ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを制作するために、共起語を用いてSEO対策をするのが、コンテンツマーケティングの現場では一般的な方法となっています。
共起語とは、ある単語が出現した時に一緒によく使われる単語のことです。
そんな共起語とSEOの関係性について、本記事では詳しく解説しています。
また、共起語を使う際の注意点も紹介するので、記事を参考に、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作しましょう。
共起語とはキーワードとの関連性が高いワードのこと
共起語とは、一言で言うと、特定のキーワードと頻繁に一緒に現れるワード、つまり、キーワードとの関連性が高い単語のことを指します。
これはテキスト分析や自然言語処理、SEO(検索エンジン最適化)などの領域で重要な役割を果たします。
共起語は、検索エンジンがページの内容を理解する手助けとなり、そのページが特定のトピックについて詳細に議論していることを示します。
たとえば、’アップル’というキーワードが文書中に頻繁に出現する場合、それがフルーツのアップルを指しているのか、テクノロジー企業のApple Inc.を指しているのかは共起語によって判断できます。
キーワード「アップル」 | 共起語 | 指している可能性の高い内容 |
アップル | 果物、ジュース、健康 | フルーツのアップル |
アップル | iPhone、Mac、テクノロジー | Apple Inc.(テクノロジー企業) |
‘果物’、’ジュース’、’健康’などの語がアップルと共に出現すると、それはフルーツを指す可能性が高くなります。
一方、’iPhone’、’Mac’、’テクノロジー’などの共起語が出現すれば、Apple Inc.を指している可能性が高くなります。
このように共起語は、文書やウェブページが扱う主題を特定する手段として使用され文脈の理解に不可欠な存在です。
共起語と似たサジェストワードや関連ワードとの違いは?
共起語、サジェストワード、関連ワードは、すべてキーワードと何らかの関係性がある単語を表すために使われますが、その用途と関連性の度合いには微妙な違いがあります。
サジェストワードはキーワードと同時に検索されやすい
サジェストワードとは、あるキーワードを検索する際に、検索エンジンが自動的に提案する、そのキーワードと一緒に検索される可能性が高いワードのことを指します。
これは、他のユーザーが過去にそのキーワードを使って何を検索していたか、というパターンから生成されます。
例えば、「iPhone」を検索すると、「iPhone歴代」や「iPhone 最新」などのサジェストワードが提案されることがあります。
関連ワードはキーワードから連想されるワード
関連ワードとは、特定のキーワードと直接の関連性がある、またはそのキーワードから連想される単語やフレーズのことを指します。
これはキーワードの意味論的な側面を反映しています。
例えば、「カフェラテ」の関連ワードとしては、「カプチーノ 作り方」、「ラテとカプチーノの違い スタバ」、「カフェオレ 作り方」などが挙げられます。
SEO対策と共起語の関連性は?
ここでは、共起語についてさらに理解を深めるために、SEOと共起後の関係についてご紹介します。
共起語はコンテンツの網羅性を評価する基準のひとつ
SEO(検索エンジン最適化)対策における共起語の利用は、非常に重要です。
共起語をうまく用いることで、コンテンツの品質や網羅性を向上させ、検索エンジンがそのページが特定のトピックについて詳しく情報を提供していると認識する可能性を高めます。
たとえば、あなたが”コーヒー豆”に関する記事を書いているとします。
その記事で”アラビカ”や”ロースト”、”ブラジル産”などの共起語を使用すれば、検索エンジンはそのページがコーヒー豆に関する包括的な情報を提供していると判断する可能性が高まります。
これにより、ページの検索エンジンランキングを向上させる可能性があります。
共起語が多い=上位表示ではない
しかし、共起語を多く含むことが自動的に上位表示につながるわけではなく、意識しなくても上位表示されることは可能です。
なぜなら、特定のテーマについて詳しく書くと、自然とそのテーマに関連する言葉(つまり共起語)が文章に含まれるからです。
さらに、検索エンジンは共起語だけを見てコンテンツの質を判断するわけではないのです。それは、ユーザーが何を求めているか、そしてその問題にどれだけ適切に答えられているか、など多くの要素を基に評価されます。
