潜在層と顕在層の違いは?それぞれに適したアプローチ方法を紹介

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

マーケティングや広告戦略において、「潜在層」と「顕在層」という言葉をよく聞きますよね。

ターゲット層を分ける上で重要な概念ですが、具体的にどのような意味なのか、どのようにアプローチしたらいいのか、わかりにくいと感じる方もいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では「潜在層」と「顕在層」の違いについて詳しく解説します。
さらに、それぞれへの効果的なアプローチ方法もご紹介しています。

もしあなたがマーケティングや広告に関わる方であれば、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

Web広告における潜在層・顕在層・非認知層の違い

ウェブ広告を行う際、顧客は概ね潜在層、顕在層、非認知層の3つの層に分けることができます。
この3つの層は、それぞれ異なる認知度と行動傾向を持っており、アプローチ手法も異なります。以下で、それぞれの層がどのようなものなのか詳しく解説します。

潜在層商品やサービスの存在を知らず、その可能性をまだ認識していない潜在的な顧客。
顕在層商品やサービスの存在とその特性を理解しており、購入を検討しているがまだ決断していない人々。
非認知層商品やサービスについての知識や関心がなく、自身のライフスタイルに関連性を感じていない人々。

潜在層とは提供されている商品を認知していない状態の人たち

潜在層とは、その商品やサービスが存在すること自体をまだ認知していない、あるいはその利点や機能を理解していない潜在的な顧客の層を指します。

商品やサービスの存在を知らないか、またはそれが自分の問題を解決する可能性をまだ理解していない状態です。

ウェブ広告における潜在層へのアプローチでは、商品の存在とその特性、価値を伝え、彼らが抱える問題を解決するための方法として商品を提示することが重要です。

顕在層とは商品の購入や導入を検討している人たち

顕在層とは、すでに商品やサービスの存在を認知し、それについての理解も持っているが、まだ購入や導入を迷っている層を指します。

顕在層の人々は既にある程度の情報を収集し、商品の購入を真剣に検討しています。

この段階では、具体的な商品の特徴や価格、他の商品との比較、レビューや評価など、より詳細な情報を提供することが求められます。

非認知層とは提供している商品の知識や興味がない人たち

非認知層は、商品の存在を知っているかもしれないが、それについての知識や関心がまったくない層を指します。

非認知層ユーザーは、商品やサービスに対して無関心で、自分たちの生活とは無関係だと感じています。

この層にアプローチする際には、商品が提供する利益や価値を再認識させ、興味を引き出すためのクリエイティブな戦略が必要です。

潜在層・顕在層に分けてWeb広告のアプローチが必要な2つの理由

ウェブ広告の成功には、ターゲットとなる顧客を明確に理解し、それに合わせた戦略を立てることが必要です。

理由①:広告を出す理由を明確化させることができるため

潜在層と顕在層はそれぞれ違うニーズと認識度を持っています。

そのため、それぞれの層に合わせたメッセージを設定することで、広告の目的とターゲットが明確化され、より効果的な広告戦略を構築することが可能になります。

・潜在層に対して

商品の存在とその機能を伝えることが重要であり、それによって初めて商品やサービスに興味を持つ可能性のある人々を引きつけることができます。

・顕在層に対して

商品の詳細情報や価格、他の商品との比較など、購入決定に必要な具体的な情報を提供することが求められます。

理由②:広告の効果に関するKPIを明確化できるため

潜在層と顕在層に対するアプローチを分けることで、各層における広告のパフォーマンスを評価するKPI(Key Performance Indicator)も明確に設定することができます。

それぞれの層に対して何を目指し、どのような結果を期待するのかをはっきりさせることで、広告の効果をより具体的に把握し、適切な戦略の調整や最適化を行うことが可能になります。

