」を見つめ直し、一歩踏み出すきっかけになれば嬉しく思います。