だからこそ、SEOにとって最も重要なのは、「全ての共起語を詰め込んだ文章」ではなく、「ユーザーが何を探しているのかを理解し、それに応える内容」を提供することです。
上位表示のために共起語と一緒に意識したいポイント
ポイント①:適切なキーワードの選定
SEO対策では、選択するキーワードによって大きく影響を受けます。
「高品質なコンテンツを作成しているのに検索結果の上位に表示されない」と行き詰まっている場合は、まずは選んだキーワードが適切かどうかをチェックしてみてください。
キーワードによっては上位表示しにくいものもあります。
例えば、「ワイン おすすめ」のように競合が多く競争率が高いキーワードを選択した場合、初めから1ページ目に表示されることは難しいでしょう。
しかし、「赤ワイン フルーティー フードペアリング」のような特定のニーズに焦点を当てたロングテールキーワードを選べば、上位表示への道は一気に開けます。
自社の商品やサービスと高い関連性を持ち、競合が少ないロングテールキーワードを見つけて、そのキーワードに注力することから始めてみましょう。
SEO対策で共起語を利用するときの注意点
注意点①:無理やり共起語を詰め込まない
共起語の利用はSEO対策において重要ですが、その使用は自然でなければならず、コンテンツの読みやすさや理解しやすさを損なってはなりません。
つまり、無理に共起語を詰め込んだり、文脈に合わない共起語を使用すると、ユーザー体験が損なわれ、最終的には検索エンジンランキングの低下につながる可能性があります。
コンテンツの品質はGoogleなどの検索エンジンが非常に重視する要素の一つです。
そのため、共起語を使用する際は、それが文脈に適したものであり、文章の流れを妨げず、より具体的で詳細な情報を提供する形で用いるべきです。
注意点②:共起語は「目的」ではなく「方法」
共起語は、ページの内容を詳細に表現し、その内容が特定のトピックに関連していることを検索エンジンに示す方法の一つです。しかし、共起語自体がSEO対策の目的になってはいけません。
その目的は、最終的にはユーザーに有益で関連性の高い情報を提供し、サイトの訪問を促進することです。
共起語を使用することで、検索エンジンがページの内容を理解しやすくなり、それが特定の検索クエリに対して関連性が高いと判断する可能性が高まりますが、それはあくまで手段の一つです。
したがって、共起語の使用を過度に強調したり、他の重要なSEO対策(ユーザー体験の向上、サイト速度の最適化、リンク構築など)を疎かにしたりするべきではありません。
全体的なSEO戦略の中でバランス良く共起語を使用することが、最終的なSEOの成功につながります。
ポイント②:ユーザーの疑問を解決する内容
次に、貴社のコンテンツはユーザーの問いや疑問を解決すべきです。
共起語を使用する目的は、検索エンジンに対してあなたのコンテンツが特定のトピックについて包括的な情報を提供していることを示すことです。
そのため、コンテンツがユーザーに価値を提供し、その疑問や問題を解決することが非常に重要です。
ユーザーの問いやニーズを理解し、それに対応する内容を提供することで、ユーザーはあなたのサイトを有用で信頼できる情報源として見るようになります。
これはユーザーエンゲージメントを高め、最終的には検索エンジンランキングの向上につながります。
このように、適切なキーワードの選定とユーザーの疑問を解決するコンテンツの提供は、共起語の使用とともに上位表示を目指すための重要なポイントです。
共起語を調査・分析するSEO対策無料ツール7選
ツール①:【無料ツール】ラッコツールズ
ラッコツールズは、検索エンジン最適化(SEO)に特化した無料のオンラインツールであり、共起語調査を含む様々な機能を提供しています。
特定のキーワードと関連性が高いと判断される単語やフレーズを網羅的にリストアップすることが可能です。
また、それぞれの共起語に対するGoogleの検索ボリュームや競合度などの情報も提供されます。
ツール②:【無料ツール】サクラサクラボSEOツール共起語調査
サクラサクラボSEOツール共起語調査は、共起語調査を専門に行うことができる無料ツールです。
ユーザーは単にキーワードを入力するだけで、そのキーワードと関連性が高い共起語のリストを取得することができます。
さらに、それぞれの共起語がどの程度の頻度でキーワードと一緒に使用されているか、その強度を示す指標も提供されます。
ツール③:【無料ツール】共起語検索