・潜在層への広告

ウェブサイトへのトラフィックや商品ページへの訪問者数などがKPIとなるかもしれません。

・顕在層への広告

コンバージョン率や平均注文価格、リピート購入率など、購入に関連する指標が重要なKPIとなるでしょう。

潜在層に効果的なWeb広告の方法と種類

ここでは、潜在層におすすめの広告を具体的に挙げていきます。

潜在層へのアプローチは視覚的に興味を引き自社サイトへ誘導する

潜在層とは、商品やサービスの存在やその利用によるメリットについてまだ認知していない潜在的な顧客の層です。

そのため、潜在層へのアプローチでは、視覚的に興味を引き、自社のウェブサイトへ誘導することが重要となります。

この目的のために、鮮やかな色使い、クリエイティブなデザイン、分かりやすいコピーライティングを用いたビジュアル重視の広告が効果的です。

ビジュアル重視の要素は潜在層の人々の注意を引き、興味を喚起し、広告をクリックして自社サイトへ訪れる動機づけとなります。

潜在層への効果的なアプローチ方法

潜在層には商品やサービスの存在やメリットを理解していない可能性があるため、まずは認知度を上げ、興味を喚起することが目標となります。

方法①:多くの人の目に触れやすい【ディスプレイ広告・バナー広告】

ディスプレイ広告バナー広告は、Webサイトのページ上に表示される広告です。

ディスプレイやバナー広告は一般的に色彩豊かで視覚的に印象的であるため、ユーザーの注目を引きやすいです。

さらに、広告配信ネットワークを利用すれば、特定のターゲット層に対して広く広告を配信することができます。

広告の内容は商品やサービスの特性、メリットを明確に伝えることが重要です。
また、広告をクリックすると直接自社サイトや商品の詳細ページにリンクすることで、ユーザーを潜在層から顕在層へと移行させることができます。

方法②視覚的に購買意欲に訴えることができる【動画広告】

動画広告は、視覚的な要素と音声、ストーリーテリングの力を組み合わせて、商品やサービスに対する興味や理解を深めるのに非常に効果的です。

動画は、静止画よりも多くの情報を短時間で伝えることができ、視聴者の感情に直接訴えかける力があります。

商品やサービスの特性を説明するだけでなく、それがどのようにユーザーの生活を改善するかを具体的なシナリオや実際の使用例を通じて示すことで、潜在的な顧客にとって商品やサービスの価値を理解しやすくします。

方法③:タイムライン上に訴えることができる【SNS広告】

SNS広告は、FacebookInstagram、Twitter、LinkedInなどのSNS上で広告を配信する方法です。ユーザーが自分のタイムラインをスクロールしている最中に広告が表示されるため、自然な形でユーザーの視野に入りやすいのが特徴です。

さらに、SNS広告の大きな利点は、各プラットフォームが持つ詳細なユーザー情報を利用して、ターゲットとする潜在層を細かく設定できる点です。
年齢、性別、地域、趣味、興味、行動パターンなど、多様な属性に基づいて広告の配信対象を絞り込むことができます。

また、視覚的な要素を強調するプラットフォーム(例えばInstagram)では、鮮やかな画像や動画を用いて商品の魅力を伝えることができます。
潜在層の興味を引き、自社サイトへ誘導することが可能になります。

方法④:Webメディアで商品を紹介してもらう【記事広告】

記事広告とは、あたかも通常の記事やコンテンツの一部であるかのように配信される広告のことです。
「ネイティブ広告」とも呼ばれ、ユーザー体験を損ねることなく広告を表示する効果的な方法です。

記事広告は、商品やサービスを深く掘り下げ、具体的な特性や利点を読者に詳しく伝えるのに適しています。
一般的に、専門家やインフルエンサーによるレビュー、商品の使用例、成功事例などの形で展開されます。
ユーザーにとって有益な情報となり、自然な形で商品やサービスの魅力を伝えることができます。

