広告運用がうまくいっているかどうかを確認し、のPDCAサイクルを回すためには、効果測定ツールは大変便利なものです。
ツールを使用しない広告運用は成功しないと断言できます。
この記事では「効果測定ツール」と「アクセス解析ツール」の違いや種類などを実例を交えて詳しくご紹介していきます。
広告効果測定とは?わかりやすく解説
広告効果測定とは、施策の成功度を測るための指標です。
マーケティングの施策によって自社の目的にどのくらい効果が出ているかを把握し、費用対効果を判断します。
マーケティング担当者が十分な現状把握のための情報を得た上で次の施策を検討し、広告費用に対する最大のリターンを得られるようにするためには、広告の効果を測定することが重要となります。
広告効果測定ツールとは
広告効果測定は、出稿した広告がターゲットとするユーザーにどのような影響を与えているかどうか、さらに言えば、費用対効果を最大限に発揮できているかどうかを判断するために現状の成果を解析するためのツールです。
解析して現状把握をすることで、施策のメリット・デメリット、そして費用対効果を改善するための打ち手を検討することができます。
効果測定ツールとアクセス解析ツールの違い
効果測定ツールとアクセス解析ツールにはこのような違いがあります。
効果測定ツール:広告のパフォーマンスや費用対効果を測定することに重点。広告の成功度を測定
アクセス解析ツール:広告を見た人や広告に対してアクションを起こした人の数を測定することに重点。広告の到達度を測定。
アクセス解析ツールは「事実」を表示するために、その後はある程度の知識がないと施策が打ち出しにくいのに対し、効果測定ルーツは「内容」まで表示してくれるので、アクセス解析ツールよりもお助けツール度が強いイメージです。
効果測定ツールの種類
効果測定ツールにはさまざまな種類があります。その中でも代表的な種類を紹介します。
これらの効果測定ツールがなぜ必要かを次の項目で解説いたします。
広告効果測定ツールが必要な5つの理由
企業が従来のマーケティング形態からデジタルへ移行するにつれ、広告効果の管理は難しい課題となっています。
企業がデジタルマーケティングへの投資を最大限に活用するためには、効果測定ツールを効率的に活用することがマーケティングの成功につながる理由を探ります。
CVの重複カウントしてない正確なCV計測ができる
広告効果測定ツールは、コンバージョンを重複せずに正確に測定できる点でも大変便利です。
効果測定ツールはユーザーの行動をすべて追跡するため、ユーザーが同じ広告を再度訪れた場合でも、同じユーザーからの複数のコンバージョンをカウントしません。
リピーターを計測したい場合は別の指標でカウントすることができます。
そのため、施策の結果を正確に把握することができます。
さらに、リードと売上を正確に測定することで、コンバージョンの誤検出や二重計上を防ぎます。
CVまでのユーザーの行動を分析できる
効果測定ツールは、ユーザーの行動とコンバージョンに至るまでの経路をより深く理解することにも役立ちます。
潜在顧客や見込み客の行動を分析することで、企業は施策をさらに最適化し、マーケティング戦略を修正し、広告やマーケティングメッセージを特定のターゲットに合わせて調整することができます。
広告流入と自然流入を比較できる
広告効果測定ツールでは、ユーザーが広告(スポンサーサーチ)流入と自然検索(オーガニックサーチ)のどちらで自社サイトに来たかを比較することもできます。
また、どのキーワードがターゲットに最も響くのかを把握することができます。
これにより広告施策の成功率を向上させるだけでなく、マーケティング担当者が施策に投資を続ける価値があるかどうかを判断する材料にも利用できます。
リスティング広告・動画広告など様々な広告を一括管理できる
広告効果測定ツールは、リスティング広告や動画広告、ディスプレイ広告など、さまざまな種類の広告を一元管理できるのもメリットです。
特に複数の広告を出稿している場合はそれぞれの管理画面を確認するのは大変な作業になります。
たくさんの広告を一元管理することにより、どの広告施策がどういったパフォーマンスを出せているかを同じ指標で追跡し、最も多くのトラフィックとコンバージョンを引き出している戦略を特定し、最大効果を得るために施策を最適化することができます。
PDCAが効率的に回せて生産性 UP
広告効果測定ツールは、PDCAサイクルを効率的に実行するのに大変便利です。
広告を企画→その結果を見る→広告のパラメーターを調整→新たなパラメーターでサイクルを回す
というサイクルです。
