効果的なコンテンツマーケティングのためのKPI設定完全ガイド:方法と実践例で成果を最大化

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

KPIを設定しているけれど、実際の成果に結びついているか疑問に感じることはありませんか?KPIの種類が多すぎて、どれを選ぶべきか迷っている方もいるでしょう。KPIの算出に時間を取られ、コンテンツの企画に専念できないことも…

コンテンツマーケティングにおけるKPIの設定は、多くの方が直面する課題です。本記事では、KPIに頭を悩ませている方々に、効果を最大化するためのKPIの設定方法と運用方法を分かりやすくご紹介します。

コンテンツマーケティング成功のカギを握るKPIの適切な設定

KPIを有効に活用するためには、設定の段階で慎重に考え、適切な選択をすることが肝心です。実際に現場で機能する指標かどうかを考慮し、その設定方法を5つのステップに分けて詳しく解説します。

①コンテンツマーケティングの目的と目標を明確にする

KPIは、マーケティングの目的が適切に達成されているかを数値で確認するための指標です。まずは、自社がコンテンツマーケティングを行う理由と、達成したい目標を明確にしましょう。

目的を定める際は、コンテンツマーケティングを始めた背景や直面している課題を再度振り返り、定性的な内容で設定します。

目標設定では、目的が達成された状態を具体的にイメージし、可能な限り数値化して明確にします。以下に具体例を挙げてみましたので、是非参考にしてみてください。

②目標達成に必要な指標を考える

目的と目標が定まったら、それを達成するために必要な指標を考えます。

初期段階では、幅広い指標を考え、後で絞り込むことになりますので、まずは可能な限り多くの指標を洗い出しましょう。チームで共同作業を行うのも効果的です。具体的な指標については、この記事の後半部分で詳しく触れていますので、ぜひご一読ください。

③指標の優先順位を定める

多くの指標が思いつくと思いますが、次はその中から最も重要な指標を選び出すために、優先順位を決めます。

目的達成に直接関連する指標や、戦略の修正に役立つ指標に優先順位をつけましょう。

判断が難しい指標は一旦低い優先度で扱い、他の指標と比較しながら検討を進めます。

④実際に運用可能な指標を選ぶ

優先順位が明確になったら、実際に運用できる指標に絞り込みます。この際、「集計方法が明確か」と「集計対象の指標の数が適正か」が重要な判断基準となります。

指標の内容によっては、社内システムの制約で集計が困難な場合もあります。例えば、ページの「滞在時間」を指標に設定する場合は、ヒートマップツールの利用やタグ設置の工数を考慮する必要があります。

また、誰がどのように数値を出すのか、現在の人員体制で定期的な集計や報告が可能かどうかも考慮してください。特に人員が限られている場合は、時間とリソースの効率的な活用が必要です。

⑤絞り込んだ指標にKPIを設定

最終的に選んだ指標に対して、具体的な数値目標を設定しましょう。①で立てたマーケティングの目標から逆算し、達成すべき状態とその期限を明確にします。

「どのような状態を目指すか」だけでなく、「いつまでに達成するか」も大切な要素です。具体的な期限を設定し、目標達成に向けての具体的なステップを計画します。

KPI設定の際に重要なのは「目的意識」です。KPIは、マーケティングの目的を達成するために必要なものです。単に多くの指標を設定するだけではなく、実際に現場で検証可能な、本当に必要な指標に絞り込むことが大切です。

この記事を通じて、コンテンツマーケティングのKPI設定の方法を理解し、実際の業務に活かしていただければ幸いです。

「KPI」とは何か?その基本を解説

KPIとは、Key Performance Indicatorsの略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。簡単に言うと、これは「最終目標達成に向けた途中段階の数値目標」です。コンテンツマーケティングにおいて、KPIは目指している目的に向かって適切に進行しているかを数値で測り、問題点を早期に発見し改善するための重要な役割を担います。

「KGI」「OKR」「KSF」とは何か?

