「Webページを管理しているものの、期待した効果が得られない」
「実際にどの程度の結果が上がっているか明確ではない」
と感じるWeb管理者bは数多くいるでしょう。
そういった場面で大切なのは、ウェブのアクセス解析の実施です。
解析ツールを活用し、サイトの総アクセス数(PV・セッション)やコンバージョンの数、特定のページにおけるユーザーアクションなどをもとに詳細分析を進めることで、Webサイトの実情を数値的に把握し、課題を明らかにし、最適化への手段を考えることが可能です。
数値を基にして戦略の見直しや効果の確認が行えるため、「何となくやってみた」ような不明確な最適化方法ではなく、データに基づく確固たるWebサイトの進化が実施できます。
しかし、アクセス解析というと、高度なスキルが必要な領域と思われがちですが、キーポイントを確実に理解することで、ビギナーでも基本のアクセス解析が実行できるようになります。
この内容で、アクセス解析の初歩や実際の手法、推奨される解析ツールの詳細について説明します。
アクセス解析の知識は持っているけれど、自社での効果的な利用が難しい方、この記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
アクセス解析って何?
アクセス解析というのは、
・ Webサイトを訪れるユーザーの動き(サイトで何をしているかやどう動いているか)
・ Webサイトを訪れるユーザーの特徴(どのような人々がサイトを見ているか)
を、アクセス解析ツールを活用して詳しく調査する行為を言います。
サイトのトータルなアクセス数(PV・セッション)やコンバージョンの数、特定のユーザーの動きなどをもとにした詳細な調査を行い、サイトの問題点の特定・向上、及び実績の検証に役立てることが可能です。
「新たにWebサイトを開設したけれど、期待する収益が得られていない」といった事例は珍しくありません。
そうしたときにアクセス解析を実施することにより、サイトの具体的なデータを事実として把握できます。
たとえば、ユーザーがサイトを早めに退出する部分を特定したら、その前の部分に成果を引き出すためのCTAを配置することで、現有のWebサイトの成果をより高めるアプローチが可能になります。
そして、単に改良するだけでなく、実施した改良がどれほど効果的であったのかの「効果の確認」も重要です。
その成果を数値で見ることができ、そのデータに基づきPDCAを進めることで、更なるWebサイトの最適化が実現できます。
アクセス解析実施の主な理由3つ
最初にも触れましたが、アクセス解析により、サイトの現在の状態を明確に知り、問題を特定し、それを改良するための方針を立てることができます。
もしWebサイト運営中に、上記のような課題を感じているなら、アクセス解析は非常に効果的だと思います。
以下で、アクセス解析を行う主要な理由を深く掘り下げて説明します。
①Webサイトの現状を掴む
Webサイトをリフォームしたり、新たな形に変えたいと思った際、先ず知るべきはそのサイトの今の状態です。
多くの人は月次のPVやセッション数には目を通しているものの、サイトを訪れる人々の具体的なプロフィールや、彼らがどのような背景でサイトを利用しているかについて深く理解している人はそれほど多くはないでしょう。
加えて、サイト内でどのコンテンツがコンバージョンに役立っているのか、またユーザーがサイトでどんなアクションを起こしているかをきちんと理解しているケースは少なめです。
アクセス解析の魅力は、「行動の詳細」「利用者の特性」「技術的環境」といったログデータを分析することで、サイト利用者の全体像や、その行動パターンを明らかにする点にあります。
【行動の詳細】
・初訪問/リピート
・訪問元、見ているページ
・メンバー / ゲスト
【利用者の特性】
・性別
・年代
・所在地
・使用言語
・興味・趣味
【技術的環境】
・使用デバイス
・OS種別
・接続ネットワーク
・画面解像度
・使用ブラウザ
「検索経由のユーザーが購入確率が高い」
「特定のコンテンツから多数の離脱が生じている」
というようなリアルなユーザー行動を知ることで、効果的な改良計画を策定できるでしょう。
②施策効果の確認
アクセス解析の次の重要な目的は、取り組んだ施策の効果を確かめることです。
効果を評価するとは、ある施策を実施した後、その成果がどれだけ現れたかをデータに基づいて検証することを指します。
行った施策が予想通りの成果をもたらしているかを評価するのです。
③定期的な監視
モニタリングとは、特定のWebサイトを一定の間隔でチェックし、目的を果たしている度合いを確認するプロセスのことを指します。
例として、このテキストを読んでいるあなたの企業で、Web経由の「月次の資料ダウンロード数」を10,000回と設定した場合を考えてみましょう。
その目標に到達するため、次の2つのアプローチのうち、どちらが効果的だと思いますか?