これによりマーケティング担当者は生産性を最大化することができ、市場の状況をスピーディーに把握した上でパフォーマンスを向上させることができるようになります。
広告効果測定ツールの使用で知っておくべき問題点
ここまでで効果測定ツールの基本を理解できましたでしょうか。
次はツールの導入が本当に自社に合っているかを検討しましょう。
広告効果測定ツールをデジタルマーケティング戦略に取り入れる前に、以下の 2点をチェックしてみてください。
注意①:基本的には有料
広告効果測定ツールの利用には、基本的に有料です。
料金はシステムやサイトの規模感によって様々ですが、一般的な料金は月額10万〜20万円の間位で、さらに高度なツールの場合は月額50万以上といったものもあります。
利用料だけでなく、時間や労力など隠れた人的コストもかかってきます。
さらに、基本の分析以外のオプションで、カスタムレポート機能・詳細分析などには、追加の費用がかかるケースがよくあります。
ツールを決定する前に、時間とコストのバランスを考慮しましょう。
注意②:今の施策が少ない場合は意味なし
広告効果測定ツールを導入するかどうかは、現在進行中の施策がいくつあるか、によって決めることができます。
実施中の広告施策が数件しかない場合は、測定ツールはあまり意味がないでしょう。
この場合は広告効果測定ツールよりも、無料で使えるGoogle広告とGoogleアナリティクスを連携する方がベターです。
進行中の広告施策がいくつもある企業にとっては、広告効果測定ツールは「時間の効率化」という観点で非常に有効なものになります。
【厳選9つ】目的別広告効果測定ツールをわかりやすくご紹介
ではここで、実際によく使用されている9つの広告効果測定ツールをご紹介します。
【WEB】AD EBi S
「アドエビス」と読みます。
日本の会社であるイルグルムの広告効果測定ツールです。
導入実績は1万件以上あり、顧客満足度92%と高い評価を受けていて、中小から大手企業までの幅広い業界・業種で利用されています。
初期費用やサポート料金が無料です。 必要なのは利用料金とオプション利用時のみ。
5万円程度からスタートでき、広告の量によって増加します。
【WEB】Web Antenna
リスティング広告、バナー広告、アフィリエイト広告などネット広告の効果を測定するツールです。
また広告だけでなく自然検索・ソーシャル・ブックマークなどの効果測定も可能で、本当の成果、貢献度がわからないときに広告の正しい貢献度を簡単に計測してくれるツールです。
月額費用13万円からになります。
【WEB】AD PLAN
マーケーティングデータの一元管理から、分析データを基にした改善施策の提案・実施まで、幅広い顧客ニーズに対応しているツールです。
同社の広告配信システム「ADPLAN DS」を導入している企業は、初期費用が無料、月額費用が3万1500円からになります。
【テレビ】Madison
CMの効果測定をエリア毎に行うことができるため、効果的なエリアマーケティングを可能にします。
TVCMを打っている多くの大手企業が活用しています。
登録不要でデモ体験をすることができます。
料金は応相談です。
【テレビ】ノバセルアナリティクス
テレビCMの効果を番組別・クリエイティブ別にリアルタイムに可視化。効果に基づいた高速検証を行うことができるツールです。
料金は応相談です。
【野外】Ad Vice
独自の技術で屋外広告媒体の性年齢別インプレッションを算出しており、WEB広告と同様に予算 ・ ターゲットを入力すると、予算内のターゲットへのリーチを最大化するように自動的に最適な広告プランが提案されるツールです。
利用料金がかかりません。広告の掲載費・施工費のみ発生します。
【野外】OHH ATLAS
屋外広告に特化したツールで、これまで客観的な評価指標がなく広告効果測定の難しかった屋外広告が、CMやインターネット広告と比較できるようになります。
料金は応相談ですが、まずは無料登録でデータを閲覧することができます。
【電話】Call Data Bank
電話による問い合わせデータを収集し分析するためのツールです。
入電に至ったWeb上でのキーワード、入電日時、端末種別など複数の情報を一度に収集できるツールです。
料金は初期費用無料、月額5万円からのプランが用意されています。
【アンケート】fastask
ATOKや一太郎の株式会社ジャストシステムが提供しているアンケート作成ツールです。
短時間でアンケートを作成でき、低コストで運用することができるため、全国の3,000社以上から利用されているサービスです。
料金は1万1000円からボリュームに応じて相談です。
見落としてはいけない広告効果測定ツール選定ポイント3つ!
