GTM(Googleタグマネージャー)の設定手順を5分で理解

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

本記事では、Google タグマネージャー(以下、「GTM」と称します)を使用し、各広告媒体のコンバージョン計測タグの設定方法について解説します。

設定には、タグとトリガーの関係の理解、GTMアカウントの発行、GTMコードの埋め込み、GTMの設定のフローを順に確認し、実践的に設定できる知識を身に付けましょう。

GTMとは?

Googleタグマネージャー(Google Tag Manager、GTM)は、ウェブサイトやモバイルアプリにトラッキングコードやタグを追加し、デジタルマーケティングの効果を追跡し、管理するためのオンラインツールです。デジタルマーケティングやウェブアナリティクスを行う際に非常に便利なツールであり、タグの管理とトラッキングの効率性を向上させるのに役立ちます。

ただし、正確な設定とトラッキング計画が必要です。また、タグの誤った設定はデータの正確性に影響を与える可能性があるため、慎重に使用することが重要です。

広告担当者が直接GTMを使用できるようになると、システム担当者との連携が減少し、人的リソースの効率化が図れます。

GTMの基本構造

GTMを効果的に利用するためには、アカウント設計が大切です。GTMの構造は、アカウントとコンテナの2つの要素から成り立っています。

  • アカウントは、複数のコンテナを統括するグループで、通常、1つのアカウントは1つのウェブサイト管理会社に対応します。
  • コンテナは、特定のウェブサイトやアプリの設定を指します。通常、1つのサイト(または1つのドメイン)に1つのコンテナが対応します。

コンテナが用意されたら、設定の具体的な作業はコンテナ内の「ワークスペース」で行います。ワークスペースは設定変更のための専用作業エリアを提供します。

GTMの無料版では、1つのコンテナに最大3つのワークスペースを同時に利用できます。

設定の要注意点

引用:Tag Assistant Legacy (by Google)

タグの正確な発火を確認するために、Google Chromeの拡張機能「Tag Assistant Legacy (by Google)」を使用しましょう。このツールは、設定の品質を向上させ、トラブルシューティングを支援します。必ずウェブストアからダウンロードし、インストールしておくことをお勧めします。

これらの基本事項を押さえたら、具体的な設定手順に進む準備が整います。タグの設定とトラッキングのセットアップに進みましょう。

必要なタグの設定方法について

異なる広告媒体はそれぞれ独自のタグシステムを持っており、GTMを使用して計測タグを設定する際、必要なタグの種類も異なります。以下では、各広告媒体におけるコンバージョン計測に必要な設定を詳しく説明します。

  1. Google広告
    • コンバージョンタグ:ウェブサイト上での特定のアクション(例:購入、フォーム送信)を計測します。
    • コンバージョンリンカー:GTMを使用して設定したコンバージョンタグとGoogle広告を連携させるためのタグです。
  2. Yahoo広告
    • コンバージョンタグ:ウェブサイト上のコンバージョンイベント(例:購入、登録)を計測します。
    • サイトジェネラルタグ:ウェブサイト全体のトラッキング用のタグで、コンバージョンタグを補完します。
    • コンバージョン測定補完機能タグ:コンバージョンタグの追加情報を提供し、詳細なデータを収集します。
  3. Facebook広告
    • Facebookピクセル:ウェブサイト上のユーザーアクションを追跡し、広告の効果を評価します。
  4. LINE広告
    • ベースコード:LINE広告とウェブサイトを連携させるための基本的なコードです。
    • コンバージョンコード:特定のコンバージョンアクションを計測します。
  5. Twitter広告
    • ユニバーサルウェブサイトタグ:ウェブサイト上でのユーザーアクションを計測し、Twitter広告の効果を追跡します。

これらのタグは各広告媒体に適した形式で設定し、GTMを通じて管理できます。選択した広告媒体と目標に合わせて適切なタグを設定し、広告キャンペーンのパフォーマンスを最適化しましょう。

Googleタグマネージャーの操作手順

タグとトリガーの連携の理解

Googleタグマネージャーを利用する上で、重要なポイントはタグとトリガーの連携です。

簡単に言えば、タグは「何を行うか」を定義し、トリガーは「いつそれを行うか」を制御します。

例えば、特定のページでのみコンバージョンタグを使用したい場合、コンバージョンタグが「何を」、トリガーは「どのページで」表示されるかを指定します。

具体的には、タグ設定に「コンバージョンタグ」を指定し、トリガー設定に「lifrell.com/completeページでのみタグを表示する」と設定します。

Googleタグマネージャーを使用することで、ウェブページ全体でのタグの配置を簡単に調整できます。これにより、エンジニア不在でも効率的に広告展開や効果の分析が行え、少人数で迅速な実施が可能となります。

設定手順については、以下で具体的な画像を交えて詳しく説明します。

STEP1.GTMアカウントの作成

GTM使用にはアカウントが必要です。まだお持ちでない方は、公式サイトへお進みください。

1.まず、GTMアカウントを作成しましょう。「無料で利用する」をクリックします。

2.画面左上の「アカウントを作成」をクリックします。

3.新規アカウントの作成画面が表示されます。ここで、「アカウント名(企業名や個人名など)」、「コンテナ名(ドメインなど)」、および「コンテナの使用場所(Web・アプリなど)」を入力し、「作成」をクリックします。

