こんにちは!
Web広告の運用には、GoogleとYahoo!の2つの大手広告ネットワーク、「GDN(Googleディスプレイネットワーク)」と「YDA(Yahoo!ディスプレイ広告運用型)」があります。
GoogleとYahoo、どちらが自分のビジネスに最適か迷ってしまうこともあるのではないでしょうか?
この記事では、GDNとYDAの違いについて分かりやすく解説します。
具体的な特徴や違いを理解して、自社のWeb広告運用にいかしてください。
ディスプレイ広告の概要|GDNとYDA(旧YDN)に共通して掲載できる広告
ディスプレイ広告は、ユーザーがインターネットを使用するときに見る画像・映像の広告です。
ウェブサイト、SNS、アプリなど、ユーザーがオンラインで活動するさまざまな場所に表示されます。
ディスプレイ広告は、特定のデモグラフィック情報を持つユーザーをターゲットにすることができるため、非常に効果的なマーケティングツールであると広く認識されています。
潜在層を含めた広い範囲に向けてアプローチできる
GDNとYDAの両方を使用すると、企業は世界中の数百万のウェブサイトやアプリに広告を掲載することができ、潜在層や顕在層にリーチできます。
これにより、広告主はその広告が広く見られ、多様なユーザーにリーチできることを確認できます。さらに、これらの広告ネットワークはユーザーの検索履歴や閲覧履歴などの情報を使用して、広告を関心のあるユーザーに提供することができます。
これは、広告が特定のニーズや興味に対して適切に対応することを可能にします。
視覚的に訴求できる
ディスプレイ広告は、テキストベースの検索エンジン広告とは異なり、視覚的な要素でユーザーに訴求します。
これにより、広告主は製品やサービスの特徴を強調し、ユーザーに印象的なイメージを提供することができます。
さらに、視覚的な広告はユーザーの注意を引きやすいため、広告のクリックを促すことができます。ディスプレイ広告は、ビジュアルコンテンツを使用してユーザーに情報を提供し、エンゲージメントを促進するための優れた手段です。
その視覚的な特性と広範なリーチは、GDNとYDAが効果的なマーケティングツールであるとされています。
GDNとYDA(旧YDN)とは?
ここでは、2つの違いについて解説します。
GDN(Googleディスプレイネットワーク)とは?
Google Display Network(GDN)は、Googleが所有またはパートナーシップを結んでいるウェブサイトやアプリのネットワークです。
これらのウェブサイトやアプリは、テキスト、画像、ビデオ、リッチメディアなどの形式の広告を表示するスペースを提供しています。
広告主はGoogle AdWordsを使用して、特定のデモグラフィック、興味、ウェブサイトのトピック、または特定のウェブサイトに広告を表示するようにターゲット設定をすることができます。
GDNの主な利点はその広範囲と高度なターゲティングオプションです。Googleのネットワークはインターネット全体に広がっていて、広告はその大部分に表示される可能性があります。
そのため、GDNは広告主に広範なリーチとターゲット設定の機会を提供します。
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告運用型・旧YDN)とは?
Yahoo!ディスプレイ広告運用型(YDA)、旧称Yahoo!ディスプレイネットワーク(YDN)は、Yahooが所有またはパートナーシップを結んでいるウェブサイトやアプリのネットワークです。
YDAは、広告主が自社の広告をユーザーに表示するための広範なプラットフォームを提供します。
YDAは、Yahoo! JAPAN上で広告を表示するだけでなく、Yahoo! JAPANと提携している他のウェブサイトやアプリでも広告を表示することができます。YDAは、広告主がYahoo!のユーザーデータを活用してターゲット広告を作成する能力を提供しており、そのため広告主は適切なユーザーセグメントに対して最適化された広告を表示することができます。
GDNとYDA(旧YDN)の違いをわかりやすく解説
配信先の違い
GDNは、Googleが所有またはパートナーシップを結んでいるウェブサイトやアプリに広告を配信します。
これには、Google検索エンジンやGmail、YouTube、GoogleマップなどのGoogleプロパティに加えて、Google AdSenseとパートナーシップを結んでいる食べログなどの数百万ものサードパーティウェブサイトやアプリが含まれます。
そのため、GDNのリーチは非常に広範囲であり、様々なタイプのユーザーにアクセスすることが可能です。