さらに、記事広告は信頼性の高いウェブメディアや専門メディアで掲載されることが多く、そのメディアの信頼性や権威性が商品やサービスにも反映されます。
潜在層に対する信頼感や安心感を提供し、自社サイトへの誘導や商品に対する興味を引き出すことが可能になります。

顕在層に効果的なWeb広告の方法と種類

顕在層へのアプローチは購入の決め手になる情報を提供する

顕在層へのアプローチでは、購入を検討しているユーザーに対し、商品やサービスの詳細情報を明確に提供し、それが購入の決断を後押しするアプローチが必要になります。

提供する情報は、商品の機能性、性能、価格、品質、アフターサービス、そして他社との違いを明確にしましょう。

また、具体的な利用シーンを示す事例や、既存の顧客からのレビューなど、信頼性や満足度を高める情報も必要です。
ユーザーは自分が求めている解決策を商品やサービスが提供していることを確信し、購入への決断をしやすくなります。

顕在層への効果的なアプローチ方法

ここでは、顕在層へのアプローチの方法をご紹介します。

方法①:検索と連動して広告を表示できる【リスティング広告】

リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した時に表示される広告のことを指します。

このタイプの広告は、顕在層のユーザーが自分の問題を解決するための情報を積極的に検索しているタイミングで表示されるため、非常に効果的です。体的な商品情報や購入につながる強いメッセージを伝えることで、ユーザーの購入意欲を刺激し、購入行動につなげることが可能です。

方法②:すでに自社サイトに訪れたことがある顧客にアピールできる【リターゲティング広告】

リターゲティング広告は、一度自社のウェブサイトや商品ページを訪れたことがあるユーザーに対して、その後も自社の広告を表示し続ける手法です。一度自社サイトを訪れたユーザーは、商品に対して何らかの興味を持っている可能性が高いため、その興味を再度刺激し、購入行動につなげることが可能です。

特定の商品へのリピート購入を促す場合や、カートに商品を入れたが購入に至らなかったユーザー(カート放棄ユーザー)に対して、購入を再考するきっかけを提供する場合などに有効な手法となります。

潜在層へのアプローチで成果を出すための5つのポイント

効果的な潜在層へのアプローチを実現するためには、戦略的な考え方とマーケティング手法が必要です。以下に、潜在層へのアプローチで成果を出すためのポイントを5つご紹介します。

ポイント①:どのような人が潜在層なのかを把握する

最初に、どのような人々が潜在層となるのかを明確に理解することが重要です。
潜在層の理解は、自社の商品やサービスが解決できる問題を持っているが、まだそれを認知していない可能性がある人々を特定することが含まれます。

この人々の年齢、性別、職業、興味、ライフスタイルなどのデモグラフィック情報やサイコグラフィック情報を把握することで、よりターゲットに合わせたメッセージングや広告戦略を作成することができます。

ポイント②:クリックしたくなるような広告や必要性を感じてもらうランディングページを作成する

次に、広告やランディングページの設計にも注意が必要です。広告はユーザーの注目を引き、クリックしたくなるような訴求力が求められます。
鮮やかな色使い、印象的な画像、興味を引くコピーなどが含まれます。

ランディングページでは、ユーザーが商品やサービスを必要と感じるような情報提供が重要です。
商品やサービスの詳細な説明、それが解決する具体的な問題、既存の顧客の声やレビューなどが含まれます。

ランディングページに掲載する情報は、潜在的な顧客が購入決定を下すための信頼性を記載する必要がります。

ユーザーに響くコピーを考える

ユーザーに強く訴えかけ、記憶に残る広告を作成するためには、響くコピーの作成が重要です。響くコピーとは、ターゲットとなる潜在層の感情や理性に働きかける言葉のことを指します。

コピー作成のポイントとしては、まず、ターゲットとなるユーザーが抱える問題やニーズを明確に理解することが重要です。その上で、提供する商品やサービスがそれらの問題やニーズをどのように解決するのか、具体的に伝える言葉を考えます。

