Cookie(クッキー)の仕組みと使い方をシンプル解説!

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

Webを使っていると、一度ログインすると何度もログイン情報を入力しなくて済んだり、ショッピングカートに入れた商品が次回にも残っていたり、さまざまな便益があります。これらの便益は、Cookieと呼ばれる仕組みが提供しています。

しかし、最近ではEUでのGDPR導入や、Cookieが個人データとみなされることから、Cookieに対する見方が変わりつつあります。この記事では、Cookieの特性や役割について分かりやすく解説します。

Cookieの定義

Cookieは、ウェブサイトが訪問者の情報を一時的に保存し、利用するためのテクノロジーです。

具体的には、ウェブサイトにアクセスしたユーザーがログイン情報を一度入力すると、次回以降の訪問時に再びログイン情報を入力せずにサイトにアクセスできるようになります。これにより、便利なユーザーエクスペリエンスが提供されます。

また、Cookieは非会員の場合でも、ショッピングカートに追加された商品などを一時的に保存するのに役立ちます。つまり、ウェブサイトの使い勝手を向上させ、ユーザーによりスムーズな体験を提供するのに一役買っています。

Cookieのメリット

Cookieはウェブサイトに多くの利点をもたらします。主なメリットは以下の通りです。

  1. ログイン情報の維持: Cookieはユーザーがサイトにログインした情報を一時的に保存し、再訪時に再度ログインする手間を省きます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上します。
  2. カートの内容保存: オンラインショッピングサイトでは、Cookieがカート内の商品情報を保持します。会員でないユーザーでも商品をカートに入れたままにでき、スムーズなチェックアウトができます。
  3. パーソナライズされたコンテンツ: Cookieを使用することで、ウェブサイトはユーザーの過去の行動に基づいてコンテンツをカスタマイズできます。ユーザーエンゲージメントを向上させます。
  4. ウェブトラフィックの解析: Cookieはウェブトラフィックのデータ収集に使用され、ウェブサイトのパフォーマンスを評価するのに役立ちます。アクセス解析を通じて、サイトの改善点を特定できます。
  5. セッション管理: Cookieはユーザーセッションを管理し、ウェブサイトの安全性を向上させます。特に、オンラインバンキングやセキュアなトランザクションサイトでは、セッションの安全性を確保するために重要です。

これらのメリットにより、Cookieはウェブサイトの機能性やユーザーエクスペリエンス向上に貢献し、効果的なオンラインプレゼンスの構築に不可欠な要素となっています。

Cookieのデメリット

Cookieは便利な一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下はCookieの主なデメリットです。

  1. プライバシーへの懸念: Cookieはユーザーのウェブ活動を追跡し、情報を保存します。一部のユーザーはこれをプライバシー侵害と見なすことがあり、プライバシーへの懸念が生じることがあります。
  2. セキュリティリスク: 不正なCookieが悪意あるウェブサイトによって使用されることがあり、セキュリティリスクを引き起こす可能性があります。個人情報が盗まれたり、詐欺行為に巻き込まれるリスクが生じます。
  3. ユーザーエクスペリエンスの混乱: 一部のウェブサイトでは、Cookieの過度な使用により、ユーザーエクスペリエンスが混乱することがあります。たとえば、広告の過剰なターゲティングや、ログイン情報の誤った共有などが挙げられます。
  4. EUの規制 (GDPR): 欧州連合(EU)では、Cookieに関する厳格なプライバシー規制であるGDPR(一般データ保護規則)が導入され、Cookieの使用制限が設けられました。ユーザーに対する透明性と選択権が重要視されています。
  5. 広告過剰: Cookieを使用した広告ターゲティングが過剰に行われることがあり、ユーザーに広告の過剰表示をもたらす可能性があります。

これらのデメリットを考慮することで、ウェブサイト運営者はCookieの使用を検討し、プライバシーやセキュリティに対する配慮を重視する必要があります。

Cookieをオンにしても大丈夫?

Cookieを有効にすることにはいくつかのプライバシー上の課題が関連しています。

プライバシーの侵害

Cookieの力で、個々のユーザーが特定され、そのオンライン活動が追跡されることが可能です。これにより、広告主はユーザーに合わせた広告を表示し、ターゲティング広告を効果的に行えるメリットがあります。

しかし、ユーザーのプライバシーを侵害する可能性もあるため、懸念が高まっています。

ブラウザの制限

一部のウェブブラウザ(例:Safari)は、プライバシー保護のためにサードパーティCookieの取得を制限する設定を導入しています。

また、多くのブラウザはCookieのブロック設定を提供しており、ユーザーは自身のプライバシーを保護するためにこれらの設定を活用しています。

これらの要因を踏まえ、Cookieをオンにする際には、プライバシーとセキュリティの保護に十分な注意を払うことが重要です。もし不安を感じる場合、以下の方法でCookieを削除またはブロックすることができます。

