集客から受注まで網羅!BtoBマーケティング28施策を体系化しよう

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

BtoBマーケティングは最初の集客から受注、さらには顧客サポートまで一貫した体制を構築することで効果が出てきます。裏を返すと、集客だけに力を入れてもCV率が低ければ、コストを補うほどの成果が出ないのです。

本記事では、BtoBマーケティングのポイントとプロセスについて解説した上で、28個の施策を体系化していきます。各施策がマーケティングプロセスにおいて何を目的としているのかわかりやすくまとめていくため、自社の施策の全体像をブラッシュアップする参考になるはずです。

BtoBマーケティングを成功させるポイント

BtoBマーケティングを成功させるためには、BtoCマーケティングとは違う独特のポイントを把握しなければなりません。

以下では4つのポイントを解説します。

ロジカルに課題解決ができる商品・サービスが求められる

BtoBマーケティングに求められるのは顧客の課題のロジカルな解決です。「この会社の商品・サービスを購入すると自社の課題を解決できる」と決裁者に思わせるのが、BtoBマーケティングの一つの目的となります。

BtoCマーケティングと違って、所有や体験はBtoBマーケティングの目的とはならないのです。BtoBマーケティングを成功させるためには、顧客の課題のロジカルな解決ができる商品・サービスの構築および魅せ方を徹底しましょう。

決裁者の目線で語る

顧客に商品・サービスを選んでもらうためには、商品・サービスの導入を決める権限を有する決裁者の目線でプロモーション活動を実施する必要があります。中小企業では代表取締役をはじめとした役員、大企業では部署の管理者です。

そのため、決裁者が感じている課題をロジカルに解決する商品・サービスであるというアプローチが重要です。現場社員と決裁者では、課題に対する認識が異なるケースもあるため注意しましょう。

経営の改善にフォーカスしたアプローチが必要

決裁者の目線で商品・サービスを語る場合、経営の改善へのフォーカスも欠かせません。決裁者である役員および管理職は自らの統括する範囲において、予算と実績を管理するためです。つまり決裁者は、次のような効果の期待できる商品・サービスに関心を示します。

  • 売上高を上げる
  • 原価を下げる
  • 人件費や広告宣伝費といった販管費を下げる
  • 人や組織の管理にかかる手間を少なくする

このように、BtoBマーケティングを成功させるためには経営の視点も重要です。

マーケティングプロセスの策定

BtoBマーケティングを成功させるためには、顧客との初回接点からCVまでのプロセスを精緻に策定しましょう。以下ではプロセスを4つに分けて解説します。プロセスを頭に入れた上で、記事の後半で紹介する施策を組み合わせて自社に適したマーケティング・プロセスを策定しましょう。

潜在顧客を獲得する集客

マーケティングプロセスの1段階目は、潜在顧客へのアプローチです。潜在顧客の中にはあなたの会社の商品・サービスを認知していない顧客も含まれます。そのため、まずは潜在顧客に商品・サービスを知ってもらうところからマーケティングに着手していきましょう。

施策の例としては、SEO、リスティング広告、Facebook広告等があります。いずれもあなたの会社を認知していない潜在顧客に対して、商品・サービスを目にする機会を提供していくことが大切です。

見込み顧客を育成するインサイドセールス

潜在顧客からの認知を獲得した後は、次のステップとして潜在顧客を見込み顧客に育成していきます。潜在顧客は商品・サービスを初めて知った状態であるため、さらなる情報を提供して興味関心を育てていくのです。

施策の例としては、事例インタビュー、ホワイトペーパー、セミナー等があります。潜在顧客が知りたいと考える情報を丁寧に提供していく施策が求められるでしょう。

受注に繋げる商談

潜在顧客が見込み顧客に育ち、商品・サービスに対して一定の興味関心を有する状態になった後は、受注を視野に入れて商談の機会を作ります。見込み顧客は商品・サービスの概要を理解し、他社と比較検討している段階です。

このような状態の見込み顧客を引き込むためには、あなたの会社が大切にする価値観を伝え、他社との比較情報も説明する必要があります。

契約の継続を実現する顧客サポート

商談を経て受注を獲得した後もマーケティングは終わりません。顧客に対しての丁寧なケアを通じて、商品・サービスを継続利用してもらう状態を作ります。

商品・サービスを利用中の顧客に対するサポートを充実させ、新しい機能や業界トレンド情報を定期的に提供して関係を維持しましょう。

BtoBマーケティングにどこから着手すべきか

マーケティングプロセスは複雑な工程を持ち、どこから着手すべきかわからない場合も少なくありません。ここでは、マーケティングプロセスの着手の優先順位を解説します。上の図にある通り優先順位の高いものから解説していきましょう。

