【完全ガイド】Facebook インスタントエクスペリエンスとは?メリットと簡単導入法

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

素晴らしい商品やサービスを持っているものの、どうしてもランディングページの準備に手間取り、結果として広告配信を断念してしまうケースがしばしば見受けられます。そんな時、Facebookが提供するインスタントエクスペリエンスは、あなたの強い味方になり得ます。このツールは、広告に最適化されたランディングページを手軽に、そして迅速に構築することを可能にします。

本稿では、インスタントエクスペリエンスを駆使し、どのようにして効果的な広告キャンペーンを展開するかについて、実践的なアドバイスを交えながら詳しく解説していきます。Facebookの用意する多彩なテンプレートを活用することで、技術的な専門知識がない方でも、引き付ける力のある広告専用のランディングページを作成することができるのです。この機会に、インスタントエクスペリエンスの可能性を最大限に引き出し、あなたのマーケティング戦略に新たな息吹を吹き込みましょう。

インスタントエクスペリエンスとは

FacebookおよびInstagramのモバイルユーザーをターゲットにしたマーケティング戦略を展開する際、インスタントエクスペリエンスを利用するという選択肢は非常に有効です。製品やサービス、またはプロモーションしたい特定のメッセージを完璧にマッチさせた、フルスクリーン表示で目を引く広告専用ランディングページの作成が可能になります。ユーザーの興味を惹きつけ、彼らが求める情報へと導くことが容易になるため、マーケティングの効果を格段に高めることができます。

さらに、もう一つの大きな利点はその読み込みスピードの速さです。ユーザーが待ち時間をほとんど感じることなくコンテンツにアクセスできるため、彼らの関心を逃さず、サイトへの滞在時間を延ばし、最終的には離脱率の低下に繋がります。これは、特に情報を迅速に得たいと思っているモバイルユーザーにとって、大きなメリットとなります。

しかし、インスタントエクスペリエンスを最大限に活用するには、いくつか注意すべき点があります。特に、この機能は広告配信の際にのみ使用可能であり、通常のオーガニック投稿には適用できないことを理解しておく必要があります。

活用で利点が得られる商材

インスタントエクスペリエンスを活用する最大の魅力の一つは、商材やプロモーションする内容を自由自在にカスタマイズできる点にあります。これにより、幅広い種類の商品やサービスを扱っているビジネスであっても、各商材に最適なプレゼンテーションを用意することが可能です。この柔軟性は、特定の業界や市場ニーズに迅速に対応したいビジネスオーナーやマーケターにとって、非常に有利な機能と言えるでしょう。

特にファッション業界や電子商取引サイトを運営している企業においては、強力なツールとなります。新しい顧客層の獲得、モバイル経由でのショッピング体験の向上、ブランドや商品の認知度アップなど、多岐にわたる目標達成に貢献することが期待できます。オンラインでの買い物が日常的な行動パターンとなっている今日、インスタントエクスペリエンスを駆使してターゲット顧客の注目を集め、エンゲージメントを高めることは、成功への鍵となり得るのです。

インスタントエクスペリエンスの利点

インスタントエクスペリエンスを使用する際の利点をいくつか挙げてみましょう。

・広告専用のランディングページを手軽に、かつ迅速に作成できる

特に技術的な背景がない方でも、Facebookが提供するテンプレートを活用することで、商品やサービスを効果的にアピールするためのカスタマイズされたページを簡単に設計できます。自身の商材やプロモーションしたい内容に合わせて、フレキシブルにページをカスタマイズすることが可能となり、ターゲットとする市場や顧客に合わせた独自性の高いランディングページを構築できるのです。

・広告の配信目的を細かく選択できる

キャンペーンやプロモーションの目的にぴったり合った形式を選び、より効率的に目標達成を目指すことができます。さまざまな配信目的が用意されているため、具体的なマーケティングの目標に応じて、最適なオプションを選択することが可能です。

※詳しい配信目的については、インスタントエクスペリエンスの配信目的と配信面のセクションにある【配信目的一覧】を参照してください。

・読み込み速度が速い

特にモバイルデバイスを利用するユーザーにとって、遅いページロード速度はユーザーの離脱率を高める原因となります。しかし、インスタントエクスペリエンスを利用することで、通常のモバイルウェブページよりも最大15倍高速にコンテンツを表示することが可能になります。この高速読み込みは、ユーザー体験の向上と離脱率の低下に直結し、結果的にマーケティングの成果を向上させることに貢献します。