では、広告計測ツールを選定・導入する際には、いくつかのポイントを考慮しましょう。
ここでは、導入時についつい見落としやすいポイントを3つご紹介します。
ポイント①:評価指標が自社の広告の目的にマッチしているか
まずは「評価指標が自社の広告や施策の目的に対応しているかどうか」です。
広告の種類や施策によって最終的な目的が異なるため、評価指標は自社のゴールに合致している必要があります。
オンラインでの資料請求が目的なのか、それとも実店舗への来店なのか、などそれぞれの目的に合わせて検討しましょう。
ポイント②:外部ツールとの連携のしやすさ
次は外部ツールやすべての施策を簡単に統合して一括管理できるかどうかを確認しましょう。
外部ツールは広告測定ツールにデータを送信する機能があります。
効果測定ツール側で外部ツールとの連携にどのくらい対応しているかはサイトや担当者への問い合わせで事前にしっかり確認しておいてください。
ポイント③:ツールの使用感とカスタマーサポート
最後のステップは、広告効果測定ツールの使用感と、カスタマーサポートが手厚いかどうかになります。
これはマーケティング担当者の感覚によるところが大きいのですが、使い勝手が悪く、UIが複雑なツールは不向きです。
最近はどのツールも使い勝手の工夫を凝らしているため、それほど使いにくいツールはありませんが、それでも相性があります。
導入前に無料のお試し期間を利用してチェックしてみるのもよい方法です。
さらに、疑問点をすぐ相談できるカスタマーサポート担当がいるかどうかをチェックするのも不可欠です。
サポート担当によって今後の施策が大きく変わるといっても過言ではありません。
私も先日、素晴らしい担当の方のお話を聞いて感動した経験があります。
まずは導入の際にどのような対応をしてくれるのかをチェックしてみてください。
広告効果測定ツールに関してよくある質問と回答
Q.決裁者の目線でBtoBマーケティング戦略はどのようにアプローチすべきですか?
A.過去の事例をもとに、自社の戦略が企業にどのような利益をもたらすのか、具体的な数値や目標を示して決裁者の信頼を高めることを目指します。
Q.BtoBマーケティングで潜在顧客を引き付ける効果的な方法は何ですか?
A.コンテンツマーケティング、Facebook広告、イベントやセミナーなどを利用して潜在顧客に商品・サービスを知ってもらうことが重要です。
Q.CV率を向上させることは、BtoBマーケティングキャンペーンの成功にどのように影響しますか
A.ROI(投資利益率)やブランドの信頼度が向上し、市場での競争力が高まります。
【現場でよくある事例!】MAツールと広告管理画面で数字が違う!どちらを信じるべき?
効果測定ツールに関して解説してきましたが、運用現場でよく起こる事例として「MAツールと広告管理画面で数字が違う」という内容があります。
測定ロジックがそれぞれ違うために、どちらを信じていいのかがわからない、という問題です。
MAツールと広告管理画面で表示される数字に差異が生じるケースはよくあることです。
この場合、基本的にはMAツールの数値を信頼することをおすすめします。
なぜなら、MAツールはアクセス解析の技術を使って独自に計測しているため正確性が高い傾向にあるからです。
一方で、広告管理画面の数字は広告プラットフォーム側の計測ロジックに依存している点が誤差の要因になりやすいです。
ただし、大きな乖離がある場合はタグの設定漏れなど、MAツール側のトラッキングに不具合がないかを確認する必要があります。
比較対象となる期間・対象広告・コンバージョンの定義がそろっているかどうかも再確認してください。
定期的に原因特定と解消を図ることで、正確なデータ収集と分析が可能になります。
まとめ:広告効果測定ツールで最大の広告効果を!
広告効果測定ツールを導入するのは費用がかかりますが、マーケティング効果を最大化し、施策のパフォーマンスを追跡するための必須アイテムであることがおわかりいただけましたでしょうか。
多くの会社はこの費用を出すのを渋ってしまいがちですが、広告効果最大化のための先行投資と思って導入を検討してみてください。
特に複数広告を出稿している場合はマーケティング担当者に複数の管理画面を見て比較しておいて…といったように任せっきりにせず、ツールで時間を購入するという考え方に切り替えてみてはいかがでしょうか。