CV率の向上

着手すべき工程として優先順位が高いのは「CV率の向上」になります。理由は、WEBサイトやLPのCV率が低いと、SEOや広告でいくら集客してもCVに繋がらないためです。

CV率が低い場合は、WEBサイトやLPに見込み顧客を離脱させる原因があります。低いCV率を改善するためには次の3つに着手しましょう。

  • CTAをはじめとしたサイト導線の最適化
  • ファーストビューの改善
  • 問い合わせフォーム入力のハードルを下げる

特に問い合わせフォームの入力項目が多すぎて見込み顧客が離脱している場合は、大きな機会損失が発生しています。受注を確定させるのは商談であるため、商談に繋げる目的のフォーム入力項目はなるべく少なくしましょう。

認知による潜在顧客の獲得

CV率を改善した後に着手すべきは、SEOや広告を用いて潜在顧客を獲得する部分です。一定のCV率を有するWEBサイトやLPが走っている場合、潜在顧客の集客が上手くいく可能性が高く、それにより新規のCVが増えます。

CVから商談までのプロセス

新規のCVを継続して獲得できる状態を構築した後は、CVから商談のプロセスを見直しましょう。問い合わせ受領などのCVから商談までのステップを再確認し、見込み顧客が離脱しているポイントと原因を洗い出します。

受注による利用開始まで

潜在顧客の集客から商談までのプロセスを整えた後は、商談の受注率を改善していきます。特に商談による受注成果が担当者によって変わる場合は、属人的な状態を解消する必要があるのです。

商談成果の優れたスタッフのトークを社内に共有し、スタッフによる商談成果の偏りを解消しましょう。また商談は見込み顧客のリアルな課題や悩みに触れる絶好の機会です。そのため、受注に繋がるポイントは積極的に社内で情報を共有します。

継続利用を促す顧客サポート

集客から受注までのプロセスが上手く回るようになった後は、顧客サポートの改善です。「1:5の法則」にある通り、新規顧客への販売には、既存顧客への販売の5倍のコストがかかります。

顧客としっかりとコミュニケーションをとり、商品・サービスに対する改善点を把握し、離脱を防いでいきましょう。

マーケティング施策を体系的に整理

ここまでの内容で、BtoBマーケティングのプロセスがイメージできたでしょうか。BtoBマーケティングは、潜在顧客の集客から顧客サポートまでを精緻に設計してはじめて大きな効果が出ます。そのため各施策がプロセスの中で何を実現するものなのかを理解した上で運用しなければなりません。

次の図では、BtoBマーケティングの施策を4つに大別しました。

自社のマーケティングを改善する場合、はじめにどのプロセスの改善が必要かを考え、次に改善プロセスに必要な施策を選びましょう。記事の後半では、4つに大別した施策の全てについて紹介します。

WEBによる集客

はじめにWEB集客に関連する施策から確認していきましょう。紹介する施策は潜在顧客の獲得に使えるものです。潜在顧客とあなたの会社の初めての接点を形成する施策であるため、商品・サービスを顧客に認知してもらうことをイメージしながら確認していきましょう。

WEBサイト・LPの作成・改善

WEBサイトとLPは、マーケティングプロセスを改善する上で最初にメスを入れるべきポイントでした。以下では6つの点から作成と改善について解説します。

CV導線とCVポイント

WEBサイトとLPは、CV導線とCVポイントがわかりやすくなければなりません。「資料請求」や「お問い合わせ」は、ファーストビューに必ず設置しましょう。

CV導線は、見込み顧客がWEBサイトとLPから情報を得て、どのタイミングで資料請求や問い合わせをしたくなるのかイメージしながら構築しましょう。「問い合わせをしたいけどCTAボタンの位置がわからない」という離脱は防ぐ必要があります。

具体的なキービジュアル

サイトを訪れた見込み顧客に対して、具体的なキービジュアルとして「誰のどんな課題を解決する会社なのか」を伝えます。キービジュアルが抽象的な内容だと、その時点で見込み顧客が離脱する恐れが高いためです。