共起語検索は、特定のキーワードに対する共起語を調査するためのシンプルなツールです。
キーワードを入力するだけで、そのキーワードと共によく使われる単語やフレーズのリストをすぐに取得できます。
また、それぞれの共起語がどれほど頻繁にキーワードと一緒に使われているかを示す指標も提供されます。
ツール④:【無料ツール】共起語調査ツール
共起語調査ツールは、一連のキーワードに関連する共起語をリストアップするためのツールです。
ユーザーはキーワードを入力し、ツールがそのキーワードと共に使用されることが多い語彙を見つけ出します。
これにより、特定のキーワードに関連した文章を作成する際に、より適切な語彙を使用することが可能になります。
ツール⑤:【無料トライアルあり】ミエルカ
ミエルカは、SEO対策全般をサポートするための包括的なツールで、特にキーワード分析と共起語調査に力を入れています。
共起語調査機能では、指定したキーワードと頻繁に共起する単語やフレーズを見つけ出し、その単語が持つ検索ボリュームや競合度などのデータも提供します。
ただし、ミエルカは完全無料ではなく、無料トライアル期間が終了した後は有料プランに移行する必要があります。
ツール⑥:【無料トライアルあり】パスカル
パスカルは、SEOのための包括的な分析ツールで、共起語調査機能も含んでいます。
特定のキーワードに対して共起する単語やフレーズを調査し、それぞれの共起語に対する検索ボリュームや競争度、そして関連性の強さを示すデータを提供します。
これにより、あなたのコンテンツが特定のキーワードに対してどれだけ関連性と包括性を持つかを評価するのに役立ちます。
さらに、パスカルは、ユーザーの検索傾向やウェブサイトのパフォーマンスについての詳細な分析報告も提供します。
これにより、あなたのSEO戦略を最適化し、検索エンジンランキングを向上させることができます。
ツール⑦:【無料トライアルあり】トランスコープ
トランスコープは、検索順位が上がるSEOライティングや社内文書ライティングに最適な文章作成AIです。
話題のChatGPTを開発したOpenAI社の最新APIであるGPT-4を利用しており、SEO効果の高いライティングを行うことができます。
【2023年版】SEOの動向と対策
対策①:ユーザーが満足できる内容かどうか意識する
2023年のSEOの動向として最も重要な要素の一つは、ユーザーが満足できる内容を提供することです。
ユーザーが何を求めているかを理解し、それに応えるための詳細で包括的な情報を提供することが求められます。その際には、以下の3つのクエリを参考にしましょう。
・Goクエリ(特定のサイトを探している)
・Doクエリ / Buyクエリ(行動を起こしたい)
・Knowクエリ(何かを学びたい)
例えば、ユーザーが “iPhone 15 購入” と検索する場合、ユーザーの最終目的はiPhone 15 を購入することです。
このような場合、商品のレビューや比較情報を提供するだけのウェブサイトではなく、商品を直接購入できるオンラインストアがユーザーの目的を最も果たします。
上位表示のためには、クエリに沿ったサイトを作る必要があります。
対策②:積極的に発信する
SEO対策は一度行ったら終わり、というものではありません。
検索エンジンのアルゴリズムは常に更新されており、ユーザーの検索傾向も変化します。
そのため、定期的にコンテンツを更新し、新しい情報を積極的に発信することが重要です。
ウェブサイトを常に新鮮で関連性の高いものに保つことで、検索エンジンはそのウェブサイトが価値ある情報源であると認識します。
その結果、検索結果のランキングが向上し、より多くのユーザーに露出する機会が増えます。
新しいコンテンツを発信する際には、最新のキーワードリサーチを行い、最新のユーザーの検索傾向に対応した内容を提供することが求められます。
対策③:最新情報をアップデートしていく
インターネット上の情報は日々更新され、何が最新のトレンドであるか、何がユーザーにとって重要な情報であるかは常に変化します。
そのため、ウェブサイトのコンテンツもそれに応じて最新情報を反映し、アップデートしていくことが重要です。
- 内容の正確性
- 読みやすさ
- 専門用語に対する注釈の有無
- レイアウトの視認性
- ユーザーフレンドリー
以上に重きをおいてサイトを更新していく必要があります。
検索エンジンはウェブサイトが有用で最新の情報を提供していると認識し、その結果、検索結果のランキングが向上します。
