私たちは、これまで何度も「初心者向け:商品リスト広告のためのデータフィード作成入門ワークショップ」を開催してきました。この分野については、多くの場で言及されていますが、実際に「データフィードを自分で作成しよう」と思ったり、「Google Merchant Centerへのアップロード」に踏み切る際に役立つ情報源は、意外と少ないものです。そこで私たちは、皆さんからの具体的な質問に答えるQ&Aセッションを用意しました。このセッションでは、セミナー中に浮かんだ疑問を付箋にメモしてもらい、最後にそれらに一つ一つ丁寧に回答する時間を設けています。
この取り組みを通じて、商品フィードの作成やGoogle Merchant Centerでの設定において、もし何か問題や不明点が生じた際に、皆さんが参考にできる一助となればと思います。今回、過去のワークショップで受けた質問とその回答の一部を共有しますので、商品リスト広告の作成にあたって、ぜひともこの情報をお役立てください。
商品フィードに関するQ&A
商品フィードの最適化の進め方とは
ここでは、私たちが特に力を入れている最適化の要点を詳しく説明いたします。
主に次の点に注目してチューニングを行っています。
- 入力すべき属性にすべて値を正確に入力しているか?(JANコードを持つ商品なのにgtin属性に入力しないなど)
- 商品名[title]、商品説明[description]の変更
- 商品画像[image_link]で指定した画像の変更
商品フィードの属性カラムの順序や削除について
よく質問を受けますが、カラムの順番は自由に設定していただいて構いません。また、フィード内で不要となった属性カラムを削除することも問題ありません。
設定した価格とWEBサイト上の価格に相違がある場合
審査を通過しない場合がありますので、この点は特に注意が必要です。
商品のアイテムID(id属性)のルールについて
Google Merchant Center のヘルプによると、使用できる文字には制限があります。
- 先頭と末尾の空白文字と改行文字(0x0D)は削除されます。
- 改行文字(0x0D)と空白文字(空白文字プロパティを持つ Unicode 文字)は、単一の空白文字(0x20)に置き換えられます。
- 有効な Unicode 文字のみ使用できます。ただし、次の文字は例外です。
- 制御文字(改行 0x0D を除く)
- 機能文字
- プライベート エリア文字
- サロゲートペア
- 未割り当ての符号位置(具体的には、0x10FFFF よりも大きいすべての符号位置)
このままだと難しいので噛み砕きますと次のようになります。
- 先頭と末尾に「空白」「改行」が入っている場合は削除
- 先頭と末尾以外の「空白」「改行」は半角スペースに置き換えられる
- Unicode文字が使えますが、以下は使えません。
- 改行以外の制御文字や機能文字
- プライベートエリア文字(外字など)
- サロゲートペア(JIS第3水準、JIS第4水準の漢字の一部)
- Unicodeに割り当てがされていない文字
あまりにも特殊な文字でなければ、一般的な半角英数字、半角記号、全角英数字、全角ひらがな・カタカナ、全角漢字、全角記号などを利用することが出来ます。
記号としては計算機号や感嘆符、疑問符なども利用可能です。
商品説明[description]に改行を入れた場合の表示方法
商品説明文における改行の扱いについて、特にご注意いただきたい点があります。実は、改行は単純に半角スペースに変換されるため、改行を意図的に用いていた場合でも、その位置に応じて半角スペースが挿入されます。これが原因で、思わぬところにスペースが入り、本来の意図とは異なる、あるいは不自然な文章の流れになってしま製造番号(mpn属性)の固有製についてう可能性があります。
製造番号(mpn属性)の固有性について
製品の識別に使用される製造番号(mpn属性)については、それぞれの番号が固有であることが求められます。これは、同一の製造番号を持つ商品が色やサイズなどの異なるバリエーションを有する場合、各バリエーションごとに独自の製造番号を割り当てる必要があるためです。このような場合には、製造番号の末尾にバリエーションを区別するための明確な識別子を追加することが推奨されます。たとえば、異なるサイズの製品には、「-S」、「-M」、「-L」といった形式でサイズを示す識別子を製造番号の末尾に付け加えることで、それぞれの製品バリエーションを容易に識別できるようになります。
- 製造番号:GO12345OOGLE
- サイズバリエーション:S、M、L
- 割り当てる製造番号[mpn]:
- GO12345OOGLE-S
- GO12345OOGLE-M
- GO12345OOGLE-L
商品画像と異なる画像の使用について
商品画像の選択に関するガイドラインにおいて、実際の商品を正確に反映していない画像の使用には制限があります。具体的には、実物の商品画像として、一般的な画像やグラフィック、イラストの指定は許可されていません。これには、「DIY 用品」や「乗り物・パーツ」といった特定のカテゴリの商品が例外として挙げられていますが、それ以外の商品に関しては、消費者が実際に購入しようとしている商品を正確に理解できるよう、実物の写真を使用する必要があります。
商品画像のA/Bテストについて
現時点でGoogle Merchant Centerで直接実施することはできませんが、異なる画像パターンを用いた期間限定のテストを行い、その結果を比較することは可能です。
商品リスト広告用の商品フィードは他のプラットフォームに使用可能か
商品リスト広告用の商品フィードを他のプラットフォームでそのまま使用することは推奨されません。Criteoなど他のプラットフォームでは、それぞれ独自の仕様があり、適切なデータフィードの作成が必要となります。
Google Merchant Centerに関するQ&A
アップロードした商品フィードをExcel形式でダウンロード可能か
