スマホ最適化の3大手法|レスポンシブデザインを中心に完全ガイド

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

近年、スマートフォンの利用者数が増加し、多くの人々が日常的にスマホを使用してWebサイトを閲覧しています。

この変化を受けて、Webサイトのスマホ対応はもはやオプションではなく、必須の要件となっています。しかし、どのようにしてWebサイトをスマホ対応にすれば良いのか、迷っている方も多いでしょう。

この記事では、Webサイトのスマホ対応の方法を3つ紹介し、特に注目の「レスポンシブデザイン」についても詳しく解説します。

Webサイトのスマホ対応とは何か

Webサイトのスマホ対応、別名「スマホ最適化」とは、Webサイトをスマートフォンでの閲覧に適した形にすることを指します。

具体的には、スマートフォンでWebサイトを開いた際に、ユーザーが違和感なく、ストレスなく閲覧できる状態を指します。

スマホに対応していないサイトの特徴

スマホに対応していないWebサイトは、スマートフォンでの閲覧時に違和感が生じることが多いです。

具体的には、文字や画像が小さく表示されたり、ボタンやリンクを正確にタップできなかったりします。

また、一般的な誤解として「スマホで表示できるだけでスマホ対応」と思われることがありますが、これは正しくありません。スマホでの表示が可能でも、ユーザーがストレスなく閲覧できる状態でなければ、真のスマホ対応とは言えません。

スマホ対応のサイトの特徴

スマホ対応サイトは「モバイルフレンドリー」とも呼ばれ、スマートフォンでの閲覧が快適であることを意味します。

具体的には、画面サイズに応じてレイアウトが自動的に調整され、文字や画像が適切な大きさで表示されます。また、ボタンやリンクもタップしやすく、ユーザーが迷わず操作できるようになっています。

このようなスマホ対応サイトは、ユーザーがストレスなく情報を得られるため、訪問者の満足度が高まり、コンバージョン率の向上にも寄与します。

【間違えやすい】スマホでの表示ができているだけでは、スマホ対応とは言えない

一般的な誤解として、「スマホでWebサイトが表示されるから、それはスマホ対応されている」という考えがありますが、これは必ずしも正しくありません。

スマホで表示できるだけで、実際にはユーザー体験が悪い場合も多いのです。スマホ対応とは、ユーザーがスマホでサイトを閲覧する際に、最適な表示や操作性を提供することを意味します。

自社サイトがスマホ(モバイル)対応かの確認方法

スマートフォンの利用が増加する中、企業のWebサイトもスマホ対応が必須となっています。しかし、「スマホで閲覧できる」だけでは、真のスマホ対応とは言えません。では、自社のWebサイトが本当にスマホ対応しているのか、どのように確認すればよいのでしょうか。

モバイルフレンドリーテストを使用してカンタン確認

Googleが提供する「モバイルフレンドリーテスト」を使用することで、自社のWebサイトがスマホ対応しているか簡単に確認することができます。

モバイルフレンドリー確認URL

https://search.google.com/test/mobile-friendly?hl=ja

このテストは無償で利用でき、サイトのURLを入力するだけで、モバイルフレンドリーかどうかの結果が表示されます。スマホ対応の確認は、このツールを活用して定期的にチェックすることをおすすめします。

スマホ対応にすべき理由

近年、スマートフォンの利用が増加しており、多くの人々が日常的にスマホを使用してWebサイトを閲覧しています。

このような背景から、企業のWebサイトがスマホ対応しているかどうかは、そのビジネスの成功に直結する重要な要素となっています。

スマホ対応のWebサイトは、ユーザーにとって使いやすく、情報を効率的に伝えることができるため、コンバージョン率の向上やブランドイメージの向上にも寄与します。

スマホ最適化によりコンバージョンを率を高める

スマホ最適化は、Webサイトのコンバージョン(例: お問い合わせ、購入など)の向上に大きく関わります。

Googleは2018年からモバイルファーストインデックスの採用を始め、Webサイトの評価基準がスマホ表示にシフトしています。スマホ対応のサイトは、ユーザーがストレスなく情報を取得できるため、サイトの滞在時間が延び、結果的にコンバージョンの機会も増えるのです。