一方、YDAは、Yahoo! JAPAN及びYahoo!とパートナーシップを結んでいるウェブサイトやアプリに広告を配信します。
Yahoo!ニュース、Yahoo!天気、Yahoo!メールなどのYahoo! JAPANのプロパティをはじめ、Yahoo!とパートナーシップを結んでいるウェブサイトやアプリで広告が表示されます。
特に日本市場においては、Yahoo! JAPANのユーザーベースが大きいため、YDAを利用することで特定のユーザーグループへのリーチが強化できます。
ターゲティングの違い
GDNでは、広告主はGoogleの強力なデータを活用して、具体的なターゲット層に広告を表示することが可能です。
これには、ユーザーのデモグラフィック情報、興味・関心、ユーザーのWeb閲覧履歴や検索クエリなどを基にしたリマーケティング、特定のウェブサイトへのターゲティングなどが含まれます。
これにより、広告主は最も関連性の高いユーザーに広告を表示し、広告の効果を最大化することが可能です。
GDNにはターゲティング方法が2種類あります。
一つ目は「コンテンツターゲット」商品やサービスの内容と関連の高い内容のサイトのなかで広告が配信できます。
配信用のキーワードをあらかじめ設定しておくことで、関連性の高い内容のサイトに広告が表示されるというターゲティング方法です。
商品名や内容を知らないものの、興味がある潜在層ユーザーに対し、効率的にアプローチすることがでるのが特徴です。
そして二つ目が「アフィニティカテゴリ」というターゲティング方法です。
これは商品やサービスを知っていて、関心の高い顕在層ユーザーに対して広告を配信できる方法です。
広告の「カテゴリ」を設定すると、そのカテゴリに関心があるユーザーに対して広告が配信されるという仕組みになっています。
一方、YDAでは11種類のターゲティングを設定することができます。
性別ターゲティング | 性別ターゲティングは、ユーザーの性別を設定して広告を配信します。 設定できる性別は男性・女性・不明の3種類です。 |
年齢ターゲティング | 年齢ターゲティングは、18歳以上5歳刻みでユーザー年齢に対して広告を配信するターゲティング機能です。 |
地域ターゲティング | デバイスの位置情報を利用して、その地域にいるユーザーに広告を配信する機能です。 都道府県、市区町村単位で設定できます。 |
曜日・時間帯ターゲティング | 広告を配信するスケジュールを設定できるターゲティングです。 BtoBビジネスの場合は、平日9時から17時くらいの時間帯に広告を配信するのが効率的です。 |
オーディエンスリストターゲティング | 以下の4つに対して広告を配信します。 1.サイトリターゲティング 2.広告主が独自に作成したリスト 3.アプリの利用情報から作成したリスト 4.行動履歴が類似するユーザー |
サーチキーワードターゲティング | 指定したキーワードを過去に検索したことのあるユーザーに対して広告を配信します。 関心の高いユーザーに広告を配信できるので、効率的なターゲティングと言えるでしょう。 |
オーディエンスカテゴリーターゲティング | 「興味関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」のカテゴリーを選択し、該当するユーザーに対して広告を配信するターゲティングです。 「興味関心」では、特定のカテゴリーに興味があると考えられるユーザーに対して広告が配信されます。 「購買意向」では、特定のカテゴリーの商品を購入する意欲が高いと考えられるユーザーに対して広告を配信します。 「属性・ライフイベント」では、特定の属性を持っているユーザーや、ライフイベントを迎えるユーザーに対し広告を配信します。 |
コンテンツキーワードターゲティング | コンテンツキーワードターゲティングは、指定したキーワードに関連するWebサイトやアプリに対して広告を配信するターゲティングです。 |
サイトカテゴリーターゲティング | サイトカテゴリーターゲティングは、広告に関連するカテゴリーに属するサイトに広告を配信します。 |
プレイスメントターゲティング | プレイスメントターゲティングは、広告を配信したいサイトのリストをあらかじめ作成して広告を配信します。 最大100件のリストを作成でき、1リストあたり最大1,000件のURLを設定できます。 |
デバイスターゲティング | 広告を配信するデバイスを選択できます。 デバイスは「PC」「スマートフォン」「タブレット」から選択できます。 スマートフォン・タブレットを指定した場合は「全てのOS」「Android」「iOS」の3つから選択でき、さらに「ウェブ」「アプリ」「全てのプラットフォーム」の3つから選択することができます。 |
