WEBマーケターやWEB担当者が頻繁に使う「パラメータ」という言葉、理解できていますか?
誤って使用すると、Googleによる意図しないペナルティがかかる恐れもあります。
この記事では、パラメータの定義や、WEBマーケターやWEB担当者が知っておくべきURLパラメータの基本的な知識、そして思わず重複コンテンツを生成してしまうのを避けるためのツールの取り扱い方を取り上げます。
パラメータとは?
「パラメータ」とは、コンピュータプログラムの文脈で、外部からの情報をサーバーに伝達するための可変の要素を指します。
簡単に言うと、外部から情報を追加し、その結果を変える要素です。
WEBマーケティングの領域では、「パラメータ」を知っているだけでは十分ではありません。
実際のところ、URLにパラメータを追加できる技能があるとき、真にパラメータの力を引き出せると言えるのです。
URLパラメータの活用法
続けて、WEBマーケターやWEB担当者としての実践知識としての「URLパラメータ」の活用方法を説明します。
まず、基礎的な「URLパラメータ」の定義を押さえてみましょう。
URLパラメータとは、URLの終端に追加される変数(文字列)で、サーバー上のプログラムに情報を伝送する目的で使用されます。
通常、URLの末尾に「?」を付け、直後に「パラメータ名=パラメータ値」という形式で表示されます。
さらに、複数のパラメータを連結する場合、「&」で分けて、URLの末尾に情報を追加します。
このパラメータの追加により、ユーザーのデータの収集や、表示ページの変更などが可能になります。
以下は、基本的なURLと、URLパラメータを追加した場合のURLのサンプルです。
●URLパラメータがないURL: https://www.example.com/
●URLパラメータを「?」以降に追加し、”color”が変数で “red”が値となるURL: https://www.example.com/?color=red
複数のパラメータを設定する場合、各パラメータを「変数=値」の形式で指定し、それらの間には「&」(アンパサンド)を使用します。
●2つのパラメータを設定したURL: https://www.example.com/?color=red&size=m
●3つのパラメータを設定したURL: https://www.example.com/?color=red&size=m&price=sale
URLパラメータのカテゴリーとSEOの影響
2つのURLパラメータ
URLパラメータには「パッシブパラメータ」と「アクティブパラメータ」の2つのタイプが存在します。
パッシブパラメータ
パッシブパラメータは、パラメータの有無にかかわらず、表示されるページの内容に変更は生じません。
主な目的はデータ収集にあります。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで、オンラインユーザーのアクセスパスや滞在時間をトラッキングするために使用されます。
どのページから自社サイトにアクセスされたのかを測定するために、URLの末尾に追加されるこのパラメータを「パッシブパラメータ」と称します。
表示内容に変動がないことから、「ダミーパラメータ」とも呼ばれることがあります。
アクティブパラメータ
アクティブパラメータとは、パッシブパラメータと対照的に、URLにパラメータを追加することで表示されるページの内容が変わり、パラメータがない場合とは異なる情報が表示されることを意味します。
主に、ECサイト(オンラインショップ)での利用が多いことが知られています。
商品の数が増えると、検索するユーザーが目的の商品ページにアクセスするのに時間がかかります。
アクティブパラメータを適用することで、商品を価格順や人気順に並べ替えたり、色や特性でフィルタリングすることも可能になります。
URLにパラメータを追加することで内容が変わるのがアクティブパラメータの大きな特色で、ECサイトユーザーが快適に利用できるようにアクティブパラメータが採用されています。
SEO効果への影響
パッシブパラメータとアクティブパラメータのどちらにも、ページの重複が発生していない限り、適切にインデックスされていれば評価は同じだと一般的に言われています。
また、URLにパラメータが含まれる動的URLや、パラメータのない静的URLにも評価の違いはありません。
以前、動的URLは静的URLに比べてSEOに有利だとされていましたが、検索エンジンの技術進化により、その差は小さくなったようです。
「URLパラメータ」の様々なタイプやそのSEOへの影響について解説しましたが、次に「URLパラメータ」を使用する際の注意点について触れていきます。
URLパラメータの使用時の注意点
コンテンツの重複のリスク
特に、ECサイトで商品の色やサイズによるフィルタリングを行うと、ページ内容が非常に似てしまい、Googleがこれを重複コンテンツと見なすことがあります。
GoogleはURLをベースに評価を行っており、異なるパラメータを持つURLは別々のURLとして認識されます。
重複するコンテンツをGoogleが誤認識しないように、「URLパラメータツール」の活用が求められます。
Googleでペナルティを受けることなく、URLパラメータツールの適切な使用方法を学ぶことが重要です。
日本語は利用不可
日本語でのURLパラメータは許可されていません。
なぜなら、URL内に日本語を入れると、自動的にアルファベットや数字に変換されるからです。
その結果、URLが長くなるなどのデメリットが生じるため、注意が必要です。日本語のURLパラメータは避けるようにしましょう。
リダイレクトに関する注意
リダイレクトは、古いURLから新しいURLへユーザーを自動的に転送する仕組みで、サイトのリニューアルやドメイン変更時などに用いられます。
しかし、正確なパラメータ設定を行わないと、SEOやユーザビリティにマイナスの影響が出ることがあります。
URLパラメータを適切に設定し、SEOやユーザビリティを損なわないよう注意することが必要です。
URLパラメータを活用するシチュエーション
広告配信時の活用法
Webマーケティングのプロセスにおいて、広告配信に際してURLパラメータの利用が不可欠です。
たとえば、Google 広告を使うシーンでは、URLパラメータを活用して、広告の配信先URLに特定のデータを添付することが可能です。
このメリットとして、どの広告経由でのアクセスかを明確に追跡でき、広告の評価や最適化に直結します。
さらに、一つの広告を複数のメディアに掲載する時も、URLパラメータを駆使することで訪問元のメディアを特定することができます。
そのため、URLパラメータは広告の効果分析や最適化において不可欠なツールとなっており、Webマーケティングの領域で大変な価値を持っています。
MAツール適用時
MAツールを導入する段階でも、URLパラメータは欠かせません。
メールマーケティングでメール配信を実施する際、URLパラメータを使用すれば、どのメール経由でのアクセスかを特定できます。
さらに、URLパラメータの効果的な活用により、MAツールによるメールキャンペーンの効果分析やブラッシュアップが可能となります。
そして、MAツールを活用したプロモーション活動でも、どのキャンペーン経由での訪問かを特定することができるのです。
訪問元の分析
URLパラメータは、Webサイトへの流入源の分析にも大きな役割を果たします。
例として、特定のキーワードやメディア経由の訪問を追跡するため、URLパラメータを使用して訪問者の流入元を特定できます。
この情報を基に、SEO戦略やマーケティングアプローチの再考が進められます。
URLパラメータ使用時の注意点
URLパラメータの利用時には、新たなページが生成されてしまい、同じ内容のページが複数存在するリスクが考えられます。
特に、ECサイトで商品のバリエーションに応じたフィルタリングを実施すると、内容が類似するページが複数生成され、Googleからの評価で問題となる可能性が高まります。
GoogleはURLを基にページを評価しているので、異なるURLをもつページも別々に評価されるのです。
まとめ
「パラメータ」の定義や「URLパラメータ」の利用方法について詳しく見てきました。
ECサイトなど動的なURLを持つサイトを運営している場合、意図せずに重複したコンテンツのページが生成されるリスクが考えられます。
この問題を避けるためには、URLパラメータを適切に活用し、Search Consoleの「URLパラメータツール」を正確に設定することで、ペナルティのリスクを低減し、安全なサイト運営が実現します。
ご覧いただき、ありがとうございました。