KPIに似た概念として、いくつかの略語が存在します。それぞれの意味を理解しておくことが重要です。

KGI:Key Goal Indicatorの略で、「重要目標達成指標」と日本語で表されます。KPIが目標達成の途中経過を測る指標であるのに対し、KGIは最終目標を達成するための数値目標を指します。

OKR:Objective and Key Resultの略で、「目標と主要成果」と訳されます。KPIやKGIが100%達成を目指す目標であるのに対し、OKRは達成可能性が50%程度の高い目標を設定することが特徴です。この高い目標を設定することで、個人やチームの能力向上やコミュニケーションの活性化が期待されます。教育やマネジメントにおいて設定されることが多いです。

KSF:Key Success Factorの略で、「重要成功要因」という意味です。事業を成功に導くために必要な要素を指します。例えばコンテンツマーケティングの場合、「市場の動向」「自社の提供価値」「社内体制」などがKSFとして設定され、これらの要因に重点を置くことで事業の設計やKPIの指標が変わってきます。

コンテンツマーケティングにおけるKPI候補指標の紹介

これまでコンテンツマーケティングにおけるKPIの設定方法について解説してきましたが、具体的にどのような指標がKPIとなり得るのでしょうか。このセクションでは、コンテンツマーケティングにおける具体的なKPI候補指標をテーマ別に詳しくご紹介します。

①ウェブサイトや特定ページの閲覧に関する指標

■ユニークユーザー数(訪問者数):特定のサイトやページへの訪問者数を示す指標です。通常、UU(unique user)と略されます。

■アクセス数/セッション数(訪問回数):特定のサイトやページへの訪問回数を示す指標です。例えば、一人のユーザーが複数回サイトを訪れた場合、アクセス数とユニークユーザー数は異なります。

■PV/ページビュー(表示回数):ページが表示された回数を示す指標です。同じユーザーが複数回ページを表示しても、その都度カウントされます。

■離脱率:訪問者がサイトを離れる割合を示す指標です。離脱率が低いほど、ユーザーがサイト内で他のコンテンツも閲覧していることを意味します。

■回遊率:訪問者がサイト内でどれだけコンテンツを閲覧しているかを示す指標です。PV数÷訪問回数で算出されます。

■ページ遷移率:特定のページから別のページへの遷移割合を示す指標です。例えば、特設ページから自社サイトへの遷移効果を測定する際に有用です。

■リテンション率:訪問者が一定期間内に再訪する割合を示す指標です。固定客やファンの獲得に有効な指標と言えます。

②受注や登録、資料請求などの成果関連指標

■CV/コンバージョン(成果件数):サンプルや商品の注文、登録、資料請求などの成果件数を示す指標です。

■CPA(成果獲得単価):1件の成果を獲得するのにかかる費用を示す指標です。成果となる行動や獲得項目によって定義が異なります。

■CPO(受注単価):1件の注文を獲得するのにかかる費用を示す指標です。CPAとは異なり、主に商品注文などの受注に注目します。

■CVR(成果獲得率):訪問者の中で成果を生み出した割合を示す指標です。サイト閲覧者に対する成果の割合を測定します。

■CTC(クリック単価):1回のクリックにかかる費用を示す指標です。広告出稿などの効果測定に使用されます。

■CTR(クリック率):クリックされた割合を示す指標です。特定の広告やリンクがどれだけ効果的かを測定します。

③ブログやSNSでの情報発信関連指標

■記事更新数、投稿数:ブログ記事やSNS投稿の更新回数を示す指標です。コンテンツの量的な側面に注目します。

■シェア数、拡散数:コンテンツがどれだけ共有されたかを示す指標です。SNSなどでの露出や拡散効果を測定します。

■いいね数:SNS投稿についた「いいね」の数を示す指標です。ユーザーの反応や人気度を測定します。

■読者数、友達数、フォロワー数:ブログの読者やSNSの友達、フォロワー数を示す指標です。ユーザーとの繋がりの深さを示します。

■問い合わせ数:サイトへの問い合わせ件数を示す指標です。関心度やニーズの反映を測定します。

■エンゲージメント率:SNS投稿に対するユーザーの反応割合を示す指標です。エンゲージメントの高さを測定します。

これらの指標を適切に設定し、コンテンツマーケティングを効果的に推進することが重要です。

コンテンツマーケティングでのKPI設定後の運用戦略

KPIを設定した後の運用は、単に数値を追跡するだけではなく、その数値をどう活用するかが重要です。コンテンツマーケティングにおけるKPIの効果的な運用方法について、いくつかのポイントをご紹介します。