印象的なキャッチコピー

キービジュアルと関連してキャッチコピーも練ります。経営陣も現場スタッフも含めて、見込み顧客に印象を残すキャッチコピーを考えてください。

チャットツールによる疑問解決

WEBサイトやLPを閲覧している見込み顧客の疑問をその場で解決するために、チャットツールを導入するのも効果的です。メールのように時間を置かずに疑問を解決できるため、離脱を防ぐ効果が期待できます。

入力ハードルの低い問い合わせフォーム

問い合わせフォームの入力項目はなるべく少なくします。最低限、次の項目があればメールを利用して継続的なコミュニケーションが可能です。

  • 氏名
  • メールアドレス
  • 自由記述欄

フリガナや住所の項目は不要にし、見込み顧客が負担をかけずに問い合わせをできるフォームを構築しましょう。

成功事例の記載

WEBサイトとLPに載せる成功事例は見込み顧客の中でイメージを膨らませる効果が期待できます。サイトにそのまま載せてもいいですし、情報取得を目的にホワイトペーパーとしてダウンロードできる形にしてもいいです。

SEO対策

WEB集客をするためには、あなたの会社を知らない見込み顧客を会社のサイトに引っ張る必要があります。そのためSEOにもリソースを割いていきましょう。

特に受注単価が1,000万円を超えるような商品・サービスの場合は、関連キーワードに関するコンテンツを作成して、検索結果の上位を狙う価値があります。SEOは次の2つから改善していきましょう。

内部施策

SEOの内部施策には次の3つがあります。

  • カテゴリの整理等により見込み顧客が使いやすいサイトにする
  • コンテンツを充実させる
  • METAタグやコンテンツタイトルにキーワードを埋め込む

見込み顧客が欲する情報にすぐにアクセスできるようなサイト構成を心がけてください。

外部施策

SEOの外部施策としては、関連ホームページへのリンクの貼り付けを実施します。ユーザーの目的を達成するような外部リンクはGoogleに高く評価されるため、検索順位の向上が期待できるのです。

広告

潜在顧客の集客には広告も重要です。次の種類から、あなたの会社に最適なものを選択して広告運用を開始しましょう。

  • 検索連動型広告
  • ディスプレイ広告
  • Facebook広告
  • Instagram広告
  • Twitter広告
  • Wantedly People Ads
  • Eight Ads

特にSNSに広告を出稿する場合は、所属するユーザーがあなたの会社の商品・サービスにマッチするか確認する必要があります。広告から飛ぶWEBサイトやLPの構成もふまえて、潜在顧客の興味関心を充足する導線を作りましょう。

SNSによる情報発信

SNSでは同じ興味関心を持つユーザーが集まるコミュニティが形成されます。そのためSNSにおける情報発信を利用したWEB集客も効果が期待できるのです。

SNSを運用する際は、法人アカウント、代表者アカウント、社員アカウントを使い分けて情報を発信しましょう。

自社メディアにおけるブログ執筆

自社メディアにおいてブログを掲載して集客をする方法もあります。特にBtoBマーケティングの場合は、専門性の高いコンテンツを数多く扱いやすい点がブログの強みです。

検索ボリュームの多いキーワードを調査し、そのキーワードを用いて潜在顧客が解決したい課題に関連するブログを執筆します。

外部メディアに関連する施策

自社メディアと対照的に、外部メディアにおける自社の露出を増やす形で集客する手法もあります。寄稿と広告出稿が具体的な手段です。

いずれもBtoBマーケティングに関連する場合は、潜在顧客の課題をロジカルに解決する内容を心がけていきましょう。

ホワイトペーパーの作成

自社サイトにホワイトペーパーを用意して行う集客は、顧客のメールアドレスを取得できる点に強みがあります。そのため潜在顧客よりは見込み顧客を育成する起点として利用するケースが多いです。

ホワイトペーパーの内容には次の4つがあります。

  • レポート型
  • ノウハウ・解説型
  • 課題解決型
  • 導入事例型

全ての内容についてホワイトペーパーを用意できると、幅広い課題を抱えた見込み顧客との接点を構築できます。

プレスリリース

新サービスをリリースしたり、自社で調査を行った場合は積極的にプレスリリースを配信していきましょう。PR TIMESのようなプラットフォームは報道関係者も確認するため、取材やテレビ出演に結びつく可能性もあります。

メールDMとフォームDM

潜在顧客である会社のメールアドレスや問い合わせフォームにDMを送る集客方法もあります。潜在顧客の得られるベネフィットを具体的に伝えられると、DMから商談に結びつくケースがあるのです。