Cookieのオン/オフ設定と削除手順

Cookieをオン/オフにする手順

Cookieのオン/オフ設定を行う手順は以下の通りです。

1.右上をクリックし、「設定」を選択します。

2.左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択し、「サイトの設定」を選択します。

3.「サードパーティ Cookie」を選択します。

3.希望の設定オプションを選択します。

これで、Cookieのオン/オフ設定が完了しました。

Cookieの削除の手順

ChromeブラウザでCookieを削除する手順は以下の通りです。

1.パソコンで Chrome を開きます。

2.右上をクリックし、「設定」を選択します。

3.「プライバシーとセキュリティ」「サードパーティ Cookie 」をクリックします。

4.「すべてのサイトデータと権限を表示」をクリックし、「データをすべて消去」をクリックします。

5.「すべてのデータを削除」をクリックします。

これで、Cookieの削除が完了しました。

スマートフォンにおけるCookieの設定と削除方法

デスクトップと同様の設定で削除が行えます。

Cookieのメカニズム

ウェブページへのアクセス時、ブラウザはWebサーバーからCookieを受け取り、それをブラウザ内に保存します。このCookieには、ユーザーに関する情報や設定が含まれています。

次に、同じウェブサイトを再訪問する際、ブラウザは保存されたCookieをWebサーバーに送り、サーバー上のユーザーアカウントや設定と関連付けます。これにより、再訪の際にユーザーが同じであることが確認され、個別の体験が提供されます。

Cookieのメカニズムは、一般的には会員カードに例えられます。会員カードには会員の識別情報や過去の利用履歴が記録されており、これにより店員が顧客を認識し、適切なサービスを提供できます。

また、Cookieと似た単語に「キャッシュ」がありますが、これらは異なる概念です。キャッシュは、一度アクセスしたウェブページのデータを一時的に保存し、再訪時にページを迅速に読み込む役割を果たします。

Cookieとキャッシュの主な違いは、保存される情報の種類です。Cookieはユーザーの入力情報や設定を保持するのに対し、キャッシュはウェブページのデータを一時的に保持します。この違いに注意が必要です。

Cookieの内部構造

Cookieは通常、次の要素から構成されています。

  1. 名前(Name):Cookieの識別に用いられる名前。ウェブサイトがCookieを識別するために名前を指定します。例えば、「user_id」など。
  2. 値(Value):Cookieに関連付けられた具体的なデータや情報。名前と対応づけられ、識別名の値を保持します。例えば、「12345」など。
  3. 有効期限(Expiration):Cookieが有効な期間を示すタイムスタンプ。期限が切れたCookieは自動的に削除されます。
  4. ドメイン(Domain):Cookieが送信されたドメイン(ウェブサイト)を示します。特定のドメイン内でのみCookieが有効であることを指定します。
  5. パス(Path):Cookieが有効であるURLのパス。特定のページやディレクトリ内でのみCookieが有効であることを指定します。
  6. セキュア(Secure):この属性が設定されたCookieは、HTTPS接続を使用している場合にのみ送信されます。セキュリティ向上に寄与します。
  7. HttpOnly:この属性が設定されたCookieは、JavaScriptからのアクセスを禁止し、セキュリティを向上させます。

Cookieはこれらの要素から成り立っており、ウェブサイトとブラウザ間でデータをやり取りするのに利用されます。ウェブサイトはこれらのCookieを生成し、ブラウザはそれを保存して必要な情報を保持します。

Cookieの期限設定

Cookieの期限設定は、Cookieがブラウザ内で有効である期間を指定するものです。期限設定を行うことにより、Cookieは指定した期間内に限定してブラウジングデータを保持し、期限が切れると自動的に削除されます。Cookieの期限は、セッションCookieと永続Cookieの2つの主要な種類があります。

  1. セッションCookie:
    • セッションCookieは、ブラウザが開かれている間だけ有効です。ユーザーがウェブサイトにアクセスしてブラウザを閉じると、セッションCookieは自動的に削除されます。
    • セッションCookieは、一時的な情報やセッション管理に使用されます。たとえば、オンラインストアでショッピングカート内の商品を保持するのに使用されます。
  2. 永続Cookie:
    • 永続Cookieは、期限を指定して設定され、指定した期間にわたって有効です。ブラウザを閉じても、再度開いても保持されます。
    • 永続Cookieは、ユーザーの設定状態やログイン情報の保存に使用されます。たとえば、サイトの「ログイン状態を保持する」オプションは、永続Cookieを使用しています。

Cookieの期限は、ウェブサイトの開発者が設定できます。通常、期限は日数や特定の日付を指定して設定されます。たとえば、30日間有効な永続Cookieを設定することで、ユーザーは30日間ログイン情報を保持できます。

期限切れのCookieは、ブラウザに残り続けることなく削除されます。したがって、ユーザーのプライバシーとセキュリティを保護するために、期限設定は慎重に行われるべきです。