また、Yahoo! JAPANの会員情報を活用した詳細なターゲティングも可能で、これにより広告主は最も関連性の高いユーザーに広告を表示し、広告の効果を最大化することが可能です。
配信フォーマットの違い
GDNでは、広告主はバナー広告、レスポンシブ広告、動画広告、テキスト広告など、さまざまな形式の広告を作成することができます。
これにより、広告主は広告の内容や目的に最適な広告フォーマットを選択し、ユーザーの関心を引き付けることが可能です。
一方、YDAではバナー広告、レスポンシブ広告、動画広告、テキスト広告、インフィード広告、ブランドパネル広告などの広告を作成することができます。
GDN・YDAの共通配信フォーマットは以下の通りです。
バナー広告 (画像)
レスポンシブ広告
動画広告
テキスト広告
YDAにのみ「インフィード広告」と「ブラインドパネル広告」があります。
インフィード広告は、記事と記事の間に広告を表示することができます。
自然に記事に溶け込んだデザインで、ユーザーの閲覧を邪魔しない形で広告を表示するため、高いエンゲージメントを得やすいと言われています。
ブランドパネル広告は、Yahoo!JAPANのPCのトップページに配信する広告です
Yahoo!のTOP面という一等地にある広告のため出稿するだけでブランディングになる広告といえるでしょう。
掲載基準の違い
GDNとYDAはどちらも、広告が公正で適切であり、ユーザーエクスペリエンスを損なわないことを保証するための広告ポリシーを持っています。
その詳細はそれぞれのプラットフォームで異なりますが、基本的には不適切なコンテンツ、違法行為の推奨、ユーザーのプライバシー侵害などを含む広告は禁止されています。
それぞれのポリシーに違反すると広告の掲載が拒否されたり、広告アカウントが停止される可能性があります。
予算の管理方法の違い
GDNでは、広告主は複数の広告キャンペーンを合わせたものの合計の日々の予算を設定し、広告の表示回数(インプレッション)やクリック数に基づいて予算が消費されます。
また、広告の入札戦略を設定することで、広告の表示回数やクリック数を最大化することが可能です。
一方、YDAでは、広告主は広告キャンペーンごとの予算を設定し、Yahoo! JAPANの広告配信システムを利用して広告が表示されます。
入札価格と広告の品質スコアによって広告の掲載順位が決まります。こちらも予算の設定と最適な入札戦略により、広告の効果を最大化することが可能です。
それぞれのプラットフォームは、広告主が予算を設定し、予算内で最大の効果を得られるように最適化するツールを提供しています。
これにより、広告主は目標に合わせた最適な予算管理を行うことが可能です。
GDNとYDA(旧YDN)のバナーサイズを確認しよう
それぞれの広告プラットフォームでは異なるバナーサイズが用意されています。以下に、Googleディスプレイネットワーク(GDN)とYahoo!ディスプレイ広告運用型(YDA)で利用できる主なバナーサイズについて解説します。
レスポンシブタイプ
GDNでは、レスポンシブディスプレイ広告を作成することが可能です。
これは、ユーザーのデバイスの大きさや広告枠のサイズに合わせて広告のサイズが自動的に調整されるタイプの広告です。
アップロードされた画像、広告見出し、ロゴ、動画、説明文を組み合わせて自動的に広告が生成されるため、広告を出稿する際にサイズを気にする必要はありません。
1種類の広告を設定するだけで、すべてのサイズとフォーマットを網羅できるため、出稿しやすい広告となっています。
ただし、正方形か横長を選択する必要があるため、画像素材選びの際はその点に気をつけるようにしましょう。
掲載先もWebサイト、アプリ、YouTube、Gmailなど広範囲に渡るため、幅広いターゲットにアプローチすることが可能になっています。
一方、YDAでも、2022年10月よりレスポンシブディスプレイ広告の提供を開始しました。
以前は数多くのバナーサイズをサポートすることで対応していましたが、アップデートによりGDNと同じようにレスポンシブ広告を作成することが可能になっています。
バナータイプ
GDN、YDN で共通するサイズは以下です。
- 300×250(PC・タブレット・スマホ)
- 728×90(PC・タブレット)
- 300×600(PC・タブレット)
- 160×600(PC・タブレット)
- 468×60(PC・タブレット)
- 320×50(スマホ)
- 320×100(スマホ)
これらのバナーサイズは、広告主が広告の内容や目的に応じて選択できます。また、特定のバナーサイズは特定のデバイスや広告枠に適しているため、広告を配信するターゲットオーディエンスやウェブサイトに合わせて選択することが重要です。
GDNとYDA(旧YDN)のどちらを選んだらいいの?