・次の月に結果を確認する
・途中経過を定期的に確認する
当然、2つ目の方法が目標達成に効果的であることは明らかです。
それは、中間点でのモニタリングを実施することで、「半月で5,000ダウンロードに達していない」という状況を早めに認識し、対策を速やかに実施できるためです。
アクセス解析の可能性
今回は、アクセス解析の手法を活用して、得られる洞察について具体的に説明します。
アクセス解析が「トラフィック」や「コンバージョン数」だけを測る手段と認識されることもあるものの、サイト全体や特定ページのユーザー動向や行動を詳細に追う、そして各種施策の評価を行うツールとしても活用できます。
①訪問ユーザーのプロファイル
多くの企業はWebサイトの月次のPV数やUU数を知っていると思いますが、具体的にどのようなユーザーが、どのような背景でサイトを訪れているかを詳しく知っている人はそれほど多くないかもしれません。
アクセス解析を利用すると、サイトを訪問するユーザーの情報を集めたアクセスログを基に、それらを可視化することが可能です。
例として、Googleアナリティクスを使うことで、以下のようなデータを取り出すことができます。
【行動データ】
・新規/リピート
・訪問ルート
・参照ページ
・会員 / 非会員
・属性データ
・性別
・年代
・所在地
・使用言語
・関心
【技術環境データ】
使用デバイス
・OS
・接続方法
・画面解像度
・利用ブラウザ
これらの情報を分析することで、例えば「30代女性がスマートフォンでのアクセスが多い」や「検索経由で特定のページを訪れた人が、商品購入の確率が高い」といった具体的なユーザー行動や特性を明らかにすることができます。
明確なユーザープロファイルを理解することは、サイトの有効な改良のための第一歩となります。
②ユーザーの動きの追跡
ユーザーの動きの追跡とは、どのページが見られているのか、どの順序でページが参照されているのか、またページ内のどこをクリックしているのかといった、ユーザーのサイト内での動きを詳しく知ることです。
実際、ユーザーがサイトデザイナーや開発者が考えた通りにサイトを利用するわけではありません。
アクセス解析を行うと、意外なページ遷移やコンテンツでの離脱点を明らかにできます。
さらに、CTAボタンが全くクリックされていないといった課題点も発見できるでしょう。
これらのユーザー動向の把握は、Googleアナリティクスはもちろん、ヒートマップや行動分析ツールを使用して、さらに詳しい情報を得ることも可能です。
③施策の成果評価
施策の成果評価とは、特定の施策を実施した際の効果を、データを基にして評価することです。
取り組んだ施策が、期待通りの成果をもたらしているかを詳しく確認します。
④目標達成のモニター
目標達成のモニターとは、設定された目的に対する達成状況を詳細に追うことです。
単にPV数やUU数の変動を追っているだけでは、有効な施策を考えるための基盤は得られません。
目指すべき目標と現状との差をしっかりと把握することが必要です。
たとえば、「Web経由での月間の資料請求数」を1万件とした場合、半月でおおよそ5,000件の達成ができていなければ、それに対する対策を考えるためのデータとして、このモニタリング情報は非常に価値があります。
アクセス解析開始のための下準備
Googleアナリティクスを用いてアクセス解析を行うものの、どの指標を参照すればよいか判らず、最終的には利用しきれていないという事例はよく耳にします。
アクセス解析から取得できる情報は非常に多岐にわたります。その情報を全て確認し、解析を試みると、多くの時間を消費し、実際のアクションへと進まないことが多いのです。
そこで、アクセス解析を始めるにあたり、サイトの狙いや改善点を明瞭にしてから、分析を進めることが大切です。
Webサイトのゴールを明らかにする
Webサイトを運営する背後にある目的やゴールを明確にすることは不可欠です。
各企業のWebサイトの目的は多様です。商品やサービスの知名度を高めたい場合、お客様からの問い合わせや資料請求の増加を目指す場合、またはECサイトでの売上の増加を狙っている場合など、多岐にわたります。
FAQページのように、利益を追求せず、ユーザーの問題解決を主眼とする場合もあります。
アクセス解析の分析項目や改善策は、目的により異なるため、目的が不明瞭だと不適切な施策を進めるリスクがあります。
よくある話として、アクセス数が増加しても、最も重要なコンバージョン(お問い合わせや資料請求など)が増えないケースが挙げられます。企業の拡大を目指す際、どのようにWebサイトを役立てるか、その方針を明確にし、アクセス解析を行うことが推奨されます。
アクセス解析の専門用語を理解する
アクセス解析を進める上で、必要とされる基礎的な用語についての知識を持っておくことし必要となります。
