YouTubeを使ってビジネスを広める上で、バンパー広告を活用することはとても有効です。
そこで今回はYouTubeのバンパー広告の成功事例や作り方のコツについて、わかりやすく解説します。
効果的な出稿方法や、多くの視聴者にアピールするためのポイントなどもお伝えします。
ぜひ、この記事を参考にして、自分のビジネスを広げてみましょう!
YouTubeのバンパー広告とは?費用や効果も確認しよう
バンパー広告はYouTubeの広告フォーマットの一つで、6秒以内のスキップできないビデオ広告です。これらの広告は、YouTube動画の再生前、または再生中に表示され、ユーザーはこれをスキップすることができません。
バンパー広告|スキップできない6秒以内の広告
バンパー広告の主な目的は、ブランドの認知度を高めることです。
その短さから、視聴者に強い印象を与えるためにはクリエイティブで分かりやすいメッセージが求められます。さらに、6秒という短さはユーザーにとってはあまり邪魔にならず、ブランドにとっては効果的な広告時間を確保することができます。
また、バンパー広告は広範な視聴者に到達できるため、一般的なターゲティングオプションを活用して特定の視聴者セグメントにメッセージを届けることも可能です。たとえば、年齢、性別、位置情報、視聴履歴などの基準に基づいてターゲティングを設定することができます。
バンパー広告の費用相場
バンパー広告の費用は、競争に基づいて決定されるため、明確な料金は設定されていません。一般的に、YouTubeの広告はCPM(コスト・パー・マイル、つまり1000回の広告表示ごとの費用)ベースで課金されます。そのため、広告の表示回数が多ければ多いほど、広告費用も高くなります。
費用は、競争率、ターゲティングの設定、広告の品質などにより変動します。ただし、多くの広告主はバンパー広告のCPMが平均的に500円前後であると報告しています(2023年5月現在)。
バンパー広告はその短さから多くの表示回数を獲得しやすいため、見込み客へのリーチが大きいです。その結果、ブランドの認知度向上や意識の向上に寄与する可能性があります。
バンパー広告の入稿規定を確認しよう
YouTubeのバンパー広告には特定の規定があります。
- 広告再生時間は6秒以内
- 推奨アスペクト比…16:9/9:16
- 推奨解像度…720pt以上
- 推奨ファイル形式…MP4
なお、広告は動画形式で提出する必要があります。
インストリーム広告との違いは2つある
バンパー広告とインストリーム広告は両方ともYouTubeの広告形式であるものの、以下の2つの主な違いがあります:
- 広告時間
バンパー広告は6秒以下のスキップできない広告です。一方、インストリーム広告は長くても15秒から20秒で、5秒後にはスキップが可能です。
- 課金方式
バンパー広告はCPM(1,000回の表示あたりの費用)ベースで課金されます。それに対して、スキップ可能なインストリーム広告は、視聴者が広告を全体または30秒(どちらか短い方)視聴した場合、または広告に対して何らかのアクション(クリックなど)を起こした場合に課金されます。
Youtubeにおける他の広告とも合わせて内容を抑えたい方は、ぜひ「YouTube広告の種類について」の記事を参考にしてください。
バンパー広告を用いるメリットとは
バンパー広告を利用する主なメリットは以下の通りです:
- 高いリーチ
バンパー広告の短さとスキップ不可能な特性から、一度に多くの人々に広告を表示することが可能です。短い動画を好む傾向にあるモバイルユーザーとも相性が良いです。
- ブランド認知度向上
短いが印象的なメッセージを伝えることで、ブランドの認知度を効果的に高めることができます。6秒という短さは、ユーザーが動画コンテンツを楽しむ邪魔をすることなく、広告メッセージを伝えることが可能です。
- 広範囲なターゲティング
一般的なYouTubeのターゲティングオプションを活用することで、特定の視聴者セグメントに広告を配信することが可能です。
- 効率的な予算利用
CPMベースの課金方式は、広告の表示回数によって課金されるため、広告主は予算を効率的に活用することが可能です。
以上のようなメリットがあるため、バンパー広告は製品やサービスの認知度を高め、広範囲な視聴者にメッセージを届けるための効果的な手段となりえます。
バンパー広告の設定方法を押さえよう
バンパー広告を設定するためには、いくつかの手順を踏む必要があります。以下に、その基本的な手順を説明します。
手順①:動画をアップロードする