さらに、情報が最新であることはユーザーにとっても価値があります。
最新の情報を提供することで、ウェブサイトはユーザーにとって信頼性の高い情報源となり、結果的にユーザーのエンゲージメントを高め、再訪問率を増加させることが可能になります。
対策④:インデックスされやすくする
検索エンジンがウェブサイトの全てのページを効率的にクロールし、インデックスに追加できるようにすることはSEOの重要な要素です。
インデックスされたページは検索結果に表示されるため、ウェブサイトの見つけやすさ、そしてトラフィックは、そのページがどれだけ効率的にインデックスされるかに直結します。
ウェブサイトをインデックスしやすくするためには、ウェブサイトの構造を整理し、各ページが適切にリンクされていることを確認することが重要です。
検索エンジンのクローラーにより容易に発見されるには、以下の3つができているか確認しましょう。
- 必ずXMLサイトマップにURLを含めているか
- クローラーが発見しやすいよう、インデックスを希望するページに多くのリンクを設定されているか
- 特に重要なページは、ウェブサイトの高位階層(例えばトップページや各カテゴリのトップページ)からリンクを張っているか
これらの方策を実施することを推奨します。
【実践編】共起語の効果的な掘り下げ方
実際にSEOの運用現場にいると、実はメインキーワードやテールワードにしか目がいっていなかったというケースが多々あります。
では、ユーザーが何かを検索する際に、どのようなキーワードで検索するのかを考えてみましょう。
例:友人との飲み会で居酒屋を探す時
「居酒屋」
これだけで検索する人はいませんよね。
範囲が広くなり過ぎてしまいます。
では次に、何が検討要素になるでしょうか?
「駅名」
そう。集合場所ですよね。
どこで飲むかが決まっていれば、2番目のワードは地名か駅名になります。
そしてその次はなんでしょうか?
「和食」「海鮮」「焼き鳥」など
食べたい内容のジャンルになるかと思います。
そのほかにも「個室があったほうがいい」「座敷がいい」「眺めの良い店がいい」
などの要望が出てくると思います。
この要望に沿って作られた数々のサイトに入っているワード、それこそが共起語になります。
つまり、ユーザーが何を求めているかを知ることで、ユーザーの興味や関心を理解する手段としても役立ちます。
共起語を通じて、特定のトピックに関連するトレンドや注目事項を把握し、それに基づいてコンテンツや製品の開発、マーケティング戦略を調整できます。
もちろん、検索数の少ない言葉もありますが、ユーザーが自社のサービスに対して何を求めているかを全て把握しましょう。
そしてその要望に基づいてサイトのコンテンツを作成することが、最終的にSEOにつながる、という流れになります。
文中に共起語が多く入っているほど「そのキーワードについてより詳しく説明している」と検索エンジンは認識します。
「居酒屋」「東京」という共起語しか使わずに書かれたコンテンツより「居酒屋」「東京」「安い」「飲み放題」を含んだ記事のほうが情報量が多く、ユーザーにとってより役に立つと判断されます。
サジェストワードが「よく検索される関連ワード」なのに対し、共起語は「キーワードを説明する記事、コンテンツ内などで頻繁に出現するワード」ということになります。
また、関連キーワードとは、検索したキーワードに「関連」もしくは「連想」されるキーワードのことを指します。
入力した検索キーワードの同義語や類義語まで含むため、キーワードの検索ニーズを知る際の手がかりとすることができます。
このように、メインキーワード・テールキーワードだけに注力するのではなく、「サジェスト」「関連ワード」「共起語」の3軸もSEOの検討材料として追加するようにしましょう。
まとめ:共起語でSEO効果を狙うならユーザーの検索意図を読み取ろう
この記事では、共起語とSEOについて学びました。
共起語は、特定のキーワードと一緒に頻繁に使用される単語であり、コンテンツ作成において重要な要素です。共起語を上手に活用することで、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作り出すことができます。
ただし、無理に共起語を詰め込むことは避け、常にユーザーファーストであり、自然な文章になるよう心がけましょう。
また、共起語を多く含んだコンテンツは専門的で詳しく解説された内容であるため、間接的なSEO効果も期待できます。
共起語を上手に活用して、ユーザーと検索エンジンの両方にとって満足のいくコンテンツを作りましょう。