ペルソナ解像度UP!マーケティング目線で顧客理解を深める6×2の手法

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

顧客理解を深めることがBtoBマーケティングを成功させるための第一歩になります。顧客が何を求めているのかを深く理解することで、あなたの会社が提供すべき商品・サービスの形が見えてくるのです。

本記事では顧客理解を深める6×2の手法を解説します。顧客の課題を具体的に把握し、課題解決に役立つ商品・サービスを効率的に伝えられるマーケティング体制の構築を実現しましょう。

BtoBマーケティングでは顧客の課題解決が鍵

はじめにBtoBマーケティングで成果を出すポイントを確認しましょう。顧客が求めているものを知り、その解決手段を提供するのが基本になります。

企業の決裁者が求めるのは「課題解決」

BtoBマーケティングにおける顧客は自社の課題の解決を求める場合がほとんどです。そのためBtoCマーケティングのように品物の所有や体験にフォーカスしたマーケティングでは、効果が出ない場合が多くなります。

商品・サービスを売るために顧客の課題を知る必要がある

BtoBマーケティングにおいて顧客が求めるのは課題解決であるため、マーケティングの起点として顧客の課題が何かを知るのは重要です。顧客の抱える具体的な課題と、課題の解決された理想の状態を知ることでコンバージョンや受注が生まれます。

したがって、BtoBマーケティングを成功させるためには顧客理解を深める必要があるのです。

顧客理解を阻む3つのパターン

顧客理解が浅いままマーケティングの一環として各施策を実施しても、望むような効果は得られません。顧客理解を深めるために、まずは顧客理解を阻む3つのパターンを確認しましょう。

自社の伝えたい内容が先行しすぎている

1つ目は、商品・サービスに対する思い入れが深すぎるあまり、顧客理解よりも自社の伝えたい内容が先行しすぎるパターンです。自社の伝えたいメッセージは、必ずしも顧客が求めるものではないと理解しなければなりません。

こうした失敗を避けるためには、はじめに顧客が求めるものを深く知り、その上で自社の伝えたい内容を顧客ニーズに紐付けるようなプロモーションを設計します。

カスタマージャーニーのプロセスを飛ばしている

2つ目は、顧客があなたの会社の商品・サービスを認知するところから始めるカスタマージャーニーのプロセスを飛ばすマーケティングを展開しているパターンです。

上の図の通り、顧客は1つずつ階段を上がるようにして商品・サービスに対する状態を変化させていきます。そのため最初期の興味・関心の段階にある顧客に対していきなり販売ページを見せても、受注には至らないのです。

興味・関心を持ってくれた顧客には商品・サービスの詳細がわかるコンテンツを提供します。その上で他のユーザーのレビューやクチコミを見せながら段階的に商品・サービスに引きつける設計が必要となります。

顧客理解にバイアスがかかっている

3つ目は、顧客理解にバイアスがかかっているパターンです。顧客理解のバイアスは、顧客と直に触れ合う機会を持たないゆえに起こります。そのため実際に触れ合う機会を作り、顧客が課題と感じている内容を一次情報として把握していきましょう。

顧客理解を深める6×2の手法

ここからは顧客理解を深める6×2の手法を確認していきましょう。はじめに自社の手元にある情報から顧客理解を深める方法を紹介し、続いて顧客との接点を作って理解を深める方法を紹介します。

手元にある情報から顧客理解を深める6つの手法

顧客理解を深めるためには、顧客と接点を持つことが重要です。これまで商品・サービスを提供してきた中で、自社に蓄積された情報の中に顧客理解を深めるヒントが隠されています。

商品・サービスに関するクチコミの確認・ソーシャルリスニング

手元の情報から顧客理解を深めるためには、インターネット上にある自社商品・サービスに対するクチコミを確認する必要があります。匿名性の高いクチコミの中には厳しい言葉で書かれた罵倒のようなものも存在しますが、商品・サービスの改善点を素直に記載している意見もあるのです。

BtoC向けの商品であればAmazonや楽天市場、IT系のサービスであればITトレンドやITreviewが参考になるでしょう。またBtoBの商品・サービスの場合も、名称で検索するとTwitterの投稿等を見つけられる場合があります。

顧客との過去のやりとりを分析

1つの商品・サービスを顧客に使ってもらうまでに蓄積した顧客とのやりとりの中にも、理解を深めるヒントが隠されています。たとえば営業マンであれば、商談における顧客の温度感をふまえた情報を持っているでしょう。またカスタマーサービスに寄せられた何気ない一言に、顧客の感じる不満が隠されている場合もあります。

こうしたやりとりのデータは顧客ごとに一元管理し、重要な情報を社内共有する体制を構築していきましょう。

受注事例と失注事例の分析

顧客とのやりとりをふまえながら、受注事例と失注事例を比較して分析する方法も効果的です。特に似たような状況にある顧客の例がある場合は、受注と失注を分けた原因を詳しく確認していきましょう。

