若者の情報収集動向:SNS検索が主流へと変化|最新トレンド分析

若者の情報収集動向:SNS検索が主流へと変化|最新トレンド分析

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

スマホでSNSを見るイラスト

現代の若者たちは、情報を探す手段としてSNSの利用を好んでいます。この変化は、若い世代を対象としたマーケティング活動を展開するマーケターや企業のWeb担当者にとって、注目すべき動向です。本稿では、若者たちがどのようにして情報を集め、そのプロセスがどのように進化しているのかについて、詳細にわたりご紹介します。

従来のGoogleやYahoo!などの検索エンジンを凌ぐ勢いで、SNSを情報収集の主要手段として選択する若者が増えています。この傾向は、デジタルマーケティングの戦略を立てる際に重要な考慮事項となります。若者たちが情報をどのように検索し、どのように反応するかを深く理解することが、これからのマーケティングにおける成功の鍵を握っています。

若者たちがなぜ従来の検索エンジンよりもSNSを情報収集のツールとして選ぶのか、その理由と具体的な例を通して解説します。

この記事を通じて、マーケターや企業のWeb担当者が若者の嗜好を理解し、彼らの興味を引きつけ、より深い関わりを築くための戦略を考える助けになることを願っています。

情報検索の手段としてSNS利用の増加傾向

最近の調査結果から明らかになったのは、インターネットで何かを調べる際に検索エンジンだけでなくSNSも頻繁に使われているという事実です。従来の検索エンジンを利用する人が多い中、SNSや動画共有サイトを通じて情報を探す人々の割合も無視できない程度に上昇しています。

特にスマートフォンを使用して情報を検索する際には、従来の検索エンジンに加えて、YouTube、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSプラットフォームが一般的な検索手段として定着してきています。これらのSNSプラットフォームは、特に若年層を中心に情報収集の重要なツールとして利用されており、年齢層によって異なる検索手段の傾向が見られます。このように、インターネットでの情報収集においては、検索エンジン以外にも多様な手段が利用されていることが確認されています。

若者の情報検索における「真実を求める心」と「効率的な時間利用」の傾向

若者が従来のWeb検索よりSNS検索を好む背景には、何があるのでしょうか。

まず注目すべき点は、彼らが「真実の声を求めている」ことです。

Web上での検索結果はしばしばSEO対策や広告によって左右されがちで、その情報が必ずしも利用者の真実の声を反映しているわけではありません。例えば、流行のサウナ施設について「サウナ おすすめ」と検索すると、素晴らしい施設が紹介されていますが、それがメディアによるPR記事である可能性も否定できません。このような情報では、実際に利用した人の本音を知ることは難しいです。

しかし、SNSでは実際にその場所を訪れた一般のユーザーが直接感想を投稿しているため、より信頼できる「リアルな本音」を知ることが可能になります。X(Twitter)で同じキーワードを検索すると、実際にサウナを利用した人の生の声や施設名の言及を見つけることができます。こうした一般ユーザーからの直接的なフィードバックは、若者にとっては公式な情報よりもずっと価値があると感じられるのです。

次に、情報収集の「時間短縮」を重視する傾向も見受けられます。

TikTokやYouTube Shortsなどのショート動画の人気が示すように、彼らは情報を短時間で得たいと願っています。例えば、X(Twitter)で人気のある投稿を見ることで、彼らは迅速に情報を得ることができます。これは「Z世代がGoogleを使わない」というわけではなく、目的に応じて最適な情報源を選択していることを意味します。詳細な情報が必要な場合はGoogle検索も活用しています。

デジタルネイティブとして育った彼らは、日常生活でさまざまなWebサービスに触れており、その用途に応じて適切なツールを選び取る能力に長けています。この柔軟な情報収集方法は、彼らがどのようにして情報を得ているかを理解する上で重要なポイントです。

SNS検索の重要性とその活用法についての理解

SNSを利用する際、ユーザーは自分たちの直接的な感情や経験を共有することが多く、これがSNS検索の大きな特徴となっています。従来の検索エンジンでは得られない、リアルタイムでの反応や最新のトレンドを捉えることができるのがSNSの強みです。この点は、マーケティングや広報の分野で非常に価値が高い情報源となります。

SNS上の一つの投稿が急速に拡散し、瞬く間に広範囲の人々に影響を与える現象は、ウェブ検索では体験できない独特の拡散力と速度感を持っています。これは新しい機会を探る上で、大きな可能性を秘めています。

マーケティングや広報の専門家たちは、SNS検索を通じて得られる若者の率直な意見に注目し、これらのデータを収集・分析することで、より効率的なブランド戦略やコミュニケーション方法を築き上げることができます。ターゲットとなる層からの生のフィードバックを直接受け取り、その中にあるニーズや流行を把握することは、他社との差別化を実現する上で極めて重要です。

SNS検索を活用することで、ブランドのリーチと即効性を大幅に向上させることが可能になります。ToCビジネスを展開する企業にとって、これからの時代、SNS検索の活用は避けて通れない重要なツールとなることでしょう。

