特定のサイトを訪れた際、予期せず別のウェブページに転送された経験はありませんか?
これは、ウェブサイト内で設定されたリダイレクトのおかげで、訪問者を特定のページに誘導するための仕組みです。このリダイレクトは、SEO戦略において非常に重要です。
リダイレクトの方法はいくつかありますが、今回は最もシンプルな「meta refresh」に焦点を当てて詳しく説明します。
meta refreshとは?
meta refreshはHTMLのタグの一つで、これを使うと訪れた訪問者を指定されたサイトに自動的に誘導することが可能です。
このタグはサイトのドメインやページのURLを変更した際、またはサイトをHTTPS化した場合などに利用されます。
旧サイトを訪れた人に「アドレスが新しくなりました!」と知らせる役割も果たしています。
何らかの理由で公開時と異なるアドレスに記事を移動や変更した場合、放置しておくと以前のアドレスでエラーが表示されたり、古い内容が表示され続けたりしてしまいますが、これは無意識に訪れた訪問者にとっては不親切な結果となります。
このような事態を防ぐため、もとのアドレスにアクセスした訪問者を新しいURLへとスムーズに転送するのが、このmeta refreshの機能です。
リダイレクトが発生するまでの時間を自分で設定できるので、リダイレクトされる事実やその理由を明示してから転送することも可能です。
これにより、訪問者を混乱させずにリダイレクトできるのです。
meta refreshの設置手順を解説
これからサイトをHTTPS化する方も増えてくると思うので、meta refreshの設置方法を以下に説明します。
リダイレクトの手法の中で最もシンプルで手軽に設置可能です。
meta refreshのコーディング方法
① HTMLファイルを開く
まず、リダイレクトを追加したいウェブページのHTMLファイルをテキストエディタで開きます。
② メタタグの追加
リダイレクトを設定するために、HTMLヘッダー内に以下のメタタグを追加します。
<meta http-equiv="refresh" content="秒数;URL=リダイレクト先のURL">
- “秒数”には、リダイレクトまでの待機時間(秒単位)を指定します。例えば、5秒待機する場合は “5” と入力します。
- “リダイレクト先のURL”には、訪問者がリダイレクトされるべき新しいウェブページのURLを指定します。このURLは、クォーテーションマーク内に記述します。
③ 例
<meta http-equiv="refresh" content="5;URL=https://www.example.com/newpage">
この例では、5秒後に訪問者が https://www.example.com/newpage にリダイレクトされます。
④ 保存とアップロード
変更を保存し、ウェブサーバーにアップロードします。これにより、リダイレクトが設定されたウェブページがアクセスされると、指定した待機時間後に新しいページに自動的に転送されます。
以上が、基本的な「meta refresh」の設置手順です。
meta refreshの記載場所
「meta refresh」はHTMLの中で使われるタグの一つで、特別な位置に記述する必要があります。通常のHTMLと異なり、このタグはウェブページの内容を表示する部分である「body」タグではなく、「head」タグ内に配置する必要があります。
ウェブページの「head」セクション内に配置するのが一般的ですが、どの位置に記述するかは柔軟です。自身がウェブページのコードを理解しやすい位置に、「meta refresh」のコードを配置しましょう。最も一般的なのは「<head>~</head>」の間に挿入することです。
meta refresh設置の確認方法
「meta refresh」が正しく設定され、ページが適切にリダイレクトされているか確認する方法は簡単です。ブラウザのアドレスバーに元々のURLを入力するだけで検証できます。
ただし、設定の心配がある場合や、ステータスコードを確認したい場合に役立つのが、ブラウザに標準装備されている「開発者ツール」または「デベロッパーツール」です。
たとえば、Google Chromeの「デベロッパーツール」を使用する場合、以下の手順に従います。
- ウェブページを開いた状態で、キーボードでWindowsでは「F12」キー、Macでは「Command+Option+I」を押します。
- 上部の「Network」タブを選択します。
- 二段目で「Preserve log」のチェックをオンにします。
- アドレスバーに検証したいリダイレクト元のURLを入力します。
- ログを確認し、ステータスコードをチェックします(404が表示されていなければ問題ありません)。
Google Chromeには、URLを転送する場合に便利な「Redirect Path」などの拡張機能も提供されています。
metaタグが正確に設置されているかを確認したい場合は、デベロッパーツールの「Elements」タブを使用して、ページのソースと<head>〜</head>の中身を確認できます。
meta refresh使用時の注意点
「meta refresh」を使用する際には、いくつかの注意点があります。
まず、この方法では以前のサイトが有していたSEOの価値を新しいサイトに引き継ぐことは難しいことです。Googleは「meta refresh」によるリダイレクトを特に推奨しておらず、新しいサイトへのリダイレクトはできても、SEOの効果を期待しづらいのが現実です。
また、一部のブラウザが「meta refresh」をサポートしていない場合もあり、指定されたURLへのリダイレクトが正常に機能しない可能性も考えられます。
それでは、適切な手順で設定すべきポイントを詳しく解説します。
301/302リダイレクトの使用
リダイレクトの方法はシチュエーションや目的によって異なりますが、基本的には301/302リダイレクトを使用することが推奨されます。
301は永続的なリダイレクトを示し、302は一時的なリダイレクトを表します。これらのリダイレクトはGoogleが推奨する方法で、既存のサイトのSEO評価を新しいサイトに転送するのに適しています。
また、301/302リダイレクトを利用する場合、元のページを維持する必要はありません。ただし、注意点として、meta refreshとは異なり、リダイレクトまでの時間を指定することはできない点です。
301/302リダイレクトを設定する際には、新しいURLへの変更を明示的に伝えることが重要です。
301/302が使用不可能な場合に「meta refresh」を検討
「301/302リダイレクトを使用できるのであれば、なぜ「meta refresh」が必要なのか?」と疑問に思うかもしれません。
301/302リダイレクトを実施するには特定の条件が必要です。301/302リダイレクトはHTMLタグのように直接指示を出すのではなく、サーバー側の「.htaccess」ファイルに設定を記述する必要があります。
しかし、サイトのホスティング環境によっては、「.htaccess」ファイルが使用できないこともあります。そのような場合には、0秒設定の「meta refresh」と「rel=”canonical”」タグを組み合わせて、301に近い効果を狙う対策を検討することが推奨されます(SEO評価の継承は保証されません)。
つまり、「meta refresh」は301/302リダイレクトが難しいケースにおいて一時的な解決策として利用すべきであると認識してください。
まとめ
「meta refresh」は、指定したURLに訪問者を自動的に誘導するHTMLのタグです。
このタグはHTMLの「meta」タグの一種であり、設定する場合は「head」タグの中に配置します。
設定後、リダイレクトが正しく実行されているかを確認できるツールも存在するため、設定後は確認作業を怠らないようにしましょう。