またマーケティングプロセスの中で顧客の反応が急にネガティブなものに変化している場合、直前のやりとりに顧客に不快感を与えた原因が潜む可能性が高くなります。顧客理解を深めるために過去の事例を分析できる体制を整えましょう。

営業・フロント部門とのコミュニケーション

実際に顧客と商談しているフロント部門には、ナレッジとして社内共有していない知見が潜むものです。そのため社内全体で顧客理解を深める施策を走らせる場合は、フロントメンバーの知見をしっかりと盛り込みましょう。

またフロント部門が上長や他部門に報告するフォーマットの見直しも実施します。それによりフロント部門で停滞していた情報を効率的に吸い上げる体制を作るのです。

WEBサイト上の顧客行動の分析

あなたの把握していないところでも、顧客はあなたの会社の商品・サービスに対する情報収集を実施しています。こうした動きを知るためには、WEBサイトにおける顧客行動の分析が欠かせません。

具体的には、次のポイントを確認していきましょう。

  • 顧客がどういった導線でWEBサイトにたどり着いたのか
  • どのような順序でサイト内を回遊したか
  • どのページで離脱したのか

WEBサイト上での動きを把握した後は、顧客が求める情報を効率的に収集できるサイトへの改善を実施していきます。

対象会社の従業員のクチコミを分析

見込み顧客である会社の従業員のクチコミを知るのも顧客理解を深める役に立ちます。なぜならば、企業文化は知らず知らずのうちに所属する従業員の考え方に影響を与えるためです。

見込み顧客として特定の会社がある場合は、従業員のクチコミをインターネットで調べて、従業員の興味・関心を引くプロモーションがどのようなものかを検討しましょう。

接点を持って顧客理解を深める6つの手法

続いて、顧客と実際の接点を持ちながら理解を深める6つの手法を紹介します。実際に顧客とコミュニケーションをとりながら理解を深めるため、偏ったバイアスを回避できる可能性が高くなるでしょう。

エキスパートインタビュー

エキスパートインタビューは、顧客の所属する業界に対する理解が浅い場合に、知識を補う目的で実施します。たとえば、IT会社向けの人事管理ソフトを売りたいときにIT会社における従業員の勤務実態を正確に把握していない場合は、IT系の人事コンサルを実施する企業にインタビューをしていきましょう。

顧客インタビュー

必要な知識を補った後は、実際の顧客に商品・サービスの使用感をインタビューしていきます。インタビューする顧客を集めるために一定の対価を支払っても良いです。

また潜在顧客、見込み顧客、既存顧客と顧客の段階を分けてインタビューを実施すると、各段階にいる顧客が何を求めているのかを整理できるでしょう。

顧客に対するアンケートの実施

インタビューの実現にハードルがある場合、顧客にメールでアンケートフォームを送付しましょう。その場合、アンケートの回答にかかる時間を明記するのがおすすめです。

また自社でアンケート調査ができない場合は、調査会社に依頼をする方法もあります。いずれも回答者が自由記述できる欄を設けると、背景までふまえた改善提案のような内容のある回答を取得できる可能性が高くなるでしょう。

商談同行

先ほどフロント部門は顧客に関する知見を多く有すると述べました。そのため既存顧客との商談に同行させてもらう形で顧客理解を深める手法も有効です。すでに顧客との間に一定の関係を構築したフロント部門にフォローしてもらいながら顧客と会話ができるため、真意に近い回答を得られる可能性があります。

商品・サービスの先行提供・モニター調査

新サービスをリリースする場合は、既存サービスの利用顧客に対して先行提供する方法もおすすめです。先行提供という特典を享受している顧客は、真剣なレビューを実施してくれる可能性が高くなります。また新サービスの本格リリース前に顧客理解を基にした改善ができる点も魅力的です。

顧客としてフロント部門の接客を受ける

イレギュラーな手法ではありますが、顧客として店舗やショールームを訪問して、実際にフロント部門の接客を受けることも顧客理解を深めます。実際の顧客目線でフロント部門と接点を持つことで、会社側からはわからなかった改善点が見える場合があるのです。

またショールームやイベントであれば、他の顧客と触れ合うこともできるため、顧客同士という間柄で真意を聞くこともできます。

顧客理解を深める情報を全部門に共有

ここまで紹介したように、顧客理解を深める手法はいたるところに存在します。あなたも社内に蓄積したデータを分析し、その上で実際に顧客と触れ合いながら顧客が求めるものを確認してみましょう。

そうして確認した事項はフロント部門・ミドル部門・バック部門で共有し、新たなペルソナの構築に活かしていく体制を整えます。正確な顧客理解ができると自ずとマーケティング手法および、商品・サービスの改善点も見えてくるはずです。

まとめ

顧客が求めているものを正確に把握できると、BtoBマーケティングを効率化できます。顧客理解を深めるためには実際のデータや顧客の反応の調査が重要です。本記事で紹介した6×2の手法を取り入れて、あなたもBtoBマーケティングのブラッシュアップに着手してみてください。

その上で自社の伝えたい内容ばかりを表に出さず、カスタマージャーニーに丁寧に沿ったマーケティングプロセスを設計しましょう。

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