Yahoo!の検索広告は、コンピューターユーザーや50歳以上のユーザーの利用傾向が高いため、特定の商材に関してはGoogle広告よりもターゲットに適切にアピールできる場合があります。
ここでは、Yahoo!広告について、リスティング広告代行サービスの専門家視点で紹介していきます。
Yahoo!広告の概要
Yahoo!広告は、国内最大手のメディア「Yahoo! JAPAN」や、その提携パートナーサイト上での広告配信を行うサービスとして知られています。
以前は「Yahooプロモーション広告」という名称でしたが、2020年7月のサービスリニューアルに伴って「Yahoo!広告」としてリブランドされました。
Google 広告とともに、ウェブ広告の展開に際して数多くのビジネスが活用しています。
Yahoo!広告の主なフォーマット
Yahoo!広告には主に、「検索広告(リスティング)」と「ディスプレイ広告」という二つの広告配信形式が存在します。
検索広告(リスティング形式)
Yahoo!広告のリスティング形式は、Yahoo! JAPANの検索結果画面に表示される広告です。ユーザーの検索語句に基づいて表示され、企業のサービスや商品を直接ユーザーにアピールできます。これにより、特定の興味や要求を持つユーザーに的確にリーチでき、ROI(投資対効果)が高いと評価されています。
Yahoo!広告の特徴は、クリック単価(CPC方式)の課金システムを採用していることです。つまり、広告が表示されるだけでは課金されず、実際にユーザーが広告をクリックした場合にのみ課金が発生します。
ディスプレイの広告手法
Yahoo!広告のディスプレイ広告運用型(YDA)は、Yahoo! JAPANを含む国内トップのポータルサイトで、毎月約700億PVを誇ります。
Yahoo!のプラットフォームや提携サイトで表示され、動画やバナーを活用して商品やサービスを効果的にアピールできます。
検索広告とは異なり、広告の形式に合わせて広告対象を選ぶことができ、新しい顧客層を開拓する手助けとなります。また、クリック課金やインプレッション課金で広告のコストを管理しやすく、効果的な宣伝活動が可能です。
GoogleリスティングとYahoo!広告、4つの相違点
1.プラットフォームの違い
GoogleリスティングはGoogle検索エンジンと提携サイトで広告が表示され、主にテキスト広告が中心です。
一方、Yahoo!広告はYahoo! JAPANと提携サイトに広告を表示し、ディスプレイ広告を活用できます。ディスプレイ広告では画像や動画を使ってユーザーにアプローチすることができ、テキストのみでは伝えにくい商品やサービスの特長を訴求できます。
2.広告形式の違い
Googleリスティングはキーワードに基づいて表示され、ユーザーの検索クエリに対応したテキスト広告を提供します。
これに対して、Yahoo!広告はディスプレイ広告を主に使用し、視覚的な要素を活かしてユーザーに訴求します。
また、コスト設定も異なり、Googleリスティングはクリック課金(CPC)方式が主流で、実際のクリック数に対して課金されます。
一方、Yahoo!広告はクリック課金(CPC)とインプレッション課金(CPM)が選択でき、日々の予算上限を設定できる点が異なります。
3.規模と影響力
Googleは国際的なプラットフォームであり、広告の規模と影響力が非常に大きい一方、Yahoo!広告は日本国内において影響力があり、特に地域的なターゲットに特化しています。
4.ユーザー
GoogleとYahoo!のユーザーにおいては、どのデバイスをどれだけの割合で利用しているかや年齢、性別など、特性に違いが認められます。
自らの商品やサービスのターゲット層に基づき、どちらが最適かを判断することが肝心です。
【スマホ・PCの比率】
比較 | Yahoo! | |
ユーザー数(スマホ) | 6,180万(全体の74.8%) | 6,770万(全体の81.3%) |
ユーザー数(PC) | 2,080万(全体の25.2%) | 1,560万(全体の18.7%) |
ユーザー総数 | 8,260万 | 8,330万 |
Yahoo!とGoogle、双方とも月間アクティブユーザー数は約8,000万人を優に超えていますが、明確な差は見当たりません。
ただ、Yahoo!を利用するユーザーは、GoogleユーザーよりもPC利用が主流であることが確認できます。
航空券やホテルの予約、あるいは保険や金融の申し込みなど、時間をかけて検討するものや、多くの情報を入力するものに関しては、PC利用者が多いYahoo!での広告出稿が有効といえるでしょう。
【年齢別利用率】
18-34歳 | 35-49歳 | 50歳以上 | |
1位 | LINE(16%) | LINE(15%) | LINE(15%) |