BtoCだけじゃない!BtoBもスマホ対応が求められる

BtoC企業だけでなく、BtoB企業にとってもスマホ対応は非常に重要です。

ビジネスの現場で、取引先や競合の情報をスマホでチェックするビジネスパーソンは増えています。

そのため、BtoB企業のWebサイトもスマホでの閲覧が前提となっており、モバイルフレンドリーなサイトは、ビジネスチャンスの拡大や信頼性の向上に寄与します。

スマホ対応にする方法3選

スマートフォンの普及に伴い、Webサイトをスマホ対応にすることは必須となっています。ユーザーがスマホでサイトを閲覧する際に、快適な閲覧体験を提供するためには、サイトのスマホ対応が欠かせません。

ここでは、Webサイトをスマホ対応にするための3つの方法を紹介します。

方法①:​​レスポンシブデザインを採用

レスポンシブデザインとは、1つのHTMLを基にして、デバイスの画面サイズや解像度に応じてレイアウトやデザインが自動的に調整される技術のことを指します。

この方法を採用することで、PC、タブレット、スマホなど、さまざまなデバイスでの表示を最適化することができます。

レスポンシブデザインを採用することで、ユーザーはどのデバイスを使用しても、サイトの内容を快適に閲覧することができます。

方法②:自動変換ツールを利用

企業サイトがすでに存在する場合、自動変換ツールを使用して、スマホに適した表示に変換することができます。

自動変換ツールのサービスは、Webサイトの規模に応じて複数存在しますが、共通点として、サイト制作の基本的な知識が一定以上必要であること、および月額料金が発生することが挙げられます。

また、月額料金が比較的低いサービスでは、デザインの自由度が低いことが多いので注意が必要です。

自動変換ツールの例

Mobify(モビファイ)

・特徴: Googleの評価が高い

・料金: 高め

・サイトの規模: 中規模サイト

shutto(シュット)

・特徴: 操作が簡単かつスピーディーに変換可能

・料金: 低め

・サイトの規模: 小〜中規模サイト

自動変換ツールを使用する際の注意点として、サイト制作の基本的な知識が必要であること、月額料金が発生すること、およびデザインの自由度に関する制限があることを考慮する必要があります。

WordPressユーザーはプラグインがおすすめ

WordPressを利用している場合、スマホ対応を簡単に実現するためのプラグインが多数提供されています。

これらのプラグインを活用することで、手軽にスマホ対応のサイトを構築することができます。プラグインを使用することで、専門的な知識がなくても、簡単にスマホ対応を実現することができます。

レスポンシブデザインのメリット

レスポンシブデザインは、現代のWebデザインのトレンドとして注目されています。その理由は、多くのメリットがあるからです。以下、その主なメリットを3つの見出しで詳しく解説します。

メリット①:運用と管理の効率を向上できる

レスポンシブデザインの最大の特徴は、1つのHTMLソースで構築されることです。

これにより、サイトの更新や改修を行う際、1つのHTMLソースだけを編集することで、PC、スマホ、タブレットなどの異なるデバイスに対応した表示を実現できます。これは、運用と管理の効率を大きく向上させる要因となります。

メリット②:コスパが良い

レスポンシブデザインの導入には初期投資が必要ですが、中長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。

特に、運用と管理の手間が軽減されることで、継続的なコストを削減することが可能です。また、サイトの更新や改修が効率的に行えるため、人材や時間のリソースも節約できます。

メリット③:SEO対策ができる

Googleはレスポンシブデザインを推奨しています。

その理由は、ユーザビリティが高いからだけでなく、Googleクローラのクロールが1度で済むという効率性も背景にあります。また、PCとモバイルでのコンテンツやマークアップが統一されていることが、検索エンジンでの評価を向上させる要因となります。

レスポンシブデザインのデメリット

レスポンシブデザインは、多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、その主なデメリットについて詳しく解説します。

デメリット①:追加の手間がかかる

レスポンシブデザインの導入は、通常のサイト制作と比べて手間と工数が増加します。

特に、CSSが複雑になるため、端末ごとの特性に合わせたデザインを作成し、それをHTMLファイルに組み込む工程が必要となります。このため、制作期間が長くなることも考慮する必要があります。

デメリット②:表示速度が遅くなる場合も

レスポンシブデザインでは、PCとモバイルが同一のソースを利用するため、読み込みに時間がかかることがあります。

特に、画像やコンテンツが多いサイトでは、表示速度の低下が懸念されます。また、閲覧者のスマホのスペックが低い場合も、読み込み速度が遅くなるリスクが高まります。

デメリット③:全ての端末に特化したデザインは厳しい

レスポンシブデザインは、多様なデバイスでの表示を一つのソースコードで対応するため、端末ごとに最適化されたデザインを追求することが難しくなります。

特定の端末に特化したデザインを採用したい場合や、ページごとに独自のデザインを取り入れたい場合は、レスポンシブデザインの制約を感じることがあるでしょう。

Webサイトのレスポンシブデザインは独自で設定可能か?