まず、バンパー広告として使用するための6秒以下の動画をYouTubeにアップロードします。この際、動画は公開設定ではなく、非公開または限定公開に設定しておくと良いでしょう。これにより、動画は広告としてのみ表示され、一般のYouTubeユーザーからは検索や閲覧ができなくなります。
動画をアップロードする際には、以下の手順を踏みます。
- YouTubeスタジオにサインインし、右上のカメラアイコンをクリックします。
- 「動画をアップロード」を選択します。
- アップロードする動画を選択し、「公開設定」を「非公開」または「限定公開」に設定します。
- 動画の詳細(タイトル、説明、タグなど)を入力し、「アップロード」をクリックします。
手順②:キャンペーンを作成する
次に、Google Adsで新しいキャンペーンを作成します。この際、広告目標、予算、広告の日程、ターゲティング、などの設定を行います。
キャンペーンを作成する手順は以下の通りです:
- Google Adsにサインインし、「キャンペーン」タブをクリックします。
- 「+」ボタンをクリックし、「新しいキャンペーン」を選択します。
- 広告目標(例:ブランド認知度とリーチ)を選択し、「ビデオ」キャンペーンタイプを選択します。
- キャンペーンの詳細(キャンペーン名、予算、日程、ネットワーク、位置情報、言語、インベントリタイプ、除外コンテンツ、デバイスなど)を設定します。
- 「広告グループ」セクションに進み、広告グループ名、ターゲット(人口統計学、視聴者、キーワード、トピック、プレースメント)、入札(CPM)を設定します。
- 「広告作成」セクションに進み、先ほどアップロードしたYouTubeの動画URLを入力し、バンパー広告を選択します。
- 広告の名前、最終URL、表示URL、CTAタイプ(必要な場合)、ヘッドラインを入力します。
- 「広告を保存」をクリックして、広告を完成させます。
手順③:広告グループを作成する
一度キャンペーンを作成したら、次に広告グループを作成します。広告グループは、特定の目標や視聴者に対して最適化された広告のセットを管理するためのものです。広告グループを作成することで、特定の広告が特定の視聴者に表示されるようにすることができます。
- Google Adsにサインインし、「キャンペーン」タブをクリックします。
- 作成したキャンペーンを選択し、「広告グループ」タブをクリックします。
- 「+」ボタンをクリックし、「新しい広告グループ」を選択します。
- 広告グループの名前を入力し、ターゲティングオプション(人口統計学、視聴者、キーワード、トピック、プレースメントなど)を設定します。
- 入札を設定し、「保存」をクリックします。
手順④:リンクを貼り付ける
バンパー広告を設定する最後の手順は、広告にリンクを貼り付けることです。これにより、視聴者が広告をクリックした際に、あなたのウェブサイトや特定のランディングページに直接誘導することができます。
リンクを貼り付ける手順は以下の通りです:
- Google Adsにサインインし、「キャンペーン」タブをクリックします。
- 作成したキャンペーンを選択し、「広告グループ」タブをクリックします。
- 作成した広告グループを選択し、「広告と拡張機能」タブをクリックします。
- バンパー広告を見つけてクリックし、広告の詳細ページに移動します。
- 「最終URL」フィールドにリンク先のURLを入力します。
- 「保存」をクリックして、変更を保存します。
これらの手順を経て、バンパー広告の設定が完了します。これ以降は、広告のパフォーマンスを定期的にチェックし、必要に応じて最適化を行っていきます。
バンパー広告の作り方のコツ|クリック率を高めよう
コツ①:ペルソナを設定する
広告を作成する際の最も重要な要素の一つは、誰に向けてメッセージを伝えるかを明確にすることです。これを達成するためには、ペルソナを設定することが有効です。
ペルソナとは、目標とする視聴者の典型的な代表者を具体的に想像し、その特性や興味、行動を詳細に定義したものです。
ペルソナを設定することで、メッセージが特定の視聴者に適切に響くような広告を作成することが可能になります。その結果、広告のクリック率とエンゲージメントが向上する可能性があります。
コツ②:動画の冒頭を工夫して惹きつける
バンパー広告は、その短さから視聴者を即座に惹きつけることが必要です。そのためには、動画の最初の数秒間で視聴者の注意を引きつける工夫が求められます。
動画の冒頭部分には、目を引くビジュアルや鮮やかな色彩、インパクトのあるメッセージなどを配置しましょう。視聴者の注意を引き、広告全体を視聴する興味を喚起することが重要です。また、広告全体のストーリーと一貫性があることも大切です。