2位 | Google(11%) | Google(12%) | Yahoo! JAPAN(14%) |
3位 4位 | Twitter(10%)YouTube(8%) | Yahoo! JAPAN(12%)YouTube(4%) | Google(14%)YouTube(3%) |
5位 | Yahoo! JAPAN(5%) | Twitter(3%) | NIANTIC(ポケモンGO)(3%) |
Yahoo!を用いたリスティング広告の推奨する3つの要点
Yahoo!広告は、さまざまな業種や業界、そして事業の大きさに関係なく多くの企業で導入されているのが実情です。
1.即座にアクティブユーザーにアクセス可能
ディスプレイ広告やSNS広告と違って、具体的な商品やサービスを求めている「顕在層」の利用者に向けて広告が配信できます。
バナー作成の手間がかからず、管理インターフェースでタイトル、説明文、キーワードの設定を行えば、広告審査が承認されると同時に出稿開始です。
すぐに成果を求める企業にとって、これは非常に効果的なマーケティング策と言えるでしょう。
2.手頃な予算でも始められる
Yahoo!広告は、日々の最大予算や全体のキャンペーン予算を自由に設定可能です。予算に応じて、低コストでの運用も選べることは魅力のひとつです。
一方、Google広告は競合度が高く、特定キーワードのクリック単価が上がりやすいのが特徴です。あるキーワードにおいては、Yahoo!広告での掲載がコストパフォーマンスを良くすることが考えられます。
3.オークション方式で公正に掲載順位が定められる
Yahoo!広告の掲載順位は、広告グループやキーワードの「入札価格」や、予想されるクリック率、検索クエリの関連度といった「広告の質」を基にして決まります。
企業の大きさや商品の知名度にかかわらず、適切な入札と質の高い広告を提供することで、上位の表示を目指すことができるのです。
Yahoo!広告(リスティング広告)の料金設定
Yahoo!広告はクリック単位で課金します。
つまり、ユーザーが広告をクリックしない限り、費用はかかりません。具体的な費用は「クリック単価 × クリックの回数」で計算できます。
予算上限に達した場合、広告の配信は自動的に停止され、予算を超過する心配はありません。ただし、予算を低く設定しすぎると、潜在的な顧客を逃す可能性があるため、適切なバランスが必要です。
Yahoo!のリスティング広告の予算設定は柔軟で、最低予算の設定がありません。
1円から始めて、実際の請求額はクリック数に基づいて計算されます。初期は小規模な予算からスタートし、結果を確認しながら調整することがおすすめです。目標のCPA(顧客取得コスト)が分かっている場合、目標のコンバージョン数と掛け合わせて必要な予算を計算できます。
例えば、目標CPAが10,000円で50件のコンバージョンを望む場合、必要な予算は500,000円になります。
Yahoo!広告(リスティング広告)のスタート方法
Yahoo!広告には、広告主の本人確認のため、「商業・法人登記事項証明書」や住民票などの公的文書の提出が求められることがありますので、開始前に準備しておきましょう。
STEP1:「Yahoo! JAPAN ビジネスアカウント」の取得
Yahoo!の検索広告を利用する前提として、「Yahoo! JAPAN ビジネスアカウント」の作成が必須です。
登録フォームに、以下の情報を正確に入力してください。
- 会社名
- 住所
- 業種
- 活動するサイトのURL
- 担当者名
- 連絡先のメール
その後、SMSまたは音声による認証と安全なパスワードの設定を完了すれば、ビジネスアカウントが作成されます。
パスワードは頻繁に必要とされますので、忘れずに記録しておいてください。
STEP2:広告管理専用ツールでのログイン
続いて、専用の広告管理ツールで、IDおよびパスワードを用いてログインを行います。
もし、広告の運用経験が浅い方のために、初期設定後に自動で広告運用をサポートする「かんたんDAS」というオプションも提供されています。
STEP3:支払い情報の入力
広告費用を支払うための銀行口座またはクレジットカードの情報の登録が必要です。
この設定は、管理権限を持つユーザーだけが可能となっています。
銀行振込の場合、アカウントへの反映に最大3営業日かかる場合があるため、急な広告効果の拡大に迅速に対応が難しいことが考えられます。
よって、早期にアカウントに反映されるクレジットカードの利用を推奨します。
使用可能なクレジットカードは、「VISA」、「Master Card」、「JCB」、「ダイナース」、「American Express」の5つです。
支払い方法には、「自動入金」、「自動入金(月定額一括入金)」、「手動入金」の3つが選択可能です。
