ABM(アカウントベースドマーケティング)が最近注目を浴びています。
個人のターゲットではなく、アカウント=企業単位でのマーケティングを行う考え方になります。
この記事では、ABMの基本的な考え方から、どのような手法で進めるのかなどの具体例や解説を交えながら解説いたします。
ABMとは何か?
ABMとは、アカウント・ベースド・マーケティング(Account Based Marketing)の略です。
BtoBマーケティング手法の一つで、特定の企業をターゲットにした施策を行うというマーケティング手法になります。
ターゲットを絞り込んでアプローチするため、売上に繋がりやすいというメリットがあります。
ターゲットの絞り込みは企業規模や業種といった大まかな分類ではなく、企業名のレベルまでターゲットを絞り込みます。
そのデータをベースにして、売り上げ規模が大きい企業にアプローチするという手法になります。
ABMはまず、ターゲットとする企業の情報収集を徹底して行います。
蓄積されたマーケティング情報と、新規の情報をミックスしてターゲットを選び、アカウントを決定してアプローチする、というのが全体の流れです。
ABMの成功事例
ABMの成功事例を調べると、ほとんどがadobe社の「Marketo」やLandscape社の「uSonar」などの顧客データツールを利用しています。
その上で、アプローチする企業をターゲティングして、ツールからメルマガを発信したり、電話発信リストを作ってテレアポを行ったりして高い制約を生み出すことに成功しています。
日本ではPayPay株式会社、村田製作所がABMの大きな成功事例を持っています。
ABMのデメリットは?
ABMには当然デメリットが存在します。
・自社の商材・サービスが複数ある必要がある
・大手企業をターゲティングしないと売り上げが上がらない
・分析から施策の実施まで時間がかかる
特に自社サービスが一つしかない場合、ABMの導入は難しいと考えておくと良いでしょう。
ABMを実施する5つのステップを解説
では、実際にABMを導入する際の5ステップを紹介します。
ステップ1:ABMの導入必要性を検討する
ABMは全ての企業で通用する手法ではありません。
ABMを検討するのは「ニッチな商材を扱っている」「高単価商材を扱っている」というケースが該当します。
本当に自社にとって必要稼働かを、現状と目標を照らし合わせた上で判断しましょう。
ステップ2:顧客管理ツールを確認する
ABMを導入する必要があると判断したら、現在使用している顧客データツールでABMを導入できるかどうか確認してみましょう。
もしまだ顧客管理ツールを導入していないのであれば、まずはそちらの導入からになります。
日本ではSalesforceが有名ですが、使いやすさの相性があるので、adobe社の「Marketo」やLandscape社の「uSonar」なども検討材料に入れると良いでしょう。
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ステップ3:アカウントリストの作成
顧客システムからターゲットしたデータを元に企業名でアカウントリストを作成します。
リスト作成で重要なのが、自社にとって利益を生み出す企業をピックアップするということです。
以下の点を考慮しましょう。
・売上金額の大きさ
・成約率の高さ
・売上が積み増しできる可能性
・高回数のリピーターになる可能性
ステップ4:アカウントリストからさらにアタックリストを作成
次に、リストアップしたアカウントから決裁者を見つけましょう。
そしてその決裁者の役職などを確認します。
ただし、決裁者のデータがない場合は、改めて電話・DM・訪問でつながりを作っておく必要があります。
最近では FacebookやLinkedinなどでアポイントを取るケースもあるようです。
ステップ5:どの方法でアプローチをするか決定する
アプローチする決裁者を決めたら、どの方法でアプローチをするか決定しましょう。
どのようなコンテンツを作ればその企業の決済者が興味を持つかを検討します。
営業担当とも連携して、その会社の課題が解決できるようなコンテンツを作成しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ABMは、自社の顧客データを企業単位で分析して、利益をもたらしているのはどの会社か?を特定し、その会社の属性と同じ分類の会社をピックアップしてターゲティングする手法です。
この分析には、社内の顧客情報と属性を可視化する必要があります。
そのためのツールを用意する必要があるため、導入するためにはある程度の時間と費用がかかるでしょう。
そして、すべてのBtoBマーケティングにABMの手法が通用するわけではないので、ABMを取り入れる目的と狙いを社内で話し合う必要があるでしょう。