アナログ集客

WEB集客をまとめたところで、続いてアナログ集客を紹介します。中には潜在顧客と実際の接点を持てる施策もあるため、より深いコミュニケーションが期待できます。

マス広告

マス広告は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌を使った広告です。潜在顧客を含めた広い層にアプローチできる点に強みがあります。

ただしWEB広告と比較して費用が高くなる傾向があるため、マーケットにおける商品・サービスの認知がどのくらい進んでいるかを考慮しながらマス広告の利用を検討してみてください。

イベント開催

潜在顧客と直接コミュニケーションをとる集客施策として、セミナー、カンファレンス、研究会、ワークショップ等のイベント開催があります。潜在顧客の反応を直に確認しながらアプローチでき、再現性の高さが強みです。

イベントのスポンサード

イベントに関連して、他社開催のイベントのスポンサーになる手法も自社の認知を高めます。ただし商品・サービスに関する詳細な説明は難しいケースも多いため、活用のしどころは慎重な検討が必要です。

DM送付

DMを郵送する手法もアナログ集客の一つです。決裁者のもとには日頃から多くのDMが届くため、開封してひと目でベネフィットのわかる内容が求められます。

テレアポ

テレアポは時間的なコストこそかかりますが、決裁者と直接コミュニケーションをとることができる可能性があります。多くの企業の受付は営業を機械的に断る指示を受けているため、そこをかいくぐる提案ができるか否かが重要です。

決裁者に接続できた場合は、決裁者の語る課題をヒアリングし、問題を解決する手法をもって商談に臨むこともできます。

飛び込み営業

アナログ営業の代名詞でもある飛び込み営業は、地方の小規模企業に対して一定の効果が期待できます。決裁者にリーチできた場合は、早期に商談の機会を得られるため、他の手法と比較してスピーディーな展開が期待できます。

リファラル営業

既存顧客や取引先からの紹介を得て行うのがリファラル営業です。見込み顧客としてもすでに関係のある人物からの紹介であるため、あなたの会社に対する警戒心が薄くなる点に強みがあります。既存顧客や取引先から、見込み顧客の課題を事前にヒアリングできるとなおいいでしょう。

書籍の出版

書籍の出版を利用した営業も未だ根強い手法です。原則として、私費出版による書籍の制作は誰でも可能です。書籍を出版することで信頼性の向上を図ったり、見込み顧客に書籍を配布して、商品・サービスの興味関心を引いたりする使い方があります。

見込み顧客の育成施策

ここまでWEB集客とアナログ集客の手法をまとめました。ここからは見込み顧客を育成する手法をまとめていきます。集客はできるものの、受注に結びつかない場合に参考にしてみてください。

メールマーケティング

ホワイトペーパーや問い合わせを通じて見込み顧客のメールアドレスを入手した後は、メールを利用して見込み顧客を育成します。定期的なメルマガ送信で情報を提供し、あらかじめ設定したステップメールで育成を図ることが大切です。

メールマーケティングのゴールを明確に設定し、見込み顧客がどのようなプロセスを経て商談に至るかをイメージしながら、メールコンテンツを作成しましょう。

セミナー

セミナーはアナログ集客の項目でも紹介しましたが、見込み顧客を育成する手段としても使うことができます。セミナーで解決すべき見込み顧客の課題を設定し、次の商談へ繋がる信頼感を構築しましょう。

商談を獲得する2つの施策

見込み顧客を育成した後は、商談の獲得を積極的に狙います。そのための施策を以下にまとめました。では、確認していきましょう。

インサイドセールスチームの運用

育成した見込み顧客から商談を獲得するためには、インサイドセールスの運用が重要です。次の3つのポイントを定めて、見込み顧客に対するアプローチが機械的に行われる体制を作りましょう。

リードから5分以内に初回フォローコール

見込み顧客から問い合わせがあった場合は、原則として5分以内にフォローコールを実施します。この時間が短ければ短いほど、見込み顧客に商品・サービスを強く印象付けられます。

6回以上のフォローコール

フォローコールが繋がらなかった場合、少なくとも6回はコールを繰り返します。決裁者は単純に忙しいため、電話をとれないタイミングも多いのです。

失注顧客に対するフォローアップ

インサイドセールスチームの仕事には過去に失注した顧客へのフォローも含まれます。当時は他社サービスの利用を決断したものの、サービス乗り換えを検討する会社が少なくありません。