レスポンシブデザインは、WebサイトのデザインがPC、スマホ、タブレットなどの異なるデバイスの画面サイズに合わせて自動的に調整される技術を指します。

この技術を採用することで、ユーザーはどのデバイスからアクセスしても、ストレスなくサイトを閲覧できます。しかし、自分でレスポンシブデザインを導入するには、一定の知識と技術が必要です。

自分で実装するならWordPressが便利

WordPressは、Webサイト制作の管理ツールとして非常に人気があります。

このツールはオープンソースのソフトウェアであり、サーバーとドメインを準備するだけで、無料で利用することができます。WordPressには、レスポンシブデザインを簡単に導入できるプラグインが多数存在します。例えば、「WPtouch」という無料のプラグインを利用すると、サイトが自動的にデバイスに合わせて表示を切り替えてくれます。

初心者は専門家に相談がおすすめ

もちろん、自力でレスポンシブデザインを導入することは可能ですが、初心者の方が挑戦するには難易度が高い場合があります。

特に、デザインの調整や技術的な問題が発生した際の対応が難しいことが考えられます。そのため、安全かつ確実にレスポンシブデザインを導入したい場合は、専門のデザイナーや開発者に依頼することをおすすめします。

スマホ対応を外注するコスト

企業のWebサイトをスマホ対応(レスポンシブデザイン)にする際の費用は、サイトの現状によって大きく変動します。例えば、このようなシチュエーションが考えられます。

①新たにサイトを立ち上げる場合
②すでに存在するサイトをレスポンシブデザインにアップデートする場合
③サイトのリニューアルの際に、レスポンシブデザインを取り入れる場合

これらのシチュエーションごとに、必要な作業や費用は異なります。

さらに、ページの数やサイトのカテゴリー、規模、そしてコンテンツの量や種類によっても異なります。

スマホ対応のWebサイト制作は、PC専用のサイト制作と比べて、より多くの工数や手間が必要となります。そのため、PC版のサイト制作と比較して、約1.5倍から2倍の費用がかかることが一般的です。

制作業者やエージェンシーによっても価格設定は様々ですので、複数の業者から見積もりを取得することで、適切な価格を把握することができます。

スマホ対応にする際の注意点

スマートフォンの利用が増加する中、企業のWebサイトもスマホ対応が必須となっています。

しかし、スマホで閲覧できるだけが「スマホ対応」とは言えません。実際にユーザーがストレスなく閲覧できる状態、すなわち「モバイルフレンドリー」の状態を目指す必要があります。

注意点①:デベロッパーツールでの表示確認が必要

Webサイトをスマホ対応にする際、デザインやレイアウトだけでなく、実際の表示状態を確認することが重要です。

デベロッパーツールを活用することで、異なるデバイスや画面サイズでの表示をシミュレートし、実際のユーザー体験を確認することができます。

これにより、意図しないレイアウト崩れや表示エラーを事前に検出し、修正することが可能となります。

デベロッパーツールは、主要なブラウザに組み込まれている機能で、Webページの要素やスタイル、スクリプトなどを確認・編集できるツールです。

表示方法はブラウザによって異なりますが、一般的にはブラウザのメニューから「開発者ツール」や「デベロッパーツール」を選択することでアクセスできます。

【デベロッパーツール表示方法】

Windowsの場合ショートカットキー「Ctrl+Shift+i」ファンクションキー「F12」
Macの場合ショートカットキー「⌘+Option+i(Mac)」

注意点②: デベロッパーツールはブラウザによって異なる

各ブラウザは独自のデベロッパーツールを持っており、その機能やインターフェースは異なります。

例えば、Google Chromeのデベロッパーツールは非常に高機能で、多くの開発者に利用されています。

一方、FirefoxやSafariも独自の強力なツールを提供しています。使用するブラウザや目的に応じて、最適なデベロッパーツールを選択し、活用することが求められます。

まとめ

スマホ対応のWebサイトは、ユーザーエクスペリエンスの向上やSEOの観点からも非常に重要です。

提供した3つの方法を通じて、様々なデバイスでの閲覧に適応するサイトを構築することができます。特にレスポンシブデザインは、一つのコードで多様なデバイスに対応するため、効率的かつ効果的な方法として多くのサイトで採用されています。

Webサイトをスマホ対応にすることで、より多くのユーザーにアクセスしてもらい、ビジネスの成功に繋げることができます。