インスタントエクスペリエンスの欠点

利用に伴ういくつかのデメリットについても触れておきたいと思います。

・デスクトップユーザーへの広告配信ができない

インスタントエクスペリエンスは設計上、モバイルデバイス向けに最適化されており、デスクトップユーザーに対して直接広告を配信することはできません。主にモバイルユーザーをターゲットとするECサイトや一般消費者向け商品を扱うビジネスにとっては大きな問題ではないかもしれませんが、デスクトップ経由でのアクセスやコンバージョンが重要なB2Bマーケットなど、特定の業界では利用が適していない可能性があるということです。

・一度公開後に、作成したクリエイティブを編集することができない

キャンペーンの進行中にクリエイティブの微調整や修正を行いたい場合、特に不便を感じる点となります。このため、キャンペーンの計画段階での丁寧な下書き作成や事前のレビューが重要となり、再編集が必要な場合は、事前に下書きを保存しておくことを強く推奨します。

インスタントエクスペリエンスの配信目的と配信面

広告配信の際に選択可能な目的をいくつか挙げ、それぞれの目的がどのような効果を期待できるかを見ていきましょう。

配信目的の一覧

  • ブランド認知: ブランドや製品の存在を広く知らせることを目指す
  • リーチ: 特定のターゲット層に広告を届け、可能な限り多くの人に視認してもらうことを目的とする
  • トラフィック: ウェブサイトやランディングページへの訪問者数を増やすことを目的とする
  • エンゲージメント: 広告や投稿に対するいいね!やコメント、シェアなど、ユーザーの反応を促す
  • アプリのインストール: モバイルアプリのダウンロード数を増やすことを目指す
  • 動画の再生数アップ: 動画コンテンツの視聴数を増加させる
  • コンバージョン: オンラインでの購買や問い合わせなど、具体的な行動へと導くことを目的とする
  • カタログ販売: 商品のカタログからの直接購入を促す
  • 来店数の増加: 実店舗への来店を促すことを目指す

広告の配信面について

実際に広告が表示される場所を指します。配信する広告のフォーマットによって、どの配信面で広告が表示されるかが変わります。

以下に、主な配信面とその適用可能な広告フォーマットを示します。

配信面シングル画像
シングル動画
カルーセルコレクション
Facebookフィード
Facebook Marketplace
Facebookグループフィード
Facebookストーリーズ
Facebook上の検索結果
Instagram発見タブ
Instagramフィード

※インスタントエクスペリエンスを用いた広告では、Instagramの配信面における商品のタグ付けや販売店情報など、全てのコンポーネントが対応しているわけではありませんので、ご注意ください。

インスタントエクスペリエンスのテンプレートの種類とその使用例

インスタントエクスペリエンスの多彩なテンプレートを使用することで、ユーザーが直面する問題を解決するためのページを迅速に、かつ効率的に作成することが可能です。

以下では、特定のビジネス目的に合わせたテンプレートの種類とその使用例について詳しく解説します。

顧客獲得向け

ユーザーに対して行動を促すことが目的のテンプレートです。製品の購入やサービスの登録など、具体的なアクションを促したい時に非常に有効です。ユーザーの興味を引き、彼らを登録フォームや購入ページなど、目的のページへ誘導することができます。新規顧客の獲得はもちろん、既存の顧客に対してもブランドや商品の新たな側面を提示し、再購入を促すことが可能になります。カスタマイズ可能な画像、動画、テキスト、ボタンを駆使して、魅力的なページを作成できます。

ストーリーテリング

顧客獲得テンプレートに似ていますが、より多くのコンポーネント(画像、テキスト、動画)を使用して、豊富な情報をユーザーに提供することができるテンプレートです。ブランドのストーリーを語ったり、商品の背景を深く掘り下げたりすることで、ユーザーに対する認知度を高めることが目的です。魅力的なビジュアルとストーリーテリングにより、ユーザーがブランドや製品に深い関心を持ち、さらなる情報を得たいと思うよう導きます。

ストアフロント

複数の商品を一度に紹介したい場合に適したテンプレートです。Facebookビジネスマネージャで作成した商品カタログを利用して、一覧ページのような形で商品を展示できます。特に、[ダイナミックに選択]機能を利用すれば、カタログに紐づいた商品の中から自動的に人気商品や購入確率の高い商品を選択し、ユーザーに提示することができます。これにより、サイトへの流入や購入意欲の向上が期待できます。

