2023年の4月からは、Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)、通称YDAが新たな展開を迎えました。この変化は、特にLINEアプリ内での広告配信の領域を大きく広げるもので、なんとトークリストの最も目立つ最上部にまでその波が及びました。
さらに、同年5月17日の水曜日には、LINEファミリーアプリとLINE広告ネットワークがYDAの配信対象として新たに組み込まれたことが発表されました。これは、広告の可視性と到達範囲を一層強化する重要なステップと言えるでしょう。
本稿では、Yahoo!広告とLINEのこのような共同の取り組みによって実現した配信先の拡大と、それに伴うメリットや留意すべきポイントについて、丁寧に解説を進めていきたいと思います。この情報は、デジタルマーケティングの効果を最大限に引き出すために、非常に価値があるものです。より多くのユーザーにリーチし、印象深い広告体験を提供することができるようになるため、ぜひこの機会を最大限に活用しましょう。
トークリスト最上部にも新たに配信が拡大
具体的には、ホーム画面、ウォレットセクション、ニュースのトップ画面など、ユーザーが頻繁に訪れるエリアが広告の舞台となっていました。しかし、最近のアップデートで、これらの領域に加え、トークリストの最上部にも広告の配信が始まったのです。これは非常に興味深い展開であり、多くのマーケターにとって喜ばしいニュースと言えるでしょう。
LINEトークリストだけの成果確認や配信の指定は出来ない
LINEトークリストの最上部は、アプリを開いた瞬間に目に入る非常に目立つ場所です。このため、ここに広告を配信することで、アクティブユーザーの高い関心とエンゲージメントが期待できるわけです。しかし、この新しい配信エリアにおいては、広告の成果をトークリスト最上部だけで独立して評価したり、このエリアのみに配信を限定することはできません。
それでも、LINEアプリ全体を対象とした場合には、広告の配信場所としてこの新エリアを含むことができます。具体的には、プレイスメントリストの作成による意図的な配信や、必要に応じて特定のエリアを除外することが可能です。
LINEアプリを指定する際のURLは以下になります。
- iOS:itunes.apple.com/443904275
- Android:play.google.com/jp.naver.line.android
画像の表示のされ方に注意
配信される広告の画像サイズに関しては、レスポンシブデザインが採用されており、「1:1」や「1.91:1」といった形式の画像がサポートされています。ただし、トークリストの最上部に配信される際には、画像サイズが小さくなりがちで、これが視認性の低下につながる可能性があります。さらに、画像の角が丸く加工されることもあるため、これらの点を考慮することが重要です。
もし画像が縮小された際の視認性が気になる場合は、テキストを含まないバナーや、その他の視覚的工夫を施した広告に変更すること、あるいはLINEアプリ自体をプレイスメントから除外することも一つの選択肢となります。これにより、最適なユーザー体験と広告の効果を両立させることができるでしょう。
LINEファミリーアプリおよびLINE広告ネットワークにも配信拡大
2023年5月17日より、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)、略称YDAの配信範囲が、YDAを既に使用している広告主にとって、特に追加の設定をすることなく、自動的に新たな配信先への広告展開を享受できるようになったことを意味します。この新しい展開の適用は段階的に行われ、2023年6月中旬までに完了することが予定されています。
LINEファミリーアプリは、LINE株式会社が提供するLINEメッセンジャーアプリ以外のアプリ群を指し、「LINE camera」、「LINEマンガ」、「LINE GAME」など、多岐にわたるカテゴリーのアプリが含まれます。また、LINE広告ネットワークは、LINEアプリやLINEファミリーアプリを除く10,000以上のアプリ(2022年8月時点での累計数)にアクセスできる広範囲にわたるモバイルアドネットワークです。このネットワークを通じて、ウェザーニュースやクックパッド、ルナルナといった人気のあるパートナーアプリへの広告配信が可能になります。
LINEアプリだけでなく、そのファミリーアプリや広告ネットワークを通じて、より多くのユーザーへリーチする機会が増加します。
LINEファミリーアプリ/LINE広告ネットワークに限定した成果確認や配信の指定は出来ない
広告配信先の詳細は、「配信先URLレポート」を通じて確認が可能ですが、LINEファミリーアプリやLINE広告ネットワークを経由した具体的な配信の有無を直接確認することはできません。しかし、配信先の全体的な結果を把握することは可能です。
特定のLINEファミリーアプリやLINE広告ネットワークを通じた配信先をカスタマイズしたい場合、5月17日の変更前後で配信先URLに生じた変化を監視し、配信先URLレポートを利用して、必要に応じて除外設定を施すことが推奨されます。このアプローチにより、広告主は自身のキャンペーンのターゲティングをより細かく調整し、効果的な広告配信戦略を実行することができるようになります。
まとめ
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)、略してYDAを利用することで、たとえ広告主が直接LINE広告を利用していなくても、LINEのトークリスト最上部やLINEファミリーアプリ、さらにはLINE広告ネットワークに広告を配信できるようになり、これは広告主にとって新たな顧客層にアプローチする絶好の機会を提供します。このような配信の拡張は、特に新規顧客の獲得を目指している企業やブランドにとって、大きな利点となるでしょう。
なお、YDAを通じた配信では、LINEのトークリスト最上部への配信や、LINEアプリとそのファミリーアプリ/LINE広告ネットワークへの配信を個別に細かく制御することはできない点には留意が必要です。しかし、このような細かい制御ができないにもかかわらず、YDAの自動入札機能や豊富なオーディエンスデータを駆使してLINE関連のサービスにも広告を配信できる点は、非常に魅力的な特徴と言えます。これにより、広告のリーチを効率的に拡大し、さまざまなユーザーに対して自社のメッセージを届けることが可能になります。
加えて、特定の条件下でLINEネットワークへの配信を停止したい場合や、LINEアプリ内で静止画以外の広告フォーマットを活用したいと考えている場合には、直接LINE広告プラットフォームを利用する選択肢もあります。このように、状況に応じてYDAとLINE広告を使い分けることで、より柔軟かつ効果的な広告戦略を展開することが可能です。この戦略的な使い分けにより、最適な広告効果を追求し、企業のマーケティング目標達成に貢献することが期待できます。