Google 広告の広告表示オプションは、非常に便利な機能が導入されています。この機能によって、広告文の下部に、より詳細な情報を追加することが可能になります。たとえば、追加のテキスト、リンク、さらには住所や電話番号まで表示できるのです。
特に注目すべき点は、この広告表示オプションの最新アップグレードに関するものです。従来のシステムでは、広告を一時的に停止させたい場合、オプションを削除し、再開する際には再び追加する必要がありました。このプロセスは、管理者にとっては、かなりの手間でした。
しかし、最新のアップグレードでは、この問題が解消されています。新しい広告表示オプションには、一時停止機能が搭載されており、広告を止めたり再開したりするのが以前よりも格段に簡単になっています。この機能の導入により、広告の管理がより効率的で、使い勝手が向上しました。
この記事では、既に提供されているアップグレード版の広告表示オプションの設定方法や、新しいシステムへの移行にあたっての重要な注意点について、わかりやすく解説します。Google広告の最新のアップグレードをフル活用して、あなたのビジネスを次のレベルへと導きましょう。このアップグレードにより、広告の管理がより簡単に、そしてより効果的になることをお約束します。
アップグレード版の広告表示オプションの導入
Google広告の世界は、常に進化を遂げています。その最新の進化として、アップグレード版の広告表示オプションが導入されました。
このアップグレード版は、従来のフィードベースの広告表示オプションとは異なり、新たにアセットベースの広告表示オプションとして展開されています。では、この新しいシステムが従来のシステムとどのように異なるのでしょうか。
従来版のフィードベースの広告表示オプションとはどう違うのでしょうか。変更内容は次のとおりです。
- 一時停止機能が追加
- デバイスやスケジュール設定に関わる機能が撤廃
重要な点として、アップグレード版と従来版の広告表示オプションが同じユーザー、キャンペーン、または広告グループに配信設定されている場合、アップグレード版のオプションが従来版よりも優先して表示されるという点があります。この変更により、最新の機能を活用している広告主は、より効果的にターゲットオーディエンスにアプローチすることが可能になります。
アップグレード版の移行プロセス
アップグレード版への移行プロセスは、自動で行われるため、手間をかけることなく最新の機能を利用できるようになります。
具体的には、2022年2月15日までに、サイトリンク、構造化スニペット、コールアウトのアップグレードが完了する予定です。これは、Google広告ヘルプセクションに記載されている情報に基づくもので、これにより広告主はさらに効果的な広告展開が可能になります。
2022年2月14日現在、ヘルプには次のように記載されています。
2022 年 2 月 15 日までに、サイトリンク、構造化スニペット、コールアウトのアップグレードが完了します。
重要な点として、従来版の提供終了時期については、現在Googleに確認中です。この情報に関しては、新しい情報が入り次第、速やかに更新される予定です。この自動アップグレードにより、Google広告のユーザーは、最新の広告表示オプションをスムーズに利用できるようになります。これは、広告の効果を最大化するための重要なステップであり、デジタルマーケティング戦略において非常に役立つ変更となるでしょう。
アップグレード版の広告表示オプションの追加の仕方
2022年2月の時点で、Google広告のユーザーにとって重要な進展があります。それは、アップグレード版の広告表示オプションをGoogle広告エディタを通じて追加できるようになったことです。
今回は例として、キャンペーンに「サイトリンク（アップグレード版）」を追加する方法を解説します。
①Google 広告エディタを開き、左のメニューから「広告表示オプション」をクリック
②「サイトリンク（アップグレード版）」を選択
③「+サイトリンクを追加」をクリック
④「+キャンペーン単位のサイトリンク」を選択
⑤キャンペーンを選択して開いたウィンドウより「共有サイトリンクを追加」をクリック
⑥サイトリンクが追加されたのを確認して「OK」をクリック
⑦各項目を入力したら、ウィンドウを閉じる
⑧Google 広告エディタのデータを送信
広告管理画面に「サイトリンク（アップグレード版）」が設定されました。
広告表示オプションの停止の仕方
Google広告におけるアップグレード版の広告表示オプションの停止方法について、解説します。
一時停止する手順を解説していきます。
広告管理画面の左メニューから「アセット 」 をクリック
一時停止したい広告表示オプションの横にあるチェックボックスにチェックを入れて、「一時停止 」 をクリックで一時停止できました。
アップグレード移行への注意点
Google広告のアップグレード版への移行は、大きな進歩として注目されていますが、このプロセスにはいくつかの注意点があります。
自動移行の前後でデータの表示内容が異なる場合があること、そして一部の設定では手動での移行が必要になる可能性があることについて、詳しく解説いたします。
移行中の注意点
まずは、アップグレード版への自動移行中に注意したいことを紹介します。
広告表示オプションのデータが概要ビューと表ビューとで異なる
自動移行中は、広告表示オプションのデータが概要ビューと表ビューで異なる場合があります。データの違いは次のとおりです。
| 表示ビュー | データ内容 |
|---|---|
| 概要ビュー | 従来版のデータとアップグレード版のデータが統合された数値 |
| 表ビュー | 従来版のデータにアップグレード前後のデータが含まれない数値 |
すでにアップグレード版を使用している場合は、従来版とアップグレード版の統合データを確認できる、概要ビューでの確認をおすすめします。
従来版とアップグレード版のビューが別々に表示される
従来版またはアップグレード版への切り替えは、広告表示オプションの種類ごとに行います。次より、やり方を紹介します。
広告管理画面のメニューより「広告表示オプション 」をクリック
【表ビューの場合】
上部のフィルタバーの▼をクリックで開いたプルダウンで切り替え
【概要ビューの場合】
切り替えボタン（従来版の広告表示オプションを表示、またはアップグレード版の広告表示オプションを表示）をクリックで切り替え