ここでは、Googleアナリティクスを使用したアクセス解析で頻出する用語を紹介していきます。
PV(ページの閲覧数)
特定のWebページが読み込まれた回数を示します。
ユーザーがあるページを10回確認すると、10PVとしてカウントされます。
この後に紹介するUUやセッション数と似ているので、混同しないように気をつけることが大切です。
UU(ユニークな訪問者)
UUは、Webサイトを訪れる異なるユーザーの数を示すものです。
計測期間中に、同じユーザーがサイトを何度訪れても、1UUとしてカウントされます。
しかし、UUの計測方法は使用するアクセス解析ツールにより微妙に異なる点があります。
たとえば、Googleアナリティクスでは、同じユーザーかどうかを発行されたCookie情報をもとに判断します。
したがって、異なるブラウザやデバイスを使用、あるいはCookieを削除または拒否した場合、同じユーザーであっても異なるものとして計測されることがあるのです。
セッションの回数
セッションとは、ユーザーがWebサイトを訪れた際の回数を意味します。
同じユーザーがサイトの複数ページを確認して、終了した場合、それは1セッションとしてカウントされます。
ただし、セッションの期間は最後のページの確認から30分(変更可能)とされており、ユーザーが30分経過した後に再度サイトを訪れた場合、新たなセッションとしてカウントされます。
効果的なアクセス解析の実施方法
アクセス解析の情報は、そのままでは意味が見えにくいことが多いです。
そのため、データを集計して視覚的に表現することで、問題点や改善のヒントを見つけることができます。
具体的には、ダッシュボードを活用し、必要な情報を一覧で確認できるようにすることが推奨されます。
Googleアナリティクスでは、カスタムダッシュボードを作成して、重要なKPI(主要業績評価指標)を常に監視することができます。アクセス解析を行うには、目的を明確にし、定期的にデータをチェックし、適切な施策を実施することが大切です。
LP(ランディングページ)の概念
ランディングページと言うのは、Webサイトへの来訪者がセッション開始時にまず接触するページを意味します。
ランディングページは、Web広告においては、「お問い合わせ」や「購入」といったアクションを促進するためのページとしても言及されることがあります。
しかし、アクセス解析の場面では、ランディングページは先述の定義で取り扱われることが多いです。この2つの意味を混同しないことが大切です。
コンバージョンおよびコンバージョンレート(CVR)の定義
コンバージョンとは、ユーザーが目標、例えば資料のリクエスト、お問い合わせ、予約、購入、会員加入等、を達成することを示します。
最終目標だけでなく、途中のマイクロコンバージョンも複数設けることができます。
コンバージョンレート(CVR)というのは、サイト訪問者(UU数・セッション数)がコンバージョンに到達した割合を示す数値となります。
たとえば、100回のセッションで1回のコンバージョンがあったら、CVRは1%となります。
データ収集の正確性を確保する環境構築
実際には見落とされることが多いのが、正確なデータ収集のための環境整備です。
よくあるトラブルの1つが「Googleアナリティクスの二重カウント」です。
同じトラッキングコードが何度も埋め込まれ、結果として実際よりも多めにアクセスをカウントすることがあります。
前の担当者がすでにGoogleアナリティクスをセットアップしているのに、新たにトラッキングコードを追加してしまうケースや、GoogleタグマネージャーとGoogleアナリティクスを同時に使用した際に二重カウントになることも考えられます。
この二重カウントが生じると、例えば直帰率が異常に低い、というような現象が生じる可能性があります。
Googleアナリティクスで直帰率が突然下がっている場合は、二重カウントを疑い、チェックを行うべきです。
「Tag Assistant」というGoogleChromeの拡張ツールを使用すれば、トラッキングコードが正確に計測されているかを調査することが可能です。
さらに、Googleアナリティクスの二重カウントのみならず、自社のIPアクセスが統計にカウントされる、同じ内容なのにURLが異なりデータ解析が難しくなる、といった問題もあり得ます。
正確なデータ収集の環境を構築するには専門的な知識や設定の微調整が求められるため、自分たちで行うのが難しい場合は、専門家に依頼することを推奨します。
アクセス解析:成功への6つの道程
アクセス解析を開始すると決意しても、実際にどこから手をつけるべきかを迷う担当者は少なくないでしょう。
これから、アクセス解析のステップバイステップの方法についてお伝えします。
STEP1:ウェブサイトの全体像をつかむ