こうした顧客と定期的にコミュニケーションをとり、自社の商品・サービスをアプローチしていきます。

営業管理ソフトによる分析

インサイドセールスチームには、見込み顧客の状態を把握して適切な施策を実行する体制が求められます。こうした工程を人の手で行うと見落としの恐れが高まるため、営業管理ソフトの導入も検討しましょう。

過去の接触タイミングや会話内容が一元的に管理されていると、インサイドセールスチームは的確な動きができるようになります。

商談を効率化する7つのポイント

続いて商談を効率的に実施する7つのポイントを紹介します。商談は受注前の重要なプロセスですが、数を確保すると自ずと最終的な受注数も増えるため効率化の意識が重要です。

遠方の商談はオンライン商談にする

遠方の商談は原則としてオンラインで実施しましょう。特に新幹線や飛行機を使う距離の商談はよほど受注額が大きくない限り、安易な移動は効率を低下させるだけです。

各資料のフォーマット作成

商談で使用する各資料はフォーマット化し、見込み顧客の社名を挿入するだけで使える状態にしておきましょう。フォーマット化する資料には次のものがあります。

  • 提案資料・営業資料
  • 見積書
  • 競合他社との比較表
  • 納品物の例

いずれも資料で用意しておくと視覚的にも訴求できるため有利です。

事前に電話やメールで見込み顧客の課題を確認

BtoBマーケティングでは顧客の課題のロジカルな解決が求められます。これは商談についても同じです。そのため可能な限り、商談前に見込み顧客とメールもしくは電話でやりとりをして、課題を把握しておきましょう。

その上で、課題の解決方法を提示する商談を構築できると受注率が高まります。

営業ロープレの実施

短い商談時間の中で顧客の課題を解決する手段を十分に提示するためには、普段から営業ロープレを繰り返します。特に商談からの受注率の高いスタッフのトークは社内全体で参考にしていきましょう。

商談時間を30分に設定

商談時間を盲目的に1時間に設定することが多いですが、はじめから30分にすると1日の商談数を増やせます。当然ながら、時間が短いことにより顧客と十分なコミュニケーションがとれないと本末転倒になるため、十分な内容の商談ができるか否か確認してから検討していきましょう。

会社の思想とストーリーを伝える

商談では商品・サービスの詳細を見込み顧客に伝えますが、同業他社と明確に差別化できない場合は自社の思想やストーリーで見込み顧客を引きつける手法があります。

特に決裁者が単独で発注判断をする場合は、営業マンの人柄や会社のビジョンへの共感が受注に繋がるケースもあるのです。

フィールドセールスチームによるフォローアップと分析

実際に見込み顧客と商談するメンバーでフィールドセールスチームを構成し、受注率を高めるためのナレッジを蓄積するフローを構築しましょう。一つのポイントを改善するだけで受注率が向上するケースもあるため、商談に関連する知見は社内全体で活用する必要があります。

BtoBビジネスのコンテンツマーケティング実践例

これまでに、BtoB業界の企業がコンテンツマーケティングを進める際のアプローチや方法を解説してきました。さらに具体的な理解のため、実際にコンテンツマーケティングで目立った成果を挙げたBtoBの企業例を紹介いたします。

株式会社SAKIYOMI|半年間でのリード数が10件から500件へと拡大したオウンドメディア

Instagramにおける運用サポート、コンサルタントサービス、そしてツールの提供を行っている株式会社SAKIYOMIは、独自のリード取得のためのオウンドメディアを展開しております。

当初から、長期的な視点でオウンドメディアをメインにインバウンド戦略でのCV取得を考えており、内容制作はすべて社内で行っています。その結果、3カ月の間に約100の記事を作成しました。

ただし、コンテンツを掲載して一定の流入があったとはいえ、期待していた成果まで達していないという運営課題が立ちはだかっていました。

定量的な流入が確保されていることと、それに伴っての検索結果の上位表示を考慮すると、問題点として「成果に直結する動線の欠如」と判断。この点を基に、CTAの最適化と戦略的な内容の再構築を行いました。

その結果、月々のリード生成が10件から500件へと増加し、その中でも月40〜50件の安定したアポイントメント取得と、月5件の安定受注の実現に成功しました。
引用:SAKIYOMI公式サイト

