「婚活を頑張りたいのに、なぜかうまくいかない」――。そんな悩みを抱える方に寄り添い、“心の奥にあるブロック”を解きほぐすのがカウンセラー・中村陽子さんです。
実体験をもとに深層心理に着目する独自のアプローチは、多くの婚活中の方に大きな気づきをもたらしています。本記事では、中村さんが見出した“本当の幸せを手にするヒント”をうかがいました。

カウンセラー・中村陽子さん× 婚活パラダイス編集部 インタビュー対談

心理カウンセラー
中村陽子さん
心理カウンセラーの中村陽子さんは、恋愛や婚活、出産への迷いなど30代・40代女性特有の葛藤を解きほぐすエキスパート。自らも40代で子どもを持つ夢に向き合った経験を通して、「ほしい気持ち」と「ほしくない気持ち」の両面に寄り添う深いカウンセリングを行っています。

プロフィール・カウンセラーとしての活動のきっかけ
— 早速ですが経歴を伺いたいと思います。今回のテーマは「婚活」におけるカウンセリングですが、中村さんがカウンセラーを目指されたきっかけや、経歴について教えていただけますか?

はい。私はもともと雑誌の編集者・ライターとして20年ほど、働く女性やシングル女性向けの媒体に携わってきました。
キャリアの悩みだったり、恋愛だったり、子育て、あるいは結婚する・しないなど、とにかく女性のさまざまな悩みを取材する機会が多かったんですね。
ただ、私自身もずっと結婚に縁がなく、42歳くらいの時には「本当は子どもが欲しいんだけど叶わない」という状況でした。
結果的には子どもをもたずに現在に至るのですが、同じように「結婚したいはずなのにどうしてもうまくいかない」という人が少しでも減れば…という思いが強くなっていったんです。
— なるほど。実際に「結婚したいのにできなかった」というご自身の経験があるからこそ、サポートをしたいと。



そうですね。「子どもが欲しい」とあれほど強く思っていたのに実現しなかった背景には、実は自分の心の中に「子どもを持ちたくない」という無意識があった、と学んでから気づいたんです。
その無意識というのが、例えば母との確執や、母性を怖いものとして見てしまった体験からきていたり。
私は45歳を過ぎてから本格的にカウンセリングを学んだのですが、その過程で「ああ、こういう気持ちが私にあったから、結婚や出産に向かう行動を自分で壊していたんだな」とわかったんです。
それで、「同じように自分でも気づかない深いブロックを抱えている人がいるなら、そこを取り除くお手伝いがしたい」という思いでカウンセラーになりました。
神戸メンタルサービスとチャックスペザーノ博士のメソッド
— 実際に学ばれたのは「神戸メンタルサービス」さんだと伺いました。「チャックスペザーノ博士」の手法との出会いも大きかったとか。



そうなんです。私は取材の仕事を通じて、本当にいろんな精神科医や心理の専門家にお話を伺ってきました。
ですが、チャックスペザーノ博士の著書『30日間で理想のパートナーを見つける方法』というワークブックを実際にやってみたときに、「これだ!」と衝撃を受けまして。
具体的には、一日ごとに取り組むワークがあって、それを進めていくうちに、「あれ?私、16歳くらいのときの“あの出来事”で時間が止まっているかもしれない」「母性というものを、自分で怖いものとして無意識に排除していた」など、多くの気づきがあったんです。
いきなり一瞬で「あ、私にはこれが原因だ!」と全部わかるわけではなくて、だんだん深いところに降りていきながら徐々に明らかになっていく感じですね。
でも、いろいろ取材してきたなかで、あそこまで自分にフィットしたのは初めてでした。
— 他の心理セミナーやカウンセリングのアプローチと比べると、より深い心の領域に踏み込む感じなんでしょうか?



そう思います。
チャックスペザーノ博士ご本人のセミナーは来日して数日集中ワークなどがありますが、そこだけで終わらせるのではなく、「神戸メンタルサービス」で繰り返しワークショップや公開カウンセリングに参加して、何年も学びを深めました。
人って、誰しも自分では気づけない“深いブロック”を持っていたりするんですよね。
私の場合は母との確執で、「母性=怖いもの」というイメージを思春期に抱いてしまったのが原因だったんですが、そういう無意識にあるものを一つずつ見つけていく作業をずっと続けてきた感じです。
カウンセリングの進め方
— 中村さん自身がそんなご経験を踏まえたうえで、今は「深めの領域」を見ていくカウンセリングをされているとのことですね。実際にクライアントさんが来られたとき、最初の90分などでは、どんな流れで進むのでしょうか?