アクセス解析を効果的に行う最初のステップは、分析対象となるサイトの大まかな構造を把握することです。
サイトの全体概要をしっかりと頭に入れることで、ユーザーにどんなアクションを取らせたいのかの流れが明確になり、ウェブサイトの課題を迅速に特定する手助けとなります。
たとえば、ECサイトの場合、以下のような流れで、ユーザーが円滑に行動を進めることが望ましいです。
商品のリストページ→詳細な商品ページ→カート確認ページ→ユーザー情報入力ページ→最終購入確定ページ(最終CV)
CVR向上を目指してアクセス解析をする場合、ページ間の遷移や離脱の傾向を確認することで、特定ページでのユーザーの離脱が多いなどの課題を見つけ出すことが可能です。
STEP2:データ収集が適切になされているかを検証
続いて、タグが正しく設定されているか、そしてデータが適切に収集されているかを確かめる必要があります。
もちろん、正確なデータ収集ができていないと、サイト最適化や施策効果の検証は難しく、間違った方向へと進むリスクも増えます。
特に「Googleアナリティクスの二重計測」は要注意です。同じタグが複数回埋め込まれることで、実際の訪問数より多くカウントされ、例えば直帰率が異常に低くなるといった事態も発生します。
タグの設定漏れや、異なるトラッキングID(プロパティID)の埋め込みといったケースも見受けられます。
急激なアクセス増やCV数が極端に低いといった不自然な動きを見つけることで、計測ミスに気付くことができることも。
確認に不安がある方は、アクセス解析の専門家に確認を依頼するのが賢明です。
STEP3:ウェブサイトの総アクセスやCV数の確認
データが正確に計測されていることが確認できたら、次はウェブサイト全体のアクセス数やCV数の確認を進めていきましょう。
大切なのは、月・週・日という順での期間別の確認です。
Googleアナリティクスでは、ユーザー>概観からウェブサイト全体のセッション数や新規ユーザー数の確認ができ、行動>概観でページビュー数がわかります。
さらに、CV数に関しては、コンバージョン>目標から所望のアクションを設定することで計測開始されます。
これらのデータを期間ごとに確認することで、アクセスやCV数の変動や異常な動きを速やかに察知することが可能となります。
STEP4:訪問ユーザーの特性を理解する
アクセス数やCV数の大まかな感覚を掴んだ後、訪れているユーザーの詳細を探るターンです。
ここでの主要なポイントは、「流入経路」と「使用しているデバイス」の2点です。 流入経路に関して、次のカテゴリーで確認が可能です。
・検索経由 Organic Search
・SNSからのアクセス Social
・広告を介して Paid Search・Display
急にアクセスが増減した時、特定の経路からの流入の変動が大きな原因として考えられることが多いです。
経路ごとの分析で、何が背景にあるのかを迅速に特定できます。
さらに、各流入経路のコンバージョン数や率を知ることで、たとえば「Displayからのアクセスがコンバージョン率が優れているので、その部分に予算を振り分ける」というような戦略が立てられます。
そして、PCやスマートフォンなど、デバイスごとのコンバージョン率の比較も必須です。
特に、スマホのコンバージョン率がPCに比べて低ければ、スマホ向けのUIを見直すべきでしょう。
STEP5:各ページの数値を詳しく見る
次に、ページごとのアクセスやコンバージョンを詳細に見てみます。
アクセスの分布を確認することで、どのページがランディングやアクセスが多いのか、そのページの特色を理解することができます。
行動フローを確認することで、 どのページに移動しているのか、 どのページから来たのか、 などの情報が得られます。
ページごとの分析の際のポイントとして、効果が出やすいページから先に分析を開始することが推奨されます。
たとえば、ユーザーが最初に目にするランディングページや、コンバージョンの直前に通るフォームのページを重点的に分析・改善することで、短期的な成果を得やすくなります。
STEP6:KGIと関連するKPIを明確にする
続いて、Webサイトの目標に基づいてKGI(最重要指標)の設定を進めます。
さらに、KGIだけでは足りないので、実際のアクションを起こすためのKPIの設定も必須です。
例として、サイト全体のアクセスやコンバージョンに関わる指標などがKPIに該当します。
KGIやKPIを定義することで、現状の確認と、計測対象となるプランの策定がスムーズになります。
アクセス解析の際の4つのキーポイント
アクセス解析において、データ収集だけで終わらせるのはもったいない。そのデータを元にした分析とそれを改善策へと進化させるのが真の狙いです。
以下で、アクセス解析を進める際の注意点を紹介します。
①以前のデータを基に検討する
アクセス解析のデータは、歴史的なデータとの比較が鍵となります。