定期的な解析と数値追跡

KPIの数値を定期的に確認し、進捗状況を把握することが重要です。解析の頻度は、2週間から1ヶ月が理想的です。その際、チーム全体で数値を共有し、課題に対する解決策を検討し実行することが肝心です。分析を後回しにせず、定期的に行うことで、数値に対する意識を高め、課題に迅速に対応できるようになります。

「次の行動」に重点を置く

KPIは目標達成のための数値追跡ツールですが、単に数値を確認するだけではなく、その数値から何を学び、次にどう行動するかが重要です。数値から課題を抽出し、それを解決するための具体的な行動計画を立てることが求められます。

集計・解析の効率化

KPIの集計と解析は、できるだけ効率的かつ簡単に行うべきです。時間と労力を削減し、本来の課題発見や解決策の検討に集中することが重要です。初心者でも使いやすい集計・分析ツールの活用や、自動化ソフトウェアの導入を検討しましょう。

コンテンツマーケティングにおけるKPIの変更と運用方法

コンテンツマーケティングにおいて、KPIは時に変更が必要です。変更する際の適切な方法を解説します。

進行状況や規模に応じたKPIの調整

KPIは、マーケティングの進行や規模の拡大に応じて適切に変更していく必要があります。目標達成に向けての中間目標を適宜調整し、環境の変化に対応していくことが重要です。

目的に沿ったKPIの選定

KPIを変更する際は、マーケティングの目的に沿った指標を選定することが大切です。目的から逸脱しないようにし、必要最低限の指標に絞ることも重要です。

変更内容のチーム共有

KPIを変更した際は、その理由と目標をチームメンバーに明確に共有することが必要です。共有の方法も含め、事前に決めておくと良いでしょう。チーム全体で同じ方向を目指すためには、数値の理解と共有が不可欠です。

これらのポイントに注意しながら、コンテンツマーケティングのKPIを設定し、運用することで、マーケティング活動の成果を最大化することが可能です。

コンテンツマーケティング分析をスムーズにするためのWebツールガイド

コンテンツマーケティングを効果的に進めるためには、様々な指標を追跡し分析することが不可欠です。そのために、データを自動的に計測し分析をサポートしてくれるデジタルツールの利用が重要となります。特に、初心者でも容易に利用できる、おすすめのツールを紹介します。

Webサイトのアクセス解析に最適「Google Analytics(グーグル アナリティクス)」

サイトへの訪問者数やユーザー行動を数値化し分析することに特化しています。URLを設定するだけで無料で使用できる、業界では広く認知されている分析ツールです。

サイトURL:https://analytics.google.com/analytics/web/provision/?hl=ja#/provision

データ解析と改善提案を自動化する「AIアナリスト」

Google Analyticsのデータを基に、分析結果から改善点を導き出してくれるツールです。コンテンツマーケティングにおけるデータ分析から、改善点の提案に至るまで幅広くサポートします。

サイトURL:https://wacul-ai.com/

CMS提供とマーケティングアドバイス「ferret One(フェレットワン)」

このツールでは、Google Analyticsのデータを活用し、分析結果から問題点を見つけ出す支援を行います。コンテンツマーケティングのデータ分析から改善ポイントの提案に至るまで、トータルで支援します。

サイトURL:https://wacul-ai.com/

Webマーケティングの分析と改善に「ferret One(フェレットワン)」

ユーザーの行動をリアルタイムで把握できるヒートマップ解析機能が特徴のツールです。どのページ部分が注目され、どこで離脱が多いかなど、細かい分析が可能で、ウェブサイトの改善に役立ちます。

サイトURL:https://www.ptengine.jp/

SNS分析・運用を効率化する「Social Insight(ソーシャルインサイト)」

SNSマーケティングに力を入れたい場合におすすめです。各SNSでの口コミ調査や競合アカウント分析だけでなく、複数のSNSアカウントを一元管理・運用することができる、SNS特化型ツールです。

サイトURL:https://sns.userlocal.jp/

見出し:まとめ:コンテンツマーケティングの成功への鍵はKPIの理解

これまでコンテンツマーケティングのKPIについて様々な観点から解説してきました。KPIは奥深く、理解するのは複雑ですが、目標達成への進捗を把握する上で極めて重要な指標です。KPIを適切に活用し、コンテンツマーケティングの成功を目指しましょう。