SNSプラットフォーム毎の情報探索と発信方法の選択

このデータを見ると、検索エンジンだけでなく、SNS上での検索結果を情報源として頼る人々が多いことが明らかになります。

さらに、SNSを一概には捉えられず、求める情報の種類や目的に応じて、使用するSNSを選んでいる若者が増えています。

具体的に、主要なSNSの利用方法を見てみると、次のような特徴が見受けられます。

  • Instagram → ファッション、美容、グルメ、旅行のスポットなどのビジュアル情報
  • X(Twitter) → 最新ニュース、イベント情報、社会的な話題や流行
  • YouTube → 実践的なノウハウ、教育的なコンテンツ、詳細な手順説明

これらのSNSの特性を理解し、使い分けることが、求める情報を効率的に得る方法となります。

各SNSが特定の情報やコンテンツジャンルに特化して集まりやすい傾向があるため、情報を発信する側も、その特性に合わせてコンテンツを分けています。各SNSでの自己表現の傾向を調査した結果は以下の通りです。

  • Instagram 自己の魅力や趣味をビジュアルに映える形で表現する空間。 「自分のベストを見せたい」と願うユーザーが多い。
  • X(Twitter) 日常の小さな思いや感情を率直に表現する場。 「気軽なつぶやきや日々の愚痴」など、ありのままの自分を見せる投稿が目立つ。
  • YouTube 言葉だけでは伝えにくい情報や、実演を通じた解説を提供するプラットフォーム。 視聴者に具体的な方法やプロセスを分かりやすく伝えるための場所。

このように、SNS毎に集まる情報の性質が異なるため、探している情報の性質に応じて、最適なSNSを選択するのが自然な流れです。

SNS検索活用法:ビジネス戦略における新たな展開

SNS検索の用途とその多様性について詳述してきましたが、それをビジネスの現場でどのように応用できるのかを探ります。

ハッシュタグ検索の基本

SNS検索を有効に活用するための前提として、特定のハッシュタグに関する検索方法に焦点を当てます。SNS上で「#」記号に続くキーワードがどのように機能するかを見てみましょう。例えば、「#ランチ」「#最新映画」といった形で使われるこれらのタグは、X(Twitter)、Instagram、YouTubeなどで広く使用されています。

たとえば、X(Twitter)で「#広告」と検索すると、そのハッシュタグを含む投稿が一覧表示されるわけです。これにより、検索者は簡単に関連情報にアクセスでき、投稿者は自分のコンテンツが見つけやすくなる利点を享受できます。

ビジネスにおけるハッシュタグ活用法

ハッシュタグ検索を駆使することで、自社の製品やサービスを効果的にSNS上に展示する方法があります。独自のハッシュタグを創造し、それを用いてキャンペーンを展開し、フォロワーによる共有を促すことができます。

例えば、「#独自キャンペーン名」という形でハッシュタグを作り、それを通じて製品の特徴やキャンペーン内容を広めることが可能です。これは、特にX(Twitter)で効果的に機能し、「#特定のキーワード」がトレンドになりやすく、関心を引きやすいです。

ローカル検索とビジネスの連携

SNSの検索機能を用いて、地域密着型の情報提供を行う方法もあります。例えば、「#地域名ランチ」というハッシュタグを活用することで、その地域でランチを探しているユーザーに直接アプローチできます。

Instagramでは、美味しそうな食事の写真とともに地域名をタグ付けすることで、訪れたいと思わせるようなコンテンツを提供できます。これにより、店舗への興味を引き、実際の来店に繋げることができるのです。

具体的なハウツーやQ&Aの提供

さらに、特定の問題解決やハウツー情報を提供することで、検索ユーザーのニーズに応えることができます。たとえば、「#パソコントラブル解決」というハッシュタグを使い、その問題に関する解答を提供することで、信頼性の高い情報源としての立場を確立できます。

また、ユーザーが持つ特定の疑問に対して、ダイレクトメッセージで直接対話を提供することも有効です。これにより、よりパーソナライズされたサポートを提供し、長期的な顧客関係の構築に繋げることが可能になります。

このように、SNS検索をビジネス戦略に組み込むことで、ターゲットとする顧客層に直接、かつ効率的にリーチする新たな方法を開拓することができます。

総括

社会においてユーザー数が年々増加し、若者たちの間での人気が高まり続けているSNSは、今や彼らにとって不可欠なものとなっています。

デジタルマーケティングにおけるWeb広告の役割は無視できないものの、若い世代への効果的なリーチを図るには、SNSの積極的な利用が欠かせません。これまでの「検索といえばWeb検索」という固定観念を脱却し、SNSへの注目を強化することが時代の要請です。

SNSはその潜在力において計り知れないものがあります。過去にはブランドイメージの構築手段として副次的に扱われがちでしたが、今日ではSNS上のコンテンツが直接的な購買行動へと結びつくことが珍しくない時代に変わりました。

まだSNSアカウントをお持ちでない方は、この機会にアカウントの作成から始めてみてはいかがでしょうか。単に投稿を閲覧するだけでも、最新トレンドのキャッチアップが可能となり、さまざまなインサイトを得ることができます。