STEP4:広告キャンペーンの設定と審査手続き
最後に、広告配信のためのキャンペーンを設定します。配信に使用するキーワードや日毎の予算などを指定して進めましょう。
その後、Yahoo!側で約3営業日の審査を経て、承認後に広告の実際の配信がスタートします。
Yahoo!広告を利用する際の注目機能
表示オプションの詳細
【広告表示オプションについて】
タイトルや解説文以外で、電話番号やカテゴリー情報追加オプションのような追加情報を検索ページに表示させることが可能な機能です。
単なるタイトルや解説文だけでなく、更なる情報を顧客に提供でき、また表示部分が増加するため、クリックの可能性もアップします。
【表示オプションの種別】
クイックリンク機能 | 広告ヘッダーのリンク先とは別のURLを6件まで掲載可能 |
電話番号機能 | 連絡先の電話番号を提示できます |
テキスト追加機能 | タイトルや解説文に加えるテキスト情報を表示することができます |
カテゴリー情報追加機能 | カテゴリーに基づいた情報の表示が可能です |
ただし、広告表示オプションの表示は、広告のランクやキーワード次第で変動します。
設定は推奨されますが、必ず表示されるわけではないので留意してください。
入札自動設定機能
入札自動設定機能とは、指定された目的に基づき、自動的に入札価格が決定され、配信が調整される機能です。
手動設定よりも省力化が可能で、機械学習の利用により、手動時よりも効果的に動作します。
Yahoo!広告で設定可能な目標は、以下の5項目です。
- クリック数の極大化
- コンバージョン数の極大化
- 拡張クリック料金
- コンバージョン料金の目指す値
- 広告費対成果の指標
注意すべき点として、入札自動設定機能は、最大の効果を得るために学習期間を要します。
配信初期には、逆に手動設定よりもコストパフォーマンスが下がる可能性も考慮してください。
キーワード提案ツール
キーワード提案ツールは、広告のキーワード選びをサポートする機能です。「どのキーワードが最適か分からない」という担当者の疑問を解消します。
操作は直感的で、誘導先のURLの入力、あるいは候補となるキーワードやフレーズの入力、
そして、希望する入札額の設定で関連するキーワードのリストが提示されます。
推定CPCや、推定表示順位、クリックの可能性も一緒に示され、CSVダウンロードも可能です。
キーワードオートインサート機能
キーワードオートインサートは、登録済みのキーワードをタイトルや詳細文に自動的に追加する機能となります。
こちらは多岐の商品を扱う場合や、複数のエリアでビジネスを行っている際に、特に便利な機能です。
例えば、「徳島県」というキーワードをセットすると、タイトルや詳細文が地域別の内容へと自動変換されます。
各地域や商品ごとの広告作成の手間が減少するため、検索広告の運用がスムーズになります。
電話サポート機能
Yahoo!広告には、電話サポートをはじめ、多岐にわたるサポートメニューが用意されています。
操作方法や広告戦略など、運用開始前から活用できますので、初めての方は積極的に使うと助けになります。
- オフィシャルサイト:Yahoo!広告に関する詳細情報提供
- サポートデータ:広告ツールの操作やFAQ提供
- 公式学習ポータル:広告の効果を高める方法を解説
- 電話サポート 全般的なYahoo!広告に関する疑問:0120-559-703
- 広告運用に関するアドバイス:0120-965-598
他にも、チャットやメールでの対応も行っています。
Yahoo!広告運用を自社で手掛けるか、専門の代理店に頼むか?
最近、多くの企業が広告運用を自社で行っています。
通常、代理店に依頼すると広告費の約20%が手数料としてかかります。このため、コスト削減を図りたい企業が増えています。また、代理店は広告運用の専門家ですが、特定の商品や業界に詳しくないことがあります。自社で運用することで、業界固有の知識を活かすことができます。
ただし、自社内運用が必ずしもベストとは限りません。
代理店と完全に外部専門家に任せるかの選択だけでなく、自社能力を活かしつつ外部のアドバイスを受ける伴走型コンサルティングも選択肢に入れてみることも方法のひとつです。
まとめ
Yahoo!広告を活用することで、直接的に商品やサービスを探しているユーザー層をターゲットにして、顕著なパフォーマンスを上げることが可能です。
サポート機能がしっかりしているため、広告運用のビギナーでも安心して利用できます。また、料金面もクリックごとの課金方式であるCPC課金が採用されており、低予算からスタートすることができます。
PDCAのサイクルを活用しつつ、段階的に運用の規模を増やしていくアプローチが良いでしょう。