ライフスタイルカタログ

商品を実際に使用している様子を写真で見せることで、ユーザーに対してリアルな利用シーンを想像させるテンプレートです。ストアフロントテンプレートとは異なり、ライフスタイルカタログでは、商品を生活の一部として紹介し、その魅力を伝えます。商品タグ付け機能も利用できるため、ユーザーが興味を持った商品について詳細を知りたい場合は、直接商品詳細ページに遷移して購入を検討できます。

これらのテンプレートに加え、よりパーソナライズされた体験を提供したい場合は、カスタムインスタントエクスペリエンスの作成も選択肢としてあります。ビジネスの特定のニーズに合わせたユニークなレイアウトやデザインを実現することが可能です。

インスタントエクスペリエンスの効果的な活用方法

以下のツールを駆使して、ユーザーの注意を引き、彼らが行動を起こしたくなるような刺激的な広告を生み出す方法を紹介します。

広告クリエイティブの魅力的な設計

広告クリック後に展開されるインスタントエクスペリエンスは、ユーザーがさらに詳細を知りたいと思わせるような内容とデザインが求められます。初見でユーザーの興味を引き、インスタントエクスペリエンスに誘導する力があれば、それだけ多くの人々が関連情報を探求し、サイトの離脱率の低下にも繋がります。

ブランドの視認性を高める

広告とインスタントエクスペリエンスの両方でブランドロゴや名前を明確に表示し、一貫性を持たせることが重要です。この繰り返しによって、ユーザーの記憶に残り、ブランドの存在を強く印象づけることができます。

重要なメッセージの反復

ユーザーがインスタントエクスペリエンスを最後まで閲覧しないことも想定し、重要なメッセージや情報を広告とインスタントエクスペリエンスの両面で繰り返し提示することをお勧めします。訴求内容を強化し、ユーザーの関心を持続させることが可能です。

複合的なコンテンツの活用

静止画や動画に加え、テキストやCTAボタンなど、異なる種類のコンポーネントを活用してインスタントエクスペリエンスを構築します。複数の要素を組み合わせることで、より豊富な情報を伝達し、ユーザーの理解を深めることができます。

クリエイティブハブの有効活用

インスタントエクスペリエンスの設計段階では、クリエイティブハブを駆使して、デザインのプレビューを確認しましょう。実際のデバイスで見た際のユーザー体験を事前に把握し、改善点を見つけ出すことが重要です。さらに、クリエイティブハブを通じて他のスタッフや関係者とモックアップを共有し、フィードバックを収集することで、より使いやすく効果的な広告を作成することができます。

インスピレーションを探す

クリエイティブハブのインスピレーションギャラリーを活用し、他の成功事例を参考にすることも有効です。Facebookで効果的に使用されている様々なフォーマットの広告を見ることで、新たなアイデアを得ることができます。特に、インスタントエクスペリエンスの可能性にまだ慣れていない方は、これらの事例から具体的な表現方法やアプローチを学ぶことができるでしょう。

まとめ

インスタントエクスペリエンスを活用することで、モバイルユーザーに向けた広告キャンペーンが一層輝きを増します。このフォーマットは、モバイル端末に特化しており、様々なコンポーネントの組み合わせを通じて、ブランドや製品、そしてサービスの魅力を多角的に伝える機会を提供します。そのため、独自のストーリーを展開したり、興味を引くクリエイティブなアプローチで、ターゲットとなるユーザーの心を掴むことが可能です。

さらに、インスタントエクスペリエンスは、その柔軟性と豊富なデザインオプションを駆使して、具体的なビジネス目標に合わせた広告配信を実現します。たとえば、新製品の紹介、ブランド認知度の向上、特定のキャンペーンへの参加促進など、多種多様な目的に対応できるのが大きな利点です。

モバイルファーストの時代においてインスタントエクスペリエンスは貴重なツールとなり得ます。もしまだ導入を検討中の方がいれば、ぜひこの機会にその効果的な活用法を探求し、ターゲットオーディエンスへのリーチを最大化するための戦略を練ってみてはいかがでしょうか。結果に繋がるベストプラクティスを実践し、ブランドや製品の魅力をモバイルユーザーにダイレクトに伝えることで、ビジネスの成長と成功を加速させることができるでしょう。