コツ③:一番伝えたいメッセージだけ伝える
バンパー広告は6秒という限られた時間の中で情報を伝えるため、一番伝えたいメッセージだけに絞り込むことが重要です。多くの情報を詰め込むと、視聴者は情報過多となり、メッセージの重要性が薄れてしまう可能性があります。
そのため、広告を作成する際には、何を伝えたいのかを明確にし、それ以外の情報は排除することが推奨されます。これにより、メッセージが視聴者に伝わりやすくなり、広告のクリック率向上につながる可能性があります。
コツ④:分析を行い改善する
広告のパフォーマンスを向上させるためには、広告が投稿された後の分析と改善が不可欠です。
Google Adsでは、広告の表示回数、クリック数、ビューレートなどの詳細なパフォーマンスデータを提供しています。これらのデータを分析することで、広告の強みと弱点を理解し、必要な改善策を考えることが可能です。
例えば、特定の広告が予想以上に高いクリック率を示していた場合、その広告の成功要因を他の広告にも適用することを検討することができます。逆に、予想以下のパフォーマンスだった広告については、メッセージの改善やターゲティングの見直しを行うことが求められます。
バンパー広告の成功事例3選
事例①:CLINIQUE|紙媒体から切り替えて大きな成果を上げる
化粧品ブランドのCLINIQUEは、紙媒体からデジタル広告へと大きくシフトし、YouTubeのバンパー広告を活用して大きな成功を収めました。
CLINIQUEは、新製品のローンチキャンペーンの一環として、視覚的に鮮やかな6秒バンパー広告を制作しました。広告は製品の魅力を短時間で効果的に伝えるため、ビジュアルが強調され、一番重要なメッセージだけがシンプルに伝えられる形式を採用しました。
この戦略は大成功を収め、広告は見た人々から高い評価を得るとともに、CLINIQUEのブランド認知度の大幅な向上に貢献しました。
また、広告は新製品の購買率を上げる助けとなり、キャンペーン全体のROI(投資対効果)を大幅に向上させました。この成功は、バンパー広告が正確にターゲティングされ、一番伝えたいメッセージが視覴覚的に強調された結果と考えられます。
事例②:明治ブルガリアヨーグルト|商品のファン作りを意識
明治ブルガリアヨーグルトは、商品の魅力をより多くの人に知ってもらうため、YouTubeのバンパー広告を活用しました。その広告戦略の一環として、ブランドは特定のペルソナに焦点を当て、その視点から商品の魅力を伝えるアプローチを取りました。
広告は、鮮やかなビジュアルと一貫したメッセージを通じて、ブルガリアヨーグルトの新鮮さとおいしさを強調しました。また、シンプルだが記憶に残るストーリーテリングを用いて、視聴者に強い印象を与えることに成功しました。
この広告戦略は大きな成功を収め、広告を見た人々の間でブランド認知度が大幅に上昇しました。さらに、明治ブルガリアヨーグルトの購入意欲を高める効果もあり、その結果、広告のROIは大幅に向上しました。
事例③:adidas|ユーザーの気持ちに寄り添った広告
スポーツブランドのadidasは、YouTubeのバンパー広告を活用してユーザーとのつながりを深める戦略を展開しました。特定の商品やキャンペーンを宣伝するのではなく、スポーツとともに過ごす生活の魅力を伝えることに焦点を当てました。
adidasのバンパー広告は、人々がスポーツを楽しむ様子を描いており、それがadidasの製品とどのように関連しているのかを示しています。この広告戦略は、視聴者に共感を呼び起こすことで高いエンゲージメントを得ることに成功しました。
これらの成功事例から分かるように、バンパー広告は様々な形で効果的に活用することができます。その鍵となるのは、一番伝えたいメッセージを明確にし、それをビジュアルとストーリーテリングで効果的に伝えることです。
まとめ
この記事では、YouTubeのバンパー広告について、効果的な作り方のコツや出稿方法、成功事例について解説しました。
バンパー広告は短い尺とスキップ不可という特徴から、「認知拡大」を目的に活用されることが多いです。しかし、視聴者が製品やサービスに関心を持たない限り、単に視聴者の時間を無駄にするだけです。そのため、広告の内容に対して視聴者の興味を引く工夫が必要です。
例えば、ストーリー性のある内容を盛り込む、特典を提供する、独自性を印象付けるなどの方法があります。また、注意を引きつけるキャッチコピーや豊富な視覚効果を活用することも重要です。
バンパー広告は、正しいコツや出稿方法を実践することで、効果的な広告手段になることができます。