ウェブサイトを管理していると、さまざまな理由で「まったく同じ」または「非常に似た」ページのコンテンツを作成する場面に出くわすことがあるかと思います。
こうした重複したコンテンツは、そのままにしておくといずれSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
そのために必要なのが「canonical(カノニカル)」という考え方です。
この記事では、カノニカルとは何か、適用すべき状況、設定時の留意点について解説します。
カノニカルとは何?
「canonical(カノニカル)」は、元の状態や最も標準的な形式を指す用語です。
情報技術やコンピュータ関連で頻繁に使用されます。
一般的には、以下のような意味や用途で「canonical」が使用されます。
1.URLのカノニカル化
ウェブページやコンテンツのURLが複数のバリエーション(例:www.example.comとexample.com)でアクセスできる場合、検索エンジンによる重複コンテンツの判定を避けるために、特定のバージョンをカノニカルなバージョンとして指定することがあります。
2.カノニカルURL
ウェブページのカノニカルバージョンを示すためのHTMLタグ(<link rel=”canonical”>)を使用して、特定のURLが元となるバージョンであることを指定することがあります。
3.カノニカルデータモデル
データモデリングにおいて、ある情報源やデータセットを元として、他の派生したデータセットや情報源を統合する際に、元となるものを「カノニカルデータモデル」として位置付けることがあります。
4.カノニカルフォーム
数学や物理学などの分野で、特定の問題や表現を最も基本的で一般的な形式に変換することを指す場合もあります。
「Canonical」は、元となるものや標準的な形式を強調する言葉であり、コンピュータ科学や関連する分野で広く使用されています。
カノニカルを使うケースとは?
カノニカル(canonical)を使うケースについて説明します。
1.重複コンテンツの管理
ウェブサイト内でほぼ同じコンテンツが複数のURLで提供されている場合、検索エンジンはこれを重複コンテンツとして扱う可能性があります。このような場合、カノニカルを使用して、正確なバージョンを示し、検索エンジンが正しいバージョンをインデックスするのを助けます。
2.異なるページが似た内容を持つ場合
類似した内容を持つが異なるコンテンツが複数存在する場合、カノニカルを使ってどのページが主要なバージョンであるかを明確に示すことができます。これにより、検索エンジンは主要なコンテンツを優先的に評価することができます。
3.パラメータを使用したURLの重複
ウェブサイト内でURLパラメータ(例:ページ番号、ソートオプション)が異なるだけの類似ページが複数存在する場合、カノニカルを設定することで、同じコンテンツの異なるバリエーションを1つのカノニカルURLにまとめることができます。
4.ウェブサイトのコピーが複数存在する場合
他のウェブサイトからコンテンツをコピーして使用している場合、検索エンジンは元のウェブサイトを主要なコンテンツとみなすことがあります。カノニカルを使用して、元のコンテンツが主要であることを明示することが重要です。
これらのケースでは、カノニカルを適切に使用することで、検索エンジンのクローリングとインデックスが最適化され、ウェブサイトのSEOパフォーマンスが向上する可能性があります。
ただし、カノニカルの適切な設定は慎重に行う必要があります。
カノニカルを使う際の注意点
カノニカル(canonical)を使用する際の注意点について説明します。
正しく設定されない場合、カノニカルが逆に問題を引き起こす可能性があるため、以下のポイントに注意しましょう。
1.正確なカノニカルURLの指定
カノニカルタグに指定するURLは、実際に正確なバージョンを指すものである必要があります。誤ったURLを指定すると、検索エンジンが誤ったバージョンを優先的に評価する可能性があります。
2.一貫性の維持
ウェブサイト内のすべてのページに対してカノニカルタグを適用するかどうかを決定し、一貫性を維持することが重要です。カノニカルが一部のページにしか適用されていない場合、混乱や誤解を招く可能性があります。
3.内部リンクの更新
カノニカルを設定する場合、ウェブサイト内の内部リンクもカノニカルバージョンを指すように更新する必要があります。これにより、ユーザーが正しいコンテンツにアクセスすることができます。
4.異なる言語や地域のコンテンツ
異なる言語や地域向けに同じコンテンツのバージョンを提供している場合、カノニカルを使用する際に適切な言語や地域のコンテンツを指定することが重要です。
5.カノニカルの乱用を避ける
カノニカルを過度に使用することは避けるべきです。重複コンテンツが少なく、実際に問題を引き起こさない場合は、カノニカルの使用を控える方が良いこともあります。
6.カノニカルと301リダイレクトの組み合わせ
ウェブページのURLを変更し、同時にカノニカルタグを使用する場合、301リダイレクトも併用することを検討することがあります。これにより、旧URLから新URLへのリダイレクトとカノニカル指定が効果的に行われます。
まとめ
カノニカルは重複したページが存在する際に、正規URLを検索エンジンに示すタグのことです。
意図しない重複ページが多数生成されているケースなど、様々なケースが想定されます。
カノニカルは正確な設定と一貫性の保持が、効果を最大限に引き出すために重要です。
ウェブサイトのSEOを向上させるために、慎重にカノニカルを設定するよう心掛けましょう。