株式会社ウィルオブ・ワーク|リード獲得が約26〜32.5倍の急伸展を遂げたオウンドメディア

人材の求人サイト「WILLOF(ウィルオブ)」の運営をしている株式会社ウィルオブ・ワークは、「Chance-Making Company」というブランド方針の下、人材関連のオウンドメディアを運用中です。

元々は、電話を活用したアウトバウンドのセールスを主に行っていましたが、新しい顧客をより効率的に獲得するため、インバウンドマーケティングに焦点を当てて取り組みを強化していました。

しかし、「思いつきの記事を増やしてPVを上げよう」という短期的な考えにより、実際の事業拡大との連携が途絶えていて、期待した成果が得られていない状態でした。

そのため、PVは上がっているがリード獲得に貢献していない記事を一括で削除。その上で、真の成果を明確に設定し、短期の数字追求ではなく、事業の拡大を基盤としたオウンドメディアの運営にシフトし、戦略的に記事を作成し続けました。

その取り組みが実を結び、2021年1月時点での月4、5件の問い合わせが、2022年6月には月130件近くに増加。それは約26〜32.5倍の成長を達成しました。

加えて、オウンドメディアを通じての問い合わせだけでなく、数十億円を超える売上実績も築き上げることができました。
引用:WILLOF(ウィルオブ)公式サイト

株式会社ブイキューブ|リードの増加率が10倍、受注の伸びが3倍

Webミーティングツールやウェビナー専用の動画サービス等、テレワーク関連の多彩なソリューションを持つ株式会社アルファキューブ。

こちらの企業は、オウンドメディア「テレワークナビ」及び、その他のサービスサイトを展開しています。しかし、リード取得のための効果的な手法が社内に不足という問題が存在しました。

そのため、我々とともに「持っているWebサイトのCV最適化」を目標としてプロジェクトを開始。元々月間のリード取得数が400〜500件のところを、1年間で3倍の1,500件まで増やすという目的を掲げました。

プロジェクト初期には、CVの詳細な数値が不明確でしたので、先ずはGoogleアナリティクスを整理し、さまざまなサイトのCVを正確にカウントできるシステムを確立しました。

加えて、セッションの増加を目指してコンテンツSEOの取り組みを開始。即座の成果が求められていたので、2ヶ月の間に120〜130のコンテンツを見直し、新規の記事も制作進行しました。

半年後の成果として、35のキーワードでの検索ランキング1位取得、また、上位10位内に106のキーワードがランクインと、対策キーワードでの高いランキングを実現。

セッション数は前年同期比で7倍の増加、リード数は10倍以上の伸びを示し、獲得案件率は30%アップ。さらに、受注率も前年同月に比べ3倍増と、事業の大きな発展をサポートしました。
引用:テレワークナビ公式サイト

スマートキャンプ株式会社|比較キーワードにて高CV達成

『ボクシルマガジン』は、株式会社スマートキャンプが展開するBtoB対象のオウンドメディアになります。

経費を削減し、業務を効率的にするためのクラウドサービスを導入を検討する企業関係者向けに、各ツールの比較基準や価格、特色を詳しく紹介。その媒体を通じて、多様なBtoB向けSaaSを無料で比較検討し、資料の申し込みを奨励、そしてメディアの収益化を図っています。

当社はかつて、SEOの専門知識は持っていたものの体系だった取り組みが欠け、成果が伸び悩んでいました。SNSコンテンツも制作していましたが、SNSでのバズとその継続的な効果には不確実性があったため、長期的な価値が期待できるコンテンツSEOへ主軸を移行しました。

更に、従来のSEOテクニック中心のアプローチから、ユーザー視点のキーワード選定や情報収集へと方針を転換。

その成果として、「マーケティングオートメーション比較」や「勤怠管理比較」など、実際にツールを比較しようとするユーザーが検索するキーワードでの高いランキングを確立しmこれにより、リードの増大に成功。

3ヶ月での月間訪問者が40万UUから70万UUへと成長し、リード取得数も約4,000件から倍増の結果を達成しました。
引用:ボクシルマガジン公式サイト公式サイト

まとめ

本記事では、BtoBマーケティングのポイントとプロセスを解説した上で、28個の施策を整理しました。あなたの会社で改善すべきポイントが見つかったでしょうか。

BtoBマーケティングの施策は単独で実施しても大きな効果を望めない場合があります。各施策が何を目的としたものかを理解した上で、マーケティングプロセスを丁寧に構築していきましょう。丁寧に構築したプロセスがあると、受注までのボトルネックとなっている点も見つけやすくなります。

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