人によって違いますが、初回から深い部分に触れて「号泣する」という方もいれば、なかなか最初は踏み込みづらいという方もいます。
それでも、たいてい最初の1回で何かしら「あ、これが原因かもしれない」「自分の中にこういう思い込みがあったのか」という掴みは出てきやすいです。
そこから複数回にわたって、「実はもっと奥にある思い」にたどり着いていくことも多いですね。
— なるほど。「CTスキャンを撮るような感じで大まかな把握をして、次に必要があればより詳しく調べる」というイメージですね。2回目3回目と進むうちに、より根深いブロックに気づくことがある、と。



そうです。最初は自分の悩みの「表面」にあるものだけ感じていても、回数を重ねるうちに「ああ、実は幼少期の◯◯に影響されていたのかも」というふうに気づいたり。
婚活中の方だと、「なぜか仮交際2回目になると行きたくなくなる」とか「真剣交際に入ったら急に怖くなって相手を拒否してしまう」とか、実際に行動に出てしまうブレーキの正体を一緒に探していく感じですね。
— 最近はマッチングアプリや結婚相談所など、婚活の場が増えた分、「婚活疲れ」も増えている気がします。中村さんのところには、どんなお悩みが多いですか?



「いい人と出会えない」と言う方もいるのですが、実は「出会っていても本人が気づいていない」ケースも多いんです。
潜在意識に「結婚したくない気持ち」があると、いい人がいても、深いブロックによって相手が視界に入らない、あるいはちょっと親しくなると急に拒否してしまうなど。
あとはそもそも「婚活しているけど、やる気が続かない」とか「仮交際で嫌になってしまう」とか、「近づきたいのに拒否してしまう」など。
無意識の段階で結婚=怖い・不自由になる、みたいに感じているケースなどもあります。
— 少しうまく進むと今度は「条件で選ぶ、選ばれる」を意識しすぎるあまり、関係がうまく築けない方もいそうですね。



それは本当に多いと思います。条件とか点数とか、最初から「この人は何点、あの人は何点」と見てしまうので、「今この場にいる相手を知る」「一緒に過ごす時間を楽しむ」といった関係そのものが育ちにくい。
しかも婚活中に連絡が途切れたり、期待外れの扱いをされたりと、傷つく経験を重ねる方も多いので、よりガードが固くなってしまうんですよね。
そういう面で「優しく接してみよう」「相手を思いやろう」という気持ちが削がれてしまうのが、今の婚活現場の悩ましさでもあると思います。
今後の展望・婚活と深いカウンセリングの意義
— 中村さんが今後取り組んでいきたいこと、またカウンセリングの展開について教えてください。



「婚活でうまくいかない」現象って、その方が持っている深いマインドブロックをあぶり出してくれる機会でもあるんですね。いわゆる「心の絡まり」を抱えていても、普段は意外と気づかずに生活できちゃうんです。
でも、たとえば「そろそろ家族が欲しい」と思ったタイミングで婚活を始めたら、なぜか途中で嫌になったり、無意識に自分で壊してしまったりする。そういうときこそ、「ああ、自分の中にこんな思い込みのパターンがあったんだ」と気づきやすいんです。
そこでブロックを外していくと、本来の自分のエネルギーが取り戻されて、「あれ?思わぬところで素敵な人と出会えました」とか「実は近くにこんな人がいたんですね」と自然に動き出したりする。
なので、カウンセリングを通じて「婚活の悩み」に向き合っていくことで、「自分の生き方全般」も前よりずっと自由に、楽に、人間関係も豊かになる。自分の心のパターンを解消しておくことは婚活だけでなく全てにつながっている――そういうサポートを引き続きやりたいと思っています。
実際、お客様が「やっぱり自分はこういう家族を作りたいんだ」と腹落ちしたとたん、「自分だけ結婚できないんじゃない」とずっと思っていたのが、急に動き始めて、そこからトントン拍子に進んでいく姿を何度も見ています。
そこを一緒に乗り越えるのは最初はいやる気持ち味わうこともあるかもしれないけれど、筋肉痛みたいなものと同じで「必ず癒えるし、癒えた先にはより大きな変化がある」と伝えていきたいですね。
— 本日は詳しくお話を聞かせていただき、ありがとうございました!



はい、こちらこそありがとうございました。
編集後記
中村陽子さんご自身の過去のつらさを乗り越えてきたからこそ、同じような苦しみを抱える人の気持ちがわかるのでしょう。婚活の悩みは自分を知るチャンスにもなる――そんなメッセージに、励まされた方も多いのではないでしょうか
「自分でも気づいていない心の奥のブロック」に向き合い、取り除いていくことは大変な作業でもありますが、その先にはより自分らしい人生が開ける――。
婚活を機に、自分の本当の気持ちに向き合ってみたい方、無意識のブロックを外して新たな一歩を踏み出したい方には、中村さんのカウンセリングが大きなヒントを与えてくれそうです。
(取材・文/婚活パラダイス編集部)