LINE広告の新機軸!オープンチャットへの広告配信拡大ガイド

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

2023年6月2日の金曜日に、「LINE広告」の展開が一段と広がり、「LINEオープンチャット」という新しい領域に足を踏み入れました。この新鮮な動きは、既に3月13日の月曜日から選ばれたオープンチャットの中で試験的に始められており、多くの期待と興味を集めていました。そして、この度、その試みが実を結び、正式にサービスが開始されました。

オープンチャットとは

LINEのオープンチャットは、直接LINE交換をせずとも、同じ年代や共通の趣味を持つ人々が集まり、気軽に意見交換や情報共有を行える画期的なチャットサービスです。このサービスは、特定のトピックについて話し合いたい、または同じ興味を共有する人々の間でコミュニケーションの橋渡しをするための素晴らしいプラットフォームを提供します。

2022年7月末におけるオープンチャットの累計利用者数は、なんと2200万人に達しました。これは、LINEを利用している全ユーザーの中で、約5人に1人がこのオープンチャットを利用していることを意味します。この統計は、オープンチャットがいかに多くの人々に受け入れられ、活用されているかを示しています。累計利用者数は、オープンチャットの利用規約に一度でも同意したことのあるユーザーの数を指し、この数字からはオープンチャットの普及率とその魅力がうかがえます。

この利用者数の増加は、LINE全体の利用者数を基に算出されたもので、2022年7月末時点でのデータをもとにしています。オープンチャットの普及と成長は、人々がよりオープンなコミュニケーションを求め、新しい知識を共有し合いたいという願望が高まっていることを示しています。また、このサービスは、同じ興味や趣味を持つ人々が、身元を明かすことなく安心して交流できる場を提供しており、その利便性と安全性が多くのユーザーに支持されているのです。

広告の表示のされ方

オープンチャット内の各トークルームにおいて、広告は非常に目立つ位置、つまりトークルームの最上部に固定して表示される形で配信されます。このようにして、トークルーム内での活発な会話や情報交換の中でも、広告がユーザーの目に留まりやすい位置に配置されることが保証されています。

これらの広告スペースはトークルームごとに一つだけ提供され、その表示はスマートフォンを介したLINEアプリに限定されています。これは、モバイルデバイスのユーザー体験を重視し、広告の視認性と効果を最大化するための配慮からです。

実際に、オープンチャットのトークルームは多くの場合、活発なディスカッションや情報共有の場となっており、2021年8月から2022年7月までの期間において、最も活動的だったトークルームでは1日平均で約6,700件の投稿が行われていました。これらの投稿にはテキストメッセージ、動画、画像、ノートの作成やコメントなどが含まれています。しかし、広告がトークルームの最上部に固定されているため、多数の投稿があっても広告が見過ごされることなく、ユーザーに確実に届けられるのです。

広告を構成する要素

画像引用元:LINEオープンチャット|LINE for Business のキャプチャをアナグラムで加工
表示位置構成要素備考
画像(静止画)Card:1200×628px
Square:1080×1080px
画像(小):600×400px

※友だち追加広告も配信できます。
タイトル※仕様は広告フォーマットにより異なります
ADバッジ
広告主名
クローズボタン広告を非表示にするボタン

LINEオープンチャットで利用可能な広告素材には、現在、静止画のみが許可されており、動画やカルーセル形式の広告はサポートされていません。これは、オープンチャットのユーザー体験を念頭に置き、サービスの流れを滑らかに保ちつつ、効果的な広告展開を実現するための選択です。静止画による広告は、ユーザーの注意を引きつけることができ、かつ、トークルーム内のコミュニケーションの邪魔をしないように配慮されています。

さらに、ユーザビリティを重視し、ユーザーが広告内容を不快に感じる場合に備えて、すべての広告にはクローズ(閉じる)ボタンが設けられています。これにより、ユーザーは自分の好みや興味に合わない広告を簡単に非表示にすることができます。「この広告を非表示」を選択することで、その広告は一定期間、ユーザーの画面上に表示されなくなります。また、「広告を閉じる」を選ぶと、そのセッション中は広告が表示されないようにすることが可能です。このような機能は、ユーザーにより良い体験を提供するとともに、彼らの意見や好みを尊重することを目的としています。

全てのトークルームに広告配信されるわけではない

LINEのオープンチャットは、ユーザーがオンライン上で安心して自由に対話を楽しめるよう、厳格な安全ガイドラインに基づいて運営されています。このプラットフォームは、利用者が互いに交流する際の安全性を最優先し、快適なコミュニケーション空間を提供することを目指しています。

参考:安心・安全ガイドライン|LINE for Business

広告の配信に関しても、この安心・安全な運営の理念は変わりません。LINEはブランドセーフティーを重視し、広告が表示されるトークルームを厳選しています。具体的には、一定の基準をクリアしたトークルームにのみ広告が配信されることで、品質の高い広告環境が保たれています。

公式ヘルプページによると、現在広告が表示されるトークルームは主に以下の2種類です。

  1. LINEから認定されたオープンチャット公認メンターが運営するトークルーム
  2. オープンチャット公認メンターがサポートを提供するトークルーム

オープンチャット公認メンターは、オープンチャットの適切な使用方法や機能について積極的に案内し、ユーザーの理解を深める役割を担っています。

LINE社は将来的に広告が表示されるトークルームの範囲を拡大する計画を持っていますが、広告の性質を考慮し、引き続き品質と安全性の基準を満たさないトークルームには広告を掲載しない方針を維持しています。このため、ターゲット設定によっては、一部のトークルームに広告が配信されない場合もあるかもしれません。しかし、広告対象トークルームが拡大するにつれて、広告の表示回数やクリック率などの指標に変化が見られる可能性があり、マーケティング戦略においてこの動向を注視することが重要です。

参考:オープンチャット内の広告表示に関するお知らせ|LINE オープンチャット 公式サイト

最後に

LINEオープンチャットでの広告配信は、他のLINE広告メニューと同様に、精密なターゲット設定に基づいて行われます。これは、ユーザーの興味や行動パターンに沿った広告を適切に配信することを目的としています。その結果、トークルームの具体的なテーマや投稿内容に直接関連するわけではなく、広告が表示されることになります。

しかし、オープンチャットの魅力の一つは、ユーザーが特定の興味や話題について積極的に情報交換を行っている点にあります。このような環境は、ユーザーが特定の話題に深く関心を持っており、関連する情報に対して高い受容性を示す可能性があるため、広告主にとってはユーザーとの有意義な接点を持つ絶好の機会を提供します。

将来的に広告が表示されるトークルームの範囲がさらに拡大すると、LINE広告の配信量も増加する可能性があります。これは、より多くのユーザーに対して、より広範なターゲティングオプションを広告主に提供することを意味します。その結果、LINE広告の効果はさらに高まり、広告主とユーザーの双方にとって価値ある結果をもたらすことが期待されます。

このような展開は、LINEプラットフォームを通じて、より効率的で効果的な広告戦略を実現するための新たな可能性を広げるものです。今後のオープンチャットの発展とともに、広告の配信方法やその影響についても注目していくことが望まれます。