4.Googleの利用規約を確認し、問題がなければ右上の「はい」をクリックします。

これで、GTMアカウントが作成されました。次に、タグやトリガーを設定する準備が整いました。

STEP2.GTMコードのページへの組み込み

  1. GTMアカウントを作成したら、表示されるコードをページに挿入します。
  2. 上のコードはページソースの<head>部分の最上部に、下のコードは<body>の直後に挿入してください。

これで、Googleタグマネージャーが正しくウェブページに組み込まれます。

STEP3.タグマネージャーの詳細設定

前提条件が整ったら、社内のエンジニアの協力なしに、直接タグをサイトに設定できます。

ここでは、Juicerのタグ設定を例に、手順を説明します。通常、タグの設置は以下の手順で進行します。

1.「新しいタグ」を選択します。

引用:Juicer

2.「タグの設定」をクリックします。

引用:Juicer

3.タグの種類から「カスタムHTML」を選択します。ただし、他のタグもカスタムHTMLを使用して設定可能です。

引用:Juicer

4.カスタムHTMLのフィールドにタグを挿入します。ここではHTMLと表示されていますが、JavaScriptのコードも挿入可能です。

引用:Juicer

すぐ下にある「document.write をサポートする」にチェックを入れておきます。

引用:Juicer

5.タグの設置が完了したら、次にトリガーの設定に進みます。「トリガー」をクリックします。

引用:Juicer

6.トリガーの選択肢から「All Pages」を選択します。これは、全ページにタグを表示するトリガー設定です。

引用:Juicer

7.すべての設定が完了したら、右上の「保存」をクリックします。

引用:Juicer

これで、一連の設定作業が終了します。これらのステップを踏むことで、タグをウェブサイトに効果的に統合できます。

サイトに設定を適用し、タグを発火させよう

タグを発火させるために、以下の手順を実行しましょう。設定は完了していますが、サイト上でタグが発火しない状態です。タグが実行されるようにするには、サイトに設定を公開する必要があります。

  1. 画面右上の「公開」ボタンをクリックします。
  2. タグの名前と詳細を指定し、「公開」を再度クリックします。

Googleタグマネージャーは逐次更新型の管理システムであるため、設定が更新されるまで以前の設定が保持され、停止や再設定の手続きは不要です。

これで設定は正常に完了し、タグが発火します。

GTM設定の最終確認ポイント

GTM設定は完了しても、作業はまだ終わりません。

設定後、タグが正常に動作しているかどうかを確認するステップが必要です。サイトで以前に導入した拡張機能を使用して、タグの動作を確認しましょう。

この拡張機能を活用すると、可愛らしいタグのキャラクターが登場し、タグが実際に発火しているかどうかを確認できます。

手順は以下のとおりです。

  1. 画面左下の「Enable」をクリックします。ツールがONの状態であることを確認しましょう。
  2. ページをリフレッシュし、設定したタグが正常に表示されるかを確認します。

これにより、GTMを使用する際には常にタグの正確な動作を確認でき、問題を早期に発見できます。検証作業は大切な一環です。

【現場でよくある事例!】タグマネージャーとMAツール、同時に導入の場合に注意したいこと

タグマネージャーの使い方に関して解説してきましたが、運用現場でよく起こる事例として「タグマネージャーとMAツールを同時に使用して混乱してしまう」という内容があります。

これは、タグマネージャーの運用担当と、MAツールの運用担当が異なるために起こるケースが多いです。

そのため、この2つは担当を統一するか、しっかりと連携をとる必要があるでしょう。

タグマネージャーとMAツールを同時に導入する際の注意点は以下の通りです。

タグの命名規則を統一する
両ツールで使用するタグ名が異なると、データの正確な連携が難しくなります。できるだけ同じタグ体系での運用を心がけましょう。

イベントの紐付け設定を合わせる
同じコンバージョンイベントを異なる名前で紐付けると、レポート上での数値のずれが生じます。

データ連携の仕組みを事前に確認する
MAツールからタグマネージャーへのデータ送信など、連携方法を両ツールの開発元・販売元に確認しましょう。

導入後のデータ検証を怠らない
実際の運用後、計測データに異常がないか、きめ細かくモニタリングしましょう。

タグ管理と行動分析を一元的にできるメリットは大きい一方で、設定ミスがデータ正確性に多大な影響を与えます。導入段階での確認作業が重要です。

まとめ

この記事を通じて、GTMの基本的な使い方を掴んでいただけたと思います。

エンジニアや広告運用者に頼らず、コンバージョンタグや解析タグを自分で設置できるスキルが身につくでしょう。

会社の対応が遅い場合、設定に1カ月もかかることもあります。早めに行動し、競合他社に先駆けて施策を展開させ、タグの設定時間を短縮することで、効率アップしましょう。

    SEO無料相談会フォーム


    プライバシーポリシーに同意する