2038年問題として知られる、ブラウザが2038年以降の日付を認識できなくなる問題が存在するため、現状では2038年までの期間設定が上限となります。

Cookieのカテゴリ

引用:AD EBiS

Cookieには大きく分けて、【1st party Cookie】と【3rd party Cookie】の2つのタイプが存在します。

特徴1st party Cookie3rd party Cookie
データの収集先同じウェブサイトからのみ収集別のウェブサイトからも収集可能
利用用途同じウェブサイト内でのみ利用複数のウェブサイト間で利用可能
扱う情報主にユーザーに関する情報広告ターゲティングに利用される
プライバシーへの影響通常、ユーザーに対する影響少ないクロスサイトトラッキングの可能性あり
ユーザーコントロールブラウザの設定で制御可能ブロックするための対策が必要

1st party Cookieとは?

1st party Cookie(ファーストパーティクッキー)とは、ウェブサイトを訪れたユーザーのブラウザに、そのウェブサイトから送信される小さなデータファイルのことです。このCookieは、ユーザーが同じウェブサイトに再度訪れた際に、ユーザーの情報や設定を保持し、ウェブサイトのパーソナライズや機能向上に役立ちます。

1st party Cookieは、通常、ウェブサイト運営者自身が設定し、利用者の体験向上やサイトの正常な動作に貢献します。ユーザーは通常、ブラウザの設定で1st party Cookieの受け入れやブロックを管理できます。

3rd party Cookieとは?

3rd party Cookie(サードパーティクッキー)とは、ウェブサイトを訪れたユーザーのブラウザに、そのウェブサイト以外から送信される小さなデータファイルのことです。

通常、3rd party Cookieは、広告ネットワークや外部のトラッキングサービスによって設定され、異なるウェブサイト間で情報を共有したり、広告をターゲット化したりするのに使用されます。

例えば、特定の広告主が異なるウェブサイト上でユーザーを追跡し、興味に合った広告を表示するために3rd party Cookieが利用されることがあります。ユーザーはブラウザの設定で3rd party Cookieを受け入れるか拒否することができます。

3rd party Cookieは、プライバシーに関する懸念を引き起こすことがあるため、関連する規制や制限も存在します。

Cookieとプライバシー

近年、個人データの収集と利用に関するプライバシー問題が注目されています。この中で、Cookieの利用に対する批判や懸念が増加しています。

Cookieを使用することで、ユーザーのウェブ上の行動を追跡し、パーソナライズされた広告やコンテンツを提供することが可能になります。しかし、同時に、ユーザーの個人情報がどのように収集、利用、共有されるかについての透明性に疑念が生まれています。

GDPR(General Data Protection Regulation)やCCPA(California Consumer Privacy Act)などの法律が、ユーザーのデータ取り扱いに関するガイドラインを提供しています。これらの法律により、ユーザーは自分のデータにアクセスしたり、削除したりする権利を持っており、企業やウェブサイト運営者はこれらの権利を尊重し、適切に対応する必要があります。

ユーザーとしては、ブラウザの設定でCookieの許可やブロックを制御することができるほか、特定のプラグインを利用して追跡を防ぐ方法もあります。自身のプライバシーを守る手段が増えた一方で、Cookieに関するプライバシーへの懸念も高まっています。

Cookieの利用方法

Cookieは数多くのシチュエーションで使用されています。その主な利用方法を解説いたします。

アクセスのトラッキングとユーザーの分析

Cookieはウェブサイトの訪問者のアクティビティをトラッキングし、分析するのに役立ちます。これにより、訪問者の行動パターンや嗜好を理解し、ウェブサイトの改善点を特定することができます。例えば、どのページが最も人気があり、どのコンテンツが訪問者にとって価値があるのかを把握することができます。

広告配信のフォーカスと再ターゲティング

広告主はCookieを使用して、ユーザーに対してターゲット広告を配信し、広告の効果を最大化しようとします。Cookieによって、ユーザーの興味や行動に基づいてパーソナライズされた広告を提供できます。

また、再ターゲティングと呼ばれる手法では、過去にウェブサイトを訪れたユーザーに広告を再表示し、関心を引き続けることができます。

User eXperience(ユーザーエクスペリエンス)の向上

Cookieはユーザーエクスペリエンスの向上にも貢献します。例えば、ウェブサイトがユーザーの設定を覚えておくことで、次回の訪問時には言語設定やログイン情報が自動的に適用されます。これにより、ユーザーはより便利にウェブサイトを利用できます。

また、Cookieはショッピングカートの内容を保存したり、閲覧履歴を提供したりすることで、ユーザーによりカスタマイズされたコンテンツやサービスを提供するのに役立ちます。

まとめ

Cookieのテクノロジーは、Webマーケティングだけでなく、様々なシナリオで役立っており、私たちのオンライン経験に大きな影響を与えています。Cookieを理解し、個人情報の保護と情報の扱いについて常に警戒することが重要です。

私たちのデータとプライバシーを守るために、Cookieの進化を注意深く見守りましょう。

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