Googleアナリティクスの活用で、PV数やセッション数を得ることができますが、それに囚われ過ぎず、長期的な視点での比較を忘れないようにしましょう。日常の数値変動よりも、長期的な動きを捉えることで、実際の意味をデータに与えることが可能です。
②外部環境も忘れずに
サイトの動向には、外部からの影響を無視できません。
SEOの取り組みで訪問者が増加していたとしても、新型コロナウイルスのような大きな外部イベントが原因でアクセスが減少する場面も考えられます。
市場の変動や、競合のプロモーション活動など、外部の要因に目を向けることで、より正確な分析が可能になります。
③解析レポートは関係者とシェアする
アクセス解析結果のレポートは、関連するスタッフとの共有が欠かせません。
解析のプロとしてデータの背後にある現象を理解できる一方、具体的なアクションへと繋げるのは難しいことも。
デザイナーやコンテンツ担当、エンジニアと共に、効果的な改善策を模索するための会議を持つことが有効です。
④ユーザーの視点を常に持つ
アクセス解析でのデータだけでは、ユーザーの実際の思考は掴みきれません。
クリックされないボタンの背後にあるユーザーの動機を理解するためには、ユーザーの立場での深い洞察が必要です。
直接ユーザーからの意見を集める「ユーザー調査」や「アンケート」、UXの専門家による「エキスパートレビュー」を取り入れることで、サイトの最適化を追求していきましょう。
関連外部サイト:Googleアナリティクス分析事例 平日・休日の時間別分析編
利用無料の3つのアクセス解析ソフトウェア
数多くの無料アクセス解析ツールが存在し、Googleアナリティクスもその一つです。これらのツールをサイトに組み込むだけでデータ収集が可能です。
アクセス解析を試してみたい初心者には、無償の解析ツールを試してみるのがおすすめです。 今回は、人気のアクセス解析ツール3つをご紹介します。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、Googleが提供する無料の解析ツールとして知られています。
サイトのトータルなアクセス数やユーザーの行動パターンといった多岐にわたるデータを取得できるため、多くのサイトオーナーにとって欠かせないツールと言えます。
このツールで取得できる主要なデータは以下の通りです。
オーディエンス:「どのような人々が」「どれほど」サイトを訪れているか
集客:「どの経路で」訪問しているのか
行動:「どの部分」のページが閲覧されているか
コンバージョン:目標として設定した動作を行ったかどうか
サイトをGoogleアナリティクスで登録すると、Javascriptの「トラッキングコード」が生成されます。
このコードをサイトに挿入するだけで、手軽に計測開始が可能です。
正確なデータ取得のため、適切な設定が求められる場面もあるので注意が必要です。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Googleアナリティクスと並ぶ、Googleの無料解析ツールとして利用できます。主にSEOの流入状況のチェックに重宝されます。
検索トラフィック:Google検索における表示頻度・クリック数・クリック率・平均ランク等
検索クエリ:どのキーワードでサイトが訪問されているか
インデックスのステータス:ページがGoogleにどうインデックスされているか
クローラの動き:Googleのクローラの動きの頻度
計測を開始するには、サーチコンソールにアクセスし、対象のサイトを追加後、HTMLタグを取得します。このタグをWebページのhead部分に挿入すれば計測が始まります。
また、Googleアナリティクスとの統合も可能で、より詳細なデータを閲覧することができます。
特にSEOを中心としたマーケティングを行うサイトでは、Googleサーチコンソールは不可欠です。
User Heat
User Heatは、ユーザーローカル株式会社から提供されるヒートマップ生成ツールです。
ヒートマップとは、ページ上でのユーザーの注視やクリックポイントを色彩で表現するものです。
読み飛ばされている箇所や、クリックされないボタンなどを特定し、ウェブページの最適化に寄与します。
User Heatでは、月に最大30万PVまでの計測が可能で、PCだけでなくモバイルのユーザー行動もトラッキングできます。
まとめ
この記事で紹介してきたのは、アクセス解析の意義や、開始する際の注意点です。
アクセス解析の目的は、ウェブサイトの問題点を特定し、それを改善する道筋を作ることです。単に分析レポートをまとめるだけでは、真の効果は期待できません。
サイトを通じてどのように事業を推進するかを考慮し、チームのメンバー全員でPDCAサイクルを効果的に運用する体制構築が重要です。