Google スプレッドシートを使って商品フィードをアップロードしている場合の話から始めましょう。便利なことに、直接Google スプレッドシートからExcel形式でのダウンロードが可能です。これはとても便利な機能で、データの管理や分析を行う際に大変役立ちます。ただし、Google スプレッドシート以外の方法でアップロードしたデータについては、残念ながらExcel形式でのダウンロードはサポートされていないのでご注意ください。
Merchant Centerアカウント、商品フィードを分けて管理する場合の基準とは
Merchant Centerアカウントや商品フィードの管理方法についてのご質問ですが、基本的には、1つのドメインにつき1つのMerchant Center アカウントを持つ形になります。もしも複数のドメインやECサイトを運営されている場合は、マルチクライアントアカウントの申請が可能です。これにより、一元管理がしやすくなり、効率的な運用が可能になりますよ。
また、商品フィードについては、最低限、対象国ごとに分けて管理することが基本とされています。さらに、異なる部署が異なるカテゴリの商品を扱っている場合など、部署ごとにフィードをアップロードすることも可能ですが、商品情報が重複しないように注意する必要があります。
広告代理店担当者は広告主のMerchant Centerアカウントにアクセス可能か
広告代理店の方が広告主様のMerchant Centerアカウントにアクセスする場合には、広告主様からの招待が必要です。これは非常に簡単で、広告主様がアカウントにアクセス権を付与することで、スムーズに協力して作業を進めることができます。
WEBサイトの確認や申し立てにおすすめな方法とは
WEBサイトの確認や申し立てに最も推奨される方法ですが、Google アナリティクスやGoogle タグマネージャを既に利用している場合、これらのツールを活用することが最も簡単で効果的です。特に、管理するサイトのドメインがMerchant Centerと一致している場合、これらのツールを使うことで、スムーズに設定を行うことができます。もし、これらの条件に当てはまらない場合は、HTMLタグを直接アップロードしたり、メタタグをHTMLに記述する方法がお手軽であり、順におすすめします。
Merchant Centerや商品フィードで設定した送料とWEBサイト記載の送料に相違がある場合
送料に関する設定の違いについてですが、Merchant Centerや商品フィードで設定した送料がWEBサイト上の記載と異なる場合、審査で不承認となる可能性があります。
商品リスト広告(Google アドワーズ ショッピングキャンペーン)の運用に関するQ&A
Google アドワーズ管理画面上での入札と商品フィード以外でチューニング可能なものはあるか
高品質な広告を実現するためには、Google Merchant Centerに提供する商品データの精度と鮮度を高めることが極めて重要です。Google Merchant Centerの公式ヘルプドキュメントによれば、商品データの品質向上には主に以下の二つの重要な側面が挙げられます。
- 最新のデータの提供(データの更新頻度)
- 正確で包括的なデータの提供
これらの要素を改善することで、広告の効果を最大化し、入札戦略や商品フィードの最適化以外でのチューニングオプションとして、例えばデータの更新頻度を高めることが挙げられます。
商品の広告配信状況の確認方法について
Google Merchant Center及びGoogle Adsの両方で可能です。Merchant Center内では「商品タブ」を通じて、商品がどれだけのクリックを獲得したかを把握することができます。一方、Google Adsの「ショッピングキャンペーン」セクションでは、表示回数やクリック数など、より広範な広告パフォーマンスに関する詳細なレポートを閲覧することができます。より詳細な情報やデータ分析を求める場合は、Google Adsのショッピングキャンペーンからのアクセスが最適であり、より包括的な洞察を得ることができるでしょう。
そのほか全般的なQ&A
Google ショッピングと商品リスト広告の違いとは
Google ショッピングと商品リスト広告の間には、それぞれ独自の役割と機能があり、これらを理解することはオンラインでのプロモーション戦略を立てる上で非常に重要です。
それぞれは下記のように区別されます。
- Google ショッピング:ユーザーがGoogle上で商品を探すためのサービス(サイト)
- 商品リスト広告:広告主がGoogleショッピング検索およびgoogle.comの検索上に配信するための広告フォーマット
Google ショッピングは商品検索と比較のための包括的なプラットフォームを提供し、ユーザー体験を向上させるサービスです。それに対し、商品リスト広告は広告主が特定の商品をターゲットとしたユーザーに直接アピールするための具体的な広告手段です。これら二つは、オンラインでの商品販売とプロモーションにおいて、相互に補完し合う重要な役割を果たします。
まとめ
商品リスト広告の運用には、Google Merchant Centerの設定や商品フィードの仕様に関する深い理解が必要不可欠です。この点は、私たちが主催するセミナーで寄せられる質問を通じても明らかになりました。参加者からの様々な疑問に答える過程で、どのようなポイントでつまずきやすいのか、そしてそれにどう対処すればよいのかを深く理解することができ、これは私にとっても非常に有益な経験となりました。
この場を借りてお伝えしたいのは、疑問を持ったら恥ずかしがらずに質問することの大切さです。あなたが抱えている疑問は、他の多くの人も同じように感じている可能性が高いです。質問をすることで、その回答が他の参加者にとっても有益な情報となり、さらにはプレゼンターにとっても、どのような内容が参加者にとって価値があるのかを理解する良い機会となります。
最終的に、こうしたQ&Aセッションが、商品リスト広告の運用で悩む方々にとって、少しでも支援となり、前進するための手助けになればと心から願っています。私たちのセミナーが、皆さんの疑問を解消し、商品リスト広告の成功への道を照らす一助となれば幸いです。