まずは両方配信して、クリック率の高い方を選ぶのがおすすめ
最適な広告プラットフォームを選ぶ一つの方法は、まずはGDNとYDAの両方で広告を配信してみることです。
この方法を取る利点は、具体的なデータを基に決定を下すことができる点にあります。
両方のプラットフォームで同じ広告を配信し、それぞれのパフォーマンス(例えば、クリックスルーレート(CTR)、コンバージョン率、広告費のROIなど)を比較します。
その結果をもとに、自社にとって最も効果的なプラットフォームを選択することが可能です。
ただし、この方法には2種類分の広告予算が必要なため、予算が限られている場合は別の方法を検討する必要があります。
迷ったら、両者の特徴と自社の配信目的を踏まえて決めよう
もう一つのアプローチは、GDNとYDAのそれぞれの特性と自社の目的を踏まえて選択する方法です。
GDNはGoogleが所有またはパートナーシップを結んでいるウェブサイトやアプリに広告を配信します。
広範囲のウェブサイトやアプリがネットワークに含まれているため、リーチが広いのが特徴です。
また、Googleの強力なターゲティングオプションを活用することで、特定のユーザー群に的確に広告を配信することが可能です。
GDNは広範囲のターゲットオーディエンスにリーチすることが目的の場合や、特定のユーザーセグメントに対する微細なターゲティングが必要な場合に適しています。
一方、YDAはYahoo! JAPAN及びYahoo!とパートナーシップを結んでいるウェブサイトやアプリに広告を配信します。
特に日本市場ではYahoo! JAPANのユーザーベースが大きいため、日本市場への広告配信が目的の場合や、Yahoo! JAPANのユーザーにリーチすることが目的の場合にYDAが適しています。
どの方法を選ぶかは、自社の広告目的、予算、リソースなどによります。
例えば、ある特定のユーザーに対してリーチをしたいと検討している場合、そのユーザーがどのプラットフォームを主に使用しているかによって、選択肢は変わってきます。
YouTubeをよく見ているユーザーであればGDNを選択し、Yahooメールを利用しているユーザーであればYDAを選択する…といった具合です。
また、キャンペーンの目標(例:ブランド認知度の向上、直接的な販売促進など)も、広告を配信するプラットフォームを選択する上での重要な要素です。
また、最適なプラットフォームは一回の配信では決定しない方がベターです。
市場環境やユーザーの行動は常に変化していますので、定期的に広告のパフォーマンスを評価し、必要に応じて戦略を見直すことが重要です。
GDNとYDAの両方を用いることで、より広範囲にリーチし、結果的に広告効果を最大化することも可能です。
つまり、GDNとYDAはそれぞれ独自の強みを持つ広告プラットフォームであり、選択は自社の目標とニーズ、そして広告のパフォーマンスによって選択しましょう。
【現場でよくある事例!】GDNとYDAはどちらが費用対効果が高い?
「GDAとYDN 、どちらが効果が高いですか?」という質問をよく受けます。
予算が潤沢にあるクライアントであれば、複数広告で効果を上げたいと考えるかと思います。
GDNとYDAを比較した場合、一般的に以下のような違いがあるとされています。
・リーチ数はGDNのほうが大きい
・クリック単価(CPC)はYDAのほうが安価
・コンバージョン率が高いのはGDN
・管理画面の見やすさはGDN
・YDAは国内ユーザーへのアプローチに強み
YDAの方が費用対効果が高いと言われているのは、ズバリ「競合の有無」です。
ユーザー母数の多いのがGDNであるため、単純に「CV数」だけを比較するとGDNに有利です。
しかし、CV一件あたりの単価を見るとYDAの方が低単価なのは、同業者でYDAを出しているところがまだまだ少ないから、という理由になります。
そのため、自社の競合がYDAを出稿している場合は一旦検討するようにしましょう。
効果を最大化したい場合は両者を併用することが多いですが、広告の内容や競合の有無に応じて比較検討しましょう。
まとめ
この記事では、GDN(Googleディスプレイネットワーク)とYDA(Yahoo!ディスプレイ広告運用型)について、両者の特徴や違いについて解説しました。
ディスプレイ広告を運用していく上で、どちらの広告ネットワークを選ぶかは重要なポイントです。
GDNはGoogleが提供する大規模なネットワークである反面、YDAは日本国内で利用者が多く、地域性のあるターゲティングが可能な点で優れています。
また、両者ともリターゲティング機能を備えており、効率的な広告運用に貢献してくれます。
どちらが優れているとは言い切れません。
自社の目的やターゲット層に合わせて適切な広告ネットワークを選択し、そして運用上のテクニックを習得することで、より効果的な広告運用ができるようになるでしょう。