以上の方法で、従来版またはアップグレード版への切り替えができます。
移行完了後の注意点
次に、アップグレード版への自動移行が完了した後の注意点を説明します。
表ビューに従来版のデータが表示されなくなる
自動移行が完了すると、表ビューに従来版のデータは表示されなくなります。
ただし、レポート画面では2022年8月まで確認できます。過去データが必要な場合は、2022年8月より前にレポートをダウンロードしておきましょう。
広告表示オプションを介したクリックのトラッキング方法
Google広告のアップグレード版への移行に伴い、広告表示オプションを介したクリックのトラッキング方法について、いくつかの重要な変更点があります。
広告表示オプション経由のクリックをValueTrack パラメータの {feeditemid} を使用してトラッキングしている場合は、URL設定の更新が必要になります。
アップグレード版への移行が完了すると、{feeditemid} パラメータ（※1）だけ値を返さなくなります。
今後、次の3つのURLをアップグレード版の広告表示オプションとリンクさせるためには、{extensionid} パラメータを使用します。
- 最終リンクURL
- トラッキングテンプレート
- カスタム パラメータ
URL設定の更新方法
{feeditemid} パラメータを使用している場合のURL設定の更新方法を解説します。
Google広告のアップグレード版の導入に伴い、トラッキングパラメータの管理についての注意点がいくつかあります。特に重要なのは、従来版の広告表示オプションのトラッキングに利用されている {feeditemid} パラメータを維持すること、そして新たに導入されるアップグレード版のトラッキング用に {extensionid} パラメータを追加することです。
アップグレード版の広告表示オプションのために新たに {extensionid} パラメータを追加することにより、アップグレード版からのクリックも効果的に追跡することが可能になります。
ただし、ここで留意すべきは、{feeditemid} と {extensionid} の両パラメータを設定していても、クリック計測のデータはどちらか一方のパラメータにのみ反映されるという点です。つまり、両パラメータが同時にクリックデータを反映することはありません。
また、現在のところ、{feeditemid} から {extensionid} への自動移行の予定はありません。従来版の広告表示オプションが提供終了する2022年2月15日より前に、{extensionid} パラメータを手動で追加しておくことが望ましいでしょう。
このように、Google広告のアップグレード版への移行は、トラッキングパラメータの適切な管理を要求します。この変更に正確に対応することで、広告キャンペーンの効果を継続的に追跡し、その成果を最大限に引き出すことができます。新旧のシステムへのスムーズな移行に向けて、これらの点を念頭に置いておくことが重要です。Google広告の進化に合わせて、これらの新しい設定を適時に適用し、デジタル広告戦略を更に洗練させていきましょう。
※1：従来版のフィードベースの拡張機能をトラッキングするためのValueTrack パラメータです。
※2：アップグレード版のアセットベースの拡張機能をトラッキングするためのValueTrack パラメータです。
広告表示オプションのサポート終了
広告表示オプションの一部機能がサポート終了になります。
アップグレード版への移行によりサポート終了となる機能を確認しましょう。これには以下のような要素が含まれます
- モバイル優先のデバイス設定：これまで利用可能だった、モバイルデバイスに特化した設定がなくなります。
- 電話番号表示オプションの開始・終了時間：電話番号表示に関する時間設定が使用できなくなります。
- アプリリンク表示オプションの広告スケジュール：アプリリンク表示に関する広告のスケジューリングがサポートされなくなります。
- 価格表示オプション・構造化スニペット表示オプションの開始・終了時間と広告のスケジュール：これらのオプションに関する時間設定およびスケジューリングが利用できなくなります。
この変更により、デバイスやスケジュールに関わる設定は今後行えなくなります。これは、特に期間限定の情報や特定の時間帯に焦点を当てた広告キャンペーンを運営している広告主にとって大きな変更です。
広告主は、これらのサポート終了機能に代わる新しい戦略を考える必要があります。例えば、期間限定の情報を表示させたい場合は、プロモーション表示オプションなどを活用することが考えられます。これらの変更を見据え、広告表示オプションの運用方法を適切に調整することが重要です。
アップグレード版への移行は、広告主にとって新しい挑戦を意味しますが、これを機に広告戦略を見直し、最新のトレンドに合わせて適応することで、広告の効果をさらに高めることができます。この変更に柔軟に対応し、デジタルマーケティングの新しい潮流に乗りましょう。
アップグレード版における広告表示オプションのまとめ
Google広告のアップグレード版における広告表示オプションの提供は、広告運用において非常に心強い進展となります。
この新機能により、広告キャンペーンの管理がより柔軟になります。たとえば、市場の動向に応じて素早く広告を停止したり、特定のイベントやセール期間に合わせて迅速に広告を再開したりすることが可能になります。これにより、広告効果を最大化し、広告予算の最適な配分を実現できるようになります。
しかし、この便利さの一方で、いくつかの注意点もあります。アップグレード版におけるサポート終了する一部機能の変更やトラッキングパラメータの変更など、別途作業が必要になる場合があります。これらの変更は、広告キャンペーンの効果を正確に測定し、最適化するために重要です。したがって、新しいシステムへの適切な対応と、設定し忘れのないよう細心の注意を払うことが求められます。
このように、アップグレード版の広告表示オプションは便利さを提供する一方で、広告主にとっては新しいシステムへの適応という課題ももたらします。しかし、これらの変更を適切に管理することで、広告キャンペーンの効率性と効果をさらに高めることが可能になります。この新しい機能を上手に活用し、デジタルマーケティングの可能性をさらに広げていきましょう。