また、コピーはシンプルでわかりやすい言葉を使い、無駄な情報を省くことも大切です。商品やサービスの特徴や利点を的確に表現し、ユーザーがすぐに理解できるような形にすることが求められます。

GIF画像を使い動きをつけて印象を持たせる

視覚的な要素は広告にとって非常に重要です。特に、動きのある要素を取り入れることで、ユーザーの注意を引くことができます。GIF画像はその一例で、短い動画のように連続的な画像を表示し、動きを作り出します。

GIF画像は通常の静止画と比べて視覚的なインパクトが大きく、商品やサービスの特徴を効果的に伝えるのに役立ちます。例えば、商品の使用方法を示したり、サービスの操作フローを視覚化したりすることができます。

また、GIF画像は短時間で情報を伝えることが可能であるため、ユーザーが広告を素早く理解できます。

ポイント③:中長期で計画を立てて継続的な運用をする

潜在層へのアプローチは、一度の広告だけで結果を求めるものではありません。

より多くの人々を潜在顧客から実際の顧客へと変えるには、中長期的な視点で計画を立て、広告の運用を継続的に行うことが重要です。

ターゲットユーザーが自社の商品やサービスに関心を持つまでには時間がかかる場合が多いため、定期的に広告を出すことで、徐々にその認知度を高めていくことができます。

ポイント④:その時にしか得られないメリットを提示する

ユーザーに対して行動を促すためには、その行動によって特別なメリットが得られることを伝えることが効果的です。

例えば、期間限定の割引、特典の提供、先着順のプレゼントなど、その時にしか得られないメリットを提示することで、ユーザーは行動を起こす動機づけを感じやすくなります。

ポイント⑤:広告を見た人の心理に寄り添い締めくくる

広告の最後の部分は、その広告を見た人々の心理に寄り添い、それを締めくくるための重要な場面です。

ユーザーが広告を見て興味を持ったとき、その後どのような行動をとれば良いのか明確に示すことが重要です。
商品の購入へ誘導するボタンや、詳細情報を提供するウェブサイトへのリンクなどが含まれます。

また、感情的な訴求や、ユーザーの問題を解決する自社の商品やサービスの価値を再確認する文言を加えることで、広告のメッセージを強調することができます。

顕在層へのアプローチで成果を出すには購入の決め手となる情報をアピールする

  • 購入を決断するための情報を提供する
  • 競合他社との差別化を明確にする
  • 信頼感を高める情報をアピールする

顕在層とは、すでに提供している商品やサービスを認識し、その購入を検討しているユーザーの層のことを指します。

顕在層ユーザーは、商品やサービスについての基本的な情報を知っていることが多く、それが自分のニーズや問題を解決するかどうかを判断する段階にあると言えます。

そこで、顕在層へのアプローチにおいては、彼らが購入を決断するための情報を提供することが重要となります。具体的な価格、性能、口コミ、アフターサービスの詳細など、商品やサービスの詳細情報を明確に伝えることで、購入の障壁を取り除きます。

また、同じ商品やサービスを提供している競合他社との違いを明確にすることも重要です。自社の商品やサービスが他社のものと比較してどのような優位性を持っているのか、具体的な例を示すことで、ユーザーに自社の商品やサービスを選ぶ理由を提供しましょう。

さらに、信頼感を高めるための情報もアピールすることが重要です。自社の信頼性を証明するための資格、認証、商品の品質保証、既存顧客の評価や体験談などの情報はユーザーが安心して購入を決断できるようにするための重要な要素となります。

まとめ

この記事では、潜在層と顕在層の違いや、それぞれに効果的なアプローチ方法について解説しました。

潜在層と顕在層をしっかりと理解し、適切なアプローチ方法を選択することは、効果的なマーケティング戦略を立てる上で重要です。

それぞれのターゲット層に適したメッセージを伝えることで、より多くの顧客を獲得し、ビジネスの成果を最